Jump to the Super star!!   作:黒破リンク

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牛久にある鬼塚家で両スクールアイドルの決戦の曲を作った2、3期生。
そして迎えた決戦の日。
決戦の末、投票によって17人揃っての出場を全校生徒から願われたLiella!とBAD SOUL。
そして、17人は改めて結束し、名乗りをあげたのであった。


第9話#1

奏視点──

 

スクールアイドル部と、俺達新スクールアイドル部。

全身全霊でぶつかりあった結果、全校生徒からも全員で出ることを熱望され、俺達は1つになり──

 

11人と、6人で。ラブライブとワイルド・バトル・フェスに出ることになった。

 

──文化祭ライブから数日。

17人揃って、初めての練習。屋上に集まった俺達。

 

かのん「ついに……!ついについに……!!」

 

可可「终于,终于!(ついに、ついに!)」

 

かのん「ついに……!!

……17人になりました〜!!!!」

 

きな子「感動っす〜〜!!!!」

 

改めて、皆の前に立ったマルガレーテちゃん達1年生。

そんな中で、マルガレーテちゃんは緊張しているようで、となりに立ってる冬毬ちゃんに心配されていた。

 

冬毬「マルガレーテ、緊張しているのですか?」

 

マルガレーテ「はぁ?どうして私が緊張しなきゃいけないのよ。

……ただ…Liella!はずっと敵だと思ってたから……なんだか……。」

 

冬毬,冬弥「「えい。」」

 

冬毬ちゃんと冬弥くんが、息を合わせるかのように同時にマルガレーテちゃんの背中を押す。

突然突き飛ばされたマルガレーテちゃんは、少し体勢を崩して抗議の声を出していた。

 

マルガレーテ「ちょっと!!」

 

マルガレーテちゃんの前に立っていた千砂都と恋さんが、優しい眼差しを向けていた。

 

千砂都「4人とも、ようこそスクールアイドル部へ!」

 

四季「これからは仲間。」

 

メイ「一緒に頑張ろうぜ!」

 

冬毬「お願いします。」

 

航海「BAD SOULの一員として、やれることを全力でやります。

……よろしく、兄ちゃん。」

 

賢汰「あぁ。よろしく、航海。」

 

マルガレーテ「よっ……よろしくっ。」

 

冬弥「BAD SOULに入ったからには、今までと変わらずワイルド・バトル・フェスに全てを注いでやる。

……奏、改めてよろしく。」

 

「うん。よろしくね、冬弥くん。」

 

千砂都「よーし!じゃあまずは、ストレッチから始めていくよー!!」

 

千砂都の号令で、練習が始まる。

……千砂都の号令で始まる練習、久しぶりだな。

改めて17人で並ぶと、圧巻だな。

 

きな子「わわわわ、わぁぁぁ〜〜!!」

 

ストレッチ中に体勢を崩したきな子ちゃんが、そのまま後ろに倒れそうになるが、ちょうど後ろにいたマルガレーテちゃんが、きな子ちゃんを支えて何とか事なきを得た。

 

マルガレーテ「大丈夫!?」

 

きな子「ご、ごめんなさいっ。」

 

マルガレーテ「構わないけど…。」

 

きな子「そういえばきな子、ちゃんと自己紹介出来てなかったっすよね!」

 

マルガレーテ「え?」

 

きな子「北海道から来た、桜小路きな子っす!よろしくっす!」

 

マルガレーテ「……よろしく。」

 

千砂都「じゃあ、今度は2人1組になって!」

 

千砂都がそう言うと、彰人が俺の隣に来る。

 

彰人「奏、久しぶりに。」

 

「あぁ。」

 

俺は差し伸べられた彰人の手を取り、共に次のストレッチをやることにした。

 

きな子「マルガレーテちゃん、良かったらきな子と!」

 

マルガレーテ「え?

