Jump to the Super star!! 作:黒破リンク
一方のLiella!は新曲のセンターに四季を起用しようとしたのだが、四季はスポットライトを浴びてすぐ倒れてしまい───
三人称視点──
メイは千砂都と彰人と別れ、家に帰る。
……家の前で四季が待っていた。
四季「怒ってる?」
メイは四季を家に上げる。
四季は俯きながら、ずっと黙っていた。
メイ「みんな心配してたぞ。」
四季「……。」
メイ「どうしても嫌なのか?」
四季「嫌というか……無理……。」
四季は机に突っ伏した。
メイはその姿を見て優しく声をかける。
メイ「そっか……。
皆、四季のセンター、似合ってるって言ってたんだけど……。」
四季「……。」
四季の脳裏に蘇る、幼い頃の記憶。
それを思い出しながら、四季は呟く。
四季「クラスでも全然目立たなかった。それが当たり前だと思ってた……自分はそういう人なんだって。
──でも、メイと出会って。もしかしたら自分もって……誰かに気づいて貰えるのかもって。
……でもやっぱり無理……。」
メイ「どうしてそこまで……?」
四季「かのん先輩が練習してるところ、見た。
……それで思った。センターになる人には、人を惹きつける力がある。
………すみれ先輩や恋先輩、夏美ちゃん。皆センターって歌ってた時はそうだった。」
メイ「それを言うなら四季も──」
四季「私は違う。
……ステージでスポットに当たった瞬間に思った。
………これはきっと、私じゃない方がいいって。」
メイ「そんなこと───」
四季「……センターは、皆に与える影響が大きい。私がセンターだと、きっとすごく迷惑がかかる…。特に、今回の歌は新しいLiella!の最初の歌。すごく大事……。」
メイ「……。」
次の日、部室で皆話をしていた。
……そこに、四季の姿はなかった。
すみれ「なるほどね。」
メイ「四季も、皆が期待してくれてるのに申し訳ないって。
でも……。」
夏美「……意志は堅そうですの。」
恋「それで、四季さんはどこに…?」
メイ「……化学室。」
きな子「それってなんか、前の四季ちゃんに戻っちゃったみたい……。」
可可「ここは、可可が行って説得してきマス!!大事なセンターを託したいと思っているのデスから、こんなことで困りマス!!」
彰人「少し落ち着け。
……可可の気持ちもわかるが、四季だって苦しんでる。無理強いしたら、かえって逆効果になるだろ。」
可可「でも──」
すみれ「仕方ないんじゃないの。
……彰人の言う通り、無理強いするものじゃないんじゃないの?センターって。」
零「それは……。」
すみれは一度似たような思いをした。
故に、無理強いをさせるべきじゃない、と制止させる発言をした。
恋「残念ですが、ここは気持ちを切り替えて別のセンターを立てませんか?」
賢汰「……千砂都先輩。どうするんですか?」
千砂都「……私は…。」
可可「仕方ない、デスか…?」
千砂都「そう……だね。」
可可「千砂都…。」
恋「……では練習後、新しいセンターを決めましょう。時間はあまりありません……。ランニングから始めます。事情を説明して、四季さんを呼んできてください。」
メイ「……わかった。」
恋「他の皆さんは、屋上へ。」
皆が移動を開始する中。
千砂都はテーブルに並べられたドリンクを見てなにか閃いたようで。
千砂都「……待って!!
私……やっぱり四季ちゃんがセンターがいい!!」
可可「千砂都…!!」
賢汰「それは、皆そう思ってます。ただ──」
千砂都「目立たなきゃとか、皆を引きつける力がなきゃとか……そんなのなくてもいいと思う!色んな人がいるからスクールアイドルなんだよ。」
彰人「その言葉……かのんの……。」
千砂都「色んなセンターがいてもいい。
……目立たなくても!」
夏美「目立たないセンター……?」
すみれ「なんなの、それ……?」
きな子「でも、なんか面白そうっす!」
千砂都「でしょ?
