Jump to the Super star!!   作:黒破リンク

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上海でのライブを控えたLiella!とBAD SOUL。
しかし、可可は自分に嘘をついて進路の話を両親に伝え舞台裏へと向かった。
可可の姉、萌萌から可可が進路の事を伝えたと聞いたかのんと奏は舞台裏へ走り、可可へ檄を飛ばす。


こうして、スクールアイドル一行のステージは大成功で幕を閉じたのであった。



第7話#1

冬弥視点──

──上海スクールアイドルフェスから数日後。

 

……俺は、マルガレーテと共に登校しながら上海でのステージの動画を見ていた。

 

「あの時、俺が感じたのは……。」

 

マルガレーテ「あの時、私が感じたのは……。」

 

中庭に行くと、冬毬が上海でのステージで披露した振り付けを踊っていた。

 

マルガレーテ「おはよう。」

 

冬毬「お、おはようございます。」

 

「今の振り、あの時のステージのだよな。」

 

冬毬「いえ、単なるイメトレです。

……では。」

 

「……ったく、相変わらずだな。」

 

冬毬を黙って見送った直後、きな子先輩とメイ先輩、四季先輩が俺達の前に現れた。

 

きな子「マルガレーテちゃーん!!久しぶりっす〜!!」

 

四季「上海以来。」

 

メイ「よぉ!」

 

マルガレーテ「ふん!馴れ馴れしくしないで!」

 

そう言って、マルガレーテはきな子先輩を振り払って中へと入っていく。

 

「俺達と先輩達はライバル。

……馴れ馴れしくされる筋合いはない。」

 

俺はそう言い残してマルガレーテを追いかけた。

 

マルガレーテ「私は……Liella!に勝つんだから!」

 

……俺だって、BAD SOULに勝つ。

だから、馴れ合いは必要ねぇ。

 

……だけど………なんで……!!なんであのステージが忘れらんねぇんだよ……!!!

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

彰人視点──

 

部室で、今年もテンションの高い可可を見ながらラブライブとワイルド・バトル・フェスの告知を見ていた。

 

可可「今年も来まシタ!ラブライブデス!!

ドンドンドンドン!フー!」

 

「テンション高ぇなおい。」

 

この間の可可が嘘みてぇだなおい。

 

恋「もうそんな季節ですか…。」

 

千砂都「はやいね…1年。」

 

すみれ「本当よね……。」

 

可可「そのリアクションの薄さはなんデスか!ラブライブデスよ!ついに今年も開催される事になったのデスよ!」

 

零「てか可可先輩…その太鼓どっから持ってきたんすか…。」

 

テンションの高い可可を他所に、各々割と自由に過ごしていた。

 

きな子「四季ちゃん、グミ食べるっすか?」

 

四季「いただく。」

 

夏美「よっしゃー!動画編集かんりょ〜!」

 

賢汰「……麦茶が美味い。」

 

……自由か。

 

可可「何故に……。」

 

メイ「ついに今年も来るんだな〜!!くぅっ〜!」

 

可可「これデス!

このリアクションが正しいリアクションデス!」

 

「っていっても、開催の知らせはいつも落ち着いてたろ。

……毎年新鮮に喜べるお前が羨ましいよ。」

 

可可「何を言ってるのデスか!興奮して当然デス!違いマスか!?」

 

千砂都「それはもちろん!」

 

恋「私達3年生にとっては、最後の参加ですし、興奮しています。」

 

すみれ「ギャラクシーな有終の美を飾らないとね!」

 

夏美「出場した後のことを考えているから、冷静でいるだけですの。」

 

きな子「当然目指すは優勝っす!」

 

零「目指せ連覇!!」

 

四季「Me,too。」

 

可可「皆……!!」

 

きな子「うぃっす!じゃあ練習前に改めて、皆で気合い入れるっす!まずは地区予選!絶対突破するっす!

……あれ?」

 

賢汰「……その前に、問題がありますよ、きな子さん。」

 

きな子「大問題…??」

 

すみれ「……よく見てみなさい、今この部屋には何人いる?」

 

きな子「えっと……1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11……11人っす!

