転生したから魔法少女モノで黒幕やることにした   作:外道黒幕魔法少女

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4話

陽菜と涼香は、休憩所でお菓子を広げていた

オレンジ色の髪を揺らす陽菜が、ポリポリとクッキーを食べながら呟く

「魔法少女って大変だけど…なんか、楽しいかも」

 

隣で水色の髪を軽く束ねた涼香が、紅茶を啜りながらクスリと笑う

「慣れてくるともっと大変になるわよ。覚悟しておきなさい」

 

ソルが陽菜の肩の周りを飛び回り、陽気な声で提案する

「ねえ、次は『魔力感知』を教えてあげるんだよね!これができれば、怪物が近くにいてもすぐ分かるよ!」

 

陽菜が目を丸くして尋ねる。

「魔力感知って何ですか?名前は聞いてるんですけど」

「近くにいる怪物や魔法少女の魔力を感じ取る力よ。戦場では味方や敵の位置を知るのに必須。基礎魔法の中でも身体強化の次には大事よ」

「例を挙げるとすると、近くにいる敵や見えない敵の発見。味方の位置を知ることでカバーしたり、敵の攻撃の兆候が分かったりするわ」

 

陽菜は涼香の説明をワクワクして聞いてるのを見て、涼香は微笑んだ

「休憩もこれぐらいにして、訓練に戻りましょう」

 

─────

 

「まずは目を閉じて、魔力を体中に巡らせて。そのまま目を開けてはダメよ 」

「次に、自分中心とした周囲に魔力の網も作るイメージをする」

 

陽菜は目を閉じた。深呼吸し、魔力を体に巡らせる。オレンジ色の暖かい感覚が胸から腕、足先へと広がっていく。

ソルが「いい感じだよ、サンライズ!」と励ました。

 

「外に意識を向けて。目を閉じたまま私がどこにいるか感じてみて」

涼香が静かに言い、訓練場の端に移動した

陽菜は眉を寄せて集中する。頭の中でオレンジ色の光が広がり、周囲を探る感覚をイメージした

 

「……何か冷たい感じがする。この水みたいな魔力はアクアタイドさんなんですね」

陽菜が目を閉じたまま呟くと、涼香が小さく頷いた。

「そうね。私の魔力は水に近い。貴女のは暖かい光。上手よ」

 

「やった! アクアタイドさんの場所、分かりました! そこですよね?」

彼女が訓練場の端を指すと、涼香が「正解」と微笑んだ。

 

「次は少し難しくするわ。フィン、隠れて」

フィンが「えーっ」と文句を言いつつ、飛んで訓練場のダミーの影に隠れた。

涼香が陽菜に指示した

「今度はフィンの魔力を探して。小さいから難しいわよ」

 

陽菜は再び目を閉じ、魔力を集中させた。暖かい光が広がり、訓練場全体を網で張り巡らせるイメージ。しばらくすると、小さな青い点が意識に浮かんだ。

「…あ! 小さいけど、アクアタイドさんと同じ水っぽい感じ! あそこ!」

陽菜がダミーの方を指すと、フィンが「見つかっちゃったー!」と飛び出してきた。

 

涼香が満足そうに頷いた。

「よくやったわ、サンライズ。魔力感知は慣れが必要だけど、貴女ならすぐ使えるセンスがあるようね。次は——」

 

その時、訓練場の壁に備えられた警報がけたたましく鳴り響き、赤いランプが点滅した

 

─────

 

「何!?」

陽菜が驚いて振り返ると、涼香が即座に魔力感知を発動。青い光が彼女の手から広がり、訓練場の外に意識を向けた。彼女の顔が硬直した。

 

「近くに怪物の魔力…支部から数キロ先の住宅街。5体の反応よ。すぐに移動するわ」

涼香の声が鋭く響き、陽菜の心臓が跳ねた

 

「5体も!? 多い…!」

「時間がない、サンライズ。私一人じゃ対処しきれない。貴女が必要よ、行くわよ!」

涼香が槍を握り締めると、フィンが「アクアタイド、急いでー! やばいよー!」と叫んだ。

 

陽菜は震える足を踏み締め、杖を握り直した

「はい…! 私も行きます!」

 

二人は訓練場の転移ポイントへ駆け込み、涼香が「住宅街の中心に設定して!」と指示。陽菜が目を閉じ、魔力を集中させると、体が浮き、次の瞬間、住宅街の広場に立っていた。

 

夕陽が血のように赤く染める住宅街

住民は既に避難を済ませたのか、静寂に包まれていた

静寂を切り裂く唸り声と羽音が響き、広場の周囲から5体の怪物が一斉に姿を現した

 

「うわっ…囲まれてる!」

陽菜が後ずさると、涼香が冷静に槍を構えた

「狼型はスピード、蛇型は火、鳥型は霧、蜘蛛型は糸、猿型はパワーがあるわね。私が潜って狼型と蜘蛛型を抑える。サンライズ、蛇型と鳥型を倒して。猿型は最後ね。」

 

