Jump to the Super star!!   作:黒破リンク

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新スクールアイドル部に入った新入部員、鬼塚冬毬と朝日航海。
冬毬と航海は夏美と賢汰のいるスクールアイドル部に顔を出し、新スクールアイドル部に入った経緯を説明してその場を後にした。

冬弥の歌う理由を知り、思い出の話をしたのも束の間──
冬弥が奏の家に転がり込んで───!?


第2話#2

奏視点──

 

「え、ちょ、ちょっと待って姉さん。

……俺、何も聞いてないんだけど。」

 

瑞希「結ヶ丘の理事長さんから連絡が来てね?

……湊冬弥くんの面倒を奏さんと見てあげてください、って。」

 

「冬弥くん、なんで学校で言ってくれなかったの!?」

 

冬弥「いや、聞いてるとばっかり思ってたが。」

 

「……めっちゃ馴染んでるじゃん…。」

 

冬弥くんは食器を片付けながら話す。

 

冬弥「世話になる以上、誰であろうが返すのが俺のモットー。

……それに、家事はマルガレーテとこっちに住んでた時に散々やったからな。」

 

「……意外…。」

 

冬弥「言っとくが、ここに来たのはてめぇと仲良くするためじゃねぇからな!!!」

 

「はいはい。」

 

俺は部屋に案内する。

 

「ごめんね、布団しかなくて。」

 

冬弥「別に。」

 

「布団派?」

 

冬弥「……別に。こだわりがねぇだけだ。」

 

「あ、そうだ。

……曲作らない?」

 

冬弥「……んだよ、突然。」

 

「代々木スクールアイドルフェスに出るには曲がいる。

……あ、もちろん航海くんにも意見聞いてさ。」

 

冬弥「……別に構わねぇけど、世間の流行りとかなんも知らねぇぞ。」

 

「それでいいよ!

だって、新しいものを作らなきゃ意味がないって、俺も思ってるから。」

 

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冬毬視点───

 

私は自分の部屋で、今日のノルマを終わらせていた。

扉の向こうで、姉者が部屋をノックする音が聞こえた。

 

「現在収支計算を行なっています。

姉者に割ける時間はありません。」

 

夏美「冬毬、聞いて。

……確かにスクールアイドルはマニーになることではないですの。」

 

私は、姉者の話を聞きながらパソコンのキーボードを叩く。

……姉者に割く時間はないと言っているのに。

 

夏美「でも、やるからにはちゃんとやって欲しい。

かのん先輩たちに、冬毬がいて良かったって思って貰えるような……生半可じゃないスクールアイドル活動が見たいですの。」

 

……私は、いつの間にかLiella!のページを開いていた。

 

「スクールアイドルは……きっと姉者を傷つける………。」

 

……だから、私が見定めなきゃいけません。

姉者が傷つかないように……あんな姿を、二度も見たくないから。

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奏視点──

 

俺、新スクールアイドル部の皆で集まって中庭で話をしていた。

……どうやら、冬毬ちゃんと航海くんがユニットのプロフィールを作ってくれたようで。

 

冬毬「前回優勝グループのセンターと衝撃のパフォーマンスを披露したマルガレーテのコラボレーション。

……興味を引くようなプロフィールにしてみました。」

 

航海「俺達の方のプロフィールも作ってみました。

……2連覇をした不動のボーカルと、新進気鋭のボーカリストのコラボレーション。その2つを前面に押し出して見ました。」

 

マルガレーテ「いいんじゃない?」

 

冬弥「……視聴数稼げれば別にどうだっていい。」

 

冬毬「現状のサイト閲覧数からすると、当日は5万以上の観客が視聴すると予想されます。」

 

マルガレーテ「5万……。」

 

かのん「つまり、5人に1人評価してもらえれば……」

 

かのんの言葉に、冬毬ちゃんはそっと頷いた。

その後、俺と冬弥くんは航海くんと共に曲の話をしていた。

 

「今、こんな感じの曲を作ろうとしててね。

……歌詞の方を考えようと思ってね。冬弥くん、いい案ない?」

 

