Jump to the Super star!!   作:黒破リンク

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生徒会長選挙で決まった生徒会長、葉月恋。
彼女の掲げた公約と、全校生徒の前で言った言葉。公約違反の裏にある、彼女の秘密。

そして──


第8話

奏視点──

 

恋「神宮音楽学校の生徒だった母は、同じ場所に再び学校を作りたいと願い続けていました。」

 

「それで……結ヶ丘を…。」

 

恋「しかし、海外での仕事が決まっていた父は、それに反対し、家を出て行ったのです。

それでも母は、頑張って創立まで漕ぎ着けたのですが……無理をしたこともあり、2年前、帰らぬ人に……。」

 

千砂都「じゃあ、1人っていうのは本当に……?」

 

恋「はい……。」

 

可可「お金が無いというのモ……?」

 

恋「恥ずかしながら…本当です。

父は、海外で一緒に暮らそう、と言ってくれましたが、断りました。

母が遺した学校を……この街で1番の高校にしたい。より多くの生徒を集めなければ、その目標を成し遂げることは出来ません。」

 

彰人「公約違反をしてまでも、学校のために出来ることを考えた結果って事か。」

 

葉月さんの話を聞いて、俺達は帰ることにした。

 

かのん「勝手に押しかけちゃって、ごめんね。」

 

恋「いえ…。

今までの私の態度を考えたら、仕方ないです。」

 

かのん「葉月さん……。」

 

恋「あの……今日話した事は、一切口外しないでくれませんか?」

 

「でも……!!」

 

恋「生徒が不安になったり、結ヶ丘に入学したことを…後悔してほしくないのです。お願いします。」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

恋「お母様……あの時、私に何を……?」

 

恋は亡き母の写る卒業写真を見ながら呟いた。

その呟きは、本人以外に聞こえることは無かった。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

俺は家に帰って、母さんに頼んで神宮音楽学校のアルバムを見返した。

 

雫「奏?どうして急にアルバム見たいって言い出して……。」

 

「いや、結ヶ丘が生まれた理由を葉月さんに聞いたんだ。

葉月さんと話がしたくて家に行った時にアルバムを見たんだよ。

そこにあった写真を見て気になったんだよ。」

 

雫「そっか……。

もしかしたら、まだあそこに残っているかも……あの記録。」

 

「……何の記録??」

 

次の日、放課後にみんなで練習をする時間で、俺は皆の話を聞きながら考え事をしていた。

 

かのん「じゃあ、音楽科だけ学園祭を行なうってのも?」

 

彰人「入学希望者が少なかったからじゃないか?」

 

可可「優秀な音楽科だけの方が注目を集められる……」

 

すみれ「苦肉の策ってこと?」

 

可可「痛いデス!!」

 

千砂都「事情を聞けば理解出来るけど、みんなはそのこと知らないもんね。」

 

かのん「そうだね……。」

 

「でも、今のままだと葉月さんは、ずっと誤解されたままだよ。」

 

その時、下で声が聞こえた。

 

生徒A「葉月さん。これ、学園祭の決定に反対する署名です。」

 

生徒B「創立者の娘だからって、学校はあなたの物じゃない。」

 

生徒C「よく考えてください!」

 

恋「……話は生徒会を通してください。

……失礼します。」

 

生徒D「何その態度……。」

 

生徒B「信じられない!」

 

誤解されたままの葉月さんを、俺達は屋上から見てることしかできなかった。

 

彰人「チッ、見てらんねぇ……。」

 

かのん「私、どうにか出来ないか、みんなに話してみる!!」

 

俺たちは、音楽科に話をしに行ったんだけど……

 

音楽科生徒A「音楽科メインでやるのは今回だけ!」

 

音楽科生徒B「一切関わるなって言ってる訳じゃないんだよ!?」

 

思ったよりも当たりが強い。

……どいつもこいつも言いたい放題言いやがって。

 

すみれ「思ったより当たりが強い。」

 

音楽科生徒C「わがまま言ってるのは普通科の子達なんじゃない!?」

 

なっ……!!!

