Jump to the Super star!!   作:黒破リンク

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2年生だけで大会に出る、と言い出したすみれ。
その裏に隠されていたのは、可可への想いだった。

それを知ったスクールアイドル部のメンバー達は、改めて『全員』で大会へ出ることを決意したのだった。


第10話#1

冬弥視点──

 

司会「さぁ!!やってまいりますのは今週末!!ラブライブ、ワイルド・バトルフェス東京大会!!

各校のスクールアイドル達は、どのようなステージを見せてくれるのでしょーかー!!」

 

俺はマルガレーテと共に、フェスの司会がヘリの上からリポートしているのを見ていた。

 

「……勝つぞ。」

 

マルガレーテ「……当たり前よ。

……勝って、2人で帰る約束でしょう。」

 

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一方その頃、賢汰視点──

 

メイ「おい、夏美!

夏美〜!!」

 

すみれ「どこにいるの〜!!!」

 

「夏美ー!!!出てこーい!!!」

 

俺たちは、東京大会へ向けて合宿をしていた。

──その最中、夏美とはぐれた俺とメイさん、すみれ先輩の3人は夏美を探していた。

 

メイ「夏美!」

 

「自撮りしたまま……固まってる?」

 

夏美は寒さのあまり言葉にならない声でなにか呟いていた。

……ほんとに大丈夫なのかよ…。

 

きな子「あんまり離れると、迷子になるっすよ〜!」

 

千砂都「早く戻って〜!!」

 

遠くできな子さんと千砂都先輩が俺達に声をかける。

 

夏美「このままでは撮れ高がぁ〜!」

 

そう言いながら倒れてくる夏美。

俺は咄嗟に夏美が怪我をしないように背中から抱きしめて、倒れさせないようにしていた。

 

メイ「流石賢汰……力あるな。」

 

夏美「撮れ高がぁ〜!!」

 

「んな事言ってる場合か……。

早く先輩達と合流するぞ!」

 

俺達はすぐ合流して、ひとまず夏美に暖かい格好をさせた。

 

メイ「あんまり無茶すんなよ。」

 

夏美「せっかくの北海道ですのよ、日々新しい動画を出し続けることが如何に重要か──」

 

すみれ「はいはい、そこまで。」

 

すみれ先輩は温かい飲み物を夏美に渡して、夏美はそのまま飲み始めた。

 

夏美「暖かぁい…。

……って、聞いた話と違いますの!!ぬぁーんですの、この状況は!」

 

「それは……。」

 

……俺たちは、冬休みと言うことで、きな子さんの故郷である北海道に、合宿をすることになったのだが……。

まさかの猛吹雪で、練習どころではなくなってしまった。

 

「晴れてたら、いい景色だったんだけどなぁ……。」

 

どうして、合宿をすることになったのかと言うと………時を遡ること休み前。

部室での、千砂都先輩の鶴の一声がきっかけだった。

 

千砂都「冬休みに、強化合宿したいと思います!ぜひ皆の意見を!」

 

可可「ここはぜひ、私の故郷、上海に……!!」

 

すみれ「そんな時間はないでしょ?」

 

メイ「きょ、京都!」

 

四季「行きたいだけ。」

 

メイ「ぅ、うぅ…。」

 

恋「渋谷区でも、合宿できる施設はあるみたいです。」

 

夏美「都内じゃ変わり映えしないですの。」

 

彰人「って言ってもなぁ……どこにあんだよ、ちょうどいい場所……。」

 

きな子「あるっすよ?」

 

「え?」

 

きな子「かのん先輩も来てくれた、きな子のペンション!

お母さんがいつでも来てって!」

 

かのん「本当に!?」

 

奏「……かーのーんー?

説明してくれるかな??????俺達何も聞かされてないんだけど??????????」

 

彰人「奏を差し置いて、浮気か〜?」

 

かのん「いや、そうじゃなくて……!!」

 

恋「無連絡。」

 

千砂都「……ふーん、そうだったんだ。」

 

かのん「ち、ちぃちゃん!?