……いいけど。」

 

2人でやるストレッチが始まり、俺は彰人を背中に乗せながらきな子ちゃん達の様子を見ていた。

 

きな子「なんだか嬉しいっす〜!」

 

マルガレーテ「……。」

 

おもむろにきな子ちゃんの背中から降りて歩き出すマルガレーテちゃん。

 

きな子「あれ?」

 

マルガレーテ「後は自分でやるわ。」

 

きな子「きな子、まずかったっすか?」

 

マルガレーテ「そういうことじゃないの。気にしないで。」

 

きな子「でも……。」

 

マルガレーテ「気にしないでって、言ってるでしょ。」

 

きな子「はぅぅ…。」

 

きな子ちゃんとマルガレーテちゃんの様子を見てた彰人が、呟く。

 

彰人「……ちょっとだけ、先が思いやられるな。」

 

「……すぐに仲良くなれるといいけど。」

 

ランニング中、俺達は新生BAD SOULの6人で共に先頭を走っていた。

 

彰人「冬弥、航海、17人でやる練習、どうだ?」

 

航海「6人でやってた時より、人がいる分寂しさはないですね。」

 

冬弥「……ま、気持ちはまだ少しだけ複雑だけどな。」

 

彰人「はは、そうかっ。」

 

零「……。」

 

俯きながら、神妙な面持ちで走る零くんを見て、俺は思わず零くんに声をかけた。

 

「零くん、どうしたの?」

 

零「あ、いえ…その…。」

 

「何かあった?」

 

零「……後で、話していいですか。」

 

「うん。気持ちの整理もあるだろうし、話せるようになってからでいいよ。」

 

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練習が終わって、俺と彰人、零くんの3人で集まっていた。

 

彰人「零、どうしたんだ?」

 

零「……あ…いえ…その…。」

 

「まだ、話しづらい?」

 

零「だ、大丈夫です…。話します…。」

 

零くんは一息ついてから、話し始める。

 

零「先輩達は、後少しで卒業じゃないですか。

……この間から、先輩達が卒業した後のBAD SOULについて、ずっと考えてたんです。今は先輩達がいて、6人でこれから共にやっていこう、ってなってるけど……半年もしない内に、先輩達は卒業して、4人になる。

……その後の未来が見えないんです。俺達4人とまだ見ぬ新入生で、来年のフェスに勝てるかどうか……とか。」

 

「……。」

 

零「奏先輩が冬弥と航海の2人と組んで、活動してた時だって、思ってました。

……俺、先輩達に頼ってばっかで……甘えてばっかだったんだ、って思ったんです。奏先輩が居ない時は、彰人先輩が居て、賢汰が居て。3人になって、俺はいつも、居ない奏先輩の事をずっと考えてて。奏先輩ならきっと、こうするだろうな、とか。そういうことばかり考えてたんです。」

 

いつも明るくて、笑顔な零くんが、こんなに暗い顔している姿を、俺は見たことがない。

 

零「……来年は、俺と賢汰の2人で後輩を引っ張っていかないといけない。

けど、俺にはそれができる自信が無いんです。」

 

彰人「零……。」

 

零「それに、家の道場の事も考えなきゃいけなくて……道場を継ぐために音楽を辞めるか、音楽をやるために、道場を継がないか。

部活を辞めたら賢汰にも、スクールアイドル部の皆にも迷惑がかかる……。

……俺は、どうしたらいいんですか……。」

 

なんて言葉をかけたらいいか分からずに黙っていた俺の隣で、彰人が口を開く。

 

彰人「……俺はさ、母親が音楽の事についてうるさくてさ。

何度も何度も喧嘩して。家出まで考えた事もあった。

んで、見かねた親父が仲裁に入って、俺は俺のやりたいようにやらせてもらえるようになって。」

 

彰人は零くんの頭に手を乗せて話す。

 

彰人「これだけは覚えとけ。

……やりたいことがあったら、はっきりと家族に言え。喧嘩したっていい。ただ、修復不可能レベルで仲が悪くならないようにな。」

 

零「……はい。」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

彰人視点──

 

話が終わって、家に帰った俺は千砂都と電話をしていた。

 

「もしもし。」

 

千砂都「お疲れ様。

あのね、今日、かのんちゃん達と話してたんだけどね?明日からちょっと練習方法変えようと思っててさ?協力して欲しいんだ!」

 

「別にいいけど、どんな感じになるんだ?」

 

千砂都「えっとね、A班とB班に別れて、各自の課題に向き合って、全体練習でその課題を克服していく感じにしたくてね?」

 

「ほぅほぅ。」

 

千砂都「それに合わせて練習メニューも変えて、やっていこうかなって思っててさ。」

 

「それで、俺は何を協力すればいいんだ?」

 

千砂都「BAD SOULの練習も同じ感じにして欲しくて。

話はよく奏や彰人から聞くけど、あんまり練習風景とか見た事とかないから、下手に外野から言って空気悪くしたら嫌だからさ。それで彰人にもそっち用のメニューと班分け考えて欲しくて。」

 

「ん、まぁいいけど……俺ら6人しかいないんだぞ?それに俺ら3人ずつでやってたからそれで分けたりしたら今まで変わんねぇし……。」

 

どう分けるか悩む俺に、千砂都が助言をくれた。

 

千砂都「ならさ、それぞれあまり関わりの少なかったメンバーでやってみるのは?

