Jump to the Super star!! 作:黒破リンク
……それは、マルガレーテの故郷であるウィーンにある学校『ウィーン国立音楽学校』への留学の話。
一度は資料を持ち帰り、どうするかを考えた。
……2人は、Liella!やBAD SOULのことを思い行かないことを決意し資料を返却した。
しかし、千砂都と彰人は、『留学して欲しい』と2人に切り出して───
奏視点──
千砂都「私、かのんちゃんに──」
彰人「俺は、奏に──」
千砂都,彰人「「留学して欲しい。」」
かのん「ちぃちゃん……。」
「彰人……。」
千砂都「2人は、『世界に歌を響かせる』んでしょ?小さい頃からの夢だったよね。
……今こそ、夢を叶えるチャンスなんだよ?」
彰人「俺は奏に憧れて、お前と歌をやってきた。
……2年しか一緒にやってねぇけど、俺は、お前に羽ばたいて欲しい!!!お前の歌は世界一だって、証明して欲しい!!」
俺とかのんは、千砂都と彰人の思いに言葉を詰まらせた。
千砂都「私は、2人に夢を叶えて欲しい!
2人にしか叶えられない夢を!!」
きな子「そう思うのは、きな子も同じっす!」
メイ「でもさ!今じゃないとダメなのか…?」
千砂都「もし断って、この話がなくなったら……」
かのん「しょうがないよ。その時はその時。」
彰人「お前らはそれでいいのかよ!!!
……もしそうなったら、俺達でお前らの夢を叶えるチャンスを奪っちまったんじゃないかって、皆後悔するだろ……!!!」
「でも、決めたのは俺とかのんだ……俺は、かのんや、皆とこの学校で……」
千砂都,彰人「「『『世界に歌を響かせる』んでしょ!!(んだろ!!)」」
2人の目に、涙が浮かんでいた。
千砂都「今しかない、チャンスなんだよ……?」
彰人「俺は、奏に後悔して欲しくねぇし……お前の夢を奪っちまったって、後悔したくねぇんだよ……!!!」
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零視点──
『奏先輩に後悔して欲しくないし俺達だって後悔したくない』、彰人先輩の言葉が、ずっと残ってる。
賢汰「零、お前はどう思ってるんだ。
……奏先輩とかのん先輩の留学について。」
「……正直わかんない。
行って欲しい自分がいて、行って欲しくない自分も居て。どうしたらいいかわかんねぇんだ……。」
賢汰「……千砂都先輩は幼馴染として。彰人先輩は憧れの対象で、2年一緒に歌ってきた相棒として……奏先輩に留学してほしいって言ったんだろう。
……俺は、身勝手な理由で先輩をここに縛りたくない。」
「賢汰……。」
賢汰「俺だって、本当は行って欲しくない。
……まだ、曲の作り方だって……歌だって、まだ全然教えてもらってない。けど、そんな俺のわがままで、先輩の夢を奪いたくない。
……俺は、夢を諦めた奴を近くで知ってるから。」
「……俺は、俺は先輩達の歌を見て、結ヶ丘に来た。
奏先輩が欠けたBAD SOULなんて考えたことなかった。けど、1年後には先輩達は2人とも卒業して結ヶ丘から居なくなる。
……俺は先輩達の居ないBAD SOULを考えるが辛いんだよ。」
賢汰「……遅かれ早かれ、先輩とは別れることになる。
……それが、奏先輩が先に羽ばたいていく、それだけの事だろ。」
「それだけなわけねぇだろ……!!!
奏先輩の歌はすげぇんだよ!!実際に今、ウィーンから留学の話が来てるくらいには、すげぇ……!!
……彰人先輩の歌だってすごいけど、俺達2人で、残った彰人先輩を支えて、奏先輩の居なくなった穴を埋めるなんて、俺にはできねぇよ!!!
お前はそれをわかって言ってんのかよ!!!」
賢汰「わかってるに決まってる!!!!!
……わかってるから……こう言ってんだろ…!!」
俺は、賢汰の涙を見て掴んだ腕を降ろす。
「……ごめん。ちょっと感情的になっちまった…。」
賢汰「いや、いい。
……俺だって少しムキになってしまった。」
俺は、息を整えて改めて考える。
………俺は、やっぱり………
「……先輩の夢を応援したい。先輩にもっと活躍して欲しい。
だから、先輩が本当に留学するって言うなら!俺は笑ってそれを見送りたい!!」
賢汰「あぁ。俺も笑顔で見送りたい。
……奏先輩が、安心して留学してくれるように。」
「いつまでも子供じみたわがまま言ったって何も変わんないからな!
