普通ではない鮮花の普通ではない友達   作:星乃 望夢

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第十八話

 

 八月の熱気がドアの隙間からねっとりと入り込んでくるような、気だるい午後のことだった。

 

 鮮花が、僕の部屋のチャイムを鳴らしたのは。

 

 ドアを開けると、そこには勝ち誇ったような、あるいは獲物を前にした狩人のような満面の笑みを湛えた彼女が立っていた。その手には、まるで戦利品か、あるいは水戸黄門の印籠のように掲げられた一枚の紙片――『外泊許可証』があった。

 

「どう? 織姫。これで文句ないでしょ?」

 

 良くそんな許可が下りたものだと、僕は呆気にとられながらその紙を見つめる。

 

 偏見かもしれないが、礼園女学院のような規律を重んじる全寮制の名門校において、外泊許可というのは冠婚葬祭や実家への帰省といった、よほどの事情がない限り発行されないというイメージがあったからだ。

 

 申請理由の欄には、達筆な文字で『友人の見舞い、及び復学に向けた学習支援の為』と記されている。

 

 建前としては完璧だ。藤乃の見舞いと、世間一般的には病み上がりの僕の長期欠席による学力低下を補うための勉強会。教育者側からすれば、これほど美しく、友情に厚い理由はまかり通るまい。

 

 だが、その実態が、男の部屋への泊まり込みであることなど、寮監は知る由もないのだろう。

 

 普段の鮮花の行いが良いのか、それともあの猫被りの優等生演技が教師たちの目を曇らせているのか。おそらくは後者だろうが、彼女の政治力には舌を巻くしかない。

 

 そんな僕の内心の動揺など意に介さず、鮮花は我が物顔で部屋に上がり込むと、買ってきたコンビニ袋からミネラルウォーターのペットボトルを取り出し、冷蔵庫へと丁寧に並べていく。

 

 生活感のあるその仕草は、まるで通い慣れた恋人のようでもあり、この部屋の主権を主張しているようでもあった。

 

「ほら、織姫。一緒に食べましょ」

 

 冷蔵庫を閉めた彼女が、放物線を描いて僕にポイッと投げ渡したのは、カップ入りのチョコバニラアイスだった。

 

 そして彼女自身の手には、鮮やかなピンク色のパッケージ、ストロベリーアイスが握られている。

 

 鮮花のセンスなら、疑うべくもない。

 

 深窓の令嬢でありながら、どこか少女趣味的な可愛らしさを隠さない彼女がストロベリーを選ぶのは、何の不思議もない。その甘酸っぱさと鮮烈な赤は、彼女の情熱的な恋心そのものだ。

 

 対して、僕に渡されたチョコバニラ。

 

 万人受けする定番のフレーバーではあるが、その蓋を開けた瞬間に広がる茶色と白のマーブル模様は、奇妙なほどに僕自身の在り方を暗示しているように思えた。

 

 男でありながら女。陽でありながら陰。織でありながら姫。

 

 決して混ざりきらず、けれど分かちがたく螺旋を描いて同居する二つの味。

 

 そこまで考えて選んだわけではないだろうが、彼女の無意識の選択が僕の本質を射抜いているようで、少しだけ背筋が寒くなる。これは僕の穿ち過ぎだろうか。

 

 僕はスプーンの袋を破りながら、ふと気になっていたことを口にした。

 

「……さっき、幹也先輩と一緒に来たみたいだけど」

 

 壁一枚隔てた隣は、式の部屋だ。

 

 さっき玄関先で幹也先輩の声がした。彼らは今頃、隣室で二人きりの時間を過ごしているはずだ。

 

 兄に対し禁断の想いを抱く鮮花にとって、恋敵である式の部屋に愛する兄がいるという状況は、心中穏やかではないはずだ。それなのに、彼女はなぜ今日、こちらの部屋を選んだのか。

 

「フフ、何を考えてるのかしら織姫」

 

