街で屈指の実力の冒険者   作:まっすァき

3 / 4

【挿絵表示】

挿絵を書きました。



フィールスの白金+骨+鱗の鎧

知り合いの商人と別れて馬車に揺られ、エーラの街ではなくドワーフの街行きの馬車に乗り継いだ。

鍛冶屋が必要だ。鎧にヒビが入って、割れている。

グウェル国の鍛冶は高名な人が多い。

 

「次!そこの馬車!乗客を下ろせ!」

「はいよー!」

 

馬車の御者が降りろと言ってくるので素直に従う。

 

「ん?そこの鎧!」

恐らく自分だ。

冒険者はエーラに集中しているから市民服の人が多い。

 

「白金英雄証か!なら通っていいぞ!」

 

「確かめなくてもいいのか?」

 

「白金は加工が難しいからな、それに魔素が染みてらあ。」

「あんちゃん、相当な強さだろう」

 

「ああ、竜と厄災を討伐した。」

「すごいだろ?」

「ハッハッハ!」

 

「ホー…そらすごい」

「通っていいぞ!」

 

私は感謝して門をくぐった。

検問門…ふふ。

 

それにしてもすごい街だ。

街中にゴミが落ちていない。

それに…何だ?

馬に引かれるでもなく、勝手に馬車が動いている。

 

「おい、あれ何か知ってるか?」

 

道行く市民に尋ねた。

 

「勇者さまが発明した魔法車だとよ」

「勇者さまのふるさとじゃあれより早い車がたーくさん

あるらしくてな」

「俺もいつか乗ってみてえなあ…」

 

「感謝する。」

 

 

魔法車…魔法車か。

どういう仕組みなんだ?

木と何かの金属で出来ているが、重くないのか?

軽量化しないと動かせなくないか?

 

まあ本命は鍛冶屋だ。

青い屋根が目印だ。機能を持った建物は屋根を青にしなくてはならないと法で決められているからな。

槌と金床が描かれた看板がぶら下がり、重厚な石作りの

建物へ兜を外して入った。

 

「おおフィールス、壊れたのか?」

 

顔見知りのドワーフが出て来た。

 

「ああ。さすがに竜2匹と厄災と勇者の連戦は鎧が持たなくてな。あと黒覇石の剣と打ち合って割れた。」

 

「アダマンタイトと!?」

「ああ、そういや火の厄災がエーラ郊外に出て来たんだって?それにどうやって倒した。」

 

()() () 者になっていて上半身だけだったから静謐聖銀の剣で骨と骨の隙間を絶ってエルフ水ぶちまけて終わりよ。」

 

「はーん、随分と簡単に言うんだな。」

「大きさは山とか言われてたがどんくらいだった?」

 

「実際は2KMくらいだった」

 

「バベル大灯台より大きかった」*1

「あのバベルの塔ほど!?」

 

「そいつあ大変だったな」

「竜2匹は?」

 

知り合いの鍛冶師…ゴフローが生唾を飲み込んで聞く。

 

「ゴフロー、先に手甲を頼む」

「採寸はもうしてある」

 

「OK、了解だ。」

 

大きくゴフローは息を吸い、工房に大声を轟かせた。

シフロー!来い!!

 

「素材はいつもの白金か?」

「ああそれなんだが、竜鱗を手に入れてな。」

「こいつで頼む。」

 

そう言ってフィールスが出した()()の着いた鱗皮。

 

「おおお…おおおおおおお!?」

 

「ド、ドラゴンじゃねえか…」

「まさか、竜2匹はワイバーンじゃなくて」

 

 

「そう、ドラゴンさ」

 

 

「うおおおおお!!すげええええ!」

 

「手外関節部に竜鱗、そして…」

「この骨灰を手甲1指関節の上に塗ってくれ」

*2

「何の骨…ああ、厄災の骨か?」

「兄者、見せてくだせえ。」

ゴフローの持っていた骨灰の詰まった袋をシフローが奪うと、驚いた。

 

「こりゃあ、竜と厄災の骨を混ぜたもんか?」

 

 

「ああ、呪いには気をつけろよ」

 

「ああ、わかってらあ」

 

シフローは骨灰を釉薬に変える作業を行う為、

工房の奥に行った。

 

「デザインはそっちの自由でいい。

自分に絵は向いてないしな」

 

「フィールス、いいのか?竜武具だぞ」

 

「ああ、大丈夫だ。」

 

「右の手甲、魔法金属の呪いで割れたんだ。

釉薬はシフロー得意だろ?頼むぜ」

 

「ああ、伝えておく」

「配合比はいつものじゃ出来ない。竜灰、そして骨灰は特殊な素材が必要になるから代金は嵩む」

 

「それに時間もかかるし、別の手甲も買っとくか?」

 

「あー繋ぎに買うか」

 

「それじゃ採寸表は変わってないしいいや、こいつはどうだ?金属は静謐銀と白金の合金素材だ。」

 

「比率は2:3で〜 「おおいいな、試着していいか?」

 

「ああ、やっていいぞ」

 

「これは…いいな」

 

つけた瞬間、あるべきところに収まっているようなフィット感がある。 しかし静謐銀か。静謐銀は固いものに叩きつけると曲がるんだよなあ。

 

「そうだろ?うちの弟子が作ったんだが、なかなかの出来だろ。がはははは!」

 

愛想笑いで済ました。そして手甲を返した。

 

「ああ、武器は新しく変える。」

「大剣は無いか?」

 

「む、あの対大剣壊れたのか?」

 

「いやはや、連戦にこたえてねえ。 勇者との戦いでとてもじゃ無いが持ち出せなかった。 打ち合ったら折れるだろう。」

「家にまだ8本あるけどもなあ」

「ゴフロー、すまねえな」

「いいってもんよ。大剣も嬉しいだろ。」

 

「ゴフロー、会計は何へーツくらいだ?」

 

「そうだな…釉薬+手甲修理+鎧修理で50万へーツだ」

 

「ああ、ならこいつで頼む。」

 

私は輝く硬貨を差し出した。

 

「お前さんそれ、王金貨幣じゃねえか。」

 

「いいけどよ、なら大公金貨1枚で返す。」

「武運を祈るぜ」

 

「ああ。」

 

「じゃあな!シフロー!ゴフロー!」

 

 

扉を開け、外の空気を吸った。

鍛冶師の街、グウィンを馬車で発った。

 

「今日は素晴らしい一日だった。」

 

 

グウィンの街が過ぎていく。

白い街並みが小さくなって、見えなくなった時。

馬車はエーラに着いていた。

 

地早、その名に一切の誇張なし。

 

「ああ、素晴らしきかな。」

*1
昔の塔を再利用して作られた灯台。 コロナ大輝石がはめ込まれており光の絶える事はない。遥か向こうの地平から視認可能とも。

*2
手甲1指関節 親指の関節のこと。それぞれ小指が5、親指が1。第2関節の場合、1(指)2関節と表し、手甲12指となる。決して12本の指ではない。




ゴフロー、シフロー兄弟の名前の由縁

金床← 金と床 ←ゴールドフロア ←ルドとアを消してアナグラム ← ゴフローの完成

シフローは単純に金の対、銀のシルバーから。

竜武具ってなあに?
竜武具はドラゴンの素材を加工して作られた武器、防具のこと。その硬さ、柔軟性はパイルバンカーを持ってして貫通不可能とも。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。