Jump to the Super star!! 作:黒破リンク
練習に上手くついていけないきな子のためにどうするべきか苦心するスクールアイドル部の面々。
零が知った賢汰の過去。賢汰は幼馴染である鬼塚夏美と再会。奏と彰人の見たL tube期待の新人、『SNOW』の正体とは──
彰人視点──
部室の前に入部受付のカウンターを用意して、俺とすみれ、可可の3人で待機していた。
可可「やはり、すみれのせいで誰も来まセン。」
すみれ「なんで私。」
可可「それ以外考えられないデス。」
すみれ「失礼な。」
きな子「どうもっす。」
階段を見ると、きな子が上に上がってきていた。
可可「あ、きなきな!」
「どうだ?1年生、声掛けられた?」
きな子「すみません、何人か声をかけてみたんですけど、みんな及び腰で……。」
可可「やっぱりすみれのせいデスか。」
すみれ「しつこい!」
きな子「多分、きな子が悪いんです。」
全員「「「え?」」」
きな子「きな子がいるから、きっと……。」
すみれ「何言い出すのったら言い出すのよ!?私の責任だって言ってるでしょ!?」
可可「そうデスそうデス!!」
すみれ「そう!私にもっとオーラさえあれば……ってじゃかぁしい!!」
部室に移動して、俺たちはきな子ちゃんと話をしていた。
「練習が?」
きな子「はい…クラスに練習中のきな子を見たって子が何人かいて、それがすごい厳しそうに見えたらしくて……」
恋「そういう事ですか……。」
きな子「先輩達が悪いわけじゃないんす!!それもこれも、きな子が運動苦手なのがいけないんす!!
だから余計……。」
可可「平気デスよ!
少し練習して慣れてくれば……。」
奏「でも、その頃に勧誘しても遅いよね。
ラブライブも、ワイルド・バトルフェスもあるし。」
千砂都「……練習メニュー、少し簡単にしてみる。」
全員「「「「「「「え!?」」」」」」」
きな子「そんな!!それは違う気がするっす!!」
恋「その方が得策かもしれません。」
かのん「恋ちゃん…。」
恋「たしかに、ラブライブで優勝したいという気持ちは私にもあります。
ただ、それ以上に……この学校にスクールアイドルを根付かせたい。母が始めた想いを、みんなで繋げていきたいのです。」
すみれ「お母さんが始めたんだものね。」
恋「沢山の1年生が入部できる環境を、我々がつくり、この学校のスクールアイドル活動を広げてゆくべきではないかと。」
奏「どう思う?かのん。」
かのん「……うん。実際、何か変えていかなきゃだもんね。
……だったら──」
スクールアイドル部のポスターの『ラブライブ!&ワイルド・バトルフェス優勝!』の文字を『出場!』に変えた俺達。
……これでいいのか。本当に。
可可「これでいいデスね。」
かのん「うん。」
千砂都「練習メニューはこっちに貼ったよ。」
すみれ「練習たったの1時間!?こんなのでラブライブ間に合うの!?」
可可「あーだこーだ言うなら自分で案を出すのデス。」
すみれ「だってあんた、優勝しないと上海に……」
可可「すみれが気にする事ではないデス。」
千砂都「さらに、1年生を集めるために……!!」
んで、勧誘の為にと配り出したのが……たこやき。
……すっげぇデジャブ。
奏「いいの?これ。」
「さぁ?理事長に怒られたらそん時はそん時。」
奏「これで増えたら、いいんだけどね。」
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次の日──
奏視点──
「んんっ……。眠っ…。」
朝5時。
俺は目が覚めた。
「練習……はないんだった。」
練習のない朝……暇だな…。
……曲でも作るか。
俺は布団から起きてパソコンと睨めっこする。
作業を開始して1時間が経った頃、ふと携帯が鳴った。
「ん?」
画面を見ると、賢汰君からだった。
賢汰【おはようございます。突然連絡してすみません。】
【おはよう。朝早くにどうしたの?】
賢汰【奏先輩……俺に曲を作らせてください。】
【急だね、何かあったの?】
賢汰【いえ、特段何かあったわけではないんですが……昔作った曲のデータが携帯に残っていて。
それで先輩達の負担を少しでも減らせないかと思い立って連絡しました。】
【そっか。】
賢汰【そこでなんですが……俺に打ち込みデータの作り方を教えてください。
実は俺、音楽ソフトで曲を作ったことがなくて。】
【そうなの?】
賢汰【はい。作った曲は、ギターの音と自分の声をそのまま録音してって感じなので……】
【わかった。じゃあ後で教えてあげる。】
賢汰【ありがとうございます。】
それからまた時間が経って、俺は学校に向かう道中に聴いてた音楽アプリでいい曲が流れてきた。
画面を見てみるとそこには『コワレヤスキ』と書いてあり、アーティストの名前を見ると『Guilty Kiss』……。
「この重厚感あるロック…いいな。」
そう思いながら俺は信号で止まった時に『Guilty Kiss』の3人について調べていた。
……ん?この3人どっかで……。確かスクールアイドルの事を調べていた時に見たような……。
……あ!!!この人たち、伝説のスクールアイドル『Aqours』の3人だ!!!