 鮮花はスプーンを口にくわえたまま、妖艶に微笑んだ。

 

 その瞳には、兄への執着とはまた違う、昏く熱い光が宿っている。

 

「わたしは貴方の復学の為に、みっちり『勉強』を教えに来ただけよ? 隣のことなんて気にする余裕、なくしてあげるわ」

 

 そう宣言するや否や、鮮花は僕の胸をドンと突き飛ばした。

 

 不意を突かれた僕は、アイスのカップを落とさないようにバランスを取るのが精一杯で、為す術もなくベッドへと仰向けに倒れ込む。

 

 スプリングが軋む音と共に、視界が天井へと反転する。

 

 すかさず鮮花が覆い被さってくる。逃げ場はない。

 

「あーん、して」

 

 彼女は自分のストロベリーアイスをスプーンに掬い、僕の口元へと差し出した。

 

 甘い香りが鼻孔をくすぐる。逆らえる雰囲気ではない。僕は大人しく口を開き、冷たい塊を受け入れる。

 

 舌の上で広がる人工的な苺の風味と、強烈な冷たさ。

 

 頭がキーンと痛む暇もなく、鮮花が顔を寄せ、僕の唇を奪った。

 

「ん……っ!?」

 

 口移しではない。口の中に残った冷気と甘さを、彼女の舌が貪りに来たのだ。

 

 熱い口腔と、冷たいアイスが混ざり合う。

 

 僕の舌先で溶けかけたストロベリーが、彼女の舌によって絡め取られ、唾液と共に嚥下されていく。

 

 甘い。冷たい。そして、熱い。

 

 感覚が麻痺するような温度差の暴力。

 

 そんな倒錯的なアイスのシェアを繰り返すうち、ストロベリーのカップが空になる頃には、僕の思考は熱に浮かされたようにボーッとしていた。

 

 鮮花は満足げに唇を離すと、口の端についたピンク色の滴を、小指ですくい取って舐めた。

 

 その仕草があまりにも卑猥で、僕は息を呑む。

 

 だが、彼女の『教育』はまだ終わらない。

 

「次は、こっちね」

 

 鮮花は僕の手から、少し溶けかかって柔らかくなったチョコバニラのカップを取り上げた。

 

 彼女はアイスを食べたいわけじゃない。

 

 アイスという冷たくて甘い触媒を使って、僕という存在を味付けし、貪るための儀式なのだ。

 

「こっちの味も、教えてあげる」

 

 彼女はチョコとバニラが混ざり合ったドロドロの液体をスプーンに山盛りにし、僕の口へと含ませる。

 

 喉の奥まで甘さが流れ込む。

 

 そしてまた、彼女の唇が落ちてくる。

 

 今度は、僕の混濁した色を、彼女が飲み干す番だ。

 

 

◇◇◇

 

 

 そんな倒錯的で甘美なアイスの食べ比べを終えた後、鮮花はまるで天気の話でもするかのような軽い口調で、しかし衝撃的な事実を口にした。

 

「実はね。ここに来るまでに事故に遭遇したの。……例の巫条ビルからの、飛び降り自殺」

 

 その言葉に、僕の背筋に冷たいものが走った。

 

 巫条ビル。街のランドマークでありながら、最近では不穏な噂が絶えない場所。

 

 そこで起きた、あまりにも生々しい死の現場。

 

「見るからに即死だったわ。地面に叩きつけられた衝撃で、身体の形が崩れてしまって……」

 

 彼女は遠くを見るような目で、淡々と語り続ける。

 

「人間って、怪我をすれば赤黒い血を流すものでしょう? でもね、砕けた身体の中身って、意外とピンクで、艶やかだったの。スーパーの精肉売り場に並んでいるお肉と、人間の中身って、大して変わらないんだなって……妙に納得しちゃった」

 

 その言葉を聞いて、僕は先ほどの彼女の奇行の意味を、腑に落ちる形で理解した。

 