奏と彰人の2人が主体になるのは変わらないけど、下の子達を上手いこと分ければさ、団結力も生まれるし、新しい視点から練習出来るでしょ?」

 

「あ〜……それいいな。

OK、それでちょっと考えてみるわ。」

 

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奏視点──

 

俺はアコギを手に街を歩いていた。

───来年からしばらくは、この景色が見れなくなるのか。

生まれ育った、大好きなこの街と。暫くの間お別れ。そんなことを考えながら、夕焼けに照らされた街を歩いていた。

 

かのん「あ、奏くん!」

 

 

ふと、後ろからかのんの声がした。

 

「かのん?どうしたんだ?」

 

かのん「ちぃちゃん達と話し合いしててさ、その帰り道!

そう言う奏くんはどうしたの?」

 

「いや……あと少ししたら、この街の景色が暫く見れなくなるしさ。

……今の内に噛み締めておきたくて。」

 

かのん「……そうだね。

それで、ギター持ってここまで歩いてきたんだ?」

 

「……あぁ。」

 

俺は近くのベンチに腰をかけアコギを取り出して、一息ついてかのんの方をちらっと見て呟く。

 

「それに……こんないい夕焼け空だし、久しぶりにあの曲歌いたくなってさ。」

 

俺は弦に手をかけ、歌い出す。

 

「運命を繋ぐ 赤き道しるべ 唯々前を見つめて 目指すわ

声となって表情となって 導いてくやさしい人よ 陽だまりロードナイト」

 

かのん「心が悴んでも「大丈夫」と言葉でいつも抱きしめた」

 

「笑顔ひとしずく」

 

かのん「幸せが沁みわたって

頬濡らした夜も」

 

「すべて受け止め 信じ」

 

かのん「変わるよ 世界が」

 

2人「「こんなにも愛しさで満ちてる

明日も まぶしいくらいに」」

 

アコギでメロディーを奏でながら、息をつく。

 

かのん「離れていても帰る場所がある どんな時でも傍にいてくれた

太陽となって月となって照らしてくつよい人よ 陽だまりロードナイト」

 

「励ます魔法のように囁いたの」

 

2人「「あなたがいれば、怖くないよ」」

 

「日々は」

 

かのん「色づき煌めく」

 

「隙間なく鮮やかに」

 

かのん「初めての気持ちを」

 

「教えてくれたもっと」

 

かのん「名前を呼ぶ声」

 

「こんなにも特別な事だと想い あふれてゆく」

 

かのん「笑顔ひとしずく」

 

「幸せが沁みわたって」

 

かのん「頬濡らした夜も」

 

「すべて受け止め 信じ」

 

かのん「変わるよ 世界が」

 

「こんなにも愛しさで満ちてる明日も まぶしいくらいに」

 

2人「感謝を・・・

Oh, oh...」

 

俺達が歌い終えると、ギャラリーの皆さんが拍手をくれた。

 

かのん「ありがとうございました!」

 

「ありがとうございました。」

 

かのん「帰ろっ!」

 

「……あぁ!」

 

俺はギャラリーの人たちに見送られながら、手を繋いでかのんの家まで向かった。

かのんの家に着くと、ありあちゃんが何やら慌てた様子で作業してて、その隣でマルガレーテちゃんが教えているのが見えた。

冬弥くんはその様子をじっとカウンター席から見つめてた。

 

マルガレーテ「ちょっと!牛乳わいてるわよ!」

 

ありあ「わぁぁぁっ!」

 

マルガレーテ「早く混ぜて!そこから鍋に戻す!」

 

ありあ「はーい!!ちょっと待ってぇー!!」

 

マルガレーテ「遅い遅い!隅っこが焦げないように気をつけて!」

 

冬弥「いい匂いしてきてんな。」

 

かのん「わぁ〜!いい匂〜い!」

 