冬弥「………なんで俺だ。」

 

「今回は冬弥くんがセンターだからね。」

 

冬弥「……別に構わねぇが……途中でぶっ倒れても知らねぇぞ。」

 

「そうならないように、練習も上手く調整もする。」

 

航海「……身体作りは大事。

……冬弥のためにも、俺はかのん先輩達と合流して練習を共にすべきかと。」

 

「……うん。かのん達と合流しようか。」

 

俺達はかのん達と合流して、一緒に練習していた。

 

冬毬「……注目を浴びたければ、これくらい必要だと思いますが。出来ますか?」

 

マルガレーテ「なっ……!!楽勝よ!!」

 

冬弥「舐めんじゃねぇ!!」

 

かのん「むりだよっ。」

 

冬毬ちゃんの発言に、マルガレーテちゃんと冬弥くんが反応しちゃって。

……俺の隣で、航海くんが頭を抱えていた。

 

航海「はぁ……。無意識に人を煽るような発言するのやめろって言ったのに…。」

 

練習を終え、かのんの家に皆でお邪魔して。

……どうやら、冬毬ちゃんがかのん達と俺達の衣装を作ってくれたようで。

 

かのん「これで歌うの……!?」

 

マルガレーテ「本気……!?」

 

冬毬「この衣装で歌っていただければ、利益も上がるかと。」

 

「利益……?」

 

冬毬「今度のライブですが、私達だけ独自の課金システムを構築し、導入しようかと。」

 

とんでもないことをしようとする冬毬ちゃんを、かのんが止めた。

 

かのん「ダーメ!!」

 

冬毬「……手厳しい。」

 

航海「……。」

 

次の日……

ライブ直前に、俺達はかのん達について行って走り込みをしていた。

 

マルガレーテ「はぁはぁ……。」

 

冬弥「はぁ……はぁ……。」

 

かのん「頑張って!」

 

冬弥「……加減ってもんはねぇのかよ……!!」

 

息を荒くする冬弥くんに航海が少しトゲのある発言をして。

 

航海「今まで動いてこなかったツケが回ってきたんじゃないか?」

 

冬弥「……っせえ。」

 

かのん「ほら、あそこに立たなきゃ、始まらないよ。」

 

マルガレーテ「当たり前でしょ!!」

 

「まだまだ行くよ!」

 

航海「はい。」

 

冬弥「ちょ……おい……!!!」

 

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彰人視点──

 

恋「ついに、今日なんですね…!」

 

メイ「やっぱり注目されてたぞ…!

マルガレーテとかのん先輩、夢の共演って!」

 

零「それに、冬弥と奏先輩の方もかなり注目されてる。」

 

四季「いちばんワクワクしてるのは、メイ。」

 

メイ「な訳ねぇよ!!」

 

夏美「冬毬も徐々に人気が出てきているようですの。」

 

きな子「もしかして冬毬ちゃんと航海くんも、スクールアイドルのこと好きになってくれたんすか?」

 

賢汰「分からない。

……けど、あいつも冬毬も、一時の感情に流されるような奴じゃない。」

 

「……。」

 

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三人称視点───

 

いよいよ、ライブ直前。

新スクールアイドル部で、最初に出るのはかのん、マルガレーテ、冬毬の3人。

 

冬弥「もう前のグループが終わる。

……そろそろ始まるな。」

 

航海「けど、肝心の閲覧数の方が少ない。」

 

ココノ「かのんちゃん!」

 

ナナミ「もうスタートの時間なんだけど……。」

 

ヤエ「ただ、視聴者数が……。」

 

皆が配信ページを見ると、閲覧数が7000人弱だった。

 

すみれ「これじゃあ、どう頑張っても1万は無理じゃない……!!」

 

彰人「ずっと心配してたんだよ。

サイトには思ったより批判的な声が多くてな。」

 

可可「なんで批判的ニ!?」

 

賢汰「……去年の東京大会でのマルガレーテさんの発言。

……あれが思ったより尾を引いてるみたいです。」

 

恋「その影響で……。」

 

千砂都「かのんちゃん……。」

 

