Jump to the Super star!!   作:黒破リンク

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スクールアイドル部に用があると言って訪問した1年生、『鬼塚夏美』。
賢汰の幼馴染である彼女はスクールアイドル部をプロデュースしたいと言い出し、スクールアイドル部の日常として動画をL tubeにアップすると宣言。

夏美の思惑に気づかないLiella!のメンバー。その一方で、L tubeで長く活動している奏と、彼女の幼馴染である賢汰は彼女の思惑に気づいており……


第5話#2

賢汰視点──

 

夏美「オニナッツ〜!あなたの心のオニサプリ、オニナッツこと、鬼塚夏美ですの〜!!

本日はスクールアイドル部の皆さんの練習にいよいよ密着ですの!

ラブライブとワイルド・バトルフェス優勝候補のLiella!とBAD SOULがどんな練習をしてるか!

全国のファン、そしてスクールアイドル注目の動画ですの〜!!気になるあなたは、チャンネル登録&高評価お願いですの!

それが夏美の心のサプリですの〜!」

 

メイ「相変わらずうるせぇな……。」

 

きな子「今日も暑いっすね……。」

 

四季「ちょっと心配。」

 

零「……??何が??」

 

夏美「なんですの?なんか暗いですの。」

 

メイ「いや、別に。」

 

きな子「今日も一日撮影するんすか?」

 

夏美「もちろんですの!この前のゲームの動画であれだけ稼げたんですのよ〜!練習となれば──」

 

四季「稼げた……?」

 

……四季さんも、聞き逃さなかったみたいだな。

 

夏美「いやいや──

……なっつぅぅぅ!?」

 

かのん「遅れてごめん!」

 

千砂都「ちょっと話があるの!」

 

夏美「いや、今はちょっと──」

 

千砂都「これからの練習をどうしていくか、って。」

 

夏美「あ、そっちの話?」

 

やっぱり、夏美の目的は………

……そんな考え事をしながら、夏休みの練習予定の表を先輩から受け取る。

 

零「やっぱり毎日あるよなぁ……。」

 

「ま、優勝するならそれくらいの気概がなきゃダメってことだな。」

 

零「お前、ついて行けんのか?」

 

「昔から好きなことをやり続けるのは得意だからな。

──お前こそ、弱気になってどうすんだ?」

 

零「弱気にはなってねぇ!

いけるいける!!」

 

恋「夏休み明けには、学園祭もあります。」

 

千砂都「そっか、そこでも歌いたいよね。」

 

メイ「って事は別でもう一曲!?」

 

四季「heavy……。」

 

すみれ「1年生にそこまで求めるのは流石に可哀想じゃないの?」

 

恋「確かに……。1年生は地区大会に備えて、学園祭は2年生だけという事も……」

 

奏「……それじゃあダメだよ。」

 

彰人「奏?」

 

奏「俺達は4人でBAD SOUL、かのん達は8人でLiella!なんだよ?

皆の前で歌うこと、それを学校の皆は期待してくれている。

──完璧じゃなくていい。出来る範囲でいい。大切なのは、俺達の歌を届けることだ。」

 

きな子「きな子はいいっすよ!!」

 

四季「Me too.」

 

メイ「……わかったよ。」

 

「やります。必ずやり遂げてみせます!!」

 

「俺達に限界はないって、証明します!!」

 

夏美「……なるほど。そういう構図になっているんですのね。

 

すみれ「どうかした?」

 

夏美「いえ、何も!」

 

部室での話を終え、俺達は先輩と共に音楽科の校舎に向かった。

先輩達が休憩しに外に出た時、俺は一人でギターを弾いていた。

ワイルド・バトルフェスで先輩達が歌った曲……『Heroes』。

 

「あの音的に、コードはこれか……。」

 

……メロディーラインを弾きながら、俺は歌詞を口ずさんでいた。

思い出しながら弾いていた時……俺は零に肩を揺すられた。

 

零「おい。おい、賢汰。」

 

「……!?零か……。」

 

零「今の曲、先輩達のだよな?」

 

「そうだけど……どうかした?」

 

零「お前、すげぇな!!」

 

「え、何が?」

 

零「ギターの音あってんじゃん!!」

 

「そうか?」

 

奏「うん。完璧に出来てたよ。」

 

「奏先輩……!?」

 

彰人「賢汰お前……もしかして絶対音感持ちか?」

 

「俺が……絶対音感を…?」

 

奏「うん。

前に1回練習後に賢汰くんが残って『STARTING OVER』を弾いてるのを彰人と一緒に見ててさ。その時からうっすら思ったんだよね。絶対音感なんじゃないかって。

こうも完璧にコピーされるとちょっと恥ずかしいけど。」

 

