Jump to the Super star!!   作:黒破リンク

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幼馴染であるかのんが歌えるようになった。一方で、未だ立ち止まる奏。
憧れの存在、『SOUL』の正体へ徐々に近づく彰人。

そして、スクールアイドルになるために奮闘する可可達3人に待ち受ける試練とは。


第2話

かのん「カフェオレ~焼きリンゴ~♪

大好きさ、ルルルルル~、トマトも食べたい~♪ハンバーグもいい〜♪」

 

「なんじゃああの歌……。」

 

かのん母「私が聞きたいわよ……。」

 

何故かハイテンションなまま降りてきたかのん。

 

かのん「おっはよ〜!!

おっ?今日から2年生だね?」

 

ありあちゃんにだる絡みしたり──

 

かのん「いただきまーす!」

 

そのままのテンションでジャムのトーストを食べたり──

 

かのん「まんまる、行ってくるね!

ハンバーグもいい〜♪」

 

よく分からんテンションで出ていくかのん。

 

「じゃあ、俺も行ってきます。」

 

代金を置いて、俺はかのんの実家を出る。

 

かのん「やった……!!やった……!!人前で歌えたー!!!

スクールアイドル……ここでなら私も、歌えるんだっ……!!」

 

なるほど、謎のテンションの正体はそれだったのね。

教室に着いた俺たちは、項垂れる可可さんを見つけた。

 

可可「あぁぁぁ……ダメだったデス…。」

 

かのん「何?どうしたの?」

 

「『部活動申請書』……。

え、出したの!?」

 

可可「スクールアイドルは、やはりこの学校には必要ないと、葉月さんが……。」

 

「あちゃー…。」

 

可可「聞いたところ、部活に関しては暫定的にあの人を中心とした生徒会が管理すると言う話になっているみたいデして…。」

 

「そこに受理されないと、ダメだもんな……。」

 

かのん「私に任せて!」

 

そのまま3人で葉月さんの所へ向かったのだが──

 

恋「答えは同じです。」

 

「どうしてだ?」

 

恋「同じ説明を2度したくないのですが。」

 

「わかんねぇよ。

部活だよ?生徒が集まってやりたいことをやる事の何が悪いんだ?」

 

恋「スクールアイドルにも、音楽と言える要素があります。」

 

「それが?」

 

恋「分からないのですか?

音楽科があるこの結ヶ丘は、少なくとも音楽に関してはどんな活動であっても他の学校より秀でていないとこの学校の価値が下がってしまいます。」

 

「つまり、レベルの高いものじゃなきゃダメってことか?」

 

可可「それなら大丈夫デス!可可とかのんさんなら──」

 

恋「本当にそう言えますか?

スクールアイドルは、今や多くの学校で活動が行われています。その状況の中で、あなた達がこの結ヶ丘の代表として恥ずかしくない成績を挙げられますか?」

 

「……やってもねぇのにそこまで…。」

 

恋「もう一度言います。音楽に関してはどんな活動であっても他の学校より秀でていないとこの学校の価値が下がってしまうのです。音楽活動に関しては、他校に劣る訳には行かない。

──どうしてもやりたいのであれば、他の学校に行くことですね。」

 

言わせておけば……随分勝手なことを言いやがって。

 

可可「おふたりとも、行きまショウ…。」

 

俺たちは大人しく引き下がることにしたのだが───

 

可可「あのコンチキショー許すまじ……!!!」

 

学校終わりにかのんの家で話をしていた時に、唐突に可可さんが退学届を手にしていた。

──ん?既に名前書いちゃってるし……不味くね?

