マシューとスルトの過去です。
ではではどうぞ。
スルトは支部に着いてからすぐに医務室に運ばれた。
そしてそこで意識を失ってしまった。アラガミ化する危険性はほとんどないがそれでも血を流しすぎていたのだ。
手術も無事成功して、一命を取り留めたものの、3日経った今も意識を取り戻していない。
「スルト....」
この3日間マリアはスルトの隣を片時も離れなかった。
「おっス!きたっスよー。目覚ましたー?」
「ナタリー....。時々声を漏らすけど、まだ目は覚めてないわ」
「そうっスかぁ。まぁ先生も命に別条無いっていってたし、すぐ元通りになるよきっと」
「そう....よね」
「うっ........すぅ....」
「スルト....ごめんなさい」
マリアはスルトの頭を撫で始めた。
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「マシュー」
「シェリルさん....どうしました?」
ほぼ同時刻、ここエントランスロビーではシェリルがマシューに話しかけていた。
「その....言おうか迷ったけど....」
「....?なにがですか?」
「昨日、スルトと繋がったの」
「繋がった....って、感応現象ですか?」
「そう。そしたら半年前のあの時の記憶が流れてきたの」
「....どこまで見たんですか?」
「....スルトがマシューの左腕を食べるところまで....」
「っ!?....そうですか。わかりました、全てお話します」
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「しっかしまぁ半年前を思い出しまスね」
「半年前?」
「そっスよ。あれ?半年前のことマリアは知らないの?」
「初耳なんだけど....」
「あっれー。てっきりスルトに聞いてるとおもったんスけど....まぁ半年前に....」
「ナタリーやめて」
ナタリーはマリアに半年前の話を話そうとすると、突然スルトがそれを遮る。
「スルト!?目が覚めたの!?」
「うん。たった今ね。おはようマリアとナタリー」
「....お、おはようっス」
「もう!本当に本当に心配したんだから!!あんな無茶して!」
「マリアに怪我が無くて良かったよ」
「良くない!!」
マリアは声を荒らげて否定する。
「あんな無茶して、私だけ生き残ってもダメなのよ!だからお願いスルト....もうあんな無茶しないで....」
「マリア....」
「あ、あらー。なんだかアタシはお邪魔みたいっスねー....シェリルに伝えてくるっスーー」
そうしてナタリーは医務室を出て行った。
「そう言えばスルト....半年前の話....私にはしてくれないの?」
マリアは先程ナタリーが止められた話を聞き返す。
「....それは。わかった。話すよ」
「その....ごめんなさい。でも、スルトのこと....第一部隊のことをもっと知りたいの」
「マシューが元ゴッドイーターだったのは知ってるよね?」
「ええ。腕輪をつけているもの」
「マシューがゴッドイーターでいられなくなったのは、俺のせいなんだ」
「え?」
スルトはゆっくり話始めた。
「半年前、第一部隊は5人だったんだ。そして今では俺が支部最強とか言われてるけど、あの時は間違いなくマシューだった」
「ということはマシューさんは元第一部隊なの?」
「そう。あの時は未確認だったアラガミ、【ジークフリート】を偵察部隊が発見して、それを討伐しに5人で出撃してたんだ」
「ジークフリート....聞いたことあります。たった一度だけロンドンで目撃された史上最強のアラガミ....でしたよね」
「そう。でもその前に....」
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半年前───
『マシュー!まずいよ!接触禁忌種だ!』
『あれは....ヴィーナス!?なんでこんなところに....。スルトさんは雑魚をお願いします!こっちは僕が!』
『わかった!後ろは任せて!』
スルトは中型アラガミや小型アラガミをバッサバッサと切り捨てる。いまと違うのは、まだスルトの神機に盾と銃が付いているところである。
『マシュー!リンクバースト行くよ!』
『はい!』
スルトはリンクバーストをマシューに向けて放つ。
すると突然無線が入る。
〔こちらα!β聞こえるか!?〕
『こちらβ!聞こえてるよセシル!』
この時の2チームにわかれて散策していた第一部隊。αチームはセシルとシェリルにナタリー。βチームはマシューとスルト。
〔いま未確認アラガミと交戦中!こいつ接触禁忌種を従えてやがる!!スサノオとラーヴァナだ!〕
『なんだって!?....ってことは。こっちもヴィーナスと交戦中!倒したらすぐ向かうから持ちこたえて!』
〔わかった!〕
そして通信を終了する。
『スルトさん!リンクバーストをください!』
『わかった!すぐ片付けよう!』
マシューはリンクバーストを受け取るとヴィーナスをものともせず手玉に取る。
『やっぱマシューはすごいや....負けてられないっ!』
そしてすぐに決着はつき、2人はαチームの増援に向かおうとするが....