ありあ「おかえり、お姉ちゃん!」

 

マルガレーテ「目、離さない。」

 

ありあ「はいはーい……。」

 

「ありあちゃん、お菓子作り教わってるの?」

 

ありあ「オーストリアって、お菓子の本場でしょ?」

 

冬弥「それで、ありあの奴がマルガレーテに『お菓子の作り方教えてくれ』って頼み込んできたんだよ。」

 

「それでかぁ……。」

 

俺達が話してる間に、マルガレーテちゃんは作ってたものを容器に移し替えていた。

 

マルガレーテ「はい、こんな感じかしら。本場とは少し違うんだけどね。

……全く、見てられないわ。」

 

ありあ「初めて作るんだから優しくしてよぉ…。」

 

マルガレーテ「そういうの嫌いなの。」

 

かのん「そうだ、マルガレーテちゃん。後でちょっと話が……。」

 

マルガレーテ「断る。」

 

かのん「なんで!?」

 

マルガレーテ「お見通しよ。どうせ無理やり、あの人達と仲良くさせようってんでしょ?」

 

冬弥「……奏も、さては一緒だろ。」

 

「……そうじゃないよ。」

 

そのまま2人を連れてかのんの部屋に集まって、千砂都が決めた練習メニューを2人に渡した。

 

かのん「2つの班に別れて練習しようと思うんだ。それなら、マルガレーテちゃんも冬弥くんも、練習しやすくなると思って。

3人だった頃に近い感じで!」

 

マルガレーテ「わざわざそんなこと、しなくていいわ。」

 

かのん「でも……。」

 

マルガレーテ「前も言ったけど、練習だって私は1人で全然平気。

ライブが近づいたら、その時にみんなで合わせることだってできるし。」

 

「そうかもしれないけど…皆、マルガレーテちゃんや冬弥くんと仲良くなりたいって思ってるんだよ?こうやって気にかけてくれる人がいるんだから、手を取ってくれたって……」

 

冬弥「……それが嫌なんだよ。

……特に話すこともねぇのに、無理に話しかけられるの。」

 

かのん「そんな言い方…。」

 

マルガレーテ「あんな風に気遣われるの、すごく嫌。

Liella!の一員になったことに後悔はないけど、馴れ合いたいなんて、全く思わない。

……このメニューは、1人でちゃんとこなすわ。私の事は、これ以上構わなくて結構。

……おやすみ。」

 

マルガレーテちゃんは、そう言って扉を閉めて出ていってしまう。

 

冬弥「……マルガレーテの言った通り。 俺もあいつと同じだ。

俺は1人でもやれる。今までだってそうしてきた。」

 

「でも、それじゃあ……」

 

冬弥「……もういいだろ。

……先帰ってっから。」

 

冬弥くんもまた部屋を出ていってしまった。

俺とかのんは部屋に取り残され、思わずため息をついた。

 

2人「「はぁぁぁ……。」」

 

かのん「不器用さんが多すぎだよぉ…。

……あ、私もか…。」

 

「……まぁ、揃って人の事言えないか。」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

零視点──

 

家に帰ってきた俺は改めて、自分が今後どうするべきかを考えていた。

 

………いくら考えたって、結論が出るわけじゃない。

俺は、空手も音楽も、辞めたくない。

 

「だぁぁぁっ!!!!どうすりゃいいんだぁ!!!」

 

結論が出ないまま悩んでいた時、ふと携帯が鳴った。

画面を見ると、きな子ちゃんから電話がかかってきていた。

 

「もしもし?」

 

きな子「もしもし、こんな時間にごめんなさいっす。」

 

「別に構わないけど、どうしたの?」

 

きな子「零くん、今日の練習見てたっすよね?」

 

「そうだね。」

 

きな子「きな子、全然上手くできなくて、マルガレーテちゃんに迷惑かけちゃったっす…。

それで、運動もできる零くんにアドバイスしてもらいたくて、電話したっす…!」

 

「アドバイス、ねぇ……。

そうは言ってもなぁ……。」

 

きな子「やっぱり、難しいっすか…?」

 

「いや、そんなことないんだけど、俺もしっかりは見てなくてな……。」

 

きな子「そうっすか…。」

 

「けど、しっかり足に力入れたりとかはした方がいいかな、とは思う。」

 

きな子「そうっすか…!ありがとうっす!」

 

「これでいいのかは全然分かんないけどなっ。」

 

きな子「ありがたいっす!零くん、勉強も運動も出来るっすし、憧れるっす!」

 

「ははっ。俺は別にそんな大した人間じゃないよ。」

 

きな子「……??」

 

俺が自虐気味にそう言った瞬間、きな子ちゃんからの声が一瞬止まった。

 

きな子「……零くん、もしかしてなにか悩んだりしてるっすか…?」

 

……バレた……?!