俺は湧き上がる気持ちを抑えて、同じ気持ちの彰人を止める。

 

彰人「てめぇら……言わせておけばっ……!!!」

 

「落ち着いて、彰人。気持ちはわかるけど抑えて。」

 

普通科の子達にも話をしに行ったのだが……

 

生徒A「参加したくない。」

 

かのん「ええっ!?」

 

生徒B「音楽科の催しに参加って、『手伝わせてあげる』みたいな話でしょ?」

 

「そうとは限らないと思うけどな……。」

 

千砂都「私は、音楽を全面に打ち出した、うちの学校らしい学園祭をやるのはいいと思うけど……。」

 

生徒C「なら、普通科も一緒にって言うのが筋でしょ!?公約でそう言ってきたんだし。

大体、なんで生徒会長の肩持つの?」

 

生徒A「そうだよ、学園祭でライブやりたいって言っても絶対に反対されるよ!?」

 

彰人「ま、そうなったらそうなったで考えるけどな。」

 

すみれ「おバカ、同じこと繰り返してどうする…。」

 

かのん「だったらすみれちゃん言ってよ……!!」

 

生徒C「澁谷さんはスクールアイドル続けたくないの?」

 

生徒B「出雲君もそうだよ!高松君とのユニットやりたいんでしょ?」

 

かのん「えぇ!?」

 

「そうだけど……」

 

生徒D「私達、応援してるんだよ?!」

 

可可「考えてみればそうでシタ…。葉月さん、スクールアイドルに反対なのデスよね!!」

 

千砂都「え?」

 

可可「可可、やはり普通科の皆さんに賛成します!一緒に戦いまショう!」

 

ちょ、可可さん!?!?

 

彰人「可可、お前これ以上ややこしくすんな!!!!」

 

結局話は平行線のまま、音楽科は学園祭の準備を進めていた。

 

かのん「どんどん進んじゃってる……。」

 

すみれ「もうお構い無しって感じね。」

 

可可「このままじゃマスマス葉月さんは……。」

 

遠くで葉月さんを悪く言う人の声が聞こえた。

 

生徒「あの人嫌い。」

 

生徒「私達だって結ヶ丘の生徒なのにね。」

 

彰人「溝は深まるばかりだな。」

 

部室に戻って、俺達は話をしていく。

 

かのん「どうしよう……。」

 

「思ったより複雑になってるね。」

 

彰人「そりゃそうだろ。

元々みんな感じてたからな。音楽科と普通科の溝。」

 

可可「とはいえ、どちらのクラスも譲歩しそうにありまセン…。」

 

かのん「だよねぇ…。」

 

恋「私のせいです。」

 

突然葉月さんが部室に現れた。

 

「葉月さん……。」

 

恋「音楽科の子に聞きました。あなた達が話をしに来たって。」

 

彰人「そうだな。

かのんさんが、自分たちに何か出来ることはないかって言ってな。

それと、葉月さん家の事は誰にも言ってねぇよ。」

 

恋「申し訳ありません……。私の発言のせいで、みんなを困らせてしまいました……。」

 

千砂都「てことは、後悔してるって事?」

 

恋「……はい。理事長にも先程呼び出されました。

『明日の全校集会できちんと話し合いなさい。そこで纏まらなければ、今年の学園祭は中止とします』。と。」

 

千砂都「そんな……。」

 

恋「母と同級生だった理事長ですが、やはり私に思う所はあるみたいで……。」

 

「今からでも間に合うんじゃない?