 ストロベリーアイス。その鮮やかなピンク色と、甘く冷たい感触。

 

 彼女は、目の当たりにした死の光景――「人間の中身の色」を、アイスクリームという無害で甘美な記号に置き換えることで、精神的な衝撃を中和しようとしたのかもしれない。

 

 あるいは、そのグロテスクな「死の色」を、僕との口づけを通して「生の色」へと上書き保存したかったのか。

 

 せっかく買ったアイスを無駄にせず、かつ動揺を隠して僕を貪るという理由も付けられる。いかにも彼女らしい、合理的で、そしてどこか歪んだ一石二鳥の策だ。

 

 けれど、今の僕にとって、そんな彼女の深層心理の分析よりも重要なことがあった。

 

「……巻き込まれなくて、本当によかった」

 

 僕は思わず、彼女の肩へ身を寄せた。

 

 もし、落ちてきた人間が、鮮花や幹也先輩の上に直撃していたら。

 

 ほんの数秒、歩くペースが違っていたら。

 

 想像するだけで、胃の腑が冷たくなる。

 

 二人が無事だったこと、その一点だけで、僕は救われたような気持ちになった。

 

 しかし、鮮花の次の言葉が、その安堵を再び凍りつかせた。

 

「でもね、その時……視えちゃったのよ」

 

 彼女は僕の胸に顔を埋めたまま、囁くように言った。

 

「巫条ビルの屋上。あの上に浮かんでいる……噂の『浮遊する幽霊』」

 

 それを聞いて、僕の心拍数は跳ね上がった。

 

 穏やかではいられない。

 

 鮮花は、蒼崎橙子の弟子として魔術を学び始めたばかりの魔術師見習いだ。

 

 一般人よりも霊的な感受性が高まり、この世ならざるものを視認しやすくなっているのは確かだろう。

 

 だが、それは同時に、彼らからも「視られやすくなる」ということを意味する。

 

 巫条霧絵。

 

 その名は、僕の『知識』の中に深く刻まれている。

 

 空を浮遊し風景を俯瞰する二重存在。

 

 もし、鮮花が彼女を明確に認識してしまったのなら。

 

 そして、もし彼女の側も、鮮花という新たな「獲物」に気づき、連れて行こうとしてしまったら。

 

 ドクン、と心臓の奥で、僕の中の「織」としての部分が、獰猛な唸り声を上げた。

 

 ――させない。

 

 幹也先輩を、そして鮮花を、あの空へ連れ去ろうとする者がいるのなら。

 

 例えそれがどんな怪異であろうとも、僕は黙って見過ごすつもりはない。

 

 僕は無意識のうちに、鮮花の身体を強く抱きしめていた。彼女を、この世に繋ぎ止めるかのように。

 

 

◇◇◇

 

 

 夜の帳が完全に下り、窓の外からは虫の声だけが響く時間。

 

 鮮花の宣言通り、僕の部屋での「勉強会」は本当に行われた。

 

 それは単なる口実などではなく、彼女の本気が籠もったスパルタ教育の幕開けだった。

 

 僕は二年間、昏睡状態という形で眠り続けていた。

 

 それは肉体的な成長の停止だけでなく、知識の更新、そして何より鮮花と共に過ごすはずだった青春の時間の隔絶を意味していた。

 

 僕が止まっている間に、彼女は進み続けていた。

 

 その差は、普通なら埋めようもないほど深く、広い断絶だ。

 

 だからこそ、僕はそれを取り戻す必要がある。

 

 失われた空白を埋めるために、彼女の背中に追いつくために、僕は必死でペンを走らせるしかなかった。

 

 それにしても、改めて突きつけられる現実は残酷だ。

 

 机に広げられた参考書と、彼女が持参した模試の結果表。

 

 そこに記された『全国模試1位』という輝かしい数字が、僕の目を眩ませる。

 

 僕の『知識』にある本来の記憶では、黒桐鮮花の成績は全国でもトップクラスではあったが、確か10位前後だったはずだ。

 

 それだって普通に考えれば異常なほど凄い。全国に数多いる高校生の中で、十指の末席に名を連ねているのだから、天才と呼んで差し支えない。

 

 しかし、この世界線において、彼女は頂点に立っていた。

 

 なぜか?