 

「え?そんなことない……よ。

どしたの突然。」

 

きな子「いつもの零くんなら明るく笑ってくれるのに、今日はなにか暗い感じがするっす。」

 

「あはは、そうかな。そんなつもりは全くないんだけどね……。」

 

きな子「悩み事があるなら、きな子が聞くっすよ?

力になれるかは分からないっすけど…。」

 

「……きな子ちゃんにはお見通しか。」

 

……しょうがない、話すか。

俺は意を決して、悩みをきな子ちゃんに打ち明けた。

家の道場のこと。来年以降のBAD SOULのこと。

……そして、俺自身の弱さも。

 

きな子「零くん、いつも明るく振舞っていた裏で、色々考えて板挟みになってたんすね……。でも、きな子は零くんの話を聞いてて思ったっす。

……零くんは、空手も音楽も、辞めたくないんすよね。」

 

「うん。

空手も音楽も大好きだから。」

 

きな子「なら、このままやっちゃえばいいんすよ!」

 

「……え?」

 

きな子「零くん、前に言ってたっすよね?『自分は欲張りだから、どっちもやる』って!なら、零くんには今のままで居て欲しいんす!

そんな零くんが、きな子にとってはヒーローなんす!」

 

「きな子ちゃん……。」

 

きな子「……っ///

な、なんか変なこと言っちゃったっす…///」

 

「い、いや、そんなことないよ…///

……ありがと、おかげで勇気を貰えた気がするよ。」

 

きな子「力になれたなら良かったっす!

じゃあ、切るっすね!おやすみなさい!」

 

「うん、おやすみ。」

 

きな子ちゃんとの電話が終わって……一息ついた。

 

「……ヒーロー、か。

ははっ。そっか。」

 

……てか、めっちゃ心臓鳴ってんだけど。なにこれ。

 

「そのままの俺でいて欲しい、か。」

 

……ありがとう、きな子ちゃん。おかげで吹っ切れそうだよ。

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

賢汰視点──

 

夏美「ぬわぁぁっ!!

再びLiella!とBAD SOULに激震!新メンバーと旧メンバーとの間に修復不可能と思われる亀裂が!」

 

冬毬「動画作成しましょう!姉者!」

 

メイ「そんなことしてる場合じゃないだろ。」

 

夏美「ですよねぇ…。」

 

メイさんが夏美の頭にチョップする。

 

「そもそもそんなのないから。」

 

航海「冬毬と夏美姉さんを乗せるようなこと言わない。」

 

四季「でも私、マルガレーテちゃんと冬弥くんの気持ち、少しわかるかもしれない。」

 

かのん「みんなの事が嫌いだとか、スクールアイドルをやりたくないってことではないと思うんだ。」

 

きな子「クラスではどんな様子なんすか?」

 

冬毬「特に、いつもと変わりません。」

 

航海「あいつら揃って、気難しいというかなんというか……。」

 

俺らは1年生の教室の方まで行き、扉からマルガレーテと冬弥の様子を見ていた。

 

零「たしかに、いつもと一緒だな……。」

 

冬毬「実際、一緒に練習をしなくても、マルガレーテのポテンシャルがあれば、ライブに問題が生じる可能性は低いです。

このままで大会に挑んでも、問題はありません。」

 

……いや、冷静にこの状況は問題だろ。

 

きな子「せっかく同じスクールアイドル部になったのに…。」

 

航海「同じになったからこそ、互いが活動しやすい形にするのも、大切なことかもしれません。」

 

きな子「でも……でも嫌っす!きな子達は同じ仲間!同じチームなんす!」

 

そう言ってきな子さんは扉を開けて入っていく。

 

零「ちょ、おい!」

 

かのん「きな子ちゃん!?」

 

マルガレーテ「……?」

 

冬弥「……なんすか、いきなり。」

 

きな子「マルガレーテちゃん!冬弥くん!きな子と一緒に遊ぶっす!」

 

マルガレーテ「どうして?」

 

きな子「仲良くなるためっす!」

 

冬弥「だからそういうの好きじゃねえって──」

 

マルガレーテ「へ?」

 

きな子さんはどこからともなく縄跳びを取り出して2人に見せつける。

 

きな子「どっちが二重跳び、飛び続けられるか勝負っす!」

 

冬弥「突然すぎだろ。」

 

マルガレーテ「もうちょっといい遊びないの?」

 

きな子「はやぶさの方が好きっすか!?」

 

冬弥「そういうのじゃねぇよっ!