スクールアイドル部の面々が心配する。

ステージ上のかのん達の表情も曇っていく。

 

かのん「そんな……。」

 

冬毬「1万以上の評価は、この時点で不可能と判断されます。従って、歌う必要はありません。

……残念ですが。」

 

かのん「嘘でしょ……!?」

 

奏「まだ、諦めちゃダメだ!!」

 

舞台下にいる奏がそう叫ぶ。

マルガレーテは、ステージ上でため息をついた。

 

マルガレーテ「……そういう事ね。

……笑顔になりたいと思った場所で、不快な思いをさせたんだものね。

……私のこと、嫌いにもなる。この顔を見ているだけでも、腹が立つ人がいるって事よね。」

 

現場に、沈黙が流れる。

マルガレーテがステージから去る足音が、コツコツと鳴り響く。

──その静寂を、かのんが破った。

 

かのん「歌おう。

……言ったでしょ、歌は人の心を動かす力があるって。結果よりも前に、挑戦する気持ちを無くしちゃったら、何も始まらない。

……私達はこの日のために毎日積み重ねてきたんだから!」

 

冬毬「かのん先輩……。」

 

マルガレーテ「……!!」

 

かのん「マルガレーテちゃんが本当に歌が好きなら、その力を信じて。」

 

マルガレーテ「かのん……。」

 

かのん「私達の歌で、皆の心を動かそうよ!

……このステージから!」

 

マルガレーテ「……ここから?」

 

かのん「うん。

……ここから。」

 

3人は、改めてステージに向かう。

……カメラが着き、配信が始まった。

 

マルガレーテ「今日は、私達のライブを見に来てくれてありがとう。

……ここに来てくれた全ての人に、今、この声が届いている全ての人に。」

 

3人が静かに手を繋ぐ。

 

マルガレーテ「……!!

 

……私達の歌が、届きますように。」

 

スピーカーから音楽が流れ、3人は歌い出す。

 

全員「「「Listen to the voices」」」

 

マルガレーテ「希望は(あぶく) 空を目指して 昇ってくの いつでも」

 

かのん「前が見えない暗闇なら 上を見てみればいい」

 

マルガレーテ「打ち砕かれ」

 

冬毬「Crying」

 

かのん「それでも消えない」

 

冬毬「Wishing」

 

マルガレーテ「好きの気持ち」

 

全員「「「そう それが強さなんだ」」」

 

マルガレーテ「諦めないよ」

 

冬毬「Dream」

 

かのん「どんな場所でも」

 

マルガレーテ「夢は溢れだすの」

 

全員「「「Bubble Rise 光に両手伸ばそうよ」」」

 

冬毬「叶えたいって駄々をこねてたいよ」

 

マルガレーテ「もしずっと届かなくても足掻くの」

 

かのん「恥ずかしくなんてない」

 

マルガレーテ,冬毬「「ゆらゆら まだ」」

 

かのん「ほら」

 

マルガレーテ,冬毬「キラキラ ただ」

 

かのん「空に 絶えず昇る」

 

マルガレーテ「僕たちの希望」

 

冬毬「躓きが憧れを呼び覚ます」

 

かのん「だから怖くない」

 

全員「「「光に手を伸ばそう」」

 

3人のライブが終わり、拍手が巻き起こる。

配信を止めたのを確認し、奏がステージの下から声をかける。

 

奏「3人とも、お疲れ様!!」

 

マルガレーテ「ねぇ、かのん。

……歌、久しぶりに楽しいって思えた。」

 

かのん「その気持ち、ずっと持ってようね!」

 

冬毬「価値のあるものとは、思えませんが…。」

 

かのん「いつかわかるよ!」

 

かのんは、そう言って2人に飛びついた。

遠くで、可可とメイがペンライトを両手に持ち、大号泣していた。

 

可可「かのん、最高デス……!!」

 

メイ「可愛すぎるだろぉ…!!」

 

彰人「おいおい泣きすぎ……。

まだ奏達の出番もあんだぞ……。」

 

賢汰「始まりますよ、奏先輩達のライブ。」

 