やっぱり普通科と音楽科で一緒にやる、って話すべきだと思う。」

 

恋「……。」

 

「まだ、何かあるの?」

 

千砂都「そうだよ、全校集会で葉月さんが話せば、それで纏まると思う。」

 

恋「……もちろん、そうしたいのですが…。

ただ、スクールアイドルは……。」

 

葉月さんは、かのんと俺に近づいて……

 

恋「スクールアイドルだけは、やめて欲しいのです!」

 

かのん「えぇ?」

 

恋「この学校で、活動しないで欲しい……!!」

 

千砂都「理由を教えてくれる?」

 

恋「……かつてここには、学校を廃校から救うためにアイドル活動をする生徒がいました。

それが、私の母です。」

 

「……だからここに学校アイドル部のプレートが残ってたのか…。」

 

恋「まだスクールアイドルと言う言葉が生まれるずっと前の事。母達の活動は評判になり、注目を集めました。でも、目標は叶わず、学校は廃校に……。

……だから私は、母が新たに作ったこの学校で、スクールアイドルを始めようと思っていました。」

 

全員「「「「「「えぇ!?」」」」」」

 

恋「母が願ったスクールアイドル活動で、学校を盛り上げようと。」

 

可可「あんなに嫌がってまシタデスのに!?」

 

恋「ですが……。」

 

かのん「じゃあ一緒にやろうよ!!それこそ、私達で力を合わせれば──」

 

恋「何も残っていないのです……!!いくら探しても、スクールアイドル活動の記録だけ……残っていないのです……!!他の学校生活の記録は残っているのに……学校でアイドル活動をしていた、その記録だけがどこにもない。」

 

俺はその言葉を聞いて、昨日母さんが言っていた言葉を思い出す。

 

雫『もしかしたら、まだあそこに残っているかも……あの記録。』

 

恋「それで思ったのです。もしかしたら、母は後悔していたのではないか。スクールアイドルでは学校を救えないと……感じていたのではないかと……。」

 

彰人「……そう決まったわけじゃないだろ?」

 

恋「なら、どうしてないのです?!大切な思い出の写真1枚残っていないなんて、あると思いますか!?」

 

部室での話を聞いて、俺達はかのんの部屋に行って話し合っていた。

 

千砂都「どう思う?」

 

可可「あの人の気持ちはわかりマスが、だからと言って、スクールアイドルを禁止にするのはやっぱり酷すぎると思いマス!!」

 

すみれ「少なくとも、私らにはなんにも関係ないことだもんね。」

 

千砂都「かのんちゃんは?」

 

かのん「私、スクールアイドル活動を後悔していたようには、どうしても思えない。葉月さんの家で見た、あのお母さんの笑顔は、ものすごくキラキラしてた。

私、確かめたい。」

 

「………。」

 

彰人「奏?どうしたんだ?」

 

「俺、母さんに見せて貰ったんだよ。神宮音楽学校のアルバム。

そしたら母さんが、『もしかしたらまだあそこに残っているかも……あの記録』って呟いたんだよ。

それがずっと気になっててさ。」

 

彰人「奏の母さんが言ってた、『あの記録』ってのが、もしスクールアイドル活動の記録なんだとしたら……」

 

「葉月さんの誤解を、解けるヒントになる気がするんだ!!」

 

家に帰って、俺は家にいた母さんに学校アイドル部のことを聞いた。

 

「母さん、学校アイドル部の部員だったんでしょ!?」

 

雫「えぇ……そうだけど…」

 

「その時の記録ってある!?」

 

雫「確か……神宮音楽学校のどっかに残したはずなのよねぇ……。

もう何年も前の事だから完璧には覚えてないわよ?」

 

「そっか……。」

 

雫「でも、確か部室かどこかに置いておいたはずのよね……。

……花さんと一緒に、『私達の大切な思い出を、学校が1つになれた記録をしっかり残しておこう』って。」

 

「ありがとう、母さん!!

