転生したから魔法少女モノで黒幕やることにした   作:外道黒幕魔法少女

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5話

朝陽が陽菜の部屋に柔らかく差し込む静かな朝。カーテンの隙間から漏れる光が、ベッドに座る彼女の膝を照らしていた

陽菜は膝を抱え、目を閉じて昨日の戦いを思い返していた。5体の怪物との死闘——鋭い爪で切り裂く狼型、燃え盛る炎を吐く蛇型、視界を奪う霧を操る鳥型、糸で絡め取る蜘蛛型、そして圧倒的な力で地面を砕く猿型。アクアタイドとの連携でなんとか勝利したが、心の奥に恐怖が沈殿している

 

陽菜は震える手で膝を握り、窓の外を見つめた。遠くの街並みが朝陽に染まり、平和そうに見えるその景色が、昨日の血と灰の記憶と重なる。「私…本当に魔法少女でいいのかな…」声が小さく震え、部屋の静寂に溶けた

 

「おはよう、陽菜! 昨日は大活躍だったね!」

オレンジ色の光がふわりと現れ、ソルが陽菜の目の前に浮かんだ。その陽気な声に、陽菜は弱々しく笑った

 

「大活躍って…怖くて足が震えてただけだよ。アクアタイドさんだけが動いて私は立ったまま魔法を撃っていただけ。アクアタイドさんがいなかったら、私、死んでたかもしれない」涙が滲み、彼女は目を擦った。

 

「でも、君のビームが猿型を倒したんだよ! 陽菜は強いよ!」

ソルが小さな体を揺らし、必死に励ます。陽菜はその言葉に目を潤ませ、ソルの光を見つめた。

「強い…かぁ。私、そうなりたいな。」

胸の奥で何かが熱くなり、彼女は深呼吸して立ち上がった。制服に着替え、朝食を済ませ、母に「今日も友達と遊ぶかも」と告げた。

 

陽菜は家から出ると、人のいない場所で変身して転移魔法を試みた。昨日教えられた手順を思い出し、魔力を集中させる。胸から暖かい光が広がり、空間が歪む感覚と共に訓練場の小さな部屋に着地した。

 

「できた!」と小さく叫ぶと、ソルが「完璧だね! 」と褒めた。

陽菜はかすかな自信を覗かせて微笑んだ

 

訓練場には涼香が立っていた。槍を手に静かに佇んでいる。

涼香も陽菜の姿を見つけるとホッとした表情をした

 

「おはよう、サンライズ。昨日は本当によくやったわ」

「おはようございます、アクアタイドさん…でも、私、まだ怖くて。もっと強くなりたいんです」

 

陽菜の声には切実さが滲み、アクアタイドの瞳が一瞬鋭くなった。

 

「怖いのは弱さじゃないわ。貴女が昨日、私と2人でで5体を倒したのは事実。それを誇っていい」

 

アクアタイドの言葉は静かだが力強く、陽菜の胸に響いた。涙がこぼれそうになり、彼女は唇を噛んで堪えた

 

「ありがとう…アクアタイドさん。私、信じてみます」

 

「陽菜はすごいんだから!」

「サンライズ、かっこよかったよー!」

 

「今日は昨日のことを考えて模擬実戦よ」

 

アクアタイドが訓練場の奥を指すと、そこには不気味な影が揺れていた。3体の模擬怪物——鋭い角を持つ牛型、長い尾がうねる蜥蜴型、そして浮遊するクラゲ型が、低い唸り声を上げて陽菜を見据えている。壁に映る影がゆらめき、訓練場の空気が一瞬重くなった

 

「サンライズ、一人で戦って」

「一人で!?」

 

陽菜の声が裏返り、杖を握る手に汗が滲んだ。アクアタイドが静かに頷き、鋭く続けた。

「貴女、PTSDの兆候にあるのよ。PTSDは慣れによる克服しかない。戦場じゃ誰も頼れない時がある。貴女の限界を超えてみて」

 

陽菜は息を呑み、心臓が激しく鼓動する。目の前の模擬怪物たちが、昨日の記憶を呼び起こす

「私に…できるかな」

恐怖と決意が交錯する中、彼女は杖を握り直した

 

