今回はセシルのロシア支部での活躍もでます。
セシルがロシアに飛んだ翌日、エントランスロビーにて。
「わ、私は、元第二救援部隊所属、マリア・ホーネット16歳、階級は上等兵であります!スルト殿と、セシル殿とは面識がありますが、ナタリー殿とシェリル殿はまだなかったですよね?こ、これから宜しくお願いします!」
セシルが飛び立った後、マリアが正式に第一部隊所属となった。
そして現在マリアが第一部隊の面々に挨拶をしていた。
「んじゃーアタシもっスね!アタシはナタリー・コーレスっス。歳は17で階級は少佐っス。先輩として恥じないようにするのでお願いっス!」
「私はシェリル・ロレンス。13歳。中尉。よろしく」
「あぁ、シェリルはいっつもこうだから気にしないで欲しいっス」
「は、はい!宜しくお願いします!」
「あれ、俺は自己紹介しなくていいの....?」
「スルトは面識あるからしなくていいっス」
「ひどいっ!?」
無事マリアは第一部隊に挨拶することができ、談笑しているとエントランスロビーに三人の人影が現れる。
「あれ?スエード?どうしたの?」
現れた一人はスエード。その後ろに少年と少女を引き連れている。
「あぁ、実は第一部隊に新人を連れてきた」
「え!?マジっスか!?」
「あぁ。第三世代の神機適合者でな。スピア二人なんだが、ナタリー。おまえに任せる」
「うぇっ!?....胃が痛くなってきた」
「し、しかし何故このようなタイミングで新人が二人も配属されるのでありますか?」
マリアが全員の疑問をぶつける。
「セシルがロシア支部へ出張したからな。お前ら第一部隊は四人でこそ完全な連携が取れている。その一人がかけた今、恐らく連携も変わってくる。それなら落ち着くまでは新人の育成を任せようという支部長の考えだ」
イザベルもなんやかんや支部長してるんだなぁと思うスルト達であった。
「それと、現状で最年長で階級も一番上のナタリー。お前が現時点をもってして第一部隊の隊長だ」
「....は?」
「わー。ナタリーが隊長かぁ。できる女って感じだね」
「似合わない」
「宜しくお願いします!隊長殿!」
「....胃に穴が空いたかも」
うなだれるナタリーを他所にスエードが口を開く。
「さぁ新人。第一部隊もまとまったところで自己紹介しとけ」
すると新人の1人、少年が一歩前に出る。
「アイン・ザックです!歳は15歳です!階級は新兵です!皆さんのお役に立てるよう尽力いたしますので、宜しくお願いします!」
アイン・ザックと名乗った少年は深々と頭を下げる。
身長は170後半くらいで髪は金色。ロンドン支部公式の軍制服を来ている。
「よろしくねー」
「よろしくっス」
「....」
「よろしくおねがいします!」
そして次は少女が一歩前に出る。
「私はミラ・スリングです!歳は16です!階級は同じく新兵であります!ロンドン支部の精鋭である皆さんのお役に立てるよう、死力を尽くす所存でありますゆえ、なにとぞ宜しくお願いします!」
ミラはシェリルと同じくらいの身長で見た目からキリッとしているのがわかる少女だ。
アインと同じ服装をしている。
「この二人は実戦経験はまだない。だが訓練の過程を既にSランクで卒業している。お前らももしかすると学ぶところがあるかもな」
「えーすごいねー。スエードの訓練に耐え抜いただけじゃなくて最高評価で抜けてきたんだー!」
スエードは新人育成責任者で、実戦に出る前の新兵の訓練も請け負っている。大体はスエードのしごきに耐えきれず、ほかの教官のところに逃げるのだが、この二人は聞いた限り物凄く優秀らしい。
「とりあえずスルト。お前はこいつらに敬語の使い方を学べ」
「あーそれは無理~」
「....はぁ。まぁいい。とにかくナタリー。後は任せる」
そう言ってスエードはエレベーターに乗って行ってしまった。
「....ナタリー?おーい」
「ナタリー殿?」
「....死にたい」
こうしてナタリーの胃に穴が空きそうになるのだった。
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「....はぁ」
「....あの?ナタリーさん?」
ナタリーは自室でため息をついていた。あの後新人の2人とすぐに打ち解けたスルトは二人を連れて昼食を取りに行った。
シェリルはシェリルでセシルと通信するために自室に戻った。
そしてマリアはナタリーに捕まり現在ナタリーを励ましている。
「全部....全部セシルせいっス!!あのスカした野郎、いつか後悔させてやる!!」
「お、落ち着いてください!」
