遅れてきた直接攻撃の……   作:灰色の空

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これにてレシィ君のお話は区切り終えました。
想像以上にくどくなってしまいましたが、後々必要だという事で…



レシィ奮闘記③

 

 

 

 

「おい、どうしたもう終わりか?」

 

「うぅ……」

 

 だが現実はどこまでも厳しく非情だ。体中を打ちのめされ、痛みで倒れ込む始末。鼻血を出し青痣ができた顔を上げれば失望したかのような目が降りかかってきた。

 

 彼等から教わった通りの動きをした。背後は無理でもせめて横からと回り込もうにもなぜか足が立ち止まるのだ。

 

 ビジュの身体から発せられる威圧、眼力。それがレシィの身体を硬直させてしまうのだ。

 

「イキが良いのは最初だけか?お前はそこまでか?」

 

「…っ!ポックルさん!」

 

 煽られて懐にあったサモナイト石から『ポックル』を召喚する。無駄だと分かりつつも時間を稼ぎたかった。

 

「効かねぇってのが分からねぇのか!」  

 

 だが、ビジュの召喚術の方が威力が高い。ポックルが投げ飛ばした木の実がビジュのタケシーの雷で封じられる。

 

(…今だ!)

 

 しかし、レシィはビジュの召喚を待っていた。雷の発光はどうしても一瞬だけ視界がくらむ。その一瞬を使い

 レシィは、小さな石を全力で振りかぶって投げた。

 

『召喚術が駄目だったとしても構いません、それもまた選択肢に入れるんです』

『レシィ君は結構投擲能力があるから…ビジュさんのような投具じゃなくて他のを使ったら?』

 

『そう、こんな風な石を…』

 

 レシィには不思議と石を投げれば当たるという力があった。一発には随分と小さい軽い小石。だが確かな一発だ。

 

「これで……っ!」

 

 タイミングは完璧、虚を突いたはずの石は…ビジュは体を大きく逸らして躱していた。そこ顔に驚きはなく、だが嘲りもなかった。

 

「シャァ!」

 

「あうっ!?」

 

 静かに音もなく間合いを近づけたビジュは反撃とばかりにレシィ体を打ち据える。体どころか顔、容赦はなく、レシィはそれを拳で必死に防ぐだけだった。

 

 だが躱すにも防ぐにも限界がある。何時しかまたもやボロボロになって、倒れ込む。満身創痍だった。

 

「………」

 

「……?」

 

 倒れるレシィにビジュは何も言わず、そのまま去っていく。日は落ち始め辺りは夕日に包まれていた。

 

 

 

 

 

 

「レシィ。もういい」

 

 ストラで傷を治してもらってるとギャレオがポツリと呟いた。思わずギャレオを見れば苦虫を噛み潰したような顔があった。

 

「お前が、そんな痛い目に合う必要はない」

 

「…ギャレオさん?」

 

「お前の覚悟は十分に伝わった。もう終わりにしよう」

 

「どういう意味ですか…」

 

 自分のマスターから言われた言葉を脳が阻む。それは明らかな終了宣言、訓練も座学も何もかもを辞めろと言ってるようなものだった。

 

「お前はビジュを相手によく食らいついた。他の者は一度倒れた時に心が折れるのだ」

 

「……」

 

「何度傷つけられた、何度打ちのめされた。これ以上怪我を増やす必要はない」

 

 そうだ、ギャレオの言う通り何度もボロボロになった。顔を殴られた、体を蹴られるのは序の口で、何度も放り投げられ砂浜にたたきつけられた。

 

 何度も何度も立ち向かってもビジュは容赦はしなかった。

 

「ビジュには俺が言おう。お前は後ろで俺達を支えてくれればそれで良いんだ」

 

「……それは僕が役に立たないからですか」

 

「違う、もう十分に俺達の力になってるからだ」

 

 ギャレオは言う。雑事を行ない自分たちが十全に動けるようにしてくれるのはとてもありがたい事なのだと。拠点を守ってくれる、帰る場所があるのはとても大切な事なのだと。

 

「痛みは俺が引き受ける。だから戦闘は俺に任せてレシィは」

 

「そんなの、そんなの納得できません!」

 

 叫ぶ、驚いたギャレオが口を噤んだことも知らずにレシィは言葉を重ねた。

 

「…ぼ、僕はギャレオさんどころか皆さんには遠く及びません。弱くて、誰よりも弱くて…でもそれでも」

 