〔こちらα!未確認アラガミがどっか行った!それと入れ替えでポセイドンとセクメトがでやがった!こっちは離れれない!もし遭遇したらまずは逃げろ!あの野郎えげつない速さと硬さだ!〕
『わ、わかった!そっちも気をつけて!すぐ向かう!』
『スルトさん!急ぎましょう!』
『うん!』
2人が駆け出そうとすると、一体のアラガミが立ち塞がる。
2本足で立ち、大きさは2mほど。人のような形だが全体が真っ黒で鎧のような姿をして黒光りしている。
『こいつは....セシル!見つけた!未確認アラガミだ!』
〔なに!?....くそっ!そっちに行けそうもねぇ!とりあえず距離をおけ!〕
『セシルさん、やってみますよ。スルトさんがいるなら時間稼ぎくらいならできます!』
〔な....わ、わかった!すぐ向かう!頼んだぞっ!!〕
『よっし。じゃあ始めようかマシュー』
『ええ。支部最強と言われていること、ここで証明しますよ』
ここから行動は速かった。
スルトが正面に切り込み、マシューが同時に後ろを取る。
2人同時に神機を振る。
『『んなっ!?』』
しかし空振りに終わってしまう。少し離れたところにそのアラガミはたたずんでいる。
『....小馬鹿にされた気分だよ』
『えぇ。明らかに見下してますね』
『『せいっ!!』』
激高した2人は目にも止まらぬ速さで駆け出す。
『貰った!』
マシューが後ろを取り斬りかかるが、既にかわされている。
『ざんねーん!本命はこっちだぁ!!』
そしてスルトが追い討ちをかける。
その攻撃は確かに当たったが、全く切れていない。
『硬っ!?げっ!うわぁぁぁぁぁ!!』
そしてスルトは反撃を受け吹き飛んでしまう。
『スルトさん!!』
『いっててて。大丈夫だよー!』
『ふぅ....っ!?』
一瞬スルトに気を取られたマシューはジークフリートに後ろを取られてしまう。
『ぐぁぁっ!!』
『マシュー!?』
『ふっ!大丈夫です!』
そしてマシューも吹っ飛ばされるが、うまく受身を取る。
『しかし困りましたね。恐ろしい速さと硬さ....。どうしたものですかね』
『マシュー!とりあえず一点突破だよ!背中にありったけ攻撃してみよう!』
『わかりました!』
そして2人は反撃を受けながらも背中に一点集中で攻撃を与え続けた。
『らぁっ!!....ん!?ってうわぁぁぁぁ!』
『スルトさん!!』
『大丈夫大丈夫!それよりマシュー!背中の装甲が剥がれてコアが見えたよ!』
『本当ですか!?よし、いけそうですね!』
それからは一層背中へ向けて攻撃を仕掛ける2人。
『届けぇ!!』
『キィィィィィ』
『っしゃあ!』
『初めて声を聞かせてくれましたね....』
コアにスルトの神機が届くとジークフリートは初めて声を上げた。
『よし!一気に畳み掛けるよ!』
『はい!』
これから猛攻撃を仕掛けようとした時、異変は起きた。
〔こちらα!!まずい!またなんか現れやがった!ハンニバルの神速種に....アマテラスだと!?どっから湧いてきやがった!!〕
『!?....仮説ですが、この未確認アラガミはもしかすると瞬時にコアを形成できるのかもしれません!!』
〔なんだと!?....ったく、反則じゃねーか!マシュー!そいつ倒せそうか!?〕
『はい、いけそうです!』
〔わかった!そっちは任せる!なんとしてもここでそいつを潰してくれ!ほっとけばどうなるかわかったもんじゃねぇ!〕
『任せてください!』
『よし、マシュー!それじゃいくよ!』
『はい!』
そうして2人は今度こそ猛攻撃に出る。