……しゃーない。マルガレーテ、やるぞ。」

 

マルガレーテ「まぁいいわ、なんでも付き合ってあげる。」

 

なんやかんやあって、縄跳びやったり、トランプやったり。

 

──てかマルガレーテ、大富豪強すぎないか?

 

マルガレーテ「私の勝ちでいい?」

 

きな子「3回!3回勝負っす!」

 

マルガレーテ「ルール勝手に変えないでよ。」

 

四季「強い…。」

 

メイ「だったら……!!

私がゲームで、対戦プレイの楽しさを教えてやるぜ!」

 

メイさんの得意なゲームも、2人は簡単にやってしまい、メイさんにすら勝ってしまう。

 

冬弥「俺の勝ち。」

 

メイ「おい2人とも!なんかズルしたろ!」

 

冬弥「するわけないでしょ。

チュートリアル通りにやっただけ。」

 

夏美「そもそも争い事で解決しようとすること自体、ナーンセンス!

ここは穏やかにぃ。ティータイムで平和的かつ大人な交流を──」

 

マルガレーテ「オーストリアはよくコーヒーが飲まれてるの。

私のおすすめは……。」

 

んで、マルガレーテおすすめのコーヒーを皆で飲んで……。

 

「美味っ。」

 

奏「すごいなオーストリア……。」

 

マルガレーテと仲良くなろうと頑張った3人が撃沈。

 

きな子「マルガレーテちゃんも冬弥くんも、何をやらせても完璧っす…。」

 

冬毬「やはり私は───」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

奏視点──

 

帰り道、かのんと千砂都、俺と彰人の4人で話しながら下校していた。

 

千砂都「『無理に仲良くなる必要は無い』か…。」

 

かのん「冬毬ちゃんはそう言うけど…。」

 

彰人「マルガレーテと冬弥も、本当はウィーンの学校に行きたかったのに実力不足の烙印を押されてこっちに来たんだよな。」

 

「そうだね。」

 

千砂都「それがきっかけで結ヶ丘に…。」

 

クレープを買って4人で座りながら話す。

 

彰人「向こうでも、それですごく気を遣われてたんだろうな。」

 

かのん「だと思う。」

 

千砂都「だから、今、相手がすごく自分に気を使ってくれている、とか、無理して話しかけてくれてる、とか。そういうのにすごく敏感になっちゃってるのかも。」

 

「たしかに、そうかもね。」

 

千砂都「仲良くならなきゃって構えるんじゃなくて、自然に距離が縮まる方法を考えなきゃ。」

 

またかのんの家にお邪魔すると、前と同じようにありあちゃんがお菓子作りを頑張っていた。

 

ありあ「よいしょっ……!!おぉ、いいんじゃない!?」

 

マルガレーテ「悪くないわ。」

 

ありあ「マルガレーテちゃんのおかげで、お店のメニュー、増えるかもしれないね!」

 

マルガレーテ「お店で出すなら、こんなレベルじゃ話にならないわ。」

 

ありあ「今に見ててよ???」

 

「仲良しだね。」

 

仲良くお菓子作りする2人を、俺とかのんは微笑ましく見ていた。

その時、隣でかのんがなにか閃いたようで……

 

かのん「そうだ……!!」

 

かのんはそのまま、千砂都に電話をかけはじめた。

 

かのん「ラブライブの地区予選のダンスフォーメーションって、まだこれからだよね?」

 

千砂都『うん、これから決めようと思ってたけど……。』

 

かのん「ふふっ。」

 

千砂都『どうしたの?』

 

かのん「託してみたいなって思ったんだ!」

 

……To be continued




次回、いよいよラブライブ&ワイルド・バトル・フェスへ。

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使用楽曲:Roselia『陽だまりロードナイト』
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