ち、違うの!!前にお父さんが忘れ物して、届けに行った時……ひぃ!?」

 

千砂都「一言言ってくれなかったのが、ショック。」

 

奏「……後で、お仕置確定。」

 

「奏先輩と千砂都先輩……めちゃくちゃ怒ってる…。」

 

かのん「ごめんなさい〜!!

きな子ちゃん助けてー!!」

 

俺は、お2人の怒ってる姿を見ながら、苦笑いするしか無かった。

 

……そんなことを思い出しながら、俺は窓の外を見ていた。

 

「何も無いところで練習すれば、集中できるし、一体感も生まれる……。

全員の距離も縮まって、より部の士気が上がる。」

 

……とは言っても、先輩達に追いつけるなんて、思えない。

けど、俺は、やれることを、全力でやるだけ。

 

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零視点──

 

猛吹雪の翌日、俺は彰人先輩に呼び出された。

 

彰人「……今回の東京大会、俺達全員で、歌って踊るつもりだ。

……そこでな、お前の力を借りたい。」

 

「俺の力……っすか?」

 

彰人「あぁ。

……お前、見た所ダンスできる口だろ。」

 

「まぁ……身体動かすのは好きで、ダンスの動画とか見てやれそうなのを練習したりはしてましたけど……それも小さい頃とかですよ?」

 

彰人「全然それでいい!

……むしろ経験あるやつの方が楽だ!」

 

「あ、あの……話が全然見えてこないんですけど……。」

 

彰人「お前には、賢汰の奴にダンスを教えてやって欲しい!

……俺は元々やってたし、奏には去年何回かライブで付き合わせたからな、あいつも経験は多少ある。

けど、賢汰に関してはそうはいかない。」

 

「まぁ、彰人先輩が息抜きとして俺達にダンス教えてくれてましたけど……それって、今回とかのために…ですか?」

 

彰人「……まぁ、それもある。

いつまでも同じ形じゃ、今回のフェスは勝てねぇ。だからこそBAD SOULにも変革が必要。

……だから力を貸してくれ!!!」

 

「……押忍、俺の力なんかで良ければ!!」

 

彰人「あぁ、頼むぜ!!!」

 

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賢汰視点───

 

俺は、奏先輩と共に先輩2人が作った曲の編曲を任されていた。

 

奏「今回は4人で踊るつもりでさ。

……それに合わせた曲にしたくて。」

 

「……この曲だと、かなりハードなダンスになる気がしてます。

東京大会に間に合うかと言われたら、おそらく難しいかと。

……奏先輩と彰人先輩はダンスの経験があるのに対して、俺は経験がゼロ。付け焼き刃でハードなダンスをしても、足を引っ張るだけです。」

 

奏「……だよね。」

 

「いっその事、この曲をスローテンポにして、フォーメーション重視のダンスナンバーにさせればいいのでは。」

 

奏「……いっその事、新しく作る。」

 

「え、でも、この曲、彰人先輩と一緒に作ったんじゃ………!!」

 

気づいた時には、奏先輩は彰人先輩に電話していた。

 

奏「彰人!!ごめん、曲新しいの作っていい!?」

 

彰人『別にいいぜ!!!

けど、その曲もったいねぇから、今度動画にしてL tubeにあげるからな!』

 

奏「ふふっ、はいはい、約束ね。」

 

そんな話をして、先輩は電話を切った。

 

奏「よし、今から作るよ。」

 

「えっ!?ちょ、先輩!?」

 

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彰人視点──

 

話し合いを終わらせ、俺は可可とすみれ、賢汰と夏美の4人と合流して、俺はあるものを作っていた。

 

夏美「オーニナッツー!今日は合宿中のスクールアイドル部に密着ですの!」

 

「ちょ、可可……これいつまで支えてればいいんだよ……!」

 

賢汰「め、めちゃくちゃ重たいですけど……!!」

 