一言で言うと…白。」
彰人「白?」
千砂都「うん。
それ自体はまるで透明みたいに目立たないけど、色んな綺麗な色の中にあっても、1番輝いて見える色。」
メイ「それが、四季の色……四季の…歌。」
可可「皆に見てもらう!」
すみれ「今までと違う、Liella!の姿。」
きな子「作れるっすか?曲。」
きな子は、隣にいるメイと目を合わせる。
メイ「うん。……できそうな気がする。」
メイはそのまま四季の化学室に向かい、カーテンを開ける。
四季「……っ……。
……メイ…。」
メイ「……眩しかったら、私が影になってやる。引っ張っていけないなら、私が一緒に引っ張っていってやる。
……目立たなくてもいい。いつもの四季のままでいい。そんな四季だからこそできるセンターがあるんだ。
……そんな四季じゃなきゃ、出来ないセンターがあるんだよ。」
メイは四季に向けてスマホを伸ばす。
四季「これは……。」
メイ「四季が歌う歌。
……まだ未完成だけど、私と一緒に作って欲しい。世界には、無数の色があるんだっていう歌を!」
四季「っ……。」
メイはそっと、四季の手を握る。
メイ「作ろう、新しいLiella!のステージを。みんなと一緒に!」
四季「……皆…!!」
千砂都「練習、始めるよ!」
四季「……はい!」
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夜──
奏視点──
今日も、冬毬ちゃんは練習に来なかった。
航海くんは今日は予定がある、と言って休んでいた。
……今日もまた、俺と冬弥くんはかのんの家で、かのん達と話していた。
マルガレーテ「今日もあの子休んだわよ!1年生の癖に!」
冬弥「……それを言うならお前も俺も1年生だろうが。」
冬弥くんは俺の席の隣で熱そうにカフェラテを啜る。
ふとかのんの携帯が鳴って、かのんがスマホを手に取るとより表情が明るくなった。
かのん「マルガレーテちゃん!」
マルガレーテ「今忙しい!」
……扉が開く音がして扉を見る。
かのん,マルガレーテ「「いらっしゃいませ──」」
かのん「冬毬ちゃん?!」
「航海くん……!」
冬毬「かのん先輩……何故ここに?」
かのん「私の家、ここなんだ。」
冬毬「なるほど。」
マルガレーテ「今日の練習もう終わったんだけど????」
冬毬「私は姉者からここで美味しいアップルパイが食べられると聞いたので、テイクアウトできないかと伺っただけです。」
マルガレーテ「ここに来られるなら練習来なさいよ!何度も連絡してるわよね!!」
冬毬「以前、必要であれば参加すると言ったはずです。」
マルガレーテ「だからぁぁ……!!!」
かのん「ストーップ!」
マルガレーテ「何よ。」
かのんが2人の言い争いを遮り、携帯を見せる。
かのん「今は練習のことはいいから、とりあえずこれだけは見に来て!
……必ず、スクールアイドルの素晴らしさがわかると思うから!」
冬毬「……。」
かのん達と共に会場へ行く道中、航海くんは俺と冬弥くんに話しかけてきた。
航海「……先輩、冬弥、すみません。今日休んだりして。」
「いいよいいよ、全然。」
冬弥「……やる気がねぇわけじゃねぇならいい。
……俺はマルガレーテみたいにとやかくは言わねぇ。」
会場に着くと、やはりと言うべきか、人が沢山集まっていた。
マルガレーテ「全く、なんて混雑よ。
……だから来たくなかったのよ。」
冬毬「いの一番にチケットを買ったと聞いていますが。」
マルガレーテ「う、うるさい!