 

可可「かのんさんも奏さんも書いてくだサイ!」

 

「無茶言うな!?」

 

かのん「これは……?」

 

可可「退学届デス!!」

 

かのん母「退学!?」

 

ありあ「2日目にして!?」

 

かのん「そりゃ困るよ!?」

 

可可「こんな学校にいてもしょうがありません。

3人で別の学校に行ってスクールアイドルを始めまショウ。」

 

かのん「いやいや、無理でしょ……。」

 

可可「大丈夫、編入試験で他の学校に行くこともできマス。

家はどこら辺ですか?」

 

かのん「ここです……。」

 

可可「そうでシタ……。」

 

おいおい、とんでもない話になっちゃったよ……。

 

可可「ではここら辺の学校で……」

 

「待ってくれ可可さん。

気持ちはわかるけど、流石にそれは親も許してくれないよ。」

 

ありあ「お姉ちゃん……」

 

かのん母「学校辞めたいの…?」

 

かのん「辞めない!!大丈夫!!」

 

ありあちゃん達もなんか辞めるみたいな方向で話進み始めてそうなんだけど……。

辞めないからね?

 

可可「うわぁぁ〜……。どうしてこうなるデスかー!!!」

 

かのん「ごめんね、可可ちゃん。

私に任せて、なんて言っておきながら……。」

 

可可「違いマス!かのんさんは優しいデス!とっても優しい!

この学校に来なければ、かのんさんとも出会えていませんでした。

だからどうしても私はかのんさんとスクールアイドルを始めたい!」

 

かのん「ありがとう。」

 

可可「こちらこそデス!

デスが、スクールアイドルのことをよく思わない人も結構いマス…。可可の周りにも、バカにして、鼻で笑うような人もいて……。

でも、可可はスクールアイドルはとっても素晴らしいものだと思ってマス!」

 

かのん「私も。」

 

「俺も思うよ。

──1人のスクールアイドルの歌に、心打たれたこともあるし。」

 

可可「ホントですか!?」

 

かのん「可可ちゃんが夢中になるのもわかる。ただ、ちゃんと知ってる訳じゃないから、はっきりとは言えないけど。」

 

可可「嬉しいデス。」

 

かのん「どうにかスクールアイドルを部に出来ないか、私も頑張るよ!」

 

それから──

 

千砂都「ドゥンドゥンチャッ、Yoワタシマンマルスキ、スゴクスキ♪マンゲツスキsoマルガスキ〜♪」

 

彰人「なんだよ、その歌。」

 

千砂都「マルが好きって歌!どう?」

 

彰人「……3点。」

 

千砂都「厳しいなぁ〜。

……??あの子、うちの学校の……。」

 

彰人?それに千砂都まで──

 

「おーい、2人とも。」

 

千砂都「うぃっす〜!マンマル〜!!

やっぱり君は、完璧なマルだね〜?」

 

マンマル「キュー?」

 

かのん「どう?恋って子の弱点、見つかった?」

 

千砂都「も〜、来たばっかなのに!」

 

かのん「ごめん。

なんでもいいんだよ?恋って子が敵対してるグループとか、実はお化けが大の苦手だとか!とにかく、私たちが有利になるあの子の弱点を──」

 

彰人「そうだな、一言で言うなら──」

 

「うんうん。」

 

千砂都「弱点は──」

 

かのん「弱点は……?」

 

2人「「弱点は──」」

 

かのん「弱点は……?」

 

2人「「ないYo!(な。)」」

 

「……期待した俺がバカだったわ。」

 

彰人「音楽科の奴らに色々聞いてみたんだけどな。

『頭もいいし、運動神経もいいし、リーダーシップもある』。むしろ頼りにしてる奴の方が多いみてぇでな。

それに、あの理事長はあいつの母親、葉月花さんの知り合いでな。

だから、あいつのダメって言うことをひっくり返すのは相当難しいだろうな。」

 

かのん「……。」

 

千砂都「あのね?一旦他の部を作るか、入ってみてそこで歌うのはダメ?」

 

「他の部で?」

 

千砂都「うん。

他の部で怒られずに活動を続けて、チャンスが出来たらスクールアイドルを始めるとか……。」

 

「それじゃダメだな。」

 

千砂都「なんで!?」

 

「この状況を許したら、結ヶ丘は葉月さんの好きにできることになるだろ?

