【遊戯王5D'sタッグフォース】小波シリーズ〜時間跳躍(タイムパラドックス)とコナミ〜   作:ふれれら

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※アニメ最終回で八年後のみんなが登場しましたが、実際の最終回放映からちょうど八年後、ジャンプフェスタ2020で公開された決闘歌劇(八年後を舞台にしたものと言及がある)に準拠しています。
※デュエルオペラ本編を描いた物語
こちら→https://syosetu.org/novel/222219/を先に見ておくと良いかもしれません。


エンディング③決闘歌劇と小波〜世界へ届け!八年後のきみたちへ〜

 

ネオドミノシティで行われた、決闘歌劇(デュエルオペラ)と銘打たれたエキシビジョンマッチは、僅差で遊星の勝利に終わった。

世界王者ジャックアトラス、29歳。永遠のライバル不動遊星、28歳の出来事だった。

 

デュエルを終えた遊星とジャックが、笑って拳をぶつけ合う。

みんながこの街を出て、八年。デュエルは世界へ中継されていた。オレたちのデュエルは、世界中にいる仲間たちに届いただろうか。

 

 

(見ているか、みんな)

 

 

勝負を決めた一枚、シューティングスタードラゴン─テックジーナスエクスパンション。

このデュエルが未来まで届くように。全力を尽くした。

未来へのバトンは途切れていない。ネオドミノシティは、オレたちの街は。この八年でこんなにも素敵で素晴らしい街になった。

 

どうか未来で見ていてくれ、オレたちのデュエルを。

 

爆発するような熱気。浴びるような大歓声の中で。

清々しい気持ちで、空を仰いだ遊星の目に、ふっと赤い色が過ぎった。

 

「!!」

 

スタジアムの観客席に、赤い帽子、赤いジャケット。

装いこそ見慣れたものと少し違っていたが、目深に被った帽子の下で、あの頃とまったく変わらない笑みが、遊星に笑った。

 

遊星が瞬きしたわずかな間に、人混みに紛れて消えてしまった。

 

「っ!! っすまない、通してくれ!」

 

舞台袖からゆっくり退場するところを、駆け出した。スタッフを押し退けて走る。

反対側の舞台袖でジャックが、慌てた遊星に気付いたように振り返ったが、ジャックは動じることなく、先に退場した遊星の分まで、最後まで観客へのファンサービスを欠かさなかった。

 

「…! はぁ、はぁ…っ!」

 

観客席、退場口のどちらにも赤い背中はなかった。

小波が街を出て音信不通になって数年。小波を案じる声は多くあった。だが、誰も行方を知らなかった。

 

遊星が見たのは、あの頃から時が止まったような、まるで変わらない姿だった。

 

(見間違い…? いや…!)

 

遊星は、逆方面かもしれないと、スタジアムの反対側へ楽屋裏を走った。その途中で、ファンからの花束を抱えたジャックが、控え室の前にじっと、何かに目を落として立っていた。

 

「ジャック! 実は、今、客席に…!」

 

駆け出すように遊星は口を開いたが、ジャックに制された。

たたらを踏んだ遊星に、ジャックは鋭く言った。

 

「見ろ」

 

ジャックが、ピッと、遊星の目の前に突き付けたのは、メッセージカードだった。

 

「!」

 

予感がして、遊星は、それを受け取った。

 

 

 

差出人の名前は無かった。

 

そこには、短く。こう走り書きしてあった。

 

 

────Thank you for The coolest Duel

(最高のデュエルをありがとう)

 

 

 

 

「アイツの字だ」

 

ジャックが、フッと口角を引き上げた。

 

遊星は、打ち震えるような想いで、そのカードをじっと見つめた。

安堵と、喜びと、震えるような懐かしさが、同時に強く胸に迫った。

 

目の端に浮かぶ熱さを堪えながら、遊星は「……そうか」と眉を下げて笑った。

 

「観ていてくれたのか」

 

 

 

西暦20××年、ネオドミノシティ。

 

あれから、八年。

みんなそれぞれの道を行き、どこかで夢に向かって走っている。

だが、今も確かに繋がるこの絆が、オレたちのデュエルを強く結びつけている。

 

どんなに離れても どんな世界にいても

決して途切れることはない。

 

「負けておれんな」

「ああ、そうだ。負けていられない…!」

 

オレたちのデュエルは絆だ。

何年経とうが、今も確かにココにある。

 

たった今、全力でぶつかり合ったばかりなのに、今すぐ無性にデュエルがしたかった。

 

 

「見ていてくれ、これからも」

 

 

遊星は、デッキを握りしめ、顔を上げた。

その横顔には、まばゆい決意と希望が煌めいていた。

 

 

「オレたちの、絆のデュエルを!」

 

 





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