山小屋
タツ「よお、アケサカ先生、今戻ったぞ」
エス「・・・あなた。お帰りなさい」
タツ「店の主人がエスデス将軍殿、あんたと会いたいってよ」
エス「意地悪!昔の私に会いたい人間なんて居るものか」
タツ「まあ、帝国時代ならいざ知らず今なら一部の狂信者を覗けばそうだろうなあ・・・ん?今度は何を作ってるんだ?」
エス「・・・仏とはどんなものだろうと思って。それを考えて彫っている」
タツ「そうか、・・・それは良かったな『ワルだった娘が改心した時の父親の心境とはこんなものかもなあ』
エス「・・・・・・うん」
タツ「じゃあ、そろそろ俺の役割も終わりだな」
エス「?どういう意味だ、タツミ、いや、あなた?」
タツ「俺はあんたにあなた呼ばわりされる謂われは無いんだが・・・」
エス「そ、そんな事より今の言葉はどういう意味だ!」
タツ「俺はもう、あんたの死神じゃない。何故なら俺はエスデスを(社会的に)もう殺した。これからはアケサカ先生として生きていきな。」
エス「ま、まて、タツミ、あなた。私はもうタツミ無しでは生きていけない!」
タツ「大丈夫だ。もう販路は確保しているし、生きていく分には申し分無いだろ」
エス「そんな事言っているじゃない・・・もし私があのまま帝国に居たら今頃、処刑されていたかもしれない。そんな私をここまで変えてくれたのはタツミ、お前だ。頼む、私と共にいてくれ、子供が欲しいとかも言わない。ただ居てくれるだけで良い、だから・・・お願い」
タツ「・・・はぁ・・・もういい加減俺離れしてくれよ、なんかお前ファザコンに思えてくるぞ」
エス『タツミの方が年下だろう!』
タツ「・・・とにかくだ、あんたはあんたの道を見付けた。今度は俺が俺の道を見付ける。もう俺を解放してくれ」
エス「・・・嫌だ!」
タツ「我儘な奴だなあ」
エス「大体、タツミの道とはなんだ?故郷への貢献か?せめて教えてくれ」
タツ「・・・・・・言いたくない」
エス「言わなければ私も納得しない」
タツ「・・・・・・・」
エス「・・・・・・・」
タツ「・・・はぁ・・・、俺は自分に合う女を探すのが目的なんだ。ひょっとしたらこの世にはいないかもしれない。まあ、それでも良い。それならそれで仕方ないと割り切っている。もっとも、明日になったら考えが変わるかもな(笑)」
エス「・・・・・・・・・・・・・・タツミ、いやマイダーリンよ」
タツ「・・・・・な、なんだ?」
エス「私にそんな嘘が通用すると思っているのか?」
タツ「?なんの話だ」
エス「そんな小難しい言葉で煙に巻こうとも私はもう騙されないぞ!」
タツ「騙している覚えは無いぞ!」
エス「ふふふ、実は外に女が出来たんだろ!だからそんな美辞麗句を並べて上手くこの私から逃げようとしているんだな」
タツ「だーーーーー!んな訳あるかぁ!」
エス「なら何故、今頃になって私と別れようとする?今まで一緒に居たのはなんだ?地獄まで付き合ってやると言ったではないか?」
タツ「言ったが、生涯共にするとは言ってねえ!」
エス「同じ意味だ!」
タツ「違う!」
エス「うぬぬぬぬぬ、ダーリン、この私から逃げられると思っているのか?」
タツ「お前を殺す気はもう無いからな。だが、お前を倒して逃げる事くらい訳も無い」
エス「・・・ははは、甘い、甘いぞダーリン。氷砂糖よりもな」
タツ「どういう事だ」
エス「私にはダーリンを絶対逃がさない秘策がある」
タツ「なんだそれは?」
エス「ふふふ、万に一つあなたが他の女と一緒になったと知った時に、正面からではあなたには叶わないからな、時間を止めて刺し違えようと思って編み出した技だ」
タツ「アホもここまでくれば大したものだ!」
エス「そう褒めるな///」
タツ「褒めてねぇ!・・・だが、この馬鹿めが。」