これで葉月さんの誤解も、スクールアイドルも……結ヶ丘でちゃんと出来る!!」

 

次の日、俺とかのんは理事長に保管してある神宮音楽学校の記録を見せて貰えないかと頼み込んだ。

 

理事長「神宮音楽学校の記録?」

 

「はい!!保管してあるものを見たいんです!!」

 

かのん「お願いします!!」

 

理事長「……まもなく全校集会ですよ。」

 

「それまでには必ず返しに来ます!!!」

 

理事長「……散らかさないように。」

 

俺達は、保管してある神宮音楽学校の記録を片っ端から捜索した。

 

かのん「違う……。」

 

千砂都「これも違う……。」

 

すみれ「当時の部活の記録はあるけど、学校アイドル部のだけはないわね……。」

 

可可「こちらにもないデス……。」

 

恋「何度も探しました……。」

 

彰人「葉月さん……。」

 

恋「そこだけ記録がないのです。あえて処分したとしか……。」

 

彰人「何か言ってなかったのか?」

 

恋「いえ……。小さな頃聞かされたかもしれませんが……。

……ただ、いつも口癖のように、『同じ場所で、想いが繋がっていて欲しい』と。」

 

かのん「同じ場所……。」

 

千砂都「だからここに学校を作ったって事だよね。」

 

彰人「チャイム……。時間切れ……か。」

 

恋「全校集会が始まります。

……行かなくては。」

 

千砂都「どうするの!?」

 

恋「正直に皆に話すしかないでしょうね。

この学校の現状を。どうなるかは、分かりませんが。」

 

「同じ場所で……想いが繋がっていて欲しい……。そうか!!」

 

俺は1つ、記録が残っていそうな場所を思い出した。

 

「待って葉月さん!!」

 

かのん「この部屋の鍵は、葉月さんが渡してくれたんだよね!!」

 

恋「あぁ…理事長が見当たらないと言うので…家を探したら、私の机から……」

 

「やっぱり……!!残ってるとしたら、ここしかない!!」

 

恋「澁谷さん!?出雲さん!?廊下は走ってはいけませんよ!?」

 

部室に来て、かのんと俺は最初に何があったか思い出そうと可可さんに聞いた。

 

かのん「最初この部室に来た時、何があったっけ!?」

 

可可「特には……。」

 

すみれ「ここにあるの?」

 

「わかんない……!!けど、残ってるとしたらここしかない!!

頼む、この部室にあってくれ……!!!」

 

俺とかのんは、奥の扉を開ける。

 

彰人「そっちは確か、何も無かっただろ?」

 

千砂都「ただの物置だよ?」

 

かのん「何か……何かがここに……!!」

 

「この箱……鍵がついてる?

もう1つのこの鍵が合えば……!!」

 

そうして俺は、部室の鍵に付いていたもう1つの鍵を見つけた箱に刺した。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

司会「ではこれより、全校集会を始めます。

まず初めに学園祭について、生徒会長より話があります。」

 

恋「……生徒会長の葉月恋です。

学園祭の話をする前に、まず、先日の私の発言によって学校を混乱させてしまったことを謝らせてください。……すみませんでした。

不快に思った人や、怒りを感じた人も多かったと思います。ただ、私はこの学校の良さを外の人に知ってもらうために──」

 

「普通科はどうなるんですか!?」

「学園祭に参加できるんですか!?」

 

恋「えっと……」

 

「音楽科でなくても歌いたいです!!」

「私にチャンスは!?」

「音楽科の手伝いだけなんて酷すぎます!!」

 

体育館に響く、普通科の生徒達の声。

恋は、その言葉を受け止めていた。

 

「スクールアイドルもやっぱり活動は禁止なんですか!?」

「この学校で1番結果を出しているのに!!」

 

恋「それだけは……」

 

かのん/奏「「待って!!」」

 

ヤエ「かのんちゃん?」

 

あるノートを持って、かのんは恋の元まで歩いていく。

奏はそのノートが入っていたと思わしき箱を持っていた。

 

奏「葉月さん。俺とかのんから、話したいことがあるんだけど、いいかな。」

 

恋「澁谷さん……、出雲さんまで……。」

 

理事長「いいでしょう。壇上に。」

 

理事長の許可が降り、奏とかのんは壇上に上がる。

 

かのん「すごい注目されてる……。」

 

奏「葉月さん、この箱の中にこのノートがあった。

『神宮音楽学校アイドル部』の記録。」

 

かのん「さっき、スクールアイドル同好会の部室で、このノートを見つけました。

……この学校ができる前、ここにあった神宮音楽学校の生徒達が書いたものです。」

 

