転生したから魔法少女モノで黒幕やることにした   作:外道黒幕魔法少女

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キャラクター章


炎堂伊吹またはブレスインパクトという魔法少女

伊吹の両親は共働きで忙しく、父親は建設現場の作業員、母親は小さな工場の事務員として働いていた。家は決して裕福ではなく、両親は疲れ果てて帰宅する日々が続き、彼女と向き合う時間はほとんどなかった。

 

伊吹には年上の兄がいた。6歳年上のこの兄は、伊吹にとって唯一の「家族らしい存在」だった

兄は荒々しい性格ながらも面倒見が良く、妹を連れて近所の公園で遊んだり、喧嘩の仕方を教えてくれたりした。伊吹の「あたし」という一人称や、熱血で負けず嫌いな性格は、兄の影響を強く受けている

 

しかし、伊吹が8歳の時、兄は交通事故で亡くなった。現場作業員として働いていた父親が関わった建設現場で、資材運搬中のトラックが暴走し、兄を巻き込んだのだ

 

この事故は伊吹の家族を崩壊させた。父親は自責の念に苛まれ酒に溺れるようになり、母親は伊吹を叱ることでストレスを解消するようになった。伊吹は「家族を守るのはあたしだ」と意気込み、家事を手伝い、両親に認められようとしたが、返ってくるのは冷たい言葉と無関心だけだった

 

孤独と怒りが募る中、伊吹は公園で一人、兄が教えてくれたパンチを空に放つ癖をつけた。そのたびに、胸の奥で燃えるような熱を感じていた

 

─────

 

伊吹が14歳中学2年生の時、運命が動き出した。ある冬の雨の夜、伊吹は家での口論に耐えきれず傘も持たずに飛び出した。ずぶ濡れになりながら公園のベンチに座り、拳を握って涙を堪えていると、小さな光が現れた。炎のような模様を持つドラゴン型の妖精、フレアだ。

 

「ねえ、お前、お前みたいな子、大好きなんだ。魔法少女にならない?」

フレアの陽気な声に、伊吹は目を丸くした

「……魔法少女!? 魔法少女って、あの怪物と戦うやつか?」

「そうそう! お前ならやれるよ。あたしと契約すれば、その熱を力に変えられる!」

 

次の日の夜、公園の近くで怪物が現れた

フレアから近くで怪物が出たことを聞いた伊吹は家を飛び出し、怪物を見つける

火を吐く蜥蜴型の怪物が街灯を溶かしていた

 

伊吹は震えながらも、兄の「守るのはお前だぞ」という言葉を思い出した。決意と共に変身した伊吹は、初めての戦いで蜥蜴型と対峙した。固有魔法「ブレス」が発動し、口から炎を吐き出した瞬間、彼女は驚きと興奮で叫んだ

 

「何だこれ! すげえ熱い!」

炎の息吹が蛇型の火を上回り、怪物は灰となって消えた。フレアが「魔法の力、最高だろ!」と笑う中、伊吹は初めて自分の「熱」が形になったことを実感した

 

 

魔法少女「ブレスインパクト」として活動を始めた伊吹は、怪物対策省の支部で訓練を重ねた。最初は単独で戦い、近・中距離での戦闘スタイルを確立。口や手、足から放つ多属性の攻撃(炎、水、氷、雷、風)は、彼女の感情が反映されたものだった。怒りが炎を、冷静さが水や氷を、興奮が雷を生み、守りたい気持ちが風を形作った。

 

しかし、伊吹は仲間を作ろうとしなかった。家族のこと思い出すと、「あたし一人で十分」と頑なに心を閉ざしていた。支部の他の魔法少女たちとも距離を置いていた。アクアタイドとは何度か顔を合わせ話しかけてくることがあった

 

幹部の魔法少女——国の中でも最上位の魔法少女7人——の1人から幹部候補として推薦を受けているこの支部で最も強い魔法少女。自身より格上の魔法少女が自身を気にかけてきたが、伊吹はその優しさを素直に受け取ることができなかった。

 

 

ある日、街外れで強力な怪物——幻惑を操る鳥型——と遭遇した。伊吹は単独で挑んだが、幻影に惑わされ攻撃は空を切るばかり。魔力が尽きかけ、膝をついた瞬間、涼香が現れ鳥型の背後を突いて勝利を決めた。「あたし一人でやれた!」と伊吹が叫ぶと、涼香が「一人じゃ限界があるわ」と静かに返す。この言葉に伊吹は反発しつつも、心のどこかで仲間が必要だと気づき始めた

 

高校一年生になり5月になった頃、伊吹は新人がアクアタイドと共に5体の怪物と戦い勝利したという噂を聞いた。

噂を確かめる為、施設のアーカイブを見に行くと新人の魔法少女があの鳥型と同ランクの猿型を一撃で倒す映像があった

 

伊吹は「新人に負けてたまるか」とライバル心を燃やした。陽菜の遠距離戦法と伊吹の近・中距離スタイルがぶつかり合い、互角の戦いを繰り広げたことで、伊吹は初めて「認められる相手」を見出した。

戦う前の陽菜の純粋な正義感と涙を見た時、伊吹は兄がいた頃の自分を思い出し「あたしだって負けねえ」と熱を再燃させた。

 

戦闘後、連絡先を交換し、同じ学校に通っていることが判明したことで、伊吹の孤独な日々に変化が訪れた。陽菜の明るさと涼香の冷静さが、伊吹の閉ざされた心を少しずつ開いていく。伊吹は「仲間も悪くないな」と思った

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