今回はナタリーがメインかな....?
ロシア支部支部長室にて
「今回は本当に助かったよ。イザベル支部長とセシル君には本当に感謝だ。うちの精鋭も命を救われたし代表して言うよ、ありがとう」
「いえ。お役に立てて光栄です」
「いつまでも立たせておくのも傷に響くだろうから、もう戻ってもいいよ。報告は後で書類に目を通しておくから頼むよ。それじゃ、お大事に」
「失礼します」
━━━━━
自室に戻ったセシルはベッドに横になった。
本来なら医務室にいなければならないが、支部長に報告にいくとナースをうまく言いくるめて、医務室に戻らずこうして自室に戻ってきた。
(まぁこれくらいなら3日もあれば完治するな)
自分のオラクル細胞の適合率などを考えて、おそらく3日で完治すると予想したセシルはあとで第一部隊を呼んで3日後から訓練を開始すると言うように考えていた。
「....喉乾いたな」
喉が乾き、ベッドから起き上がると突然部屋のドアが開く。
「あの....大佐....」
ミレーナが申し訳なさそうな顔で訪ねてきていた。
「おお隊長さん。なんか用か?」
「あの....本当に申し訳ありませんでした....私のせいで大佐が怪我をしてしまって....」
「....あー。気にすんな。誰しも失敗はある。誰も死ななくてよかったさ」
「し、しかし大佐!」
「あーもーうるさい。いいっていったらいいの。べつに見返りを求めてたわけじゃねぇから。ありがとうって言ってくれた方が俺も報われるぜ」
「っ!....ありがとう....ございます」
「そーそー。それでいいよ」
そしてセシルはコップに水を汲んで飲む。
「でも!私の気がおさまりません!大佐の為に何かできることはありませんか!?」
尚も食い下がってくるミレーナにセシルはうーんと考える。
「そうだなぁ。身体で払ってもらうしかねーな」
「はいっ!....ってえぇ!?」
(か、身体!?うそ、まさか、身体!?)
「いやー実はこっちで2人ほど神機使いを引き抜いてこいって言いつけられてな。とりあえずお前に3人分は働けるようになってもらって、それからここの支部長に交渉するつもりなんだが....聞いてるか?」
ミレーナは顔を真っ赤にしてうつむいている。
そのうちぼそぼそとしゃべり始めた
「い、命の恩人ですから。わた、私はっ!覚悟を決めます!」
そう言ってジャンパーを脱ぐとさらに中に着ているタンクトップも脱ぎ、上半身は下着だけになるミレーナ。
「え!?いや待て!おまえ一体何を聞いてた!?」
「わ、私!は、初めてなので、その....や、優しくして頂けると....」
「人の話をっ....聞けぇ!!」
セシルはミレーナに渾身のチョップをかました。
━━━━━
「あの....すみません」
「まったくだぜ。おまえほんとにロシアの精鋭かよ」
落ち着きを取り戻したミレーナは深々とセシルに頭を下げる。
「私は....精鋭なんて大それたものではありません。ただの臆病者です」
「....すまん。俺の言ったことは忘れてくれ」
「いえ。いいんです。私が第一部隊の隊長を務めている理由は、第一部隊が全員殉職して総入れ替えになったからなんです」
ミレーナは高揚のない声で話始める。
「第一部隊は5人で編成されていました。先の戦いでガルム感応種により2人が命を落とし、その後合流した第二部隊と第一部隊3名がイェン・ツィーと交戦しました。その時私が第二部隊の隊長でした。しかし、どうしても勢いに負けて、撤退したんです」
「総入れ替えってことは、ほかの第一部隊も....」
「はい。私達第二部隊を逃がすために....それなのに私の指揮が下手なばかりに第二部隊からも3人の犠牲を出してしまいました。でも唯一の生き残りと言うことで隊長に抜擢されたのです....」
「そうか。話してくれてありがとうな」
セシルは地雷を踏んでしまって焦る気持ちと、そんなことがあったのに第一部隊として前線で闘うミレーナに強さを見た。
「すみません、突然押しかけたうえにこんな暗い話....」
「気にすんな。そーゆー話はこのご時世だ。慣れてるよ」
「あの....私きっと強くなります!なので、ご指導お願いします!」
「おう。任せろ」
そしてミレーナは部屋を後にした。
セシルは決意をあらたに3日後の訓練について戦法を書類にまとめるのであった。
━━━━━
「ガァァァアアァ!!」
一方こちらロンドンではラーヴァナとヴァジュラの群れを第一部隊が実地演習という体で全員出撃していた。
「スルトぉ~!全然倒せれないけどぉ~!!」
「あーもうマリア!こういう時はこうするんだ....よっ!」
そう言ってスルトはヴァジュラを一刀両断する。
「無理!私には無理よ!!」
「大丈夫大丈夫!マリアにもできるよー!」
「絶対無理!無理ったら無理よ!!