すみれ「なんなの、これ。」

 

可可「他校に負けてないと伝えるためデス!」

 

すみれ「またこんなもん作ってどうするのよ。」

 

可可「この後開かれる出場者のリモート会見!!そこから既に戦いは始まるのデス!」

 

すみれ「そんなの、バーチャル背景なんとでもなるでしょ!?」

 

可可「う、うるさいデス!だからこそLiella!は手作りの良さを見せるのデス!」

 

夏美「あの〜…?」

 

可可/すみれ「「何?」」

 

夏美「いや〜…お2人とも変ですの。抱き合って泣いてみたり、喧嘩してみたり。それでいいんですの?」

 

夏美も俺も、困惑している時、彰人先輩が口を挟んだ。

 

彰人「こいつらは、こんなんでいいんだよ…!」

 

すみれ「可可が強情なだけよ。」

 

可可「何を!すみれがうるさいからデース──」

 

……あ、可可先輩の服がボードに引っ付いて──

 

彰人「やっべ、重くて止めれねぇ……!!!」

 

「皆さん逃げて───」

 

すんでのところで3人ともキャッチして無事で。

 

夏美「マニーが!!制作費のマニーがー!!」

 

可可「踏ん張るデスー!!!」

 

すみれ「何やってんのよー!!!」

 

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三人称視点───

 

ラブライブ、ワイルド・バトル・フェスの司会がリモート会見を取り仕切っていた。

 

司会『お待たせしました〜!!!

ではこれより、リモート会見を行ないまーす!!それぞれの意気込みを画面の前の皆に伝えてまくりましょー!!』

 

千砂都「始まった……!」

 

四季「何故にガムテ……?」

 

すみれ「聞かないで。」

 

可可「すみれが余計なことを言うからデス。」

 

夏美「静かに!そろそろ来ますの!!」

 

司会『それではLiella!、張り切って〜!!!どうぞ!!!』

 

千砂都「皆さんこんにちは!私たちは!」

 

かのん「私達、結ヶ丘スクールアイドル部!!」

 

9人「「「「「「「「「Liella!です!」」」」」」」」」

 

Liella!の番がスタートし、千砂都達は画面に向かって話し始める。

 

千砂都「えっと……。」

 

かのん「私達Liella!は去年、決勝には進めませんでした。それから1年、今年こそは全員で決勝に進もうって頑張ってきました!!

叶うことなら、優勝を目指して、皆を笑顔にできるライブをしたいと思っています!!」

 

千砂都「皆さんの応援!」

 

9人「「「「「「「「「よろしくお願いします!!」」」」」」」」」

 

9人は頭を下げ、会見を終える。

 

司会『ありがとうー!!Liella!でした!!!』

 

かのん「はぁぁ……いつまで経っても慣れないなぁ…。」

 

千砂都「そんなことないよ。助けてくれてありがと。」

 

かのん「ううん、思わず話しちゃった。」

 

司会『続いては、今大会注目の!!ウィーン・マルガレーテちゃんです!!』

 

そう司会が仕切った後、マルガレーテの画面に切り替わる。

コメント欄の物凄い人気に、呆気を取られてしまう。

 

きな子「すごいっす…。」

 

四季「相変わらず表情ない……。」

 

メイ「お前が言うな。」

 

マルガレーテ『私がラブライブに出場するのは、ここが如何に低レベルであるかを、スクールアイドル達に知ってもらうため。

……私が、本当の歌を教えてあげる。それだけ。』

 

そう言い残し、会見を終わらせてしまった。

司会は、驚きつつも話し始める。

 

司会『こ、これはとんでもないスクールアイドルの登場だぁー!!!』

 

マルガレーテの発言に怒りを露わにする可可とメイ。

2人はスクールアイドルへの並々ならぬ愛情がある故に、このような形相になっているのである。

 

可可「ラブライブが低レベル…!?」

 

メイ「ふざけんな、いきなり出てきて好き勝手なことを!」

 