奏「その生徒達は、廃校の危機が訪れた時、アイドル活動で生徒を集めようとした。……その時の日誌にこう書いてありました。」

 

かのん「『学校でアイドル活動を続けたけれど、結局学校は無くなることになった。廃校は、阻止出来なかった。でも、私達は何一つ後悔していない。』」

 

恋「えっ?」

 

かのん「『学校が1つになれたから。この活動を通じて、音楽を通じて、みんなが結ばれたから。最高の学校を作り上げる事が出来たから!』」

 

恋「お母様……!」

 

奏「『一緒に努力し、一緒に夢を見て、一緒に一喜一憂する。そんな奇跡のような時間を送る事が出来たから。だから私は、皆と約束した。結ぶと文字を冠した学校を、必ずもう一度ここに創る。音楽で結ばれる学校を、ここにもう一度創る。それが私の夢。どうしても叶えたい夢。』

 

──この学校を創った葉月さんのお母さんは、俺の両親とも繋がりがあった。

葉月さんのお母さんは、音楽で結ばれることを望んでたんだよ。この学校は、その夢を叶えるための学校。

──普通科も音楽科も、心が結ばれている学校。」

 

かのん「スクールアイドルは、お母さんにとって最高の思い出だったんだよ!」

 

恋「最高の……思い出……。」

 

花『恋。スクールアイドルは、お母さんの最高の思い出。』

 

恋は亡き母の言葉を思い出し、涙を流す。

 

可可「これも、ノートと一緒に。」

 

可可は、箱に入っていた衣装を恋に手渡す。

 

恋「お母様……。お母様っ……!!お母様っ……!!」

 

その衣装を抱きしめ、恋は大粒の涙を流した。

そして、全校生徒の拍手が、体育館中に響き渡った。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

奏視点──

 

全校集会も終わり、残っている活動の記録を理事長に確認してもらった。

 

理事長「よいしょっ。

──はい。残っていたお母さん達の活動の記録。」

 

恋「理事長は知っていたんですよね?お母様が、スクールアイドル活動をしていた事。」

 

理事長「まぁね。私は応援する側だったけど。」

 

恋「どうして言ってくれなかったのですか?」

 

理事長「責めないでよ。

『何も言わないで欲しい』って、『ただあの子が自分で決めるのを見守っていて欲しい』って。

──はぁ、全く迷惑ったらありゃしない。」

 

「ところで……。」

 

かのん「その口調は……。」

 

理事長「あぁ〜…元々はこういう性格なの。

分かったら早く行く!学園祭の準備準備!」

 

3人「「「はい!!失礼します!」」」

 

俺達はそうして、理事長室を出た。

 

恋「すみません、私のせいで学園祭の準備がだいぶ遅れてしまいましたね。」

 

かのん「来て!」

 

中庭に行くと、そこでステージを作っていた。

 

彰人「OK、そこでストップー。脚立はこっち!あとその周りの装飾はまだだぞー!!」

 

現場監督は趣味で日曜大工をしてる彰人が担当している。

極力彰人の負担にならないようにってみんなで手分けして作業していた。

 

彰人「……うっし!一旦ストップ!

俺今からちょっと抜ける!!」

 

生徒一同「「はーい!!」」

 

恋「これは……スクールアイドルの…?」

 

「そう!みんなで作っている、学園祭ライブのステージ!」

 

恋「みんなで……!」

 

かのん「ねぇ、葉月さん。」

 

かのんと俺は、最初に葉月さんと出会ったあの場所で葉月さんをスカウトしていた。

 

かのん「葉月さん。……ううん。『恋ちゃん』。

一緒にスクールアイドル、始めませんか!」

 

恋「……今まで、澁谷さん達の邪魔をし続けてしまった私に、そのような資格は……。」

 

かのん「私、恋ちゃんと一緒にスクールアイドルとして歌いたい。この学校のために……いや、この場所で創られた、沢山の思いのために!」

 

恋「……。」

 