─────

 

戦闘が始まる

 

牛型が地面を震わせて突進してきた

陽菜は魔力を足に集中させ「飛翔」を使う。ふわりと浮かんだ瞬間、牛型が空を切り、地面に突き刺り動きが止まった

ソルが「今だ、サンライズ!」と叫び、陽菜は杖を振った。光線が牛型の背中に命中し、衝撃音と共に模擬怪物が消える

 

「一つ目…!」

 

息をつく間もなく、蜥蜴型が長い尾を鞭のように振り回してきた

陽菜は慌てて着地し反撃を伺うが、尾が頭上に止まった

急いで魔力を全身に巡らせ、光が体を包む両腕をクロスする

尾が振り下ろされ、衝撃に耐える

 

「痛っ…でも、平気!」

 

陽菜は杖を構え、「太陽」のビームを放つ。

光が蜥蜴型の尾を焼き切り、蜥蜴型も消える

 

「二つ目…!」

 

クラゲ型を探すが、姿を見当たらなかった

陽菜は「魔力感知」を発動し、集中する。暖かい光が広がり、背後にクラゲ型の魔力を捉える。

 

「そこ!」

すぐさま後ろにビームを放つが、触手が跳ね返し、光が訓練場の壁に焦げ跡を残した

 

「跳ね返された!?」

陽菜の声が震える

涼香が「落ち着いて、動きを読んで!」と叫んだ瞬間、陽菜の脳裏に昨日の猿型の記憶が蘇る

 

「大丈夫!私!できる!」

 

深呼吸し、クラゲ型の触手が伸びる瞬間を見極める

触手が動き出した瞬間「飛翔」で跳び上がり、角度を変え光線を放つ

光がクラゲ型の胴体を貫き、クラゲ型が消える

 

訓練場に静寂が訪れ、陽菜は杖を下ろして膝をついた

 

「全部…倒した…!」

汗と涙が混じり、声が震える

 

涼香が駆け寄り、肩に手を置いた

「貴女の力よ、サンライズ。恐怖を超えた瞬間を見たわ」

 

「アクアタイドさんのおかげです…私、強くなりたいって思えた」

「貴女はもう強いわ。あとは信じるだけよ」

陽菜は涙をこらえきれず、頷いた。

 

─────

 

その時、訓練場の入口が勢いよく開いた

けたたましい足音と共に、赤い短髪、赤と黒の衣装の少女が現れた。鋭い目つきと自信満々な笑みを浮かべ、炎のような模様を持つドラゴン型の妖精が彼女の周りを飛び回る。陽菜とアクアタイドが振り返ると、少女が大声で叫んだ。

 

「おい、新人! さっきの戦い、めっちゃ熱かったぜ! お前、誰だ!?」

「え、私?」と戸惑うと、アクアタイドがため息をついて紹介した。

 

「ブレスインパクトよ。騒がしいけど実力はあるわ。」

 

ブレスインパクトがムっとする

「騒がしいって言うなよ、アクアタイド! 」

ドラゴン型の妖精フレアが「事実だよ」と笑った。

 

「よろしくね、ブレスインパクト!私、サンライズって言うの」

手を差し出すと、ブレスインパクトがガシッと握り返した

 

「 昨日、アクアタイドと5体倒したアーカイブ見たぞ。猿型を一撃で倒した所を見て悔しくてさ。あたしだって負けねえからな!」

その言葉に陽菜が目を丸くする

「えっ、アーカイブ?」

「魔法少女と怪物の戦いは全て妖精が記録していることは知ってるでしょ?