次に始まるのは……奏達のライブ。

 

奏「皆さんこんばんは、俺達!!」

 

3人「「「 SEASONです!!」」」

 

冬弥「……この歌を、これからの俺達の旗印として刻み込む!!」

 

スピーカーが音楽が流れ、3人が歌い始める。

 

航海「BaNG AmBitious」

 

冬弥「And You Know What It Is…」

 

奏「Get Ready For The EmBlem!!!」

 

冬弥「Yo VVS I’m The Finest My Rhyme & Flow Is The Highest

オソオセヨ ネ セサンエ Make Your Heart Go Shinin’ Baby

まるで禁断の実 一度聴いたら即 Down With Me イリワ ドゥゴガルゴヤ

欲しいなら全部 Swallow Me」

 

奏「Follow Me Yeah I Blow Your Mind Suzaku Is Here To Change The Vibe 247365 Everyday One Of A Kind

いつでも弾き出す100%(ハンドレッド) 誰かの Puppet じゃ Non Sense もっと自分を愛せ I Said Make Your Life Go Pop Pop」

 

航海「誰かの基準 感じる矛盾 惑わされずに 吐き出すエゴイズム」

 

冬弥「It’s Over」

 

奏「It’s Over 空気を読むの終わりさ」

 

冬弥「Let’s Go Now」

 

奏「Let’s Go Now」

 

全員「「「自分の旗を掲げな」」」

 

冬弥「Just The Way I Wanna Be この One Way Real Me 譲れない Identity 誇れ 自分自身」

 

航海「My Ego My Ego」

 

奏「好きなように生きて当然」

 

航海「迷子!? 迷子!?」

 

奏「Look At My EmBlem!!!」

 

冬弥「Just Be What You Wanna Be So Get Up On Your Feet

開放する Extasy 誇れ 自分自身」

 

航海「My Ego My Ego」

 

奏「生き様で証明しようぜ」

 

航海「迷子!? 迷子!?」

 

奏「Shout It Out Who You Really Are」

 

冬弥「Wow Oh Oh Oh Oh Oh Oh Wow Oh Oh Oh」

 

全員「「「Raise Your EmBlem!!!」」」」

 

冬弥「Wow Oh Oh Oh Oh Oh Oh Wow Oh Oh Oh」

 

全員「「「BAE’s My EmBlem!!!」」」

 

冬弥「Wow Oh Oh Oh Oh Oh Oh Wow Oh Oh Oh」

 

全員「「「Raise Your EmBlem!!!

Wow Oh Oh Oh Oh Oh Oh Wow Oh Oh Oh BAE’s My EmBlem!!!」」」

 

3人の歌が終わり、拍手が響く。

ステージの下から、かのん達トマカノーテが声をかける。

 

かのん「奏くーん!!!かっこよかったよー!!」

 

マルガレーテ「……やるじゃない、冬弥。」

 

冬毬「かっこよかったですよ、航海くん。」

 

ステージを傍から見ていたスクールアイドル部のメンバー達も声をかける。

 

すみれ「かっこいい曲やるじゃない!」

 

彰人「かっこよかったぜ、相棒!!」

 

メイ「うぉぉぉ……!!

HIPHOPの曲調から繰り出される奏先輩のギャップ!!!」

 

可可「それと同時に3人のフォーメーション、激アツデス!!!」

 

零「2人とも、また泣いてる……。」

 

四季「So,Cool。」

 

夏美「航海、かっこいいですの。」

 

賢汰「……あいつに、負けてられないな。」

 

ステージの上で、冬弥は笑顔を浮かべながら叫ぶ。

 

冬弥「あ〜!!!!!楽しかった!!!!!」

 

奏「思い出したんだね、楽しい歌を。」

 

航海「……良かったな。」

 

奏「冬弥くん、航海くん!!

……また一緒に歌おう!!」

 

……To be continued




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使用楽曲:澁谷かのん(CV.伊達さゆり)、ウィーン・マルガレーテ(CV.結那)、鬼塚冬毬(CV.坂倉花)『Bubble Rise』、BAE『Emblem!!!』
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