「後なんなんスかその敬語!マリアは正式な第一部隊なんだから敬語なんて使わないで!!」
「え!?と、言われましても....」
「私が隊長だからなんスか!?使えない隊長に対するイヤミなんスか!?だったら辞めてやるー!!第一部隊なんか辞めてやるー!!」
「あ、いや!そんなんじゃない!やめる!やめるから!普通に話すからこれ以上第一部隊をバラバラにしないでー!!」
自暴自棄になるナタリーをなんとか落ち着かせるとマリアは話し出した。
「私は、すごいって思うわ。第一部隊は精鋭で集められて、いつも最前線。それなのにスルトやシェリルさんは凄く幼い。でもそれってやっぱりセシルさんやナタリーさんがいるからこそ、2人はここまでこれたんだなぁって思ってるわ」
「....マリアって普通に話すと凄く色っぽいんスね」
「え!?」
「....なんでマリアの方が年下なのに慰められてるんスかね....はぁ情けなってきた。でもあの2人はほんとに化け物みたいでアタシなんていらないくらい強いんスよ....」
シェリルは前支部でも最強の類に分類されていた。ロンドン支部に来てからもむしろ腕を上げる一方である。
スルトは恐らくロンドン支部最強。
第一種接触禁忌種を1人で討伐するほどである。
それこそナタリーやセシルでないと肩を並べられない。
「きっとスルトとシェリルさんが強いのは、ナタリーさんたちが心を強くしてくれたからよ」
「....心っスか」
「そう。スルトみたいに強いとやっぱり任務も難しくなってくるわ。そうなると任務の際にチームの誰かが命を落としてしまうかもしれない。それを避けるためには1人で任務を遂行することがベストだけど、それじゃいつか壊れてしまうもの。ナタリーさんが現場で支えてくれることにスルトはきっと感謝してるわ」
ナタリーは考えたこともない事を聞き、戸惑った。それと同時に自分が第一部隊になくてはならない存在だったと思うことができて凄く嬉しかった。
「うん。ありがとうっス。これから頑張ってみる」
「よかった。私はナタリーさんが隊長なのは適任だと思うわ。もし何かあったらまた言ってね。ナタリーさんの力になれるよう努力するわ」
「わかったっス。とりあえずもうさん付けもやめたら?」
「うっ....努力するわ....」
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所変わってシェリルの自室。
想い人セシルにアーカイブで通信するシェリルの姿があった。
[へぇ。ナタリーが隊長で新人が2人も....ババアも考えたなぁ]
「そっちはどう?セシル元気?」
[はっはっは。昨日今日で体調なんか崩すかよ。こっちは特に何もない。だがやはりロシアの女性が美人ってのは本当みたいだな]
「....セシル?」
[....なんでそんな怒ってんの....。まぁとにかく、うまくやれてるよ。お前も口数すくないんだから、少しは新人と話してやれ。セシルサーン!チョットキテクダサイ-!!....おっと。呼ばれてる。ちょっと行ってくるわ。んじゃまたなシェリル]
「うん。またね」
シェリルはベッドにダイブして頭を枕に埋めて足をバタバタさせた。
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ここはロシア支部。セシルが一時的に配属されている。
「セシルさんセシルさん!あの!この地区で第一種接触禁忌種のスサノオが目撃されたんですけど!!ど、どうしましょう!!」
エントランスロビーのアーカイブで通信をしていたセシルは突然受付のオリガ・ヘルグに地図を見せられる。
「....近いな。これはちょっと外部居住区が危険かもしれねぇ。よし、俺が出る。あと念のため外部居住区の防壁に防衛班を出せ。第一部隊に集合をかけといてくれ。すぐ戻る」
「は、はい!」
[緊急招集!第一部隊及び第二部隊防衛班は至急エントランスロビーに集合してください!繰り返します!第一部隊....]
セシルはロシア支部で自分に割り当てられた自室に戻った。
そしてアーカイブを弄り始める。
「スルト、聞こえるか?」
[ん?その声はセシル?]
「あぁ。すぐに出なきゃならんから簡易式の音声通信だが許してくれ。そんなことより、接触禁忌種が出た。スサノオだ」
[うっそー!?えー。いいなぁ。ちぇーこれでセシルが一歩リードかぁ]
「へっへっへ。頂いたぜ」
[くー。今のところ3体ずつでいい勝負だったのになぁ]
「おっと。そろそろ行かねーと。じゃあ、サクッと行ってくるわ」
[うん。気をつけてねセシル。くれぐれも死なないように!]