戦ってる姿はアーカイブとして残され、他の魔法少女も見返すことができるの」

涼香はブレスインパクトの方へ向く

「ブレスインパクト、貴女も訓練?」

「当たり前だろ! 新人に先越されてたまるかよ!」

 

するとブレスインパクトが陽菜を指差し

「サンライズ!あたしと勝負しろ! 模擬戦でどっちが強いか決めようぜ!」

「ええっ!?」

 

「ブレスインパクト、彼女は最近魔法少女になったばかりよ!」

「だから何だよ! さっきの模擬怪物との戦い、あそこまで動けるなら問題ないだろ!なあ、サンライズ、やろうぜ!」

 

陽菜の心臓が再び高鳴り、恐怖と興奮が交錯する。ブレスインパクトの熱い視線に押され、彼女は拳を握った

 

「私…やってみる! 負けたくない!」

 

アクアタイドがため息をつき、「怪我しないようにね」と審判役に立つ

陽菜とブレスインパクトは訓練場の中央で向かい合った。

妖精達が「「「がんばれー!」」」と叫び、訓練場の空気が一気に熱を帯びた

 

─────

 

「行くぜ、サンライズ!」とブレスインパクトが拳を構え

「負けないよ!」とサンライズが杖を握る

 

ブレスインパクトが先制し、口から炎を吐く

陽菜が「飛翔」で跳び上がり、後退し遠距離を保つ

炎が地面を焦がす中「魔弾」を連射。陽菜の魔弾がブレスインパクトに迫ると、彼女が赤色の光に包まれた拳で跳ね返した

陽菜は慌てて跳ね返された光弾を避ける

 

陽菜が目を見開き驚いてる中、ブレスインパクトは距離を詰める

さらに後退しようとすると、ブレスインパクトが拳から「魔弾」を連射する

杖を持ち変え魔弾を跳ね返そうと考えると、急に魔弾が目の前で落下する

魔弾が地面に衝突すると煙が立ち上がり視界が奪われた

 

陽菜は「飛翔」で高く跳び上がると、目の前にブレスインパクトが拳を振りあげていた

手をクロスして防御の構えをとると、ブレスインパクトはそのまま振り下す。激突する瞬間、ブレスインパクトの拳から電撃が放たれる。電撃と振り下ろされた拳は陽菜に直撃し、陽菜は地面に落下し、またも煙が立ち上がる

 

「ちょっと、やりすぎよ!」

涼香が怒りを露わにすると、ブレスインパクトは「フン」と鼻を鳴らした

 

すると突然、煙の中から光線が放たれる

ブレスインパクトは驚き、咄嗟に避けようして髪に掠めた

 

ブレスインパクトはにやりと笑う

「やるじゃん」

「まだまだだよ」と陽菜は杖に光を集め、立ち上がる

煙が晴れ、陽菜の目に決意が宿った

 

陽菜が先制し、光線を放つ

ブレスインパクトは跳ね返そうと拳を赤色の光で包み対抗するが、中々跳ね返せず光線は()()()()()()()

 

「何!?」

光線は強さを増していき、ブレスインパクトは押し返され体勢を崩してしまう

陽菜はすかさず新しい光線を放つ

ブレスインパクトは体勢が崩れたまま口を膨らませ、氷の息吹を放ち光線が凍てつく。体勢を整えたブレスインパクトの両手から風の刃が放たれる

 

陽菜は杖を握り直し「飛翔」で高く飛び上がり風の刃を避ける。

杖に魔力を集中させ、オレンジ色の光が先端に集まり「魔弾」を連射する。小さな魔弾がブレスインパクトに向かって降り注ぐ。

 

「その程度かよ!」

ブレスインパクトが笑い、拳から炎が噴き出した。炎が魔弾を焼き尽くす。彼女はその勢いのまま距離を詰めようと跳躍し、陽菜に迫った

 

陽菜は「飛翔」で後退し、距離を保つ。心臓がドキドキと高鳴りながらも、ソルの声が耳に響いた。

「陽菜、落ち着いて! 遠くから攻めればいいよ!」

 

「うん…!」

陽菜は深呼吸し、杖を両手で握った。今度は「太陽」の光線を放つ

眩いオレンジのビームが一直線にブレスインパクトを狙う

ブレスインパクトは地面に着地し、口を膨らませ先程より強い氷の息吹を吐き出した。白い冷気が光線とぶつかり、蒸気が訓練場に広がる。光線が氷に押し負け、少しずつ弱まる。

ブレスインパクトは氷を止めると、今度は足を振り上げ風の刃を連続で放つ

鋭い風が陽菜の髪を掠め、彼女は「身体強化」を発動して腕で防御した。風圧に押されながらも、なんとか耐える。

 