それは無理だろ。」

 

千砂都「って言ったって、スクールアイドル部は認めて貰えなかったんでしょ?」

 

かのん「だったら別の方法を考える。可可ちゃんが困ってる。」

 

千砂都「そうかもしれないけど……」

 

かのん「そもそも、そんな理由で他の部に行ったらその部に失礼だし……

それに私、本気でちょっとスクールアイドルに興味があるの。」

 

彰人「スクールアイドル……ねぇ。」

 

千砂都「かのんちゃん……。」

 

かのん母「今なんて……?」

 

ありあ「お姉ちゃんが……アイドル〜〜!?!?」

 

「……んで、なんで彰人は千砂都と一緒に来たんだよ。」

 

彰人「ん?あぁ……。

音楽科の練習室で仲良くなってさ。

それにバイト先も一緒で気づいたら仲良くなってた。」

 

千砂都「うぃーっす。」

 

彰人「うぃっす〜。」

 

「陽キャってすげぇ……。」

 

かのん「???」

 

彰人「あ、自己紹介が遅れてすまない。

俺は高松彰人。奏の友人で、千砂都さんのクラスメイト。よろしくな。」

 

かのん「私、澁谷かのんって言います。よろしくお願いします、高松君!」

 

彰人「彰人でいいよ。苗字で呼ばれるの、硬っ苦しくて嫌いなんだ。」

 

かのん「じゃあ……彰人君って呼んでいい?」

 

彰人「おう。

よろしく、かのんさん。」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

次の日──

 

可可「我々に自由を!自由に部活動ができないなんて間違ってマス!

部活動は常に、皆に平等であるべきデス!そう思いまスよね!?さぁ皆さん、共に戦おうではありませんか!」

 

「こういうことじゃ、ないと思うんだけどな……。」

 

何故か、俺たちは可可さんが作った台車を引きづる事になってた。

地味にデカいし台車が重いんだが……。

 

可可「お2人とも、私の作戦、上手く行ってますよね?」

 

かのん「そうだね……。」

 

可可「署名お願いしマース!!」

 

ヤエ「かのんちゃん?」

 

ココノ「何してるの?」

 

かのん「一応、署名運動?

自由に好きな部を設立出来た方がいいよね……。」

 

ナナミ「まぁ…。」

 

かのん「じゃあ署名して〜……。」

 

ココノ「マズイよ、葉月さんにバレちゃったらどうするの!?」

 

ヤエ「やるにしてももう少しこっそりやんないと……。」

 

ナナミ「下手すると音楽科に目をつけられちゃうよ!?」

 

かのん「別に、間違ったことをやってる訳じゃ……」

 

千砂都「かのんちゃ〜〜ん!!!奏〜〜!!!」

 

「千砂都?それに彰人まで……。」

 

可可「お2人のお友達デスか?」

 

彰人「理事長が呼んでんぞ〜〜!!!」

 

まぁ、んなこったろうと思ったよ!!!

こんな目立つようなことしてたら怒られるでしょうねぇ!!

 

理事長室に呼ばれた俺達。

そこには既に葉月さんもいて──

 

理事長「それで、署名活動をしていたわけね?」

 

かのん「はい!やりたいことがあるのに、自由にできないのはおかしいと思いまして!」

 

理事長「葉月さん?設立の許可を出さなかったのは事実なの?」

 

恋「部活の自由を阻害したつもりはありません。」

 

可可「しまシタ!」

 

恋「スクールアイドルだけです。」

 

「それを、許可を出してないって言うんじゃないのか?

