【遊戯王5D'sタッグフォース】小波シリーズ〜時間跳躍(タイムパラドックス)とコナミ〜 作:ふれれら
※デュエルオペラ本編を描いた物語
こちら→https://syosetu.org/novel/222219/を先に見ておくと良いかもしれません。
ネオドミノシティで行われた、
世界王者ジャックアトラス、29歳。永遠のライバル不動遊星、28歳の出来事だった。
デュエルを終えた遊星とジャックが、笑って拳をぶつけ合う。
みんながこの街を出て、八年。デュエルは世界へ中継されていた。オレたちのデュエルは、世界中にいる仲間たちに届いただろうか。
(見ているか、みんな)
勝負を決めた一枚、シューティングスタードラゴン─テックジーナスエクスパンション。
このデュエルが未来まで届くように。全力を尽くした。
未来へのバトンは途切れていない。ネオドミノシティは、オレたちの街は。この八年でこんなにも素敵で素晴らしい街になった。
どうか未来で見ていてくれ、オレたちのデュエルを。
爆発するような熱気。浴びるような大歓声の中で。
清々しい気持ちで、空を仰いだ遊星の目に、ふっと赤い色が過ぎった。
「!!」
スタジアムの観客席に、赤い帽子、赤いジャケット。
装いこそ見慣れたものと少し違っていたが、目深に被った帽子の下で、あの頃とまったく変わらない笑みが、遊星に笑った。
遊星が瞬きしたわずかな間に、人混みに紛れて消えてしまった。
「っ!! っすまない、通してくれ!」
舞台袖からゆっくり退場するところを、駆け出した。スタッフを押し退けて走る。
反対側の舞台袖でジャックが、慌てた遊星に気付いたように振り返ったが、ジャックは動じることなく、先に退場した遊星の分まで、最後まで観客へのファンサービスを欠かさなかった。
「…! はぁ、はぁ…っ!」
観客席、退場口のどちらにも赤い背中はなかった。
小波が街を出て音信不通になって数年。小波を案じる声は多くあった。だが、誰も行方を知らなかった。
遊星が見たのは、あの頃から時が止まったような、まるで変わらない姿だった。
(見間違い…? いや…!)
遊星は、逆方面かもしれないと、スタジアムの反対側へ楽屋裏を走った。その途中で、ファンからの花束を抱えたジャックが、控え室の前にじっと、何かに目を落として立っていた。
「ジャック! 実は、今、客席に…!」
駆け出すように遊星は口を開いたが、ジャックに制された。
たたらを踏んだ遊星に、ジャックは鋭く言った。
「見ろ」
ジャックが、ピッと、遊星の目の前に突き付けたのは、メッセージカードだった。
「!」
予感がして、遊星は、それを受け取った。
差出人の名前は無かった。
そこには、短く。こう走り書きしてあった。
────Thank you for The coolest Duel
(最高のデュエルをありがとう)
「アイツの字だ」
ジャックが、フッと口角を引き上げた。
遊星は、打ち震えるような想いで、そのカードをじっと見つめた。
安堵と、喜びと、震えるような懐かしさが、同時に強く胸に迫った。
目の端に浮かぶ熱さを堪えながら、遊星は「……そうか」と眉を下げて笑った。
「観ていてくれたのか」
西暦20××年、ネオドミノシティ。
あれから、八年。
みんなそれぞれの道を行き、どこかで夢に向かって走っている。
だが、今も確かに繋がるこの絆が、オレたちのデュエルを強く結びつけている。
どんなに離れても どんな世界にいても
決して途切れることはない。
「負けておれんな」
「ああ、そうだ。負けていられない…!」
オレたちのデュエルは絆だ。
何年経とうが、今も確かにココにある。
たった今、全力でぶつかり合ったばかりなのに、今すぐ無性にデュエルがしたかった。
「見ていてくれ、これからも」
遊星は、デッキを握りしめ、顔を上げた。
その横顔には、まばゆい決意と希望が煌めいていた。
「オレたちの、絆のデュエルを!」
▼ [シンクロが衰退した未来:ゼアル]へ移動しますか?
はい https://privatter.net/p/11125471
→ いいえ
▼ [シンクロが発展した未来:VRAINS]へ向かいますか?
→ はい https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18485792#2
いいえ