長らくお待たせしました。
今回はロシア支部がメインです。
毎回毎回後書きの次回予告が全然的を射てないのが悔しいです。
ではどうぞ。
セシルがロンドン支部へ帰る前日。
「大佐。ヴェロニカのことなんですけど....」
「ん?アレクセイか。どうかしたか?」
「いえその....。なんといいますか、焦っているような感じがしてまして....」
「....まぁ確かにな」
「それでその。なにか知りませんか?」
アレクセイにヴェロニカが任務中にどことなく焦っていることを聞くセシル。
「あぁ....実はな....」
セシルはヴェロニカに支部に帰りたいかなど聞かれたことをアレクセイに話す。
「そんなことが....。すみません何でもかんでも大佐に頼ってしまって....」
「んぁ?あー気にすんな気にすんな。それにもうすぐおれも帰っちまうからな。今のうちにお前らにしてやれることはしてやりたいさ」
「....ありがとうございます」
アレクセイはセシルにお礼を言うとソファーに腰掛ける。
「....!?セシルさんっ!!大変です!突然支部から100m以内に第一種接触禁忌種と思われるオラクル反応が2つ現れました!!」
オリガは大声を上げてセシルに伝える。
「....突然現れた?」
「は、はい!なんの前触れもなく....。レーダーの故障でしょうか?」
「わかんねぇけど緊急事態なのは違いねぇ。オリガ、第一部隊に召集をかけろ」
「は、はい!了解です!」
10分後、第一部隊がヘリポートへ集まった。
━━━━━
「おいお前ら。今回は第一種接触禁忌種だ。いままでのヴァジュラやコンゴウとはちがって攻撃の強さ、体の硬さ、動きの速さが桁違いだ。1体目はラーヴァナ。2体目はヴィーナスだ。チームを別ける。チームαは俺とイリーナ。βはミレーナとアレクセイとヴェロニカだ。異論はあるか?」
着地地点につき、地に足をつけた第一部隊はセシルから指示を聞き、異論があるかと聞かれると全員首を横に振る。
「よし。イリーナは俺が直接指示を出す。チームβはミレーナが遊撃、ヴェロニカは射撃を主体として援護。アレクセイは隙をついて一撃をぶっぱなせ。2体をできるだけ離して戦うつもりだから俺もすぐに援護に迎えるかわからん。心してかかれよ」
「はい!」
「了解でーす!」
「大佐もお気を付けて」
「....」
そして全員が散会する。
━━━━━
「つ、ついに接触禁忌種ですね....」
「そうだな。しっかりやるぞ。....大佐に心配かけたくないんだろ?」
「アレクセイさん....。はいっ!頑張ります!」
「ヴェロニカ。頑張るのはいいけれど、無茶は絶対にしちゃダメよ。私たちはチームなんだから」
「隊長....はい!了解です!」
セシル達と別れたチームβの3人は歩きながら初めての接触禁忌種との戦いに気合を入れる。
「....隊長。あれはもしかして」
「ん....?っ!よし!2人ともいくぞ!私は遊撃する!各自指示通り頼むぞ!!アレクセイはチームαに連絡!」
アレクセイがラーヴァナを発見し、3人が展開する。
「....隊長って大佐がいないとカッコイイですよね」
「無駄口をたたくな。一瞬の油断で命を落とすぞ」
「は、はいっ!!」
「ギャァァアアアアア!!!」
「こちらチームβ。チームα聞こえますか?ラーヴァナと交戦。そちらとの距離はおよそ60m。殲滅します」
[こちらチームα。了解だ。全力で挑め。やばくなる前に連絡しろよ]
「了解です」
チームβはラーヴァナと交戦する。
━━━━━
「こちらチームα。了解だ。全力で挑め。やばくなる前に連絡しろよ」
[了解です]
チームαはチームβからの連絡を受けてヴィーナスを探す。
「なっかなか見つかんねーな....」
「....」
「....なぁイリーナ」
「はい」
「それにしても無口だなお前」
「....なにか問題ありますか?」
「いや、ねーけど。肝心なときに意思疎通が出来なきゃ困るなーって思ってよ」
「....」
「....」
セシルはイリーナが苦手だった。
イリーナは非常に無口で、あまりコミュニケーションが得意でないからだ。
「え、ちょ。まじで怒ってる?」