 

 その理由は明白だ。

 

 彼女には「僕」という、競い合うべき相手、そして倒すべき目標が常に傍にいたからだ。

 

 幼い頃から、僕に負けたくないという一心で、彼女は研鑽を積み重ねてきた。

 

 その結果が、この完璧な数字として結実している。

 

 対して、僕はどうだったか。

 

 高校進学時の成績は、残念ながら全国4位だった。

 

 トップ3に食い込めなかった敗因は、明白だ。英語だ。

 

 前世の知識があるとはいえ、言語感覚というのは使わなければ錆びつくものだし、普段使わない言語が苦手というものは大多数の日本人に当て嵌まるだろう。

 

 それでも4位というのは我ながら健闘した方だとは思うが、1位の鮮花から見れば「まだまだね」と鼻で笑われるレベルらしい。

 

「ほら、手が止まってるわよ、織姫。この数式、前に教えたはずでしょ?」

 

 背後から、鮮花の甘く厳しい声が飛ぶ。

 

 彼女は僕の背中にぴたりと張り付き、シャーペンを持つ僕の右手を、自分の右手で上から包み込むようにして握っている。

 

 いわゆる「手取り足取り」の体勢だ。

 

 だが、その密着度は指導の域を遥かに超えている。

 

 彼女の豊かな胸の膨らみが、薄着越しに僕の背中に押し付けられ、彼女が呼吸をするたびに、その柔らかさと体温がダイレクトに伝わってくる。

 

 耳元には彼女の吐息がかかり、シャンプーの香りが鼻腔をくすぐる。

 

 これで集中しろという方が無理な話だ。

 

「……鮮花、ちょっと近いんじゃないかな」

 

「あら、不満? 2年のブランクがあるんでしょう? それを埋めるには、普通のやり方じゃ間に合わないわ。密度を2倍にして、効率よく叩き込まないと」

 

 彼女は悪びれる様子もなく、むしろ楽しそうに僕の手を動かし、ノートに解答を記述させていく。

 

 確かに、2年という時間の壁は厚い。

 

 それを短期間で埋め合わせるには、常軌を逸した勉強量と集中力が必要になる。

 

 幸い、学生の夏休みにおいて、時間という余暇だけは売るほど余っている。

 

 外に出れば命の危険がある異常事態だが、部屋に籠もって勉強する分には(鮮花の誘惑を除けば)平和なものだ。

 

「それに、貴方が復学したら、また一緒に登校できるのよ? そのためなら、私、鬼にでもなる覚悟なんだから」

 

 彼女の瞳は本気だった。

 

 僕たちが、再び並んで学校に通う未来。

 

 彼女にとって、それは何物にも代えがたい「正解の未来」なのだろう。

 

 僕は観念して、再び問題に向き直る。

 

 時計の針は深夜を回り、とっくに日付が変わっている。

 

 けれど、鮮花のスパルタ教育は終わる気配がない。

 

 文字通り、寝かせて貰えない夜。

 

 脳みそが沸騰しそうなほどの知的労働と、背中から伝わる肉体的な誘惑の板挟みになりながら、僕は必死にペンを走らせ続けた。

 

 この夏が終わる頃には、僕の偏差値は劇的に向上しているか、あるいは理性が焼き切れて廃人になっているか。

 

 どちらにせよ、忘れられない夏になりそうだと、僕は朦朧とする意識の中で確信していた。

 

 

◇◇◇

 

 

 2年という時間は、10代の人間にとって決して短くないブランクだ。

 