千砂都「大丈夫っ。出来るよ!」

 

すみれ「素直じゃないわね。」

 

可可「私達はいつでもファインファインですよ!」

 

彰人「お母さんの想いを繋げよ、生徒会長!」

 

「恋さん、みんながあなたを待ってる!」

 

風が吹き……背中を押されるように恋さんが1歩前に出る。

そして……かのんの手を握った。

その瞬間、クラスメイト達の拍手が飛び交う。

 

彰人「んじゃ、みんなで学園祭の準備始めようぜ!!」

 

生徒達「「おーー!!!」」

 

「第1回学園祭は次の日曜です!」

 

可可「レインボーたこ焼きも発売しマスよ!」

 

すみれ「よろしくお願いしまーす!」

 

すみれさん、またグソクムシ着せられてる……。

 

それから、恋さんを加え、新体制になった同好会の練習が始まる。

 

千砂都「1,2,3,4,5,6,7,8!1,2,3──」

 

屋上で、俺達は一時休憩を取っていた。

 

可可「すごいデス、レンレン!流石、フィギュアスケートをやっていただけありマス!

グソクムシとは大違いデス!」

 

すみれ「だからその名前で呼ぶなって!!」

 

恋「嬉しい……!」

 

千砂都「入ったばかりなのに、むしろ皆を引っ張っていけるくらい!」

 

恋「言い過ぎです…///」

 

かのん「恋ちゃん、センターやってみない?」

 

恋「えっ…!?」

 

かのん「この学校の初めての学園祭だよ?」

 

恋「それは……そうですが…。」

 

かのん「それに、私が歌って欲しいんだ。恋ちゃんに。」

 

千砂都「私も賛成かな!」

 

可可「可可もいいと思いマス!」

 

彰人「俺も賛成。学園祭ライブは、恋がやってこそだろ?」

 

「恋さんに立って欲しい。きっと、学校の皆もそう思ってるはずだよ。」

 

すみれ「私はセンターをやるのは、もっと大きなステージって決めてるから。」

 

彰人「うるせぇ、ギャラクシーグソクムシ。」

 

すみれ「彰人!!あんたねぇ!!!」

 

下で学校の皆が着々と学園祭の準備をしていた。

その風景を俺達は屋上から見ていた。

 

恋「こんな遅くまで……。」

 

「学校を盛り上げたいんだよ。自分達が作っていくんだって、皆言ってたよ。」

 

恋「入学希望者……増えるでしょうか…。」

 

かのん「正直言うと、分からない。けど、やるしかない。信じるしかない。」

 

恋「強いのですね。かのんさんは。」

 

かのん「そんなことないよ。ただ……私ね、始まりの瞬間が好きなの!」

 

恋「え?」

 

かのん「そうだ!」

 

かのんはピースサインを前に突き出した。

──いつものあれだね。

 

恋「なんです?」

 

かのん「せっかくだからやってみようと思って!」

 

彰人「よっしゃ、やろうぜ!」

 

可可「わぁ〜!!

もしかシテ!やりマス!!可可、夢見ていまシタ!!」

 

千砂都「うぃっす、じゃダメなの?」

 

可可「スクールアイドルデスから!」

 

「これは俺達の決意表明の証、だね!」

 

かのん「この学校を歌で結んで行こう!」

 

そしていよいよ迎えた、学園祭ライブ。

かのん達の出番前に、まずは俺達で皆を盛り上げる!!

 

「行こうぜ、相棒!」

 

彰人「おう!!激熱で最高のバトン、繋いでやろうぜ!!」

 

俺達はグータッチを交わして、ステージに出る。

 

「こんばんは、BAD SOULです!!」

 

彰人「みんな、盛り上がっていけるかぁぁぁぁっ!!!!」

 

「聴いてください!!『Steady Goes!』」

 

島で作った新曲……今ここで披露する!!