そう先輩は頬を掻きながら俺にそう言った。

──絶対音感…か。

 

「……頑張ります。」

 

零「そういや賢汰!新曲作ったって言ってたよな!あれ、今歌ってくれよ!」

 

「いいけど……楽器足りないけど?」

 

彰人「音源あんだろ?俺に渡してくれればDJ機材で流すぜ?」

 

「……わかりました。」

 

俺は携帯を操作して、グループメールにインスト音源を送信した。

──曲名は、『陽のさす向こうへ』。

 

「Happy Birthdayって 歌いはするけど 元々は子供を起こすママが口ずさむためのものだった気がする でもいいか 歌おう

銀色の海が美しかった 海鳥が負けじと飛んでいた

 

どこまで行くんだろ 旅は果てしないよ ねえすごい遠くまでやってきたんだよ 自慢をさせてよ 胸を張らせてよ

ご褒美によく出来ましたって 頭を撫でてよ 眠るまで」

 

2番になって、先輩達が歌い出す。

 

彰人「Rock'n'rollなら得意 任せてよ

でもカントリーミュージックもブルースも通ってない すべて自己流でやってきた」

 

零「でもいいじゃん聴いてよ」

 

奏「吐く息も白く別世界だ 静かに町を封じ込めた」

 

「ひばりが高みの見物を決めた 丘には半べそをかく あたしひとり」

 

4人「「「「ありがとう言う前に どっか行かないで

門限もちゃんと守る部屋も片付けるから 明日から」」」」

 

「洗い立ての制服には太陽と潮の匂いが

それとは別の温かさも」

 

零「それに両腕を通すと 不思議と上手くやれる 自信が湧いてくるんだ」

 

彰人「もっともっともっと勉強しよう もっともっともっと歌も届けよう って思えたんだ」

 

奏「全部なんもこれからだったもらってばっかだった

なのになんで なのになんで」

 

「どこまで来たんだろ 旅は果てしないよ」

 

彰人「 それなりに頑張ってきたつもりだぜ」

 

奏「無邪気に笑ってたいよ 子供でいたいよ」

 

零「涙が零れたら優しく拭いてよ」

 

「ありがとう言う前に どっか行かないで」

 

4人「「「「呼んだら応えてよ 頭を撫でてよ 最強で居させてよ」」」」

 

歌い終えた俺達は息を整える。

 

彰人「いい曲じゃねぇか。」

 

奏「すごいよ、作り方ちょっと教えただけなのに、こんないい曲作れるなんて。」

 

「ありがとうございます……///」

 

ちょっと照れるな……。

──ふと、奏先輩の携帯から着信音が鳴る。

 

奏「あれ、すみれさんからだ。

すみれさん、どうしたんですか?」

 

すみれ『ちょっとあんた達にも聞いといて欲しいことがあるから、ちょっと電話かけたわ。

──これについて、話があるんだけど。』

 

恋『L tube……ですか?』

 

可可『急になんの話デス?』

 

すみれ『これ、この前の動画とか確認したんけど、結構再生数稼いでるみたいね。』

 

夏美『うぁ……それは…良かったですの……。』

 

すみれ『あんた、プロデュースとかなんとか言いながら、私たちを利用してお金儲けしようとしてるんじゃないの?』

 

……すみれ先輩、鋭いな…。

 

奏「……やっぱり…。」

 

可可『何を言い出すかと思ったら、すみれみたいな卑しい考えと一緒にするなデス!』

 

千砂都『そうだよ、今日だって……』

 

四季『実は、私も調べた。

……このままいくと、将来的な収益は……。』

 

四季さんを通じて、俺たちの携帯にデータがくる。

 

零「マジか、こんなにいくのかよ……。」

 

彰人「ま、これだけ稼げるんなら飛びつかないわけないよな…。」

 

恋『こんなにですか!?』

 

可可『知らなかったデス!』

 

千砂都『私たちに内緒で……!!』

 

夏美『いや、えっと、これはですね……。』

 

「……夏美、ちゃんと説明して。」

 

すみれ『あ、コラ!!!』

 

電話の向こうで、おそらく夏美が逃げたみたいだ。

 

「すみれ先輩!!夏美は!!!」

 

すみれ『逃げられたわ。』

 

「……わかりました。後であいつに直接問いただします。」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

奏視点──

 

練習終わりにかのん達と合流した俺と彰人。

そこで事情を知らなかったかのんにすみれさん達が話をしていた。

 

かのん「夏美ちゃんが?」

 

恋「すみれさんの話が正しければ、ですが……。」

 

可可「お金に関しては流石、勘が鋭いデスね。」

 

すみれ「言い方。」

 

千砂都「かのんちゃんはどう思う?」

 

かのん「私は……。

……少し、様子を見てみない?」

 

すみれ「えぇ?」

 

かのん「すみれちゃんの言うことが、間違ってるって言ってる訳じゃないんだよ?