俺達の結論はこう、だな!」
賢汰「だな。」
「練習すっぞ!!」
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彰人視点───
俺は夜風に当たりながら、千砂都の自主練に付き合っていた。
「……寂しくなるな…。」
千砂都「でも、応援したいって気持ちは本当なんでしょ?」
「……あぁ。
……それに、離れてたって……俺達はずっと、歌で繋がってる。」
千砂都「だねっ。」
恋「千砂都さん、彰人さん。」
後ろから、恋の声がして俺達は振り返る。
「恋…。
どうしたんだ?」
恋「遅くまで自主練されてるんですね。」
千砂都「今日はバイトもないし、ジッとしていると逆にモヤモヤしちゃって。
……余計なこと言っちゃったかな…なんて。」
恋「とんでもないです。
……お2人の言葉は、皆に響いていました。かのんさんと、奏さんとのお別れとなると、まだ実感は湧きませんが…。」
「俺も。
……あいつのいないBAD SOULなんて考えらんねぇな。」
恋「羨ましいです。
……私は、この学校に入るまで深い絆を感じられるような友人は1人もいませんでした。みんな、どこか私を別世界の人のように見ていて。
だから、大好きな人にハッキリとぶつかっていけるお2人を、私は尊敬します。」
千砂都「恋ちゃん……。」
「恋…。ありがとな。」
千砂都「私はもちろん、親友だと思ってるよ!」
恋「私もです!」
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奏視点──
俺は、1人街を歩いていた。
結論が出なくてずっと……かのんと別れて1人で。
「……二度とないチャンスを、無駄にしたくない。
けど、彰人達とまだ歌をしてたい。
……どうしたらいいんだよ…!!」
俺が頭を抱えていた時。
ふと首筋に缶の飲み物をあてられた。
「あっつ…!?
……って、姉さん…!?」
瑞希「なーに辛気臭い顔してるの。」
「別に……なんもないよ。」
俺は姉さんに顔を合わせないようにとそっぽ向いたんだけど──
瑞希「相変わらず嘘が下手だなぁ、奏は。
……留学の話でしょ。」
「……!?
……姉さん、知ってたの…?!」
瑞希「正確には、結ヶ丘の理事長さんがお母さん達に連絡して、その話を私がお母さん達から聞いただけ。
……私はさ、別に反対しないよ。」
「姉さん……。」
瑞希「そりゃ、実の弟が海外で歌の勉強するなんて、心配だし、寂しいよ。
けど、『世界中に歌を響かせる』って言う、夢を叶えるチャンス。
……誰にだって来るものじゃない話なんだよ?」
「うん。」
瑞希「私はずっと奏の夢を応援してる。
……お父さんもお母さんも、奏のこと応援してるんだから。奏に後悔して欲しくない。」
「……わかってるよ…。」
瑞希「いい?奏は1人じゃない。私も、お父さんもお母さんもいる。
かのんちゃんや、千砂都ちゃんだって。結ヶ丘で出会った新しい仲間もいる。
……だから胸張って行ってきな!!」
「……うん。ありがとう、姉さん。」
瑞希「フェスの決勝、お父さん達と一緒に見に行くから。
……弟の晴れ舞台、ちゃんと目に焼き付けなきゃだからね!」
「ありがとう、姉さん。」
瑞希「先、帰ってるからね。
……かのんちゃんに会ってきな?」
「うん。」
俺は、姉さんと別れて、かのんの家に向かった。
そこには、マルガレーテちゃんと冬弥くんがいた。
「お邪魔します──って、マルガレーテちゃんに冬弥くん。」
冬弥「……。」
マルガレーテ「……話していいわね。
……あなた達が留学すれば、私達もついて戻ることが出来るの。家族には、『かのんと奏の下で歌を学びなさい』って言われてね。」
冬弥「……それだけ、あんたらの歌が評価された。
……正直気に食わねぇが、この話はお前らだけに来た話。俺は俺の力でウィーンにもどる。」
マルガレーテ「私も、冬弥と同じよ。
……けど、私ってば、口先ばっかり。あなた達に連れられて戻るのは正直嫌だけど、自分の夢のためだから、どんな方法でも、条件でも、私は構わない。」
冬弥「俺は、俺の歌で世界に俺という存在を刻み込む。
……それが夢。その夢を叶えるために、俺はウィーンに戻る。
だが、今の自分じゃ、お前には到底敵わねぇって、この間のフェスで思い知らされた。
……どんな方法で戻ろうが、俺は俺の夢を叶えるためにあの学校に行かなきゃなんねぇ。」
かのん「私にとって、Liella!や学校のことが、自分の夢くらい大切な存在なの。
私、結ヶ丘に入学してなければ、歌をやめていたと思う。そんな大切な場所と仲間を失ってしまうのが、正直怖いんだ…。」
「俺は、結ヶ丘で出会った皆と歌をやりたい。
けど、夢は叶えたい。結ヶ丘で出会った皆と離れるのは正直寂しいんだ。だって、彰人に出会わなかったら、俺はそのまま夢を諦めていたから。
……相棒と離れたくない。けど、夢は叶えたい。」
マルガレーテ「贅沢な悩みね。」
冬弥「……留学しても恩返しは出来る。
むしろ、そうすればあんた達の学校の力になるだろ。」
かのん「えっ…!?」
冬弥「言ってただろ。
ウィーン国立音楽学校は世界的に有名な学校。あんた達が留学すれば、必ず学校も注目の的になる。世界中から結ヶ丘に入学希望する生徒も集まるかもしんねぇ。」
「冬弥くん…。」
冬弥「勘違いすんな。
……俺はウィーンに戻れればそれでいい。」
マルガレーテ「飛び込んでみたら?とても大切なことよ。」
俺は自分の部屋で、改めて考えた。
……本気で歌をやりたい。夢を叶えたい。背中を押してくれた皆に、恩返しだってしたい。
……決めた。
……俺は世界に、踏み出してみる。
……To be continued
次回、2期編最終回。
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