あと、かのん先輩とマルガレーテちゃんと冬毬ちゃん、奏先輩に冬弥くんに航海くんが来れば……」

 

四季「来れば?」

 

きな子「……あ〜!!!!まだスクールアイドル部は完全体じゃないっす……。」

 

可可「そうデシタ……。」

 

メイ「うぅ……。」

 

きな子「そうっすよ!!あれがThe・Liella!で、The・BAD SOULっす!17人で結ヶ丘スクールアイドル部……あぅ。」

 

すみれ「そう簡単じゃないの。」

 

きな子の頭に優しくチョップするすみれ。

……まぁ、まだ俺達は対立状態だしな。

 

メイ「それで、6人からあの後連絡はなかったのか?」

 

千砂都「かのんちゃんとは時々。」

 

「同じく。奏とはたまに連絡はとってる。」

 

千砂都「……さっき、理事長に呼ばれたんだ。」

 

俺と千砂都は、理事長に言われた言葉を思い出しながら話す。

 

理事長「お互い事情があって、今2つのグループになってるのは理解しています。

……ですが、ラブライブとワイルド・バトル・フェスにエントリー出来るのは1組だけ。いくら頑張ったとしても、もう1組は大会に参加出来ません。」

 

千砂都「はい。」

 

奏「それはわかってます。」

 

理事長「来月の学園祭にて、結ヶ丘のスクールアイドル代表決定戦を開きます。心の準備を。」

 

「……はい。」

 

理事長「17人が一緒になって欲しいと言う声も多いようです。」

 

………理事長に言われた事を、俺は全て伝えた。

 

夏美「かのん先輩と奏先輩の動向が気になりますの。」

 

メイ「そうだな、ちょっと覗きに行ってみるか?」

 

四季「……偵察。」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

零視点──

 

そんな話もあり、2年生全員で新スクールアイドル部……奏先輩達の様子を見に来ていた……のだが。

 

夏美「おや?かのん先輩と奏先輩が居ないですの。」

 

きな子「遅れているんすかね?」

 

「いや、先輩達に限ってそんなことは無いはず……。」

 

賢汰「けど、奏先輩達は3年生、色々立て込んでいても納得がいく。」

 

四季「……今日は帰ったみたい。

かのん先輩の家の水道が壊れたらしく、帰宅。」

 

夏美「えぇ…?!今は4人だけ……?!」

 

「今度はすみれ先輩からだ。

……どうせ偵察しに行ったんなら、4人を勧誘してきて。うまくやって解決ギャラクシーよ、と。」

 

賢汰「……無茶言いますね。」

 

夏美「何が解決ギャラクシーですの…!!無茶な……!!あの4人ですのよ!?簡単な訳──」

 

「やべぇ、4人とも走り込みに行っちゃうぞ!?」

 

きな子「まずいっす…!!」

 

メイ「…ここは夏美と賢汰だろ。」

 

夏美「はぁぁ〜?!」

 

賢汰「は……?!」

 

きな子「夏美ちゃんは冬毬ちゃんと姉妹、賢汰くんは航海くんと兄弟じゃないっすか…!」

 

賢汰「え、えぇ…でも……兄弟だからこそ複雑な部分がな……。特に俺なんか結ヶ丘来るまで連絡すらろくにとってなかったんだぞ…?!」

 

とかなんとか言ってる間に、四季さん特製ランニングマシーンを取り付けられて2人共走り出す。

 

四季「GO。」

 

夏美「わぁぁぁぁぁ!?!?!?」

 

賢汰「うぁぁぁぁぁっ?!」

 

追いついて、気づいたら追い抜いちゃってて。

 

四季「……行き過ぎ。」

 

2人「「うわぁぁぁぁぁ!?!?」」

 

四季「……修正。」

 

2人「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?」」

 

修正して、何とか4人の前に立った夏美ちゃんと賢汰。

 

航海「……兄貴に…夏美さん?」

 

夏美「やぁ…ですの。」

 

マルガレーテ「……何よ。」

 

夏美「ええっと、そのですね……。」

 

賢汰「その……だな。」

 

冬毬「想像するに、一緒になれないかという相談ではないでしょうかと。」

 

冬弥「はぁ?」

 

夏美「ええっと…まぁ…。」

 

マルガレーテ「なんなのよ、はっきりしないわね。

私達ランニングに行きたいんだけど。」

 

夏美「ええっと、つまりですの……その…。

……君達!」

 

4人「「「「……??」」」」

 

夏美「これまでの青春の光を追いかけてきて、きっと沢山の涙と汗を流してきたことだろう!