「近づかせない…!」

陽菜は再び「飛翔」で高度を上げ、遠距離を維持する。杖を振り下ろし、3つの光線を放つ

一発目はブレスインパクトが右手で迎え撃ち、二発目は左手の弾き返す。曲線の描き、別の角度からきた三発目の光線が彼女の肩をかすめ、赤い衣装に焦げ跡を残した

ブレスインパクトがニヤリと笑い、手を振り上げると雷が迸る

青白い電撃が陽菜に向かって弧を描き、彼女は「飛翔」で急降下して避ける

ブレスインパクトはその隙にさらに距離を詰め、口から炎を吐いて陽菜を追い詰めた

 

「熱っ…!」

陽菜は炎の熱を感じながら、杖を構え直す。遠距離を保つため「魔弾」を連射しつつ、「飛翔」で左右に動き回る

魔弾がブレスインパクトの足元に落ち、彼女の動きを一瞬止めた。

「今だ!」

陽菜は全魔力を杖に込め、最大出力の光線を放った

オレンジの光が訓練場を照らし、ブレスインパクトに一直線に迫る

 

「うおっ!?」

ブレスインパクトが目を瞠り、両手を赤い光で包んで対抗しようとした。炎と風が混ざった渦を作り、光線を押し返そうとする

だが、光線の勢いと今まで感じたことない「熱」を感じ、彼女の脳が危険だと判断する

「まずい…!」

ブレスインパクトが跳び退こうとした瞬間、鋭い水音が響いた。

 

シュッ!

アクアタイドが2人の間に飛び込み、槍を一閃。青い光を纏った槍先が光線を切り裂き、オレンジの光が二つに分かれて壁に吸い込まれた

衝撃で訓練場が揺れ、陽菜とブレスインパクトが同時に動きを止めた。

 

「そこまで!」

アクアタイドが槍を地面に突き立て、静かに言った

陽菜は杖を下ろし、息を切らしながら着地する。ブレスインパクトも肩で息をつき、汗を拭った

 

「素晴らしい戦いだったわ。お互い、全力でぶつかり合ってた。」

アクアタイドが二人を見回し、穏やかに微笑んだ

陽菜は緊張が解け、膝に手をついて笑った

「はぁ…はぁ…ありがとう、アクアタイドさん。ブレスインパクト、強すぎるよ…!」

 

「お前だってなかなかやるじゃねえか!」

ブレスインパクトが笑い、陽菜に近づいて肩を叩いた

ドラゴン型の妖精フレアが「ブレスインパクト、楽しそうだったね!」と飛び回る

 

─────

 

陽菜がふと呟いた

「ねえ、アクアタイドさん、ブレスインパクト、連絡先交換しない? また一緒に戦いたいな」

アクアタイドが「いい考えね」と頷き、ブレスインパクトが「へえ、いいぜ! あたしもお前らともっとやりたいし」と笑った。三人はスマホを取り出し、連絡先を交換する

 

「そういえばさ、サンライズ、お前どこの学校?」

 

ブレスインパクトが何気なく尋ねると、陽菜が「えっと、地元の高校だよ」と答えた。アクアタイドが「私もよ」と言い、ブレスインパクトが目を丸くした。「マジか! あたしもだよ! 同じ学校じゃん!」

 

「ええっ!?」

「偶然ね」

 

すると、ブレスインパクトは変身を解き自己紹介する

「あたしは炎堂伊吹、高校一年生だ!」

 

陽菜は戸惑うように涼香を見ると、涼香も変身を解いた

「私は水河涼香、高校3年生よ」

 

陽菜も変身を解き、自己紹介することに

「私は朝倉陽菜、高校1年生だよ。伊吹……ちゃんとは違うクラスかな」とオレンジ色の髪を揺らして笑った。

「同じ学校だったなんて!」陽菜が目を輝かせ、烈が「あたしら、これから学校でもライバルだな!」と拳を握った。涼香が「二人とも騒がしいわね」と苦笑しつつ、「でも、学校でもよろしくね」と優しく言った。三人は笑い合い、夕陽の下で新たな絆を確かめた

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