「あぁ。すまんな突然」
[ううん。じゃーねー]
こうしてセシルはスルトとの通信を切った。
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「さて、今回は接触禁忌種だ。しかも第一種。確実にお前らの手には負えない。だから俺が手本を見せる。お前らは周りのザコを頼む」
あの後すぐにヘリで第一部隊を連れてきた。
第一部隊の指導に入って殆ど初日。セシルの実力を示すにはもってこいのシチュエーションだった。
「あ、あの!大佐!ほ、本当に1人でやるんですか!?」
心配そうに言うのは第一部隊の隊長、ミレーナ・キストン。
身長は170cmほどでスタイル抜群。髪色はオレンジでポニーテールにしている。緑のジャンパーに細いデニムを履いている。
神機は長剣型でブラスターを装備している。
「あぁ。まぁ見とけって」
そう言ってセシルは投下ポイントから飛び降りた。
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「たたた、隊長!!す、スグソコニ!スサノオが!!」
「ヴェロニカ!取り乱すな!動揺は死を誘うぞ!」
「ア、アレクセイさん!!そんなこと言われてもぉ....」
着地してまず初めに口を開いたのは第一部隊所属のヴェロニカ・スイベル。
身長は160cm半ばで髪の色は赤茶。低い位置で髪をツインテールにしている。
服装はピンクのロングTシャツに黄色いベストを羽織り、ショートパンツに横縞のニーソックスとブーツを履いている。
そんなヴェロニカに喝を入れるのはアレクセイ・キャンベル。
身長180cm半ばでガタイのいい男である。髪は黒で服装はグレーのパーカーにカーゴパンツでスニーカーを履いている。
「....」
そんな二人を無言で見つめるのは第一部隊所属のイリーナ・アントラ。
身長は150cm後半で髪の色は水色。ミディアムヘアで前髪を真ん中で分けている。
服装は迷彩柄のパーカーで赤いマフラーを巻いている。黒のカラーパンツでクリーム色のムートンを履いている。
「いいか、お前らは手を出すな。こいつに一瞬でも隙を見せたら命を刈り取られる」
セシルは第一部隊の面々に言う。
「し、しかし大佐!危険すぎます!!ロシアでも前例のない接触禁忌種を1人相手するなんて!!」
「なーに。ロンドンでも3体討伐してんだ。命が惜しかったら黙ってみてろ」
そう言ってセシルは物凄いスピードで駆け出す。
「ギャアアァアァァァア」
スサノオもセシルに気が付くと大きく吠えて威嚇する。
「ふっ!!」
正面から突っ込むと、スサノオが尻尾でセシルに凄まじい速さの突きを繰り出す。
「はぁっ!!!」
セシルはそれを神機で横にいなすと、スライディングしながら銃形態に変える。
ガガガガガガッ
腹部に貫通弾を乱射してスサノオの後ろを取ると捕食形態にして体にかじりつく。
「ギャァアアアッ」
「うおっとっとっ!」
セシルは神機に掴まったまま振り回されるがスサノオが動きを止めた瞬間神機を思い切り引っ張る。
「ガァァァアァアア」
「ちっ。流石に喰いちぎれねぇか」
スサノオの表面には傷が出来たが喰いちぎるのとはできなかった。
次にセシルは左に大きく飛びながら神機をもつ手に力を込める。
神機から黒いオーラが溢れ出すと、セシルはまたも攻撃をすり抜けてスサノオの真下に来た。
「コイツを....耐えられるかなっ!!」
セシルの渾身の一撃がスサノオの腹部に炸裂した。
━━━━━
「....凄い」
ミレーナは開いた口が塞がらなかった。
1人で戦うと言った時は、派遣されたからと天狗になっているのかと思っていたが、この実力を見るとそうでなかった事がわかる。
(次元が違いすぎる)
その一撃一撃には意味があり、次の攻撃に繋がっている。
ただ闇雲にダメージを与えてるわけではなく、考えた上で攻撃を与えているのだ。
そうこうしているうちにスサノオは1本足を持っていかれている。
その時、ミレーナはロシアの第一部隊の精鋭と呼ばれていることが恥ずかしくなった。
「おい!よけろ!!」
「え?」
あまりにも深く考えていたため、周りに目を配っていなかったミレーナはスサノオが何かを発射したのを見ていなかった。
「クソッ!」
ドスッドスッ───────
ミレーナの目の前から音がした。
「あ....あぁ....ぁ....た、大佐....」
セシルがミレーナをかばって腹部と左肩に拳大の針が刺さっていた。
「おい。手を出すなとは言ったが、余所見しろとはいってねぇぞ....」
「す、すみまッすみませっ」
「ゲホッ....だぁーくそっ。まぁいい。そろそろ潰せそうだしな」
神機を右腕一本で力強く持ち、セシルはスサノオを見据える。
「さぁ、そろそろ終いにしようか」
「ギャァァアアアアァ」
セシルの最高速度にスサノオの突きは外れ、またも後ろを取る。
そしてスサノオが振り向く。すると神機を高く上げたセシルが。
「おらぁっ!」
渾身の一撃にスサノオの顔面は潰れ、声もなく沈んだ。
長ぇ。なんでこんな長ぇんだ。
書いてると楽しくなってきてついつい引き伸ばしてしまう作者です。ごめんなさい。
というわけでナタリーとマリアが仲良しに。ついでにロシア支部の第一部隊も顔を出しました。
今後とも宜しくお願いします。
というわけで読んでいただきありがとうございます。