今こそ、我々と一緒にラブライブとワイルド・バトル・フェスと言う最高の光を……共に追いかけてみないかー!!!ですの。」

 

賢汰「……4人とも、俺達と共にステージに立たないか?」

 

木陰からこの光景を見て、俺はつい本音を漏らしてしまう。

 

「夏美ちゃんじゃ力不足、賢汰じゃ言葉足らずか…。」

 

賢汰「……やらせたのはお前らだろ。」

 

マルガレーテ「なんだ、あなた達もいたのね?

なんの用?」

 

メイ「どう思ってるのか確認したい。」

 

きな子「上海で一緒に歌って、気持ち…変わったりしてないっすか?なんて……」

 

四季「私達は、一緒に歌ってとても楽しかった。」

 

「今まで……Liella!が9人、BAD SOULが4人が全てだって思ってたけど、あのライブにはもっと大きな広がりがあった!!

俺達17人が力を合わせれば、もっとすごいことが出来るんじゃないかって信じてる!!」

 

マルガレーテ「それは……。」

 

冬毬「……アグリーしかねます。」

 

夏美「冬毬……。」

 

冬弥「そもそも、俺達がお前らと組んだのは、可可先輩が立ち直るまでの時間稼ぎに過ぎねぇ。

……俺のやることは前から変わってねぇ。」

 

冬毬「私の目的は、姉者の言葉が本当かどうか確かめる事、その一点のみ。

……姉者が生半可な気持ちでないことをこの目で確かめたい。今、馴れ合って1つになる事を、私はベストだとは思いません。マルガレーテと冬弥がどうかはわかりませんが。」

 

マルガレーテ「……っ。

私もLiella!を倒して、お姉様達に認めてもらわなきゃ行けないんだから!Liella!は敵なのよ!」

 

航海「……。」

 

「やっぱり……そうだよな。」

 

賢汰「でも、信じてほしい。

……俺達は本当に、この17人で優勝を掴み取りたいと思ってる。この気持ちは嘘じゃないし、お前達にもわかって欲しい。」

 

航海「……わかったよ。」

 

俺達は、そのまま新スクールアイドル部の練習場を後にした。

 

……これで、本当にいいのか?

 

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冬弥視点──

 

先輩達が練習場に来て俺達に話をした直後、冬毬はマルガレーテと俺に言い放った。

 

冬毬「2人ともいいのですか?まだ返事の変更は間に合うかと。」

 

マルガレーテ「冬毬だって、Liella!に入る気はないんでしょ。敵なんだから当然よ!」

 

「変わってねぇよ。前からずっとな。」

 

航海「……。」

 

「……んだよ、ずっと黙って。」

 

航海「……後で話す。」

 

練習を終えて、俺は航海の本音を聞いた。

 

航海「……俺さ、正直1つになってもいいと思ってる。」

 

「あいつらに絆されたか?」

 

航海「そういう訳じゃない。

……俺はさ、兄貴と喧嘩別れする形で離れてからずっと……負けたくない……兄貴を超えたいって思って、音楽をやってきた。

けど、代々木スクールアイドルフェスでのステージ…この間の上海フェス…牛久で聞いた兄貴の姿を見て思ったんだよ。」

 

「んだよ。」

 

航海「……兄貴は、俺が見ていない間に遠い存在になってた。

誰にも言ってないけど、去年のワイルド・バトル・フェスの決勝だって見に行ったよ冬毬と一緒に。それも込みで、思ったんだ。

……今の俺じゃ、先輩達には疎か、兄貴には絶対勝てない。」

 

「……だからなんだよ。」

 

航海「……お前だって、本当は気づいてるんだろ?今の先輩達に真っ向からぶつかったって勝てっこないって。」

 

「……。」

 

航海「……いつまで、意地張ってるつもりだよ。」

 

「……意地なんか張ってねぇ。」

 

航海「……俺はさ、お前の目標すごいと思ってるし、応援したい。今だって、お前のことを否定してる訳じゃない。

……けどさ、先輩達と居たってお前の目標は叶うはずだろ?」

 

「……。」

 

航海「上海フェスの時の先輩達の背中は、決勝のステージで見た時みたいに、すごく輝いてた。

……お前だって、見てたんだろ?去年のフェスの決勝。」

 

こいつ……見透かしたようなこと言いやがって……。

 

「っ……!!んな事、去年からずっとわかってんだよ!!!