 普通の人間なら、基礎学力は風化し、学習のリズムを取り戻すだけでも数ヶ月は要するだろう。だから正直なところ、再起動したばかりの彼がどれほどのパフォーマンスを発揮できるのか、私の中にも一抹の不安はあった。

 

 けれど、蓋を開けてみればそれは杞憂に過ぎなかった。

 

 織姫の脳髄は、錆び付くどころか、長い休息を経てよりクリアに研ぎ澄まされていた。

 

 私が提示する解法を瞬時に理解し、応用問題すらも軽々とクリアしていくその速度。

 

 やはり、彼は私の見込んだ通りの逸材だ。

 

 元々、彼は年齢にそぐわないほどの高い教養と知性を備えていた。そこに、私という最高の伴走者であり、導き手が加わればどうなるか。

 

 それは、中学時代に私たちが学年首位と次席を独占し続けた実績や、高校受験時の全国模試で彼が全国4位に食い込んでいた事実が、何よりの証左だ。

 

 彼は十分に天才の領域にいる。

 

 けれど、私はそれだけじゃ満足できない。

 

 どうせなら、全国模試の掲示板の頂点に、黒桐鮮花と境織姫の名前を並べて飾りたいじゃない。

 

 1位と2位。首席と次席。

 

 それが私たちに相応しい定位置であり、世界に対する勝利宣言なのだから。

 

 ただ、一つだけ計算違いがあったとすれば、この愛しいお寝坊さんが、私の想定よりも少しだけ長く眠りすぎてしまったことだ。

 

 「遅刻」の代償は小さくない。

 

 現在、私は高校三年生。対して、休学扱いとなっている織姫は、復学しても高校一年生からのスタートになる。

 

 同じ制服を着て、同じ校舎に通い、放課後を共にする――そんな私が夢見た青春のワンシーンは、学年のズレという物理的な壁によって阻まれてしまった。

 

 それが、どうしようもなく歯痒くて、悔しい。

 

 でも、嘆いている暇なんてない。

 

 プランAが潰えたなら、即座にプランBに移行するまでだ。

 

 私たちのゴールは高校生活だけじゃない。その先にある未来も、ずっと一緒にいることなのだから。

 

 軌道修正のシナリオはこうだ。

 

 織姫には、通常の高校生活という悠長なルートを放棄してもらう。

 

 この半年間、死に物狂いで学力を詰め込み、高卒認定試験をパスさせる。

 

 そして、飛び級のような形で、私と同じ大学受験に挑戦させるのだ。

 

 一年生からやり直すなんて時間の無駄。彼はそんな型枠に収まるような器じゃない。

 

 私の隣に立つ資格があるのは、同い年の、対等な知性を持ったパートナーだけ。

 

 まさか、私とは別の大学に通いたいなんて、織姫が言うはずもないでしょう?

 

 もしそんな寝言を言ったら、その時はまた私の部屋に監禁してでも説得するだけのこと。

 

 彼の未来の選択肢は、私が管理し、最適解へと誘導してあげる。それが姉であり、師であり、好敵手であり、そして恋人(のようなもの)である私の特権よ。

 

「……よくできました。このペースなら、認定試験も余裕ね」

 

 私は彼の手からシャーペンを取り上げ、頑張ったご褒美を与えるために、彼の膝の上に跨った。

 

 疲労の色が見える彼の瞳が、私を見上げて揺れる。

 

「織姫、いい子にしてたから……ご褒美、欲しいでしょう?」

 

 飴と鞭。

 

 徹底的なスパルタ教育で脳を極限まで酷使させた後は、とろけるような甘い快楽で癒やしてあげる。

 

 そうやって、彼の心身のすべてを私の色に染め上げ、依存させ、逃げられないように絡め取る。

 

 この半年で、織姫を完璧に仕上げきってみせるわ。

 

 だから覚悟してなさいね? 織姫。

 

 

 

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