ダ ン ジ ョ ン の 自 爆 霊 作:ビビリ
『すいません、ご迷惑をお掛けしてしまって』
「良いって別に!冒険者同士困った時はお互い様だしな」
『そう言って頂けると助かります』
彼らとなんとかスライムを討伐した後、少し話す事になった。まだ再自爆するまでに時間掛かるし、丁度良いや。
「にしてもハジメは何で武器も何も持たずダンジョン近くにいたんだ?」
「確かに。私も気になる」
「ガタイが良い訳じゃないから前衛では無いよな。でも、だからと言って杖とかも持ってない。手ぶらだもんな。職業は何だ?」
『うーんとそうですねぇ』
困った。師匠にあんまり、この魔法の事は人には言わない方が良いって言われてる。だって、コレがバレたら絶対面倒臭そうな事に巻き込まれそうだかららしい。の割には師匠は人前で普通に爆発してたじゃん。ってツッコミたかったけど、辞めた。何が起こるか分からないからだ。
それに、自爆の事を言ってしまえば。何で死なないの?からやがてモンエネに繋がる。モンスターエネルギーが他の人に知り渡れば、怪我人や死者は減るだろう。けど、そしたら今まで以上の数が必要になる。それを作るのは一体誰だ?と言う理由から一先ずは自爆の事は隠し通す事にした。
『爆発系の魔法を偶然覚えまして……。それ一個で何とかなるぐらいには強いんですが、中々条件があってちょっと』
「成程な!分かった。詳しくは聞かねえ!」
『本当ですか?』
「あぁ。なんか面倒臭そうだし、それに嫌がってる事は聞かない方が良いだろうからな!」
『助かります。もう大丈夫なので、皆さんはダンジョン攻略頑張って下さい』
彼らはダンジョンへ向かうと聞いたのでそこで別れた。その後はまた来るスライム相手に自爆をしては逃げ惑う時間が続いた。
そんな日々が暫く続き。
『じばく〜』
《ピギャ》
『じばく』
《ピギャア》
大分成功する様になり、単純作業と化したスライム退治に平和ボケしていた僕に、突如新たなる展開が訪れた。
「うおおおおおお!!!おらっ」
「ファイヤーボール!ファイヤーボール!!」
「
『あ、この間見た人達だ』
ダンジョンの奥から急いだ様子で出て来たのは、この間一緒にスライム退治をした冒険者さん達だった。にしても、どうしたんだろう。そんな焦って。
『大丈夫ですか?』
「大丈夫じゃねえ!このダンジョンに出ない筈のバケモンが出やがったんだ!」
『バケモン?』
「キャロットクイーンです」
『何ですかそれ』
人参の女王って。すぐウサギの餌にされそうで、あまり強さを感じないけど強いのかな。
「キャロットクイーンはな、キャロットドレスを纏ったニンジンでな!」
『ニンジンじゃないですか』
「武器は人参で、槍の様に突いたり。弓の用に飛ばしたり、棍棒の様に近接戦闘をしたりと様々な戦い方をして来る」
『成程……』
「良いからお前も逃げろ!早く誰か呼ばないと、被害が大きくなっちまう!」
「でも誰を呼べば……」
全部モンエネを飲めば解決する。それに、スライムを倒したお陰でレベルアップのステ振りが使わずに残ってるし。どうにか時間稼ぎは出来るはず。
『皆さん』
「ん?どうした?」
『此処は、僕に任せて先に行ってください!倒せる人を呼んでください。僕のお婆ちゃん……師匠なら倒せる筈です』
「お前、それまで時間を稼ぐって言うのか?なら、俺も」
『いえ、皆さんは行ってください』
「何でだよ!」
『邪魔なんですよ。言わなきゃ分かりません?さっさと死なない内にこの場から消えて下さい』
「お前……」
『お願いします』
「ッ……絶対生きろよ!」
冒険者さん達が走り出したタイミングでズシンズシンと言う音ともに、女王が姿を現す。
『お初にお目にかかります。人参の女王様、役不足ですが。せいぜいお付き合い下さいま』
最後まで言う前に、巨大人参が目の前まで近づいていた。それを間一髪でギリギリ避ける。
『あぶなっ……イテッ』
少し掠ったのかダメージが入った。……って、一分経ったのか。と言う事は此処から十分稼がなきゃ行けないって事か。
『取り敢えず、俊敏に全振りしよう』
こちらに背中を向けて、何がやってる間にステ振りを済ませる。そして再び目を戻すと。
巨大人参に足元を掬われそうになっていた。思いっきりジャンプをして、それを回避すると。キャロットクイーンと目が合う。ニヤリと笑った様な気がした。嫌な予感がする。
そして、その予感は次の瞬間に的中する。
先程まで足下にあった人参を上に上げて、空中の僕叩き落とそうとしてる様だ。ゆっくり近づく人参を掴み、登ってその危機を回避する。
『後、五百秒……!』