今回はスルトが....!!
ロンドン支部から少し離れた工場跡地にスルトとマリアはヤクシャの群れを討伐に来ていた。
「....ちょーっと数が多いねぇ」
「えっ!?ちょ、こんなに群れることってあるの!?」
「何かがきっとあるんだよここには。とにかく狩るしかないね」
そう言ってスルトは駆け出すと一体、また一体と仕留めていく。
(やっぱりスルトは桁違いに強いわね....)
マリアはスルトの強さを再確認すると、神機を強く握り締めた。
「はぁっ!」
マリアもヤクシャの群れに走り出す。
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「ふう。あらかた片付いたみたいね」
「んー。やっぱり物足りないね....」
「いやいや!?私もう無理よ!クタクタよ!」
「でもマリアも強くなってきたね。正直ここまで伸びるのが早いとビックリするよ」
「それはあなたを支えたくて、1日でも早く強くなりたいって思ってるからよ」
「そっかぁ。ありがとうマリア」
「ふふっ。どういたしまして」
ヤクシャとそこら辺にいた小型アラガミを一掃した二人は工場跡地の塀の上に座り込んで話していた。
「....ん?」
「スルト?」
その時スルトが何かに気付く。
「マシュー。なにか来ている」
[はい。確認しました。なにか強力な反応があります]
「なんだろう。嫌な感じだ」
[....!来ますっ!!]
ドンッ────
現れたのはルフス・カリギュラだった。
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「さて、そろそろいくっスよ」
ロンドン支部ではナタリーが新人2人とシェリルで任務に出発するところだった。
「ナタリー隊長!シェリル中尉が来てません!」
「えー?シェリルっスか?珍しいわね....」
ミラがナタリーにシェリルがまだ来ていないことを伝える。するとエントランスロビーのエレベーターが開く。
「あ!シェリル!!遅いっスよ!」
「....なにか、嫌な予感がする」
「い、嫌な予感....ですか?」
「ナタリー隊長....シェリルさんとても具合悪そうですけど....」
「まさか....またっスか」
「「また?」」
「第一部隊の誰かになにかあったかもしれないっス」
ナタリーは低く落ち着いた声で言った。
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「あの....それってどういう....」
「シェリルはオラクル細胞の適合率がかなり高いっス。だから感応現象?が高い精度でできるの。それはかなり離れていても、良く知るオラクル細胞なら危険信号を受け取れるっス。だからたぶんマリアかスルトに何かあったのかも....」
「ま、まさか!?スルトさんにかぎってそんなことっ!?」
「....アイン。いつ誰がどうなるか分からない。それが戦場よ」
「シェリルさん....」
第一部隊四人が沈んでいると、マシューが突然叫び始める。
「スルトさんっ!スルトさん!!マリアさん!聞こえますか!?」
[き、聞こえます!マシューさん、スルトが....]
「どうされたんですか!?落ち着いて状況を説明してください!!」
[スルトの神機が....折れたんです!それで、そのまま倒れて、カリギュラの一撃を受けて昏睡状態なんですっ!!]
「そんな....」
マシューの顔が青くなる。
すると聞き付けたナタリーがマシューのところへ走ってくる。
「マリアっ!それは本当っスか!?腕輪はどうなってるっ!?」
[腕輪は....なんともないわ。無事よ。でも早くしないと、もしかしてアラガミに....]
「大丈夫!大丈夫だから!落ち着いて!マシュー!交戦中のアラガミは?」
「........」
[マシューさん....??ナタリー!!ルフス・カリギュラよ!閃光弾で一旦逃げて、今は物陰に隠れてるわ。でも見つかるのも時間の問題かもしれない!]