四季「でも、最強と言われたサニパさんに勝った。」

 

可可「それハ……。」

 

Liella!の面々が入浴している間、BAD SOULのメンバーは会見に臨んでいた。

 

司会『続けてワイルド・バトル・フェス前回王者、BAD SOUL!張り切ってどうぞ!!』

 

奏「皆さんこんにちは!!」

 

4人「「「「BAD SOULです!!」」」」

 

彰人「俺達は、去年優勝させていただきましたが、それに慢心せず練習を重ねてきました。」

 

奏「1年生も入って、進化した俺達の音楽を皆さんに届けられるよう、皆で切磋琢磨してきました。」

 

零「4人になって、新しくなったBAD SOULで、この大会に新しい風を吹かせたいと思っています!!!!」

 

賢汰「皆さん、応援よろしくお願いします!!!!」

 

4人「「「「よろしくお願いします!!!」」」」

 

4人の会見を終え、それに続いたのは──

 

司会『続けて、今大会のダークホース!!SNOWです!!!』

 

冬弥『俺はこの大会で、お前達が如何に生温い音楽を聴いてきたかって言うのを、証明してやる。

……俺はこの大会で本物の歌を轟かせる。そして、この世界に俺と言う存在を知らしめる。

これで話は終わりだ。』

 

そう言って冬弥は配信を切る。

 

司会『おおっと、ウィーン・マルガレーテちゃんに引き続き、こちらも強気だー!!!』

 

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奏視点──

 

会見を終えた俺と彰人は、入浴中に話していた。

 

「『俺という存在を知らしめる』、か。」

 

彰人「マルガレーテの方も、『私が本当の歌を教えてあげる』、とか言っていたらしい。

……やっぱり、2人のこと気になるのか?」

 

「……まぁね…。」

 

彰人「ま、今のあいつらなら心配ないだろ。」

 

「……あのさ。本当の歌ってなんだろう。」

 

彰人「マルガレーテの…。」

 

「ウィーン・マルガレーテちゃん。

……彼女のデビューライブである代々木スクールアイドルフェス…サニパさんを破った地区予選も。彼女は歌もダンスも、圧倒的だった。冬弥くんもそう。彼の歌に秘められた感情も、それを吐き出す歌唱力だって圧倒的だ。

……でも、あれが果たして、『本当の歌』なのか、俺には分からない。」

 

彰人「……あの2人は、すげぇと思うよ。

あいつらは、歌で自分の世界を完全に描いてやがる。

……お前も、あの2人も。自分の世界を作り出す才能がある。」

 

「今日の会見を見て、改めて思った。

……あの2人だって、歌が大好きなんだと思う。歌で笑ったり、笑顔になったりする素晴らしさを、知っていると思うんだ。けど、2人から伝わってくるのは、『勝つこと』だけ。

……まるで、焦ってなにかに縋ろうとするみたいに。」

 

彰人「俺には、あの2人が氷ついてるように思えた。

……ずっと、そびえ立つ目の前の壁に立ち尽くしているみたいに。まるで、出会った時のお前を見てるみたいだ。」

 

「……ハハッ。なんだよそれ。」

 

そんな会話をして、俺達は風呂を出て練習に臨む。

……今回は、ベースを弾く訳じゃない。俺と彰人の2人でフェスに出ていた去年みたいに、踊るわけなんだから。

……生半可な練習じゃ、負ける。

 

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冬弥視点───

 

俺はリモート会見を終え、マルガレーテと合流した。

 

マルガレーテ「冬弥、体調はどうなのよ。」

 

「……いきなりなんの話だよ。」

 

マルガレーテ「この間からずっと苦しそうにしながら曲を作っているじゃない。」

 

「……別に、なんともねぇよ。」

 

マルガレーテ「ならいいけど。

……あともう少しなのよ、私達の約束が果たされるまで。」

 

「あぁ。

……だから、勝つ。」

 

たとえ、倒れても。

 

……To be continued




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