いよいよ過去編も後編です!!
『マシュー....?』
『うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!』
そしてマシューはジークフリートを丸呑みにする事で止めを刺した。
『....うっ』
『マシュー!?』
止めを刺すとマシューはその場に倒れる。
『マシュー!』
『スルトさん....僕を....殺してください』
『....えっ?』
マシューは左腕を押さえながらスルトに言う。
『....僕はじきにアラガミ化します。ですからお願いです。人のまま死なせてください....』
『そんなの嫌だ!!大丈夫だよ!グリート博士が治してくれるよ!!それに、極東支部でも大丈夫だった人がいるし....』
『僕に皆さんを手にかけろって言うんですかっ!?』
『....』
『それは極稀なケースです。こうして話してる最中にも、僕のオラクル細胞が言うんです....《食べたい》って....』
『う、うぅっ....そんな....ぐすっ』
『だから....お願いします....』
『....嫌だ....イヤだよぅ....マシュー....』
スルトは顔をぐしゃぐしゃにして泣く。それでもマシューの意思は固く、瞳には覚悟があった。
『さぁ。お願いします。どうか、人のまま....』
『....ぐっ、うぅ....わがっだ....』
『ありがとうございます』
そしてマシューは目を閉じてジッと待つ。
『....う、うわぁぁぁぁぁ!!』
スルトは神機を大きく振りかぶって....
スッ───
マシューに振りおろした。
ガッ!───
はずだった。
『ウァァアアァア!!!』
しかしマシューは神機を受け止めると、スルトに強烈な左ストレートを決める。
『マシュっ!?ぐっ!』
スルトは吹っ飛ばされて地面を転げまわる。
『!?おいスルト!一体何が....マシュー!?おいマシュー!』
セシルが1人、交戦中だと思ったのか加勢に来ていた。
が、見たのは未確認アラガミではなく変わり果てたマシューの姿だった。
『....ったんだ』
『!?どうしたスルト!』
『救えなかったんだ!マシューを!救えなかったんだ!!』
スルトは泣きじゃくりながら叫ぶ。
それを見てセシルはスルトの胸倉を掴んで殴った。
『バカ野郎!!なんとなくだがわかった!だったらマシューをこれ以上苦しませないよう、楽にしてやることが救いだろうが!!メソメソ泣いてんじゃねぇ!!』
『うぅ....わがっだよ....マシューを....すぐうっ!!』
そして2人はかつての仲間であり親友へと神機を向けた。
『アアアアアアアッ!!』
マシューは悲しそうな叫びをあげて2人に突進して来た。
『っらぁ!!』
『くそぉ!くそくそっ!くそぉ!!!』
2人はがむしゃらに攻撃するがマシューには当たらない。
『ちくしょ....さすがにあの未確認アラガミを倒したんだから全く攻撃があたんない....』
『なっ!?アイツあの化け物を倒したのか!?』
『うん。マシューが食べたんだ』
『....通りでかすりもしねー訳だ』
『俺が隙を作るよ。だからセシル、お願い』
『....わかった』
そしてスルトはマシューに攻撃を仕掛ける。
しかし先程と同じようにマシューはうまく避ける。
そこでスルトはフェイントをかけ、神機を寸で止めた。
するとマシューは驚いたのか一瞬の隙をつくる。
スルトはすかさずマシューに飛び込み、抱え込んで抑える。
『セシル!!今だ!!お願いっ!!』
『うらぁぁぁぁぁ!!!』
セシルはマシューの頭に神機を振りおろした。
『アァァアアアァア!!!』
『ぐっ!』
『くそっ!?かわされた!』
寸のところでマシューはスルトを弾き飛ばしてセシルの一撃をかわす。
しかしよく見ると左目に当っていたらしく、目から血を流している。
『こうなったら足を狙う!!』
スルトは駆け出し、右足を狙って神機を横薙ぎに振るった。
『!?』
マシューはよけなかった。スルトの攻撃をかわさなかったマシューの足は、アラガミ化されていて硬いのか、切ることはできずにグシャリと音を立てて折れ曲がった。
『はぁぁぁぁぁぁ!』
『セシル待って!!様子が変だよ!』
『っ!』
マシューは仰向けに倒れて動かなかった。
それに気付くとスルトはマシューの元へ歩いていく。
『おい!スルト!危険だぞ!』
『大丈夫。俺はマシューを信じてる』
そしてマシューの近くまで来ると、スルトはマシューが涙を流しているのに気が付く。
『もしかすると、助けられるかもしれない....』
『本当か!?』
『うん....でももし失敗したら、俺もおかしくなるかもしれないんだ....』
『ふざけんな!そしたら誰がお前らを殺すと思ってんだ!!俺はこれ以上仲間に手を掛けるのはゴメンだ!!』
『分かってるよ....俺だってやだ。でも、可能性があるのにそれに賭けないで後悔もしたくないんだ』
『っ....本気....なのか?』
『うん。本気だよ』
スルトの目には迷いがなかった。覚悟を決めた目をしていた。
『俺、迷ってたんだ。マシューをこの手で殺したくなくて。誰かに代わってもらおうかなって。でも結果的にマシューを苦しめてたんだ。だからこれを成功させて、マシューに謝りたい。セシル、そのチャンスを俺にくれないか?』
『....わかった。何かあったら俺が責任もって楽にしてやる』
『セシル....ありがとう』
そしてスルトはマシューに捕食形態を向ける。
『ちょっと痛いかもしれないけど、我慢してねマシュー。今助けるから....』
スルトは目を瞑って深呼吸すると、捕食形態の神機を前に突き出す。
『アアアァアァァァ!!』
『ごめんっ!ごめんっ!いま、だずげるがらっ!!!うわぁぁぁぁ!!!』
スルトが狙ったのは、コアらしきものがある左腕。それを捕食形態で一気に喰いちぎる。
ドクンッ───
『んぐっ!?』
スルトの心臓が大きく脈打つ。
『おいスルト....?』
『がっ!?げほっ、ゴボッ!』
『スルトっ!!』
喰いちぎった後、突然吐血するスルト。
