タツ「いつまで布団の中でくるまってるんだ、お前は!」
エス「・・・・・・タツミだってこんな極悪女、早く死ねば良いと思っているんだろ?」
タツ「ああああ、思ってる、思ってる」
エス「ならタツミ、せめて腕の中で殺してくれ!」
タツ「ほぉ・・・だが断る!死にたいなら自分一人でどっか誰もいない所に行って
一人で死ね」
エス「うううう・・・・・・」
数時間後
タツ「エスデス、お前に仕事を持ってきた」
エス「?」
タツ「お前が氷を作り出して、それを彫り物にして売るんだ」
エス「・・・タツミ、私は闘いが生き甲斐だ、そんな仕事など」タツ「良いから黙ってやれ!」
数日後
エス「ど、どうだタツミ」
タツ「・・・・・駄目だこれでは!」バリン!
エス「タツミ!何をする!?」
タツ「こんなの売り物になると思ってんのか?お前の作るものには魂が宿って無いんだ!一から作り直せ!」
エス「・・・くっ!・・・」
タツ「・・・・・・・」
数日後
タツ「・・・まあ、こんなものか」
エス「良いのか!?」
タツ「後は店の人間がどう判断するかだな、ちょっと出かけてくる」
数ヵ月後
タツ「ああどうも!」
大店主人「おお、これはタツミさん。じわりじわりと最近“職人アケサカ”の名が知れ渡るようになりました。これも私どもで専売にして下さる貴方様のお蔭」
タツ「なぁに、かつてあの帝国にあれだけ搾取された貴方がたです。少しは良い事が無くては零になりませんよ」
主人「いや、もう本当、これは恐れ入ります。しかし行方不明になったあの女将軍どこにいるんでしょうねえ」
タツ「・・・どこかできっと野垂れ死にしているでしょう。その女の事何か気にでも?」
主人「いやね、今だから大きな声で言えますが、あの頃、確かエスデスは一見帝国市民を慕われていたようですが、裏で酷い拷問や大臣と結託して罠に嵌めたりそりゃ惨いものでしたよ。でも、みんな騙されやすいですよね。なんとなくあの女は表面的には善政をしていたように見えましたからねえ。」
タツ「貴方のような洞察のある方がもっと多く居れば現政権も間違った方向に進んでも歯止めになってくれるのを期待しています。」
主人「あはは、これは話が過ぎました。どうかアケサカ先生にくれぐれも宜しくお伝え下さい。・・・しかし一度直にお会いしてお礼をしたいのですが・・・」
タツ「申し訳ありません。先生は顔に傷を負っていまして、あれでも女ですから。
直接どなたかとお会いするのは恥ずかしがります」
主人「!・・・ああそうでした。これは失礼を・・・、同じ女でもあのエスデスとは大違いですな。先生の作品には観る者の心を捉えて離さない雅さがある。心の綺麗な持ち主で無ければ無理な話。」
タツ「・・・・・・」
主人「ところでタツミさん、まさかあなたは先生の・・・」
タツ「いえいえ、私はただの使いの者。先生の弟みたいなものです」
主人「そうでしたか、いやこれはつまらない詮索を、では道中お気を付けて」
タツ「はい、では失礼します」