僧侶?いいえ、戦う坊主です 作:アウラの支援部隊
その日、勇者ヒンメル一行が、魔王を倒したと云う報せは、魔王軍の陽動に動いていた"とある聖騎士団"にも届く。
"聖騎士団"...この世界で、"人類"の為に武力行使を行う聖職者の集団...つまりの処、武闘派僧侶が集う聖職者武装組織...その士団本陣に、伝令係で有ろう騎士の一人が、歓喜の声を上げながら、上層部が集まる陣へと入って来る。
「報告っ!勇者ヒンメル、魔王討伐成功せりっ!」
その吉報に、陣内の上層部は歓喜の声を上げる。そして、騎士団の参謀らしき者が、この団の長であろう者に言葉を掛ける。
「実が成りましたなっ?"総長"...。」
「そうだな...。」
その"総長"は、『10年か...意外と早かったな...』と呟くが、安堵の表情は見せない。眼下では、配下の部隊が魔族と戦闘を続けているからだ。
この"総長"と呼ばれた女性の今現在の出立ちだが、女性団員が着用する白銀色の鎧...左胸の上辺りには、まるで"階級紀章の様な"星の形をした金色の模様が横に4つ、並ぶように付いている...を着用している。
彼女の容姿だが、見た目は少し小柄で、髪の毛の先を左右に3つづつ縛った髪は桃色、16~18位の小娘にも見え、その程度の容姿なら人族やドワーフ族にも居るが、唯一違う処が有る。それは、"魔族"の様な2本の角が頭の左右から生えてるのだ。
彼女は"鬼神族"と呼ばれる歴とした"人類"で、生まれてからおよそ500年は生きてる希少長命種、流石にエルフほど長生きでは無いが、鬼神族は1000年以上は長生きすると言われてる。
"鬼神族"と"魔族"の見た目での違いは角の色。白なら鬼神、それ以外は魔族だが、それだけだと、魔族が角の色を偽装したら見分けが付かないと思われるが...。
「全く、"彼奴等"にはやきもきさせられたわ...。」
そう言いながら、彼女は"勇者一向"が王都を発っしてから今日まで、自分が知り得る彼等の事を思い出す。その表情は豊かだった。
魔族ならば無表情だが、この"白い角を生やした魔族の様な女性"は、人類と同じ"感情等"を有してるのだ。
「...これも、"女神様"の導き...。」
一通り思い出し終えた彼女はそう最後に付け加えると、『魔王を失った魔族は混乱している。女神の祝福は我等に有り!これに乗じて討ち滅ぼすぞっ!』と、高々と宣言、彼女も女神の祝福を受けた人類なのだ。
そして、腰に帯刀する剣を抜刀すると...。
「者共っ!我に続けーっ!」
そう叫び、数メートル離れた崖から、混乱する魔族の集団へ単騎で突撃、その突撃は度肝を抜かされるだろう。
陣触れ所(野戦司令部)が在る場所は、戦場から見て約20メートル以上は有る崖の上で、彼女は、そこから直接飛び降りた事になる。通常なら、怪我では済まされない高さだが、彼女は、それをものともせずに着地...正確には"女神の祝福"に部類される"魔法"を使ってだが...すると同時に、彼女を中心に周囲に衝撃波が広がり、その衝撃波が、直ぐ近くに居た魔族を薙ぎ倒すのだった...。
この総長の名は"アウラ"。現時点で人類最強の"僧侶"と呼ばれ...最強の"○○"と呼ばれる者は、他にも居る(大魔導士とか)が...ており、又の名を"戦神のアウラ"とも呼ばれる。