って言うか、なんでそれがダメだって言うんだ?」

 

恋「理由は言ったはずです。」

 

「その理由が納得いかねぇから俺たちがこんなことしてんだって。」

 

半分キレながら俺は葉月さんにつっかかっていたら、理事長が話を切るように口を開く。

 

理事長「大体事情はわかりました。

……葉月さん。」

 

恋「はい。」

 

理事長「気持ちはわかりますが、普通科の生徒が…レベルがどうあれ、音楽に興味を持つのを止める権限はありません。」

 

なーんかちょっと物言いが腹立つんだよな、この理事長。

レベルがどうあれってなんだよ。

 

恋「──!?ですが母は……!!」

 

理事長「お母さんはここでは関係ありません。わかりましたか?」

 

恋「──はい。」

 

理事長「本学の方針に沿って、スクールアイドルの活動を禁止はしません。

ただし、葉月さんの言う通り、音楽はこの学校の大きな誇りです。」

 

可可/かのん「「…!!」」

 

理事長「課題を出します。」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

理事長室を出た俺たちは、千砂都と彰人と合流して理事長との話を共有した。

 

千砂都「1位!?!?」

 

彰人「バカじゃねぇの!?!?」

 

可可「はい!この近くのスクールアイドルが集まって、行われるフェスで……。」

 

千砂都「それが『代々木スクールアイドルフェス』……。」

 

かのん「その大会に出て、1位になれば、活動を許可するって。」

 

彰人「頭固すぎだろあの理事長。

いきなりのステージで1位なんて無理だろ。」

 

「どんまい。」

 

可可/かのん「「まだ終わってない!!」」

 

「悪い悪い。」

 

彰人「んで、どうすんだよ。」

 

「それで、かのんと可可さんで曲作って練習しようって話をしてたんだとさ、2人とも振り付けもダンスも全然知識ないし。

ダンスは俺も触れてないしな。」

 

かのん「それに、最近のスクールアイドルのレベルも高いらしくて……。」

 

可可「もし良かったら……」

 

かのん「もし良かったら……」

 

かのん/可可「「ちぃちゃん(千砂都さん)にダンスを教われたらと!!」」

 

千砂都「私?」

 

「彰人、俺からも頼む。2人の手伝いをやってくれないか?

もちろん、俺も手伝う。」

 

俺はそう言って彰人に頭を下げた。

 

彰人「おいおい、顔上げろって。

……ま、困ってるやつ助けないのは男としての流儀に反するしな。」

 

かのん「お願いっ!!」

 

千砂都「しょーがないなぁ、ちぃちゃんの授業料は高いよ〜?」

 

彰人「俺も手伝ってやるよ。

人数は多い方がいいだろ?」

 

かのん「いいの!?」

 

千砂都「うん!!私たちで良かったら、喜んで!!」

 

かのん/可可「「やったー!!」」

 

「これで、ダンスは百人力だな。

千砂都のダンスは小学校の頃から評判だったしな。」

 

可可「良かったら、お2人もスクールアイドル一緒にやりまセンか?」

 

千砂都「私?」

 

彰人「……もしかして俺もか?」

 

可可「はい!是非!」

 

「可可さん、それは無理だよ。」

 

可可「??」

 

「千砂都も彰人も音楽科。これ以上無茶は言えないでしょ?」

 

可可「そうデスか…。」

 

千砂都「……。」

 

千砂都……なんか思い詰めた顔してるな。

なんか俺たちに隠してるのか?

 

彰人「コホン。

改めて。高松彰人。音楽科1年。よろしく頼むぜ。」

 

可可「上海から来まシタ!唐可可と言います!よろしくお願いします、彰人さん!」

 

彰人「おう!よろしくな。」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

千砂都と彰人に頼み込んで始まった練習。

かのんも可可さんも着替え、俺もダンスを見て実践するために練習着に着替えて千砂都と合流した。

 

千砂都「よぉし、まずは2人の実力を見るよ!