エス「む?」
タツ「俺はそれを打ち消す方法があるんだぞ」
エス「なに?教えてくれ」
タツ「誰が言うか!」
エス「・・・・・・ふう、なあダーリン、私以外にダーリンに合う女なんているのか?」
タツ「・・・さあな、居ないなら居ないでそれでも構わない」
エス「じゃあ、その、試しに夫婦になってみないか、それで合わないなら私も諦める」
タツ「いや、俺はあんたとは合わないと思っているから無理だ」
エス「!!??・・タ、タツミ・・・・今のは今までで一番酷いぞ」
エス「『ボルス「隊長、押して駄目なら引いてみるですよ」』ふっ、ボルスは私にとって師匠だな」
タツ「?」
エス「なあ、ダーリンよ。私も今日はもう疲れた。せめて今生の別れでも最後に一晩泊っていかないか?」
タツ「まあ、いいだろう」
タツ「こら、お前自分の布団に戻れ!」
エス「zzz私はとても寝像が悪いんだ」
タツ「起きてるだろうが!」
エス「・・・タツミ、私はとても感謝している。だからせめて今までの礼を沢山させてくれ」
タツ「(モーレツに嫌な予感がする)なんだ一体?」
エス「ふふふふふ、私は一つ抑えられない衝動がある」
タツ「なんだそれは?」
エス「タツミも知っての通り、私は拷問好きだ、支配攻めるのが好きだ」
タツ「そうだったな」
エス「今では変わって内なるそんな自分も制御出来るようになった・・・だが、やはり好きな男を見るとその・・・衝動も抑えられなくなる」
タツ「・・・・・(戦闘態勢)」
エス「はぁ・・・はぁ・・・タツミを、ダーリンを、私の唇と舌で身も心も蹂躙したい・・・・!」
タツ「だーーーーーー!、何言ってんだ、お前は!」
エス「はぁはぁ、良いだろ?礼・・・そう、今までのほんの礼なのだ良いだろ、な?」
タツ「待て待て待て待て!そういうのは好きな男の為に取っておけ!」
エス「はぁぁ、今がその時だ、ダーリン!」
タツ「だーーーしまった!いやそういうのはお互い相思の時にしろ!」
エス「・・・ダーリン、もう私は我慢できない・・・んーー」
朝
エス「うふふふふふ、くくくくく」
タツ「・・・・気持ち悪い奴だな」
エス「タツミは、ダーリンは言ってくれた。私の事が好きだと」
タツ「・・・!あ、あれは、情事の時につい口から出まかせで言っただけだ!」
エス「・・・タツミは好きでも無い女に体を、心も許すのか?そんな男なのか・・・?」
タツ「・・・・・そんな訳無いだろ」
エス「うふふふふ、そうだろうな、そうだろうな」
タツ「・・・さっさと離れろ!」
エス「ダーリン、まだ愛の拷問が足りないようだな。」
タツ「何が愛の拷問だ!本気で怒るぞ」
エス「まだダーリンは私に対して照れがあるな、そんなものは不要だ。それを無くすにはやはり今日一日掛けて、いや何日掛っても良い。私の口で丹念に・・・」
タツ「おい!アケサカ先生、仕事の納品が待っているぞ!」
エス「知らん、そんな名前、私はエスデスだ。ああ、愛した夫を私の愛で蹂躙するのがこんなに嬉しいとは、これが私なのだな」
タツ「やはり今ここで始末する!」
エス「ああダーリン、その始末すると言った目も良い。・・・だが駄目だな。愚かな私でも判るぞ。ダーリンはただ照れているだけだというのを!」
タツ「・・・うがーーーー」
終わり
後日談(蛇足)
ぎゅーーー
タツ「なあ、エスデス・・・なんで俺は抱きつかれているんだ?食事の邪魔だ」
エス「それはダーリンが悪いんだろ。私が寝ている隙に居なくなったからだ、放置していったからだ。寒かったぞ!寂しかったぞ!」
タツ「・・・はぁ、悪かったから離してくれ」
エス「私が感じた苦しみはこんなものではすまないぞ!インフィニティ・ハグ!」
タツ「ぐっ・・・お前無駄に強ぇぇんだから・・・手加減しろ・・・・」