「....どういうことですか?」
「なんか目も合わせてくれないから嫌われてるのかなーってさ」
「....そんなことはないです。ただ....」
「ただ?」
「....男の人が苦手なんです」
イリーナの告白にセシルは何も言えなかった。そこから様々な事が想像できたが、セシルにそれを聞くことはできずに押し黙ってしまう。
「....すみません。チームワークを乱すような事はしませんので、ご心配なさらずに。私は大丈夫です」
「....あー。悪かった。ただもう少し早く言ってくれればなぁ....ははは」
「....」
なんとも言えない空気に、その後2人は無言で散策を始める。
━━━━━
セシル達から少し離れたところにある男がいた。
「おいおい....セシルがこっちにいるなんてなぁ!偶然ってのは怖いもんだぜほんとよぉ」
「アスラぁ~!もう行くよー!!早くーー!!」
「だぁー!わーったってサラスぅ!!!今行くっつーの!!........セシル。お前には出来れば会いたくなかったんだけどなぁ。昔っから勘がいいからなぁあいつ」
アスラは瓦礫の上に立っていて、その下からサラスと呼ばれた女性が声をかける。
サラスは20代前半と言ったところ。髪は水色で大きな三つ編みで髪を後ろにまとめている。
タンクトップに大きめのTシャツをきて片方の肩を露出している。
「ハッ!Show timeと行こうか!!」
アスラは大きく跳び上がった。
━━━━━
「うひゃぁぁぁぁぁ!!」
こちらはラーヴァナと交戦中のチームβ。ヴェロニカが攻撃をシールドで防ぐが、吹き飛ばされている。
「....やはり強いな」
ミレーナが冷や汗を流しながら呟く。
「ヴェロニカ!!大丈夫か!?」
「大丈夫でーーーす!!」
アレクセイがヴェロニカに声をかけると、ヴェロニカは何ともないようだった。
「ヴェロニカ!援護射撃を頼む!!私が突っ込んで隙をつくるぞ!アレクセイ、見逃すなよ!」
「「了解!」」
まずはヴェロニカがラーヴァナの顔めがけて銃で正確に撃ち抜く。
それに怯むと今度はミレーナはラーヴァナに向かって駆け出す。
そして跳び上がってラーヴァナの砲台に一太刀浴びせるとすぐに足元に潜り込み、渾身の一撃を左前足に叩き込む。
「はぁぁっ!!」
「ガァァァアアアァァ!!!」
ラーヴァナがバランスを崩すと、すかさずアレクセイがチャージを終えたハンマーを振りかざす。
「せぇいっ!!」
「ギャアアァアァアァァァ!!」
「こいつはおまけだ!!」
ゴンッ─────
「ギャッ....」
アレクセイのハンマーは2段式になっており、叩いた後に後ろについた撃鉄でもう一度衝撃を与えることができるようになっている。
それをモロに受けたラーヴァナは断末魔を上げることなく息絶えた。
「はぁ....はぁ....」
「た、倒した....?」
「やったか....」
3人はラーヴァナに最後まで警戒をとかずに様子を見るが、動く気配は全くない。
「隊長!アレクセイさん!やりましたよ!倒したんですよ!」
「....そのようだな」
「ふぅ....どうなることかと思ったわ....」
1人はしゃぐヴェロニカを余所に、2人は安堵の息を漏らす。
「こちらはチームβ。チームα聞こえますか?」
[こちらチームα。ヴィーナスを発見した]
「わかりました。こちらはラーヴァナの討伐に成功しました。すぐに援護に向かいます」
[お?倒したのか?やったじゃねぇか]
「ありがとうございます」
[こっちはイリーナの成果も見たいからな。ゆっくり来ていいぞ。やばくなったら連絡する]
「了解です」
そして3人はゆっくりとチームαの元へ歩き出した。
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「さて、あいつらも倒したみたいだし、こっちもそろそろおっぱじめるか」
「....大佐、指示を」
「ん?あぁ、お前のやりたいようにやってみろ」
「....あの、どういう....」
「今回は自分で動く、俺の指示を直接その場で聞かなくても動けるように、ってのが目標だ。イリーナを離したのは、お前の能力が全体的に良く、陽動もできるからだ。ってわけで今は自分の全力を出してみろ。俺がフォローする、安心しろ」