━━━━━
「ガアアアッ───」
声を出す前にヴァジュラの頭を的確に潰すシェリル。
流石にマリアや新人にラーヴァナは難しいと考えたナタリー達はシェリルにまずラーヴァナを仕留めて貰おうと考えた。
「ギャアアアアアア」
「....探す手間が省けた」
するとシェリルのまえにラーヴァナが現れる。
「最近私は荒れてるから手加減はしねーぞ」
シェリルは駆け出した。
━━━━━
そしてナタリーはというと。
「さて新人達よ!君ら2人の連携でヴァジュラを倒してみたまえっス!」
「え!?いきなり本番でありますか!?」
「俺達まだコンゴウすら戦ったことないのに!?」
「大丈夫!やばかったらアタシが助けるから!」
「と、とは言いましても....」
「アインもミラも、アタシを信じて欲しいっス。それと仲間を信じて欲しい。大丈夫。スエードさんの訓練くぐり抜けてきたんでしょ?なら大丈夫っスよ!さぁ!」
アインとミラは目を合わせるとお互いに頷く。
「「はいっ!」」
「よし!それでこそ第一部隊っス!」
そして2人はヴァジュラに向かって走り出す。
「せぇいっ!」
まずはアインがヴァジュラの左腕にむかって神機を振る。
「ガアアァァア」
「よし!入った!」
「アイン!シールド展開するっス!」
「え!?は、はい!」
アインがシールドを展開してすぐ、アインに向かって雷球が降ってくる。しかしアインがシールドを展開していたためダメージはなかった。
「うわわっ!?」
見るとそこにはもう一体のヴァジュラが。
「ガァアァアアアァ」
「ちぃ。もう嗅ぎつけてきたっスか....。アイン!ミラ!コッチはアタシがやるっスからそっちをぶっ殺して!」
「「は、はい!」」
そしてミラが神機を構えて駆け出すのと同時にアインが銃形態に変えて援護射撃する。
「はぁっ!!」
先程アインが一撃を入れたのと同じ場所にミラは神機を振る。
「ガァアアアァァアァア」
アインの放った一撃がヴァジュラの右目に当たると、ヴァジュラは体を大きく仰け反る。
「そこだっ!」
ミラはスピアをチャージさせて溜めると、一気開放して腹部に向けて突きを放つ。
「ガアアァアアァアッ」
「はああぁっ!!」
ミラは刺さった神機を横に薙ぎ、腹部に大きな傷をつける。
するとヴァジュラの体が電気を放ち始める。
「くそっ!ミラ!!」
アインがミラの名前を呼ぶがアインでは間に合いそうもない。
バリバリバリッビリッ
とヴァジュラのまわりが放電し始める。
そこにミラの姿はなかった。
「あれ?」
「まぁよくやったほうっスね。初めてのヴァジュラでここまで立ち回れるならすぐ強くなれるよ」
アインのすぐ横にはミラを抱えたナタリーの姿が。
「た、隊長!?」
「す、すみません隊長!!」
「まぁまぁ。こっちは一体倒してますし。てかむしろ褒めるレベルっスよ!」
「し、しかし隊長のお手を煩わせるなんて....」
「確かにアタシは隊長っすけど、それ以前に皆の仲間っス。助けるのは当然だよ。さぁ!もうひと頑張り行くっスよ!!」
「「はいっ!!」」
そしてヴァジュラと対峙する2人。
「ガアァアァァアア」
「オラァっ!!」
アインが突撃するとそれを上に飛んで避けるヴァジュラ。
「よしっ!」
すかさずミラが銃で追撃する。
「ガアアアッ」
ヴァジュラはバランスを崩して地面に向かって落ちてゆくと、その下でアインがチャージしていた。
「初っ勝利だぁっ!!」
そして一直線に倒れたヴァジュラに突きを決める。
「ガァアアァアアアァ....ァ........」
ヴァジュラはアインの突きを腹部に受け、絶命した。
「イェーイっ!!」
ミラがアインの元に走っていき、ハイタッチする。
「いよっしゃぁ!」
アインもミラのハイタッチに応じ、笑顔になる。
「お、おまえらぁ~!よくやったっス~!!」
そしてナタリーが二人の元に走っで飛んでくる。
2人に抱きつくとナタリーはミラとアインの頭をワシャワシャと撫でまわす。
「た、隊長~!」
「痛いっ!俺だけなんか痛いんすけどっ!?」
「いやーほんとどうなるかと思ったっス~。無事でよかったよぉ~」
ナタリーは涙を浮かべながら安堵の息を漏らした。
━━━━━
その後スルト達3人と合流したナタリー達はヘリの待機ポイントに向う。
「はぁ....スルトってスパルタ過ぎよ....」
「まぁマリアも1人で倒せるようになったんだし、結果オーライだよー」
マリアはスルトにしごかれてくたくたの様子だった。
「いやー疲れました。しかし隊長に助けられずに倒せるようにならないとね、アイン」
「そうだなー。少なくとも2人だけで倒せるようにはなりたいな」
アインとミラはあらたに目標ができて結果として実地演習は成功に終わった。
余談だがシェリルはというと、ヘリの中でセシルの名前をぶつくさと囁いていたとか。
いかがでしたか?
ナタリーが隊長になりました。ちなみに前隊長はセシルです。
次回は日常編だとおもいます。
あと今更ながら区切りのあるところに線を入れました。
読んでいただきありがとうございます。
感想お待ちしております。