 

「はるか遠い道 先を歩くあなたも」

 

彰人「きっと」

 

「始まりの日は」

 

彰人「同じ」

 

「一歩だろう

淡い光さえ 君は力に変えて」

 

彰人「そうだ」

 

「旅立ちの」

 

彰人「時は」

 

「近づいている

とらわれた「「心」」空にほどいて 僕らどこへ行こう?

ねぇ 迷いがちだけれど 信じている 君となら 星屑の尾も掴めるかな

出航(たびだて)!夜空の光つなぎ」

 

彰人「Starlight!」

 

「星から星へめぐる」

 

彰人「Sailing!」

 

「闇の先は手探りだけど きっと瞬いた星座は 示すよ一瞬の」

 

2人「「Argonavis」」

 

「僕らを照らした」

 

2人「「迷わず進もう!宜候(ヨーソロー)! Steady As She Goes!」」

 

俺達は歌い終わってマイクを持った手を振り上げた。

 

「ありがとうございました!!BAD SOULでした!!」

 

彰人「次はいよいよお待ちかねの、結ヶ丘スクールアイドル部のライブだぜ!みんな、楽しんでくれよな!!!」

 

俺達は舞台裏に下がって、かのん達にバトンタッチする。

 

「みんな、後は頼んだよ!!」

 

かのん「うん!!」

 

俺達はそのまま舞台裏の奥へと進んでいく。

 

千砂都「待って!!円陣、一緒にやろ!」

 

「……?わかった。」

 

俺達は合流して一緒に円陣を組んだ。

 

かのん「1!」

 

可可「2!」

 

すみれ「3!」

 

千砂都「4!」

 

恋「5!」

 

「6!」

 

彰人「7!」

 

かのん「結ヶ丘高校スクールアイドル部!

Song for me! Song for you!」

 

全員「「「「「「「Song for All!!」」」」」」」

 

そのままかのん達はステージに上がった。

 

全員「「「「「Sing along with me」」」」」

 

恋「そう出会った日感じてた

叶えたい気持ち 膨らんでゆく」

 

千砂都/可可/すみれ「「「Starting day」」」

 

かのん「消えないように 震えながらキミが

握りしめてたもの 一緒に守るよ」

 

千砂都「朝の眩しい陽射しも」

 

すみれ「突然の通り雨も」

 

可可「すぐそばで」

 

千砂都/すみれ/可可「「「笑いあうだけで」」」

 

全員「「「「「かけがえない瞬間になる

その胸にいだいてる熱い想い」」」」」

 

かのん「五線譜のうえ」

 

千砂都「結んで」

 

かのん/千砂都「「青い空響かせるの」」

 

全員「「「「「君にはもう涙は似合わないよ」」」」」

 

恋「みんなで行こう」

 

すみれ「信じ続けよう」

 

可可「どんな時でも」

 

かのん/可可/恋「「「勇気をくれる」」」

 

全員「「「「「 Wish Song」」」」」

 

すみれ「いつの日か聞いた」

 

千砂都「希望のメロディが」

 

可可「すばらしい明日をつくったの」

 

恋/かのん「「抱きしめて連れてゆこう」」

 

恋「五線譜の上」

 

かのん「結びあわせた未来は」

 

全員「「「「「ひかりに満ちあふれてる

キミにはそう笑顔が一番だよ

みんなで行こう 信じ続けよう どんな時でも

勇気をくれるWish Song」」」」」

 

スクールアイドル部全員が、ライブを終えた。

 

かのん「奏君!彰人君!」

 

俺達の名前が突然呼ばれ、ステージにもう一度上がった。

そして、俺が千砂都の、彰人がすみれさんの隣に立って手を繋ぐ。

 

かのん「私達は、結ヶ丘高等学校の!」

 

全員「「「「「「「スクールアイドルです!!」」」」」」」

 

……To be continued




円陣のシーン、奏と彰人を入れてやるかやらないか、本気で悩みました。
同じ歌を歌うことはなくても、かのん達と同じスクールアイドル部のメンバーという事で入れました。
賛否両論あるかと思いますが、受け止めるつもりです。

使用楽曲:Liella!『Wish Song』、Argonavis『Steady Goes!』

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