『わぁぁぁぁ!?....はぁ、はぁ....あれ....僕は....』
『マシュー!?』
『ま、まじゅ....ぅ....ぁ....』
マシューが飛び起きる。どうやら意識を取り戻したようだった。
『スルトさんっ!?どうしたんですか一体....!』
『まじゅ....よが....ぁ....だず........がっ....ぁん....だ....』
『セシルさん!応急処置します!回復キッドありますか!?』
『あ、あぁ!ある!』
『僕は今何故か右腕しかないので手伝ってください!絶対スルトさんを助けます!』
『おう!わかった!』
こうしてマシューを救ったスルト。そしてマシューはスルトを救った。
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それから数日間は2人とも意識を失っていた。マシューがアラガミ化した事は3人と医務室にいるオラクル細胞研究者のグリート博士のみで共有し、第一部隊にすら伏せた。
『それにしてもお前さんら、無茶しおったのぉ』
『....あははは』
『博士、俺達ってまだ人間かなぁ?』
2人が目を覚ますと、グリート博士が話があると訪ねてきた。
『あぁ。今の所は....な。マシューの方は一応はおさまっとるが、またリンクバーストでもしたらすぐにお釈迦じゃよ』
『....そうですか』
『スルト。お前さんは今の所なんともないが、他人のオラクル細胞を体内に入れたんじゃ、これからどうなるとも予想できん。充分気をつけることじゃ』
『うん。わかった』
『じゃあの。あと、あのアラガミじゃが、ジークフリート....と名がついたらしいぞ。それじゃお大事にのー』
そう言い残してグリートは医務室を後にした。
医務室が静まり返るとマシューはスルトに真剣な表情で話を始めた。
『スルトさん。僕はゴッドイーターを引退します』
『....なんとなくそんな気はしてたけど....どうしても無理なの?』
『はい。アラガミ化の事だけでなく、左目は治る気配がありませんし、右足はほとんど言う事を効きません。それに左腕も義手にすれば戦闘に支障がでますから』
『そっか。わかった』
スルトは心底悲しそうな顔をした。
『マシュー....あのね。言わなきゃいけないことがあるんだ』
『はい。なんですか?』
『俺、迷っちゃったんだ。マシューを殺したくなくて。誰かに代わってもらおうかなって。ほかの人になんとかしてもらおうかなって。そうやって自分を傷つけないために、ほかのひととを傷付けるところだったし、既にマシューを傷つけてた』
『....』
『ごめん。マシュー』
『いいえ。こうして僕は救われました。それはスルトさんが迷って迷って、その結果救われたんです。だからそんなに自分を責めないでください』
『マシュー....ありがとう....うぅ....ぐすっ....』
『いいえ。お礼を言うのはこっちですよ。スルトさん、ありがとうございます....ぐすっ....』
そして2人は散々泣いたあと、疲れて眠ってしまった。
支部最強のマシューの引退はロンドンを救った英雄としてひっそりと広まったとか。
しかしマシューが恥ずかしがったため、すぐにその噂はマシューによって根元から断ち切られたとかなんとか....
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「ってことがあったんだ....ってマリア?」
「うぇっ....ぐすっ........な、なんでずがぞのがんどうずるおはなじは....うぅ....」
スルトの話を聞いたマリアは鼻水を垂らしながらみっともなく泣きじゃくっていた。
「本当はこのことは話さないつもりだったんだけど....俺も今回のでもしかしたらリーチかかってるかなーっておもったから話しておこうかなって思ってね」
今回の突然の身体の痛み。それは恐らく何らかの形でオラクル細胞に異常が出ていることを示していると踏んだスルトはマリアに打ち明けたのだった。
「いやよっ!!」
「ま、マリアさん....?」
「じなないでっ!!ずるど、じなないでっ!!!じんじゃいやっ!!」
「死なないから!マリアお願いだから鼻かんで!!」
マリアが落ち着くまで相当の時間がかかったとか。
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「そんなことが....」
「....なんで黙ってたんスか」
こちらではシェリルにスルトが起きたことを伝えに来たナタリーもマシューから話を聞いていた。
「すみません。信用していなかったわけではないのですが、心配をかけるわけにもいかず....」
「そーゆー風に隠されてたら、心配できないじゃないっスか!!私たちはチームなのよ!?一心同体なの!心配させてよ!もう!」
「言って欲しかった....」
「すみません....」
マシューは2人に叱られてしょんぼりしていた。しかし、自分がアラガミになりかけているのにそれでも心配して叱ってくれるのがとても嬉しかった。
「ねぇねぇ、そういえばその時のマシューと、今のスルトってどっちがつよいっスかねぇ!」
「そうね....スルトも強くなった....」
「え?そりゃあ....」
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「ね、そのときのマシューさんと、今の支部最強と言われてるスルトってどっちが強いのかしら」
「うーん....そうだなぁ」
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「スルトさん....ですね」
「マシューだよ....うん」
いかがでしたか?
スルトとマシューの過去。
つまりスルトは爆弾背負ってます。
次はセシルかなぁ。シェリルのお話はセシルが帰ってきてからになりそう....です....ぐはっ
感想、コメントいただけますとほんと、飛んで喜びます。
お待ちしております。
読んでいただきありがとうございます。
次は恐らく明日になるとおもいます。