セシルがどうやら。
そしてスルトも....。
「ただいまー」
「あぁ、スルトさん。おかえりなさい。お怪我はありませんか?」
「大丈夫~。マシュー何してるの?」
第一部隊が帰って来て、まず口を開いたのはスルト。
それに受付のマシューはいつものように応えるが、書類に何かを書き込んでいた。
「あぁ、これですか。人事移動の手続きですよ」
「マシュー大変だねー。受付の他にもお仕事あるんでしょー。俺だったら迷わず断るね」
「いえいえ、僕なんて大したことないですよ。支部長なんて....あ、そう言えばスルトさん、セシルさんはどちらに?」
マシューは話してる最中に何かを思い出したらしい。
「俺がなんだって?」
そこへセシルが割って入ってくる。
「あ、セシルさん。支部長がお呼びですよ。大切で急な話があるとかなんとかです」
「....あのババアの大切な話だぁ?....嫌な予感しかしねぇ」
[セシルゥ!てめぇ早く支部長室に出頭しろぉ!!!]
「あら....イザベルがカンカンだよセシル」
「....骨は拾ってくれよな」
セシルが支部長の悪口を言うと館内放送で怒鳴られた。
そしてセシルは歩きながらスルトたちに手を振りながらエレベーターへ向かった。
「....ほんとイザベルってエスパーなのかな」
「スルトさん、世の中知らない方がいいことは山ほどありますよ....」
━━━━━
所変わって支部長室。
ここはロンドン支部支部長であるイザベル・マーカスの執務室である。
「おい、わざわざ放送なんてかけんなよな」
「セシル....お前は歳上を敬う事を知らんのか。ましてや私は直属の上司だぞ」
「はっ。32歳のババアが何を言うか」
「テメェ!表でろ!!」
32歳でありながら肌は綺麗で、髪もツヤツヤ。そして何よりスタイルの良さはとても30代とは思えないのだが、それ故に〈本当はもっと歳をとっているのかもしれない〉や、〈むしろ百年生きてて老いない〉などと囁かれている。
「そうカッカすんなよ。んで、大切な話ってのは?」
「誰のせいだと思ってる!....まぁいい。話と言うのはお前の出張だ」
「はぁ!?いつからだよ」
「明後日だ」
「....嫌な予感的中だぜ」
話を聞くと明後日から1ヶ月間、ロシア支部への出張のようだった。
感応種との交戦の際、神機が使用不可になると言う問題はフェンリルの技術者により対応策が取られ現在は解決済みだが、それだけで感応種の強さが下がった訳ではなかった。
そこでロンドン支部の主力であるセシルに教官としての白羽の矢がたったらしい。
「嫌だね。断る」
「セシル....」
「そもそも俺は教官なんか向いてない。そもそもこっちのアラガミと向こうのアラガミは似てはいるが生活パターンが違う。俺の戦術じゃあいつか穴ができる」
「セシル....こんなことをいうのは反則だと思うが、3日前に向こうで神機使いが8名殉職した。それによりサテライト拠点が1つ潰されたんだ。死者は未だに集計中。本当に急で済まないが、お願いされてくれないか?」
「....先に言えよ」
「ありがとう」
イザベルが話すとセシルは出張の話を受けた。
「それ、新種のアラガミだとか、もしくは特殊な進化をとげたアラガミだって可能性はないのか?」
「いや、ガルム感応種とイェン・ツィーなどの襲撃で物量に負けてしまったらしい。向こうではディアウス・ピターを一人で倒せる者が未だにいないと聞いている」
「そうかい」
「明後日の13時からヘリで飛んでもらう。第一部隊には悪いがお前が適任だと判断した。とりあえずスルト達に話してこい」
「了解」
そうしてセシルは支部長に背を向けるが
「あ、そうそうセシル」
イザベルはセシルを呼び止めた。
「なんだ」
「ロシア支部では最近神機適合者が急増しているらしい。できれば2人ほど引き抜いてきてくれ」
「は?何言ってんだ。それじゃなくてもロシア支部はガタガタなのに2人も引き抜けるかってんだよ」
「なーに。おまえが一人で3人分働けるやつを育てればいい話さ」
「無茶言いやがって。保証はしねーぞ」
そう言って今度こそ支部長室を後にした。