じゃ、簡単なステップから!」

 

2人「「はい!」」

 

千砂都「1,2,3,4,5,6,7,8……1,2,3,4,5…6…7…8…。」

 

可可「あぁ……。」

 

千砂都「あれ?」

 

かのん「可可ちゃん?」

 

可可「1つ言い忘れてまシタ……可可、運動苦手デェス……。パタリ。」

 

「可可さん……。」

 

4人「「「「嘘でしょ〜〜!?!?(だろ!?!?)」」」」

 

可可「真的……(本当です)」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

竹下通り──

 

すみれ「うわぁ〜!!美味しそ〜!!」

 

すみれはキョロキョロと周りを見るも、反応無いと見るや……

 

すみれ「場所が悪いみたいね。」

 

すみれの耳に、Sunny Passionの『HOT PASSION!!!』が響く。

 

女の子1「きゃ〜!!サニパー!」

 

女の子2「かっこいいでしょー!」

 

すみれ「サニパ?」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

可可「ぁぁぁぁぁぁっ……。」

 

走り込みを終えたのはいいのだが、可可さんの体力がもう限界のようだ。

 

可可「今日はこのくらいにしておいてやるデス……。ぐ、苦じい……。」

 

「まさかの……。」

 

彰人「体力0……。」

 

可可「……パタリ。」

 

彰人「ぜんっぜんダメじゃねぇか!!

よくそれでアイドルやろうって思ったねぇ!?!?」

 

可可「気持ちデス!!スクールアイドルに1番大切なものは気持ちデスので!!」

 

千砂都「なるほど……。」

 

「いや、納得するなし。」

 

可可「ちなみに、リズムゲームでは完璧ダンスコンボを繰り出せますよ〜。シャンシャンシャン!」

 

かのん「それは意味ない。」

 

彰人「でも、リズム感はあるってことだな。」

 

かのん「ポジティブ!」

 

千砂都「でも、ちょっとしか時間ないんだよ?」

 

千砂都は怖ーい顔して可可さんに詰寄る。

 

千砂都「あっという間だよ?」

 

彰人「どちらにしろ、その体力じゃスクールアイドルは無理だ。

続けてれば基礎体力は付いてくるから、その後は並行してダンスのレッスンもやってくぞ〜。

──行けっかァ?可可さん!!」

 

可可「やりマス!!」

 

夕日が差し込む時間になり、俺たちは練習を一旦切り上げた。

 

千砂都「今日はここまで!明日からはダンスも始めるよ!」

 

かのん「ありがとうございましたぁ……。」

 

可可「謝謝……。」

 

「曲作りも始めないとだな。」

 

千砂都「そっか、それもこれからだもんね。」

 

可可「ありマス…。」

 

「あるって……曲が?」

 

可可「一応、書き溜めた歌詞がありマス。

一部中国語デスが……。」

 

可可さんはノートを取りだして、俺たちはそれを開いた。

 

彰人「すげぇなこりゃぁ。」

 

「いい歌詞だ……。」

 

ノートには、『歌いたいこと!!』と『あきらめないキモチ!!』と書いてあった。

 

あきらめないキモチ……か。

 

かのん「私、これすごくいいと思う!」

 

可可「本当デスか!?」

 

かのん「うん!可可ちゃんから貰った言葉、大事にして曲作ってみるね!

あきらめないキモチ……!!」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

かのんは家に帰って、ノートを見て歌詞をみる。

 

かのん母「何?宿題?