「……こんなロックな曲も作れるんだ、すごいな……。」
重厚感あるサウンドなんだけど、歌詞の内容が少し繊細な人を表しているみたいだ……。
あ、切り替わった。今度は『Dazzling White Town』……こっちは彰人好きそうなメロディーしてる。
この人達が伝説のスクールアイドル『Aqours』のライバル、『Saint Snow』…。
それから放課後、俺達は練習に励んでいた。
千砂都「残り5秒〜!!
……3,2,1、はい終わり〜!はい、じゃあ今日はここまで!」
Liella!2年生「「「「「「え!?」」」」」」
可可「もう終わりデスか?」
千砂都「うん、この前決めたメニュー通りだよ。」
すみれ「流石に歯ごたえないわね……。」
あ、ちょ、すみれさん!!
彰人「おい、すみれ。」
すみれ「……!?」
……すみれさんは息の上がっているきな子ちゃんを見て、失言に気づいたようだ。
すみれ「あ〜!!や、けど結構疲労溜まったかも?」
恋「そうですよ、足りない人は各自家でレッスンしましょう!」
千砂都「じゃあストレッチしまーす!!」
かのん「気にしちゃダメだよ。」
「きな子ちゃんは自分のペースでいいんだ。」
きな子「かのん先輩…奏先輩……!」
かのん「みんなで決めたことだし、もう少しこれでやってみよう?」
きな子「……はい。」
きな子ちゃんはふと屋上の扉の方を見てびっくりしてた。
……どうしたんだろう。
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零視点──
下校しようとしていた時、米女さんときな子ちゃんが話しているのを目撃した。
きな子「パンは食べてしまったので、今はこれしか──」
メイ「ちげぇよ、何勘違いしてんだ。」
四季「気にしちゃダメ。これがメイの普通。」
2人「「うわぁ!?」」
きな子「なんすか…?」
メイ「なんでお前がいるんだよ。」
四季「偶然。
……構わず話して。スクールアイドルの話。」
きな子「スクールアイドルの話?」
メイ「べ、別に私はそんなこと話すつもりは──」
四季「違うの?
……後、そこにいるのはわかってるよ、今井くん。」
え、バレてた!?!?
「完全に気配消してたつもりだったんだけどな……。
あ、お気になさらず、話していいよ。」
メイ「……はぁ。
桜小路はさ、やってみたいと思ったんだろ?スクールアイドル。」
きな子「え?」
メイ「だから入ったんだろ?
優勝目指してて、練習も厳しいって知ってて入ったんだろ?」
きな子「それは……そうっすけど……。」
メイ「だったら、そのまま突き進んでくれよ。
自分がやりたい、目指したいって思ったこと、信じてみろよ。周りの声なんて、気にするな。」
きな子「……!!」
そう言われたきな子ちゃんは何かを決意したような顔をしていた。
その日の夜、俺ときな子ちゃん、賢汰の3人で作った『スクールアイドル部2期生』のグループチャットで、話をしていた。
きな子【突然連絡してすまないっす。】
賢汰【どうしたんです?きな子さん。】
きな子【きな子、考えたんす……。スクールアイドル部の練習メニューの事。】
【練習メニューの事?】
きな子【きな子や他の1年生のために決めたことなのはわかってるんす。だけど、それで先輩達の夢を変える先輩達は見たくないんす……きな子は、Liella!の先輩達と優勝を目指したい!!】
【……俺も、きな子ちゃんと同じ意見だ。
俺の憧れた先輩達が、こんなんで満足できてるなんて思えねぇからな。】
賢汰【……俺は、2人の意見に賛同するよ。
俺は先輩達の夢を叶えたい…先輩達の音楽を、支えたい。だから、どんな事だって乗り越えたい。】
きな子【零くん……賢汰くん…!!】
【んじゃ、明日の練習の時言ってみようぜ。
俺達の本音、先輩達にぶつけてやろう。】
きな子【はい!!】
そうやってメッセージを残して俺は眠りについた。
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奏視点──
朝5時。
かのんと一緒に走りこみに行っていた俺たちの前に、きな子ちゃんが現れた。
きな子「かのん先輩、奏先輩!」
かのん「きな子ちゃん…!」
きな子「やっぱり、きな子は練習しなきゃと思って…。」
かのん「実は私たちも、全然落ち着かなくて。」
恋「何故ここに!?」
千砂都「わぁ!きな子ちゃんまで!!」
続々とスクールアイドル部の皆が集まって来た。
すみれ「皆自分だけ練習しようだなんてずるいわよ。」
可可「こんな所で鉢合わせるなんて。」
彰人「しかも、同じ時間にな。」
零「こんな偶然、あるんすね!」
賢汰「まるで奇跡ですね。」
「みんな……!!」
きな子「……あの!」
全員「「「「「「「??」」」」」」」
きな子「やっぱり、戻しませんか!」
零「きな子ちゃん…?」
きな子「きな子がこんな事言うのは、失礼かもしれないっすけど……きな子も、やっぱりLiella!さん達と優勝目指して頑張りたいんす!!