『しかしなんでこちらには新たなアラガミが出現しないのでしょうか....』
攻撃しながらマシューは呟く。
『なんか舐められてるみたいでムカつくね』
スルトもそれに応えるが、攻撃の手は休ませない。
『はぁぁっ!!』
そしてマシューの一撃が背中のコアに突き刺さる。
『やったか!?』
しかしジークフリートは動かずに静止する。
『....どういうっ!?うわぁぁぁぁぁ!!』
『マシュー!?どうしたの!?』
突然神機を突き立てた状態のマシューが悲痛な叫びをあげる。
『ああああああああ!?』
『うわぁっ!?なんて風圧....マシュー!マシュー!!』
突然ジークフリートを中心に衝撃が起きる。
マシューは吹き飛ばされ、壁に激突する。
『マシュー!?だいじょ....マシュー!!』
そこには柄から先のない神機を持ったマシューが倒れていた。
『そんな....っ!?』
スルトがジークフリートに目を向けると、全身が黒から濃い黄色になっていた。
『ま、まさかこいつ....全身がコア!?』
そしてジークフリートは視界から消えた。
『くっそ....どこに....ぐあっ!!』
突然スルトは後ろから一撃を受ける。
全く反応できない速度の攻撃にスルトは驚愕する。
『ちくしょ....なんて速さだ....って、あのやろ、どこ行った!....マシュー!だいじょうぐぁっ!!』
ジークフリートを探すが、見つけられずマシューの元へ向かおうとすると、またもや後ろから一撃を受ける。
『ゲホッゲホ。....くそっ!....はぁ、はぁ』
マシューへの心配と、見つけられないことへの苛立ちがスルトの集中力を削っていく。
『っ!?』
次にジークフリートが現れたのはスルトの目の前。ガードをする暇もなく、スルトは吹き飛ばされる。
『がっ!....く....そ....』
スルトは意識を失ってしまう。
『スルト....さん....』
少し前に意識の戻ったマシューはスルトがやられたことに焦りを感じる。
『この....ままじゃ....っ!?』
マシューは左腕に激痛を感じる。
『ま、まさか....アラガミ化!?』
マシューの左腕はアラガミ化していて、コアのようなものが見られた。
『....くそっ!僕はアラガミになってしまうのか....!?....こうなったら、お前も道連れだぁ!』
先程までの身体の痛みはなく、それどころか身体が軽く感じられたマシューはジークフリートに向かって一気に駆け出す。
『喰らえっ!!』
マシューの左腕が捕食形態になり、ジークフリートの右腕を喰いちぎる。
『ギィィィィィィ』
『はぁ、はぁ....勝てる....!!』
その後マシューの左腕による猛攻撃により、ついにジークフリートは下半身だけになり、その場に倒れ込む。
『....ぜぇ....ぜぇ....よし、これで........うっ!?ぐぁぁぁぁ!くそっ!コイツだけは....絶対っ!』
その時、スルトが目を覚ます。
そしてマシューの左腕が捕食形態になっているのを見る。
『マシュー....?』
『うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』
ジークフリートの下半身はマシューの左腕によって丸呑みにされる。
というわけで、スルト、マシューの過去編です。
次回もこのまま過去編続きます。
ジークフリートはオリジナルアラガミです。そのうち詳細載せますね。
いかがでしたか?
コメント、感想お待ちしております。
読んでいただきありがとうございます。