……なわけないか。」

 

かのん「宿題だよ。友達から…出された。

お父さんの部屋に、中国語の辞書あるよね?」

 

かのん母「そりゃああるよ。翻訳家なんだから。」

 

かのんは父の部屋を訪れて扉を開ける。

 

かのん「お父さーん。」

 

辞書を借りて、歌詞を翻訳する。

それをありあ達は物陰から見守っていた。

 

ありあ「すごい…!」

 

かのん母「かのんがあんなに夢中になって…!」

 

ありあ「ところで、中国語の授業って高校にあるの?」

 

かのん母「さぁ?」

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

次の日も練習が続き……

 

可可「苦しい……!!」

 

千砂都「偉い偉い!」

 

かのん「よく頑張ったね!」

 

ダンス練習も始まり──

 

千砂都「1,2,3,4,5,6,7,8!1,2,3,4,5,6,7,8!」

 

練習を続けたり……。

夜には隣の家にあるかのんの部屋からギターの音が聞こえる。

 

「……俺も試しに作ったりしてみるか。」

 

連日の練習と徹夜も相まってか、俺はだいぶ限界だった。

可可さんも限界だったのか、中庭のベンチで可可さんは寝ていた。

 

千砂都「凄いとこで寝てるね。」

 

「千砂都のメニュー、毎日やってるみたいだしな。」

 

彰人「こんなんで授業大丈夫なのかよ?」

 

かのん「あぁ〜…それは全然!」

 

教師『じゃあこの問題を……唐可可さん。』

 

可可『x2乗+2x+5デス!』

 

教師『正解です。』

 

可可『おやすみなさーい…。』

 

かのん「運動以外は完璧なんだよね〜。

そうだ、昨日ちょっと曲作ってみたんだ!」

 

千砂都「さすがかのんちゃん!」

 

かのん「可可ちゃんの言葉が素敵だったから、きっとこんな歌にしたいんじゃないかなって思って作ってみたの!まだ完成してないんだけど──」

 

かのんはそう言って録音した曲を流す。

 

「いい曲だな!可可さんの気持ちが伝わってくるし、かのんらしさも出てる。

かのん!完成したら編曲させてくれ!!」

 

かのん「嬉しい!!

じゃあもう少し頑張って、この曲を完成させるから、振り付け考え始めてもらってもいい?」

 

千砂都「OK!けど2人の実力には合わせないよ?1位取らなきゃだもんね!

覚悟、出来てる?」

 

かのん「頑張る!!」

 

可可「頑張りマス!!」

 

彰人「起きてたんだ。」

 

可可「気合いです。

……パタリ。」

 

その後も練習が続き──

 

かのん「疲れた〜!!」

 

彰人「2人ともだいぶ良くなったんじゃないか?」

 

かのん「どうかなぁ……。」

 

「いや、最初に比べたらかなり良くなってるよ。」

 

可可「なんだか、気持ちよくなってきまシタ……。」

 

千砂都「じゃあ、その勢いで1セット走る?」

 

2人「「無理〜〜!!」」

 

ふと、合唱が聞こえる。

 

「合唱……。」

 

かのん「……よし!もう1セット!!」

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

生徒会室──

 

恋「………。」

 

恋は、パソコンの画面を眺めては閉じた。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

ふと窓の外を見ると、かのん達が走っていた。

俺は着替えて外へ出てかのん達に合流して、少し遠くの歩道橋辺りまで走って、少し休憩をしていた時だった。

 

かのん「私ね、音楽科の受験に失敗した時、何もかも終わった、って思った。卒業式があって、春休みがあって。高校の入学式があってもずっと終わったって思ってた。このまま終わりが続くんだなって思ってた。でも──やっと始まった!次の私が……始まった!!」

 

朝日が登り始めた。

 

可可「綺麗デスね。」

 

「だな。」

 

かのん「そうだ!さっき曲完成したんだ!」

 

可可「聞きたいデス!」

 

かのん「人がいるから、ここじゃ恥ずかしいよ…。後でデータ送るね?」

 

可可「……歌ってくれまセンか!」

 

かのん「えっ?」

 

可可「ここで……歌ってくれまセンか!可可、かのんさんが歌ってるところが見たい。かのんさんの歌が聞きたいデス!」

 

かのん「可可ちゃん……。

歌えるかな……。」

 

「響かせろよ、この街に、かのんの歌声を!!

かのんなら、歌える!!」

 

 

 

……To be continued




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