……だが、今更どういう顔して合流すりゃいいんだよ!!俺は今まで、自分にだって嘘ついて音楽をやってきたんだぞ!?意地張って音楽やらなきゃ、今までの自分を否定することになる!!!!!

あの時のあいつらのステージ見て、本当は勝てねぇって思ったよ!!!だからマルガレーテと新スクールアイドル部を作った!!!

……あいつらを倒して、自信を取り戻して!!!それで!!!一緒に音楽がやりたい!!!!」

 

航海「……それが、お前の本音なんだな。」

 

「……悪ぃかよ。」

 

航海「悪いなんて一言も言ってないだろ??」

 

「まぁ…そうだな。」

 

航海「……それ、冬毬達にも伝えたらどうだ?」

 

「言わねぇよ。

……アイツらと考えることが一致するまでな。」

 

航海「……そうか。」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

奏視点──

 

学校が終わってすぐ、俺はかのんの家に駆け込んで、かのんと2人で水道の修理をしていた。

 

かのん「水漏れ止まったー!!」

 

ありあ「ナイスお姉ちゃん!奏さんもありがとうございます!」

 

「いえいえ。」

 

かのん「って、なんで私達がやってるの!?」

 

ありあ「私、文系だから…。」

 

かのん「関係ある!?」

 

「いつもこういうの、おじさんがやってくれてたんでしょ?」

 

かのん母「私もこういうの苦手で…ありがとうね、2人とも。」

 

かのん「美味しい夜ご飯期待してまーす。」

 

「じゃあ、俺もいただいちゃおうかな。」

 

扉が開く音がして、扉の方を見るとマルガレーテちゃんと冬弥くんの2人がいた。

 

かのん「あ、おかえり!

ごめんね、今日練習抜けちゃって。」

 

マルガレーテ「構わないわ。」

 

冬弥「……。」

 

「冬弥くん、ごめんね。」

 

冬弥「……別に怒ってねぇよ。」

 

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冬弥視点──

 

俺は部屋で1人、上海ライブの映像をまた見ていた。

……なんでか、ずっとわかんねぇけど。あの日からずっと、見返してる。

 

「っ……なんで俺、こんな顔してんだよ。」

 

映像に映る俺の顔は、かつてないほど笑顔で。

……まるで、あいつらと歌うことが楽しいみてぇじゃねぇか。

 

「くそっ……。」

 

俺がずっと隠してた本音だって、航海の野郎にバラしちまった。

今まで、隠し続けてきた本音を否定するようにして……新スクールアイドル部としてやってきたってのにっ……!!!!

 

「クソがよぉっ!!!どうすりゃいいんだよっ!!!!!!」

 

俺は携帯の画面を消灯させて枕元に投げ飛ばし、枕に向かって叫ぶ。

 

「どうすりゃいいんだよっ!!!!!!

あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」

 

自分への怒りを、ただひたすらに枕にぶつける。

こんな遅い時間にこんなに外で叫んだら怒られるし。何より、枕じゃねぇと奏や瑞希さんにも怒られちまう。

 

「くそっ!!!くそっ!!!くそっ!!!!!」

 

俺が自分への怒りを枕に向かってぶつけていた時。

扉の向こうで奏の声が聞こえ、俺は冷静さを取り戻した。

 

奏「冬弥くん、ごめん!

ちょっと開けていい?」

 

「んだよ、こんな時間に。」

 

奏「姉さんが、延長コード探しててさ。それで、この部屋にあるって言ってたからちょっと取りにね。」

 

そう言って、部屋を物色しだす奏。

ちょっと手間取ってんのか、やたら探すのに時間がかかってて。

 

奏「あれ?ここにあったはずなんだけど………冬弥くんもしかして退けた?」

 

「あ??退けてねぇよ。」

 

奏「だよね。

……どこだ……?」

 

「だぁーっ!!!めんどくせぇ!!!