「救援部隊じゃ手に負えないか....先にアタシ達がでるっス!マシュー、救援部隊もすぐ配備して!」
「....スルト....さん....」
「マシュー!!しっかりして!」
「スルトっ....スルト....」
「マシュー!いい加減にしろっス!」
狼狽えるマシューの胸倉を掴んでナタリーは殴った。
「マシュー!スルトを救うにはお前の力が必要っス!過去に囚われてる暇があるなら、今を見ろ!!」
「....は、はい!すみません!ナタリーさんとシェリルさんで向かってください!アインさんとミラさんは救援部隊と一緒に向かわせます!」
「シェリル!いくっスよ!!」
「うん」
こうしてナタリーとシェリルはヘリポートへ走った。
アインとミラは初めて見るマシューの狼狽える姿に驚きを隠せなかった。
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「このままじゃジリ貧ね....スルトが起きてもこれじゃ戦えないし....。私じゃ相手にもならない。ナタリーたちが来るまで最速でも30分....どうしたら....」
マリアはスルトを工場跡地の物陰まで運んで身を潜めていた。
ルフス・カリギュラという強大な敵を前に為すすべのないマリアは救援を待つしかなかった。
「ガアァアアアァアァア!!」
「くっ....。そのままどこかへ行ってくれる....ってことは無いわね....それにしてもなんて力なの....」
ルフス・カリギュラは2人を探して辺りを破壊しながら進んでいた。
ゆっくりだが、確実にマリア達の方へ近づいている。
「仕方ないわね....こうなったら一か八か誘導するしかないわ」
そしてマリアは物陰から飛び出し、ルフス・カリギュラと対峙する。
「私はスルトに、命をかけて守るって誓ったの。こんなところで死なせたりはしないわ」
マリアは決意を決め、ルフス・カリギュラを誘導し始めた。
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スルト達を救助するためにヘリに乗っているのはナタリーとシェリル。2人の間に緊張が走る。
「ヤクシャの群れの討伐みたいっスけど、スルトの事だからそれは既に片付けてると考えて、優先すべきはスルトの確保ね」
「私が惹き付ける」
「わかったっス」
「!!みてっ!あそこよ!」
工場跡地が見え、サリアが2人に教える。
「よし。待ってるっスよ、2人共!」
「....必ず助ける」
━━━━━
「はぁっ....はっ....はぁ....」
20分以上休みなく走り、ルフス・カリギュラの攻撃を避けるために気を張り続けるのはいくらゴッドイーターでも難しい。
マリアの体力は既に限界だった。
「ガァァァアアアア!!!」
「くっ!?」
避けるのが少し遅れたマリアは地面に転んでしまう。
「イタタタ....くっ!?」
「グォオオオォォオオ」
ルフス・カリギュラが大きく振りかぶっていた。
(スルト....ごめんなさい....)
ザッ!!
マリアが死を覚悟した時、何かが飛んできてルフス・カリギュラに刺さった。
「っ!?」
そして気付いたとき、マリアの目の前には見慣れた背中があった。
「ごめんねマリア。遅くなっちゃった」
スルトが折れた神機を片手に立っていた。
どうやら投げたのは神機の欠片らしい。
「スルト!?どうして....ダメよ!逃げましょう!戦ってはダメ!その身体じゃ....!」
「アイツは俺に執着してる。なんとなくわかるよ。逃げても逃げても追ってくる。それにマリア....迷ってられないんだ。たとえアラガミになっても、守りたいものは守るよ」
スルトの顔は見えないが、言葉には意志が宿っていた。
「さぁ。俺の大切な人を傷つけようとした罪はでかいよ?」
その低く冷淡な声にマリアは寒気を覚えた。
それと同時にスルトの背中が消える。
恐ろしい速さでルフス・カリギュラの横に回り込むと折れた神機で斬りつける。
「ギャアアァアアアア」
ルフス・カリギュラは声を上げて腕のブレードを振るが、スルトには全く当たる気配がない。
「っだぁ!!」
スルトの攻撃がルフス・カリギュラの目を潰す。
すると興奮状態になったルフス・カリギュラの体から光が溢れる。
「ガアアアァァアアッ!!」
「くそっ!!」
スルトはレーザーの様な攻撃をかわしながら、攻撃の隙をつく伺う。
「....っ!!そこだっ!!」
その攻撃により、ルフス・カリギュラの左腕が吹っ飛ぶ。
「1本頂いたよ!」
「ギャャアアアァ」
右腕の攻撃を神機で横に弾くと、スルトはルフス・カリギュラの首元に屈み、下段から切り上げる。
一撃で刈り取ろうとしたが、うまく切り落とせずにスルトは距離を取る。
「....くそっ!!落とせないっ!!」
「ガァアアァアアッ!」
「このやろっ!!....ぐっ!?」
ルフス・カリギュラの一撃を避け、着地すると突然身体に激しい痛みが走る。
「くそ....こんな時に....」
スルトは痛みに耐え、ルフス・カリギュラを迎え撃つが、先程とは打って変わって押されている。
「....スルト....」
マリアは自分の無力さを嘆く事しかできずにいた。
「....はぁっ....くっ........うぐっ」
次第に激しくなる身体の痛みに顔を歪めるスルト。
「だぁぁぁぁぁっ!!!」
「ガアアァアァアアッ」
「うわっ!!」
ついに一撃に押し負けて吹っ飛ぶスルト。
意識はあるが、うまく体を動かせない。
そんなスルトにルフス・カリギュラはゆっくり近づく。
「ちっ....くしょ....ゴホッ....」
スルトは神機を握りしめ、ルフス・カリギュラに向けるが身体が全くいうことを聞かない。
それでもスルトは諦めなかった。無理矢理に身体を動かそうとすると吐血してしまう。
「....や、やめてっ!!わ、わた、私が相手よ!!」
スルトの目の前にはマリアが震えながら神機を構えている。
(怖い怖い怖い怖い怖い!!)