……でも、何かある気がするんだよね。ダメ?」

 

すみれ「……はぁ。ほんっと、お人好しなんだから。

ここで私がダメって言ったら、私が悪者みたいじゃない。」

 

彰人「ハハッ。」

 

すみれ「彰人、笑うんじゃないわよ。」

 

その後、合流してきた1年生の皆と別れ、それぞれの帰路につく。

 

千砂都「んじゃ、また明日学校で!」

 

かのん「夏美ちゃんに会ったら、気にしてないからって言っておいて!」

 

きな子「ラジャーです!」

 

メイ「メッセージも送っといた。」

 

「それじゃあ、またね!」

 

四季「お疲れ様です。」

 

零「お疲れっす!!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

賢汰視点──

 

先輩達を見送り、俺達はスクールアイドル部1年生グループメールにメッセージを送る。

 

きな子「夏美ちゃん、どこ行っちゃったんすかね……。

既読にはなるんすけど…。」

 

メイ「どう思う?」

 

四季「多分、すみれ先輩が言ってることが真実……。」

 

零「でも、かのん先輩の言う通り、夏美さんには何かある気がする。」

 

メイ「賢汰って、夏美の幼馴染なんだろ、何か知らないのか?」

 

「……再会したのは結ヶ丘入ってからなんだ。

だから、俺が会わなかった間に、何かあったとしか分からないんだ。」

 

きな子「きな子も、夏美ちゃんのこと嫌いじゃないっすし……。」

 

夏美「そこのあなた達!」

 

突然何処かから夏美の声が聞こえる。

 

メイ「何処だ!?」

 

夏美「こっこでっすの〜…。」

 

メイ「何処だ?」

 

零「メイさん後ろ!!」

 

夏美「ナッツ〜〜!!」

 

メイ「うわぁぁぁ!?!?」

 

驚いたメイさんは夏美の方を向いて握り拳を向ける。

 

夏美「まぁまぁまぁ……。」

 

俺達は歩いた先で、夏美に先輩達の様子を話す。

 

夏美「では、本当に怒ってる訳ではないんですのね。」

 

きな子「はいっす!明日も良かったら来て欲しいって。」

 

四季「言ってた。」

 

夏美「……ふぅ。思ったよりちょろかったですの。

 

「なんか言ったか?」

 

夏美「なんでもないですの。

では、明日から普段通りに…。」

 

メイ「ってことは、これからも動画を公開するのか?」

 

夏美「もちろん!それが私の仕事ですので!」

 

……メイさんは、ジッと夏美を見つめていた。

 

夏美「……?何かあるんですの?」

 

メイ「いや、事実だからしょうがないんだけどさ。

もし日常だけじゃなくて、歌やダンスの動画をLiella!のファンが見たら……1年生と2年生で、実力に差があるって、はっきり分かっちゃうよなって。」

 

零「それは……。」

 

きな子「きっと笑われるっす…。」

 

四季「間違いない……。」

 

夏美「にゃは〜…。思いつきましたの。

私達は全員、1年生……皆さんに、ちょっとご相談がありますのん。」

 

次の日、練習時間になって、俺達は先輩達に頭を下げた。

 

2年生「「「「「「「えぇぇぇ!?」」」」」」」

 

きな子「お願いするっす!!」

 

千砂都「夏休み中、別行動したいって…。」

 

恋「何か、気に障ることがありましたか…?」

 

かのん「言って!すぐに直すから!!」

 

零「そうじゃないんです!!

ただ……先輩達と一緒だと俺達、迷惑かけてるなと思って……。」

 

メイ「だから1年生だけで、自分達を見つめてみたいって思ったんだ!」

 

奏「そういう事ね。」

 

千砂都「わかった。部長として許可します。」

 

かのん「ちぃちゃん……。」

 

千砂都「ごめんね。

でも私、この子達の気持ち、わかる。

……私も、そうだったから。」

 

「千砂都先輩……!!」

 

千砂都「私達も精一杯頑張るから、夏休みの終わりに成長した姿見せて!」

 

1年生「「「「「はい!!」」」」」

 

……To be continued




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使用楽曲:She is Legend『陽のさす向こうへ』
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