俺も手伝う!!!見つかったらさっさと出てけ!!」

 

奏「あ、ありがと……。」

 

俺は奏と一緒に部屋中を捜索していた。

そんな時、奏の奴が話しかけてきた。

 

奏「今日、BAD SOULに勧誘されたんだって?」

 

「……誰から聞いた。」

 

奏「……彰人からだよ。

冬弥くんはさ、向こうに行く気は無いの?」

 

「……言ったろ、俺の目的はあいつらぶっ倒してフェスで優勝するだけ。だから、向こうに行くつもりはねぇ。」

 

奏「そっか。

………それが、冬弥くんが出した結論?」

 

「あ??どういう意味だよ。」

 

奏「言葉のまんまだよ。

冬弥くんさ、本当は気づいてるんじゃない?」

 

「………。」

 

奏「いつまでも意地張ったって、勝てる見込みないって。

……いっそ、向こうに戻って、一緒にやった方がいいって。」

 

…………お前まで、航海みてぇなこと言うのかよっ………!!!!

元はと言えば、お前が居なきゃっ………!!!!!

 

奏「上海ライブの時の映像、俺も見てたんだよ。

冬弥くん、見たことないくらい笑顔だった────」

 

俺は奏の胸ぐらを掴んで叫んだ。

 

「わかったような口聞いてんじゃねぇ!!!!!!!!!

元はと言えば、お前が俺の夢を奪ったんだろ!!!!!おまえさえ居なきゃ、俺は今頃ウィーンでマルガレーテと一緒に歌ってたんだよ!!!なのにお前はっ……!!お前はそれを奪った!!!

俺の夢を奪ったくせに、俺の事わかったようなこと言ってんじゃねぇ!!!!!」

 

俺は怒りをぶつけたんだが、奏は俺の手を掴んできた。

 

奏「そんなの、わかってるよ。けど、俺は、冬弥くんに後悔してほしくないんだ。

……俺が、冬弥くんの夢を奪ったのはたしかに、事実だ。だけど、意地を張り続けてフェスで負けたら、君はきっと、後悔する。

大好きな音楽で、後悔してる人を、俺は見たくない。」

 

「綺麗事ばっか言ってんじゃねぇっ!!!!」

 

奏「たしかに!!!!冬弥くんにとっては俺の言葉なんか、全部綺麗事かもしれない!!!!

でも!!俺はそうやって、音楽をやってる。夢をまた追いかけようと決めた時からずっと。大好きな音楽で、後悔したくない。俺が折れたら、俺の夢は……俺と、かのんの夢は絶対に叶わない。だから、俺は後悔しないように、音楽をやってる。」

 

「っ…………。」

 

俺は、奏の胸ぐらを掴んでた腕を離し、ベッドに倒れ込む。

奏は、それを見て俺のベッドに座ってきた。

 

「……んだよっ。」

 

奏「冬弥くんはさ、俺の事嫌いだろうけど…俺はそんなこと思ってない。

むしろ、友達だって思ってる。」

 

「いきなりなんだよ…。」

 

奏「……たまには、肩の力抜いてみようよ。

ずっと力入れっぱだと、どこかで倒れちゃうよ。」

 

「……何が言いたいんだよ。」

 

奏「……今度さ、航海くん誘ってかのんの家行こうよ。」

 

「………は??」

 

奏のやつ、いきなり何言い出すんだよ。

スクールアイドル部との直接対決まで、あんまり時間ねえんだぞ……?

 

奏「たまには、新スクールアイドル部の皆で気楽に話そうよ。

……練習の時だってあんまり気楽に話してないでしょ?」

 

「……必要ねぇだろ。」

 

奏「必要だよ、こういう時間は。

いつまでも張り詰めてると、どこかで切れちゃうよ。」

 

「……好きにしろ。

てか、いつまで部屋いんだよ。」

 

奏「……あ、ごめん!!」

 

「延長コード見つかったんならさっさと出てけ…。俺はもう寝る。

……叫んだりしてたら疲れちまった。」

 

奏「うん。無理しちゃだめだからね。

……おやすみ。」

 

奏はそう言って、延長コードを持ったまま部屋を出ていった。

……それを見送り、俺はそのまま泥のように眠った。

 

……To be continued




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(今日の深夜に蓮ノ空の1話投稿したので、そちらも是非……!)
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