誰から聞いたのよ!」
冬毬「貴方の隣にいる方ですが。」
マルガレーテ「かーのーんー?」
かのん「ち、違う違う!私じゃない!」
マルガレーテ「じゃあ冬弥って言うの!?」
冬弥「……まぁ、俺が言った。
……別に冬毬に話したって対して問題ねぇと思ったし。」
マルガレーテ「なんで言うのよ!」
冬弥「別にいいだろ、言っても。
……減るんじゃねぇんだから。」
マルガレーテ「も〜〜〜!!!!」
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三人称視点───
ステージ裏で、四季は衣装に着替えて会場を見ていた。
四季「……倒れそう……。」
メイ「緊張してる?」
着替えたメイは、四季の隣に立つ。
四季「……すごく。」
メイは、四季の右手をそっと掴み、自分の胸に当てさせた。
メイ「……私も。」
四季「……メイ…。」
メイ「でも大丈夫。
四季が側にいるから…。センターで歌う四季を、応援できるから。目立たなくていい。注目されるのが嫌だったら、私が注目を集めてやる!」
四季「……メイも、目立つの嫌いな癖に……。」
メイ「あははっ。それでも、いつもの四季の魅力を、皆に知ってもらいたいんだ!」
全員「「「「「「「「ラララ ラララ ララララ!
ラララ ラララ ララララ!」」」」」」」」
夏美「キャパシティ いつも」
恋「ギリギリのとこ」
きな子「殻をやぶりたい!」
恋,きな子,夏美「「「破れないの やるせない!」」」
可可「できないのフラグ」
すみれ「自分で立てて」
千砂都「やっぱ無理で」
可可,千砂都,すみれ「「「どこかホッとしてた」」」
恋「イロイロで」四季「(ああ、いや!もういや!)」
千砂都「トリドリでいいのにね」
メイ「比べちゃうよ No No ナンセンス」
メイ,四季「「自信ないけどさ、やってみたい!」」
可可,すみれ「「変われ!」」
四季以外「「「「「「「「ワンステップ ツーステップ 進むの」」」」」」」」
四季「わたし、最強 ただいま言い聞かせ中」
四季以外「「「「「「「「ワンラブ ツーラブ 叫ぶの」」」」」」」」
千砂都「愛を
可可,すみれ「「Fly la!Ride on now Try la!Ride on time」」
恋「こんなカラフルな世界なら」
きな子,夏美「「Fly la!Ride on now Try la!Ride on time」」
メイ,四季「「色がない それもね Special Color」」
メイ&四季以外「「「「「「ラララ ラララ ララララ!」」」」」」
四季「これが私のColor!」
四季以外「「「「「「「ラララ ラララ ララララ!」」」」」」」
歌い終え、歓声が響く。
ステージ上で、四季は息を荒くしながら呟く。
四季「……これが……センター……!!これが…!!
……これが…私だけの……色……!!」
四季の側に、メイが並び立つ。
その瞬間、張り詰めた糸が切れるように、メイの方へ四季が身体を倒してきた。
メイ「うおっ…。」
メイは優しく四季を抱きしめ、周りで皆が微笑む。歓声が鳴り止まない中で、BAD SOULの番。
彰人「白に浮かぶ 泡沫の境界 憂う息の随に沈んでた
幼い頃 覗いた万華鏡の中 もう僕しかいない」
賢汰「ずっと ずっと 溺れたままだきっと 其処へは行けない」
彰人「壊れぬように閉ざした世界で 「ねえ眩しいよ 怖いよ」ってさ 叫んでる」
賢汰「この声が未来を唱えないように僕を暗い深淵まで沈めてよ」
零「つめたいつめたい
彰人「心伏せて彷徨う」
零「つめたいつめたい
彰人「光が届かないように もっと深くまで 舞い落ちていく どこまでも」
BAD SOULのステージが終わり。
客席で見ていたマルガレーテがつぶやく。
マルガレーテ「かのん。練習、行くわよ。」
かのん「……うん!」
冬弥「……俺達も、行くぞ。」
そのまま6人は、会場を後にした。
……To be continued
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使用楽曲:Liella!『Special Color』、燐舞曲『Celsius』