「了解です!」

陽菜が杖を構えると、涼香の体が水のように半透明になり、地面に溶け込んだ

 

戦闘が始まった

 

狼型が陽菜に飛びかかり、鋭い爪が空気を裂いた

涼香が地面から飛び出し、槍で突き上げ、狼型を一瞬で貫く

血飛沫が飛び、狼型が地面に倒れ、灰となる

「サンライズ、蛇型を!」

陽菜が杖を振り、オレンジ色の光線を蛇型に放つ

炎を吐こうとした蛇型が悲鳴を上げ、灰に変わった。焦げた臭いが鼻をついだ

だが、鳥型が霧を吐き、広場が白く染まった

 

陽菜が「見えない…!」と叫ぶと、蜘蛛型が霧の中から糸を吐き、陽菜の足を絡め取った。糸が締まり、足首に痛みが走る。

 

「動けないっ!」

涼香が蜘蛛型の背後に現れ、槍で脚を貫いた。蜘蛛型にとどめをさし、糸が緩むと、陽菜がよろけながら立ち上がった。

 

「魔力感知よ、サンライズ! 鳥型を!」

 

陽菜は目を閉じ、暖かい光を広げた。霧の中で鳥型の小さな魔力を捉え、

「あそこ!」

ビームを放つと、霧が晴れ、鳥型が灰になって落ちた

羽音が消え、視界が開けた

 

狼型、蛇型、鳥型、蜘蛛型が倒され、残るは猿型だけ

猿型が咆哮を上げ、太い腕を振り回して地面を叩いた。コンクリートがひび割れ、衝撃波が陽菜をよろけさせた

 

「強すぎる…!」

猿型が涼香に突進し、棍棒のような腕を振り下ろす

涼香が潜水で地面に潜り、背後に回り込んで槍で脚を突いた

だが、猿型は耐え、振り向いて涼香を叩き飛ばそうとする

涼香が再び潜り、側面から槍を突き刺し、素早く離脱。

 

「サンライズ、少し時間稼ぐわ!」

涼香が潜水を繰り返し、猿型の周囲を高速で動き回る。地面から飛び出し、槍で首を突き、潜っては背中を狙い、再び潜る

猿型が咆哮し、腕を振り回すが、涼香の動きに翻弄され、槍の傷が徐々に増えていく。だが、猿型の耐久力は高く、動きが止まらない。

涼香の息が上がり、槍を持つ手が微かに震え始めた。

 

猿型が涼香を見失い、標的を変え陽菜に突進してきた。

陽菜が「うわっ!」と杖を構え、光線を放つが、猿型が腕で受け止め、耐えた。

棍棒が振り下ろされ、陽菜が転がって避ける

地面にひびが入り、冷や汗が流れた。

 

「サンライズ、私が引きつける! 最大出力で撃って!」

 

涼香が潜水で猿型の背後に回り、槍で首を突いて動きを鈍らせた

猿型が振り向き、咆哮を上げて涼香に腕を振り下ろす

涼香が潜って避ける

猿型が怒り狂い、地面を叩いてコンクリートを砕き、涼香の潜った地面に拳を叩きつけた

涼香が飛び出し、槍で腕を突くが、猿型が振り払い、涼香が地面に叩きつけられた

「アクアタイドさん!」

 

陽菜が杖を両手で握り、叫んだ

猿型は涼香の執拗さに苛立っているのか陽菜のことを見ていない今がチャンスだった

魔力を全て込め、最大出力の光線が猿型を直撃する。オレンジの光が猿型を包み込み、耐えたかに見えたが、ついに灰となって崩れ落ちた。灰が風に舞い、広場に静寂が戻った。

 

─────

 

 

陽菜が杖を下ろし、へたり込んだ。息が上がり、声が震えた。

「はぁ…はぁ…やった…! 猿型、強すぎ…!」

 

涼香が地面から這い出し、肩を押さえながら立ち上がった。髪が乱れ、息が荒い。

「貴女の魔力感知とそのビームがなければ、私だけじゃ対処できなかった。よくやったわ、サンライズ」

 

ソルが「サンライズ、すごいよ! かっこよかった!」と飛び回り、フィンが「アクアタイドもねー! サンライズもねー!」と騒いだ

陽菜は涼香に駆け寄り、目を潤ませた

「アクアタイドさん、大丈夫ですか!? 怪我は!?」

 

涼香が小さく微笑み、槍を支えに立ちながら言った。

「少し痛むけど平気よ。身体強化で軽い打撲で済んでいるわ。あとは自己治癒に任せればすぐに治るわ」

 

夕陽が二人の影を長く伸ばし、陽菜の胸には仲間との絆と魔法少女としての決意が深く刻まれていた。

 

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