子供「姉ちゃん、また氷出して」
子供「出してー出してー」
エス「しょうがないな、ほら」
タツ「・・・・・・」
子供「わーい」
子供「おい、お前だけ独り占めするなよ」
子供「他にもたくさんあるだろ、いいじゃんか」
エス「ふっ・・・」
タツ「・・・・・・」
夜
村長の老婆「・・・ちょっとあんたら話があるんだがいいかい?」
エス「?」
タツ「・・・」
老婆「あんた方がここに来て村も潤い、非常に助かっている。隣村との揉め事も
一旦終着した。・・・だがな、悪い噂も聞いてな」
タツ「・・・」
老婆「お姉さん、あんた本当の名前は・・・」
エス「・・・・・!・・・・・」
老婆「人には誰でも過去に色々あるだろう・・・だからわたしも今まで黙っていたが村の中に不審がる者も出てきた、それでちょっとあんたらの事調べさせて貰ったが、・・・あんた本当は東の帝国で悪名高いエスデス将軍だろ?」
タツ「・・・・・・・」
エス「・・・・・・・・ああ、そうだ・・・」
老婆「これは今まで世話になった礼金だ。悪いが直ぐにでもここから出て行ってくれ・・・あたしの息子も・・・帝国軍に・・・皆の前で・・首を斬られて・・・殺されているんだよ・・・・」
エス「む、村長・・・私は・・・!」
老婆「・・・言い訳なんか良い・・早く出てっておくれ・・・出ないとあんたを殺したくてウズウズしているんだよ・・・・」
身支度を整え、出ていく準備をする二人。
エス「・・・タツミ、すまない」
タツ「・・・・・」
子供「・・・姉ちゃん?どこいくの?」
エス「ああ、ちょっと遠い所に行くんだ」
子供「直ぐに戻って来るよな?」
エス「ん?ああ・・・」
母「ちょっと・・・お前近付くんじゃない!」
子供「え?だって?」
母「こいつらはねえ、あたし達に取り入って、いずれ奴隷にする気なんだよ!」
子供「嘘だ!?姉ちゃん達がそんな事するもんか!」
エス「・・・・・」
タツ「・・・・・」
母「お前ね・・、こいつらはあの東の帝国の殺人将軍なんだよ!」
子供「え・・・!?嘘だ・・・姉ちゃんがそんな悪い奴な訳ない!嘘だ!
ねえ、嘘だって言ってよ!」
エス「・・・・すまない・・・・」
山道を歩く二人
エス「・・・・・・」
タツ「・・・、どうだ、エスデス?前に殺した時スカッとしたろ?・・・今までお前がやってきたのはただのガキの遊びだ。本当の殺しってのはいつもつらく厳しいもんだ」
エス「う・・・っ・・・うっ・・・うわーーーーー」
タツ「お前子供欲しいって言ってたよな、戦争になればああいう子も死んでくんだろうな・・・、でも仕方ないよなあ、弱い奴は死んで当然だよなあ・・・なあエスデス様、・・エスデス将軍殿」
エス「う・・・うっ・・・タツミ、私は今、お前が恨めしい・・・だが、私がしてきた事なのか・・・これが・・・・?・・・まさか、タツミ初めからこうなる事が判ってこの村に?・・・」
タツ「ご名答、流石将軍を務めただけはあるな」
エス「・・・・くっ・・・タツミ・・・・ぐっ!」
掌底を頭に受ける
タツ「いつまでも泣いているな!お前の罪がこれぐらいで消えると思ったら大間違いだぞ!今夜の寝床確保の為に歩け」
山小屋を作って数日。
夜
タツ「zzzzzzz」
エス「うわああああああああああ」
タツ「おい、人の布団の中に入ってくんな!」
エス「う・・くぐっぐっぐ、うわあああ」
タツ「・・・お前が殺した者の亡霊でも出たか?」
エス「タツミ・・・助けてくれ、こ、こんな事昔は無かった・・・。
・・・タツミと会って私が変わってからだ・・・こんな夢を見始めたのは・・・」
タツ「俺のせいか?」
エス「・・・・・」
タツ「言ったろ、俺はお前の死神だと。誰も救世主なんて言った覚えはねえぞ」
エス「ど・・・どうすれば良いんだ、私は?」
タツ「自分で考えろよ・・・、お前が今までしてきた事に比べりゃ、俺は優しいだろ?・・・俺はもう寝る」
エス「・・・・・・(ガクガク)」
朝
タツ「寝れなかったようだな」
エス「・・・タツミだって殺した事はあるんだろ?、タツミには死んだ者の声が聞こえないのか?」
タツ「俺か・・・?ははは、前はしょっちゅうあったぞ。基本俺は身を守るぐらいにしか殺しはしないんだ。だから、出て来たって“それがどうした!”と開き直っている」
エス「・・・・・・」
タツ「大体、霊なんて者は俺はいないと思っている・・・だから死んで怨みを晴らすなんて出来ないから生きている内にしておこうと思っているんだ」
エス「・・・タツミは強過ぎる・・・私が叶わない訳だ」
タツ「今頃判ったか、この愚か者めが!」
エス「・・ははは・・・」