マリアはスルトが死にかけている事と、ここまで傷付いてもピンピンしているルフス・カリギュラに恐怖していた。
「マリ....ア。駄目だ....逃げ....て....」
「逃げたい!でもスルトがいなきゃ嫌よ!!」
マリアの足はガクガクと震えていて、とても戦えるとは思えなかった。
涙を流しながら怯えるマリアを守ってやれない自分にスルトは怒りを覚える。
「ガアァァアアアアッ!」
「ヒィッ!」
(くそっ!!動けっ!動けぇ!!動けよ俺の体!!)
ルフス・カリギュラの叫び声に短い悲鳴をあげるマリア。
そしてブレードが振るわれる。
「はぁっ....ゲホッ....おぇっ........ぜぇ....」
「スルト....」
2人は間一髪攻撃を避ける。
最後の力を振り絞ってマリアと抱えて飛んだスルトだったが、ついに限界に達してマリアに多いかぶさる。
「ごめん....マリア....守って....やれなくて....」
「そんなことない!」
「マリ....ア....。逃げ....て....お願い....」
「嫌よ!駄目!死ぬときは一緒よ!!スルト!!」
「マ....リア....」
スルトは目を閉じてマリアを抱きしめた。
━━━━━
「おりゃあああ!!」
ズシャァッ!という血しぶきの音と共に、2人が聞き慣れた声がする。
「ナタリー!!」
「たす....かった....?」
そしてそこにはナタリーとシェリルがルフス・カリギュラに神機を振るっていた。
「2人を傷付けたことを後悔させてやる....」
「うっひゃぁ....珍しくシェリルがおこってるっス....っていってもアタシも怒ってるけどね!!」
そうして2人の完璧な連携でルフス・カリギュラの頭はシェリルの一撃によって落とされた。
そして2人に駆け寄るシェリルとナタリー。
「はぁ、心配して来てみれば、なーにラブロマンスしてんスか....呆れてモノも言えないわ」
「あっ!いや、これは!!」
「....」
「シェリルさんはその目線やめてください~!」
「ゲホッゴホッ....」
「....!?スルト!スルト!!」
皆がホッと一息ついていると、スルトが吐血する。
[皆さん聞こえますか!?もうすぐ救援部隊が到着しますのでそれまでスルトさんに応急処置をお願いします!]
「わ、わかりました!」
マリア達はスルトの応急処置に取り掛かった。
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「要救助者はこの2人ですか?」
「あ、いいえ。私は無傷ですので....」
救援部隊に運ばれて連れて行かれるスルト。マリアは悔しかった。命をかけて守ると言ったのに、結局守られてばかりな事が。
「マリア~?帰るっスよー」
「....ナタリー」
「マリア....?っ!?」
マリアは涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにしながらナタリーに抱き着く。
「うわぁぁぁぁぁす、するどが、もじ、もじあらがみになっだらどうじよーーー!!」
「あーりゃりゃ全くもう....せっかくの可愛い顔が台無しっスよー?」
「でもっ!でもぉ~」
「大丈夫っすよ。神機は生きてましたし、折れただけみたいでスし。腕輪にも問題無いからアラガミになったりはしないから!」
「ほ、ほんと....?」
「本当っスよ!」
「よ、よがっだぁ~~」
こうして第一部隊は一人も欠けることなく帰投して行ったのだった。
ルフス・カリギュラってかっこいいですよね。
でもカリギュラのほうが色は好きです。
あと作者の一番好きなアラガミはヴィーナスです。
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読んでいただきありがとうございます。