通信を終えたセシルは、ヴィーナスと戦う直前にイリーナに言う。
「わ、わかりました」
「お前は強くなれるさ。とにかくやれることをやってみろ」
「はい....では行きます!」
覚悟を決めたイリーナはヴィーナスの死角へと飛び出した。
そして一太刀目を浴びせようとする。
ズバッ─────
突然どこからか攻撃が放たれ、ヴィーナスが真っ二つになる。
セシルとイリーナは何が起きたのか解らず、呆然とただ立つしかない。
「....あ、すまん。お前らの獲物だったか?」
ヴィーナスが真っ二つになっているその真ん中に1人の男が立っていた。
「お前は誰だ....。その神機は何だ」
その男は異様だった。髪色は真っ白で、パーマがかった長髪。
服装は真っ赤なローブを巻いている。
そして異様なのはその神機。常に捕食形態なのだが、刃がどこにもなく、そして銃身も無い。
「....俺はアグニ。この神機は....ある過程でこうなった。他に質問は?」
「何が目的だ」
「....悪の親玉を倒すことだ」
「....アスラと言う男を知ってるか?」
「あぁ。うちのボスだよ」
「なっ!?どこにいる!?」
「ここだぁ。ようセシル。ひっさしぶりだなぁ」
セシルは言葉を失った。スルトから聞いていたものの、まさかここロシア支部で会うとはおもってもいなかった。
「アスラ....お前がしている事は、正しい事だと信じていいのか....?」
「さぁなぁ。正しい事なんてこの世の中にはねーと思うぜ。間違ってることは沢山あるけどよ。ま、とにかく俺の正義に恥ずかしくないことはしてるつもりだぜ」
「それを聞いて安心したぜ....。それで、これからお前はどうするんだ?」
「ちょっと忙しくてなぁ。あんまり留まってられねーんだわ。じゃ、俺はもう行くぜ。じゃあなセシル。立派になったなぁ!」
「....またな」
アスラとアグニはどこかへ跳んでいってしまった。
「大佐....今のは?」
「あぁ。昔の俺達の目標だった人さ」
「俺達....?」
「ロンドン支部の奴らだよ。まぁ、気にすんな」
「....そうですか」
「しっかしまぁ、あいつらのせいでお前の実力測れなかったなぁ」
「また次の機会に....って明日帰るんでしたね」
「あぁ。そこでだ。お前をロンドン支部に引き抜こうと思ってるんだが。どうだ?」
「私を....ですか?」
セシルはイリーナをロンドン支部へ引き抜こうとしている事を打ち明ける。
「お前に家族がいないのは知ってるし、あまり第一部隊と仲が良いとは言えないからな。どうせならロンドン支部のお節介焼きのところにどうかとおもったんだが....どうだ?」
イリーナは空を見上げる。
「....私は、変われますか?」
セシルの方を涙目でみるイリーナ。
「な、なんでそんな泣きそうなんだ!?お、俺何かしたか!?」
クスッとイリーナは笑いながら話す。
「私は孤児です。まともな人生は歩んで来ませんでした。犯罪もしました。男性は苦手です。それでも大佐、私は変われますか?」
「それはわからん。イリーナ、お前次第だ。お前が変われるかどうかはわからんが、お前の環境を俺は変えられる。どうだ?賭けてみるか?」
イリーナはセシルに向かい合うと決意の篭った顔でこう言った。
「私は変わりたいです。いつか大佐に全て話します。でもその前に私は変わらなきゃ駄目なんです。だからお願いします、私の環境を変えてください」
セシルはイリーナを優しい目で見る。
「わかった。お前の環境をまずは変えてやるよ。ついてこい」
「はい....宜しくお願いします」
こうしてイリーナのロンドン支部行きが決定する。
━━━━━
「....ん?なにか嫌な予感が....」
「どうしたっスか?シェリル」
「....なんでもない」
アスラとその仲間たち....。
けして悪い人ではないのですが....規格外すぎる。
ってわけでイリーナがロンドン支部の濃いメンツの仲間入りです。
読んでくださりありがとうございます。
感想、コメントお待ちしております。
ではまた。