……きな子が憧れたのは…こんなふうになりたいって思ったのは…優勝目指して、必死に頑張ってる先輩達なんです!!大変でも、前向きに頑張ってる先輩達なんです!!」
恋「ですが……。」
きな子「……わかってます…。でも……でも……!!」
きな子ちゃんは涙ぐんで、俺達に本音を言ってくれた。
零「俺からも、お願いします。」
きな子「……!!!」
零「……俺は、ラブライブやワイルド・バトルフェスで活躍する先輩達を見てました。
部員が集まらなくて悩んでるのも、わかってます。きな子ちゃんや、新しく入るであろう1年生のためだってのもわかってます。
……でも!!それで夢を変える先輩達は見たくない!!俺の憧れた先輩達は、いつでも輝いてて…かっこよくて……勇気を貰える…そんな人達なんです!!
だから!!!俺からもお願いします!!!」
賢汰「……2人の気持ち、わかってやってください。」
かのん「……私もずっと思ってた。これが本当に、いいことなのかなって。」
きな子「先輩……。」
かのん「メニューを戻したら、1年生が入ってこなくなっちゃうかもしれない。きな子ちゃん達3人だけってことになってしまうかもしれない。
……それでも、頑張ってくれる?」
きな子「はい!」
かのん「一緒に、優勝目指してくれる?」
きな子「はい!!」
賢汰「もちろんです。」
零「どんな壁だって、乗り越えてやります!!」
かのん「いい?」
かのんは振り返って、俺達に意見を求めた。
「いいよ。」
千砂都「私は賛成っ。」
きな子「きっと伝わると思うんです!
大変でも、やりたいことを続けていれば、その先にある楽しさは大きくなるって!皆と一緒に、やってみたいって思えるものが作れるんじゃないかって、そう思うんす!!」
恋「……!!」
きな子「すいません、出過ぎた真似を!!」
恋「いえ、その通りだと思います。」
かのん「恋ちゃん……!」
恋「信じましょう、スクールアイドルの力を。私達の想いは、きっと届きます。」
きな子「はい!!」
千砂都「危うく目標を見失うところだったね。」
すみれ「不覚ったら不覚だわ。」
可可「目の前のことに気を取られすぎまシタ。」
恋「目指すべきものは、変わりません!」
彰人「あぁ、俺達の目指す景色!」
「そこにはある、最高の時間!」
俺たちは円陣を組んで、3人を呼んだ。
かのん「きな子ちゃん!」
彰人「零!」
「賢汰くん!」
3人が走ってきて、円陣に混ざる。
かのん「私達はLiella!」
「そして!!俺たちはBAD SOUL。」
かのん/奏「「私(俺)達が目指すのは!!」」
きな子「ラブライブ!」
零/賢汰「「ワイルド・バトルフェス!」」
全員「「「「「「「「「優勝!!」」」」」」」」」
俺達の目指す目標が、改めて決まった。
学校のポスターにつけた貼り紙を剥がして、俺達の目標を再認識して。
そして、放課後の練習時間──
きな子「ひぃ〜〜!!」
かのん「じゃあもう1周行くよ〜!!!」
零「押忍!!」
俺達は、再び元の練習メニューで練習を始めた。
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??視点──
結ヶ丘高等学校の前で俺たちは立ち止まる。
そして、俺の隣に立ってる幼馴染が呟く。
??「……澁谷、かのん。」
「……どうした、『マルガレーテ』。」
マルガレーテ「別に。なんでもないわよ。
……行くわよ、『冬弥』。」
スクールアイドル部……BAD SOULか。
……どんな奴らだろうが関係ねぇ。
俺は俺の音楽を……あいつらに……世界に見せつけてやるだけだ。
スクールアイドルとやらの音楽が、どれだけ無価値かってのを。
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P.S:さくちゃん、おかえりなさい!!