━━━━━
エントランスロビーにて。
「えぇーーー!?セシルが出張!?」
「....本当か?」
ナタリーとシェリルが露骨に驚く。
「こんなに目つき悪い教官にしごかれるなんて....考えただけで死にたいっスわぁ」
「おいナタリー。今ここでその願い叶えてやろうか?」
「そっかーセシルはロシアに出張かぁ。でも第一部隊3人になっちゃうね」
「別にそれでも問題はないけど」
「あーもーシェリル。そーゆーこと言わない」
言い争うセシルとナタリーを他所に、スルトは残念そうに、シェリルはとくに気にしてないように言う。
「まぁセシル、がんばってロシア支部を救ってきてよ」
「スルト....そんな簡単に言うなよ」
あははーと笑いながらスルトはセシルを励ます。
「あ、スルト....」
「おーサリア!どうしたの?元気ないみたいだけど」
「....あのね、実はさっき第一部隊と入れ替わりで偵察部隊が任務に出たんだけど、連絡がつかないの。ジョセフとも繋がらな....ちょっ!?スルト!?」
サリアは偵察部隊が任務に出たっきり、ヘリの操縦士であるジョセフとも連絡がつかないことをスルトに伝えると、言い終わる前にスルトは受付であるマシューの元へ走り出した。
「マシュー!すぐ行く!場所は!?」
「待ってくださいスルトさん!まだ特定できてません!それに貴方には他の任務があります!彼らのことは救援部隊に任せてください!」
「嫌だ!ジョセフが死ぬかもしれないんだよ!?それに救援部隊だけじゃ手に負えないかもしれないじゃないか!!」
「おいスルト!落ち着けって!!」
「ジョセフには奥さんと息子がいるんだよ!離せよセシル!!」
「あららら....ど、どうしよう」
「....」
スルトが興奮して、それを羽交い締めにしてとめるセシル。
「俺はこんな事で後悔したくない!クビにだろうがなんにでもなってやる!だからマシュー!救援部隊に同行させて!!」
「で、でも....」
マシューはスルトの為にも即決できずにいた。
「行かせてやれ。俺が許可する」
エントランスの2階ロビーから20代半ばの男が声を上げる。
「スエード!」
「スエード教官....!?」
この男はスエード・ミハイル。
ロンドン支部の新人教育責任者である。
銀髪の短髪で白いロングコートに黒いYシャツと黒のスラックスを着ている。
身長は190cmに届かないと言った所たが、長身でガタイがよくアゴ髭をはやしている。
「俺も27年間生きてきて、後悔した事は山ほどある。だがスルト。おまえは後悔はしないかもしれないが、絶望を見るかもしれない。それでも行くか?」
「行く!」
「よろしい。マシュー、場所は特定できたか?」
「は、はい!腕輪の最後の信号を発見しました!」
「スルト。行ってこい」
「ありがとうスエード!」
そう言ってスルトは出撃ゲートへ走って行った。
セシルたちは悲しそうな目でスルトを見つめていた。
「スエード教官....良かったんですか?スルトさんはまだ14歳。いくら死が日常的だとはいえ、親しい友人が....」
「マシュー。いつかは通る道だ。あいつは間違いなく強くなる。その時、あいつと肩を並べられない奴もいる。そうなったとき、今日のことはきっと支えになる」
第一部隊とマシューは俯いて何も言葉にできなかった。
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音信不通になった偵察部隊がいるであろう場所に向かう救援部隊とスルトが乗ったヘリの中。
(ジョセフ....絶対助けるから)
スルトは強く拳を握り締めた。
と、いうことで今回はスルトがメインのお話です。
(シェリルがどうとか言ってたよな俺確か)
そのうち挿絵でキャラを上げたいとおもっています。
しかし神機って描くの難しい。
ちなみにこの小説はかなりキャラに任せてます。
もしかしたらおれの考えてる通りに話が行かないかな~なんて思ってます。
とりあえずそんなかんじです。
コメントお待ちしております。
読んでいただきありがとうございます。