 自分の無力さと不甲斐なさに涙が出てくる。自分が弱いというのがどれだけ辛い事か、だが言わなければならなかった。

 

「僕は、僕はあなたの護衛獣でいたいんです。貴方を…ご主人様を守れるようになりたいんです!」

 

「レシィ…」

 

 本当なら、もっと強くて頼もしいそんな護衛獣がいた方が良い。だけどそれで納得は出来なかった。

 

 

 短い付き合いだ、だが短い付き合いでも。

 

 この人の傍に居たかったのだ。

 

 

 

 そこからギャレオが何か言う事はなかった。

 

 

 

 

 

「……テメェはクソだ」

 

 その言葉に倒れそうになりながらレシィは歯を食いしばり睨みつける事で応えた。体はまたいつものようにビジュに打ちのめされていたが今回は勝手が違った。

 

 今までずっと受け手に回っていたビジュが自分から攻勢に回ったのだ。レシィは自分から仕掛けることはなかった為受けの技術が身についておらず結果的に何も反撃すら出来ずにいたのだ。

 

「お前は、弱い、何にもできない正真正銘の弱者だ」

 

 そんなレシィにビジュは暴言を浴びせる。嘲る口調ではなく、淡々と事実を突き付けるように。

 

「…知ってます、でも、僕は強くなりたいんです!」

 

「だったらお前は何故そこで突っ立たままなんだ?」

 

「う、うわぁああ!!」

 

 挑発を受け拳を突き出すが絡めとられそのまま地面に叩きつけられる。その上から追撃のように踵落としが躊躇なくレシィの背中に当たる。

 

「うげぇ!?」

 

「おら、どうした。さっさと反撃して来い」

 

 そう言いつつもビジュは何度もレシィを足蹴にする。転がり避けようとしても遠慮なく躊躇なく、冷徹に冷淡に。

 

「うぇぇえ……はぁ…はぁ」

 

 口から胃液を吐き、それでもレシィは立ち上がろうとする。彼は負けるわけにはいかなかった。

 ここで負けるという事はすなわち彼の護衛獣としての役割が消失する。それだけはなんとしてでも嫌だった。

 

 だが、体は疲労を蓄積して立つのも困難に陥る。最悪なのは心も若干弱気になりつつあるからだ。

 ビジュは強い。手も足も出ない、だから負けるのは仕方がないのではないか。

 

 そんな弱気が顔を出す。痛いのは嫌だという叫びが心のどこからか聞こえてくる。

 

 そんなレシィの姿を見てビジュは口を開く。

 

「…奴を護るつったな?そんな体たらくで」

 

「…っ!」

 

「そんな奴が半端な強さで戦場に出てどうなるか教えてやろうか」

 

 そう言い、ビジュは真っ直ぐレシィを見下した。

 

 

「お前はギャレオを殺す」

 

「…ぇ?」

 

「アイツは足手まといのお前を必ず庇う。あの虫どもからお前を庇ったように」

 

 ドキリとした。そしてあの光景を思い出す、自分が何故強くなろうとしたのかその原因を。

 

「弱い奴は強い奴の足を引っ張り続ける。それが自覚があろうが無かろうが、テメェはどうだ。覚悟もねぇ才能もねぇそんなテメェがギャレオを守るだ?」

 

 突き飛ばされ庇われて、見た事ある頼もしい背中があって、ああこれで大丈夫なんて。

 

「戦う事は疎か、召喚術もまともに使えない。いいや自分は苦手だと宣い人に縋るお前は」

 

 だけど実際は違った。頼れるその人に蟻は噛みついた。広がる血の臭い、崩れ落ちる身体に群がる悪意の牙。 

 

「護ると言いながら、殺すんだ」

 

 その原因は誰のせいか。自分だ。自分が弱いせいでギャレオを殺しかけた。

 

 

 

 何かがはじけた音がした。

 

 

「だから、僕は!強くならないといけないんです!」

 

 気が付けばビジュに飛びかかっていた。躱されても何度も、飛びついて、自分の中の知らない声に導かれるまま手を出した。

 

「僕が、僕のせいで!だから!」

 

「そう言う奴はな!口だけは何だってできるんだよ!」

 

 ビジュの拳がこめかみを襲う。視界がぐらつき、ちかちかと明滅する。危険な状況でも、それでも。

 

「僕はあの人の護衛獣で居たいんだ!」

 

「だったら()()()()!奴の護衛獣と名乗るのなら!」

 

 殺意が降りかかった、ビジュのそれまで見せなかった熱さを感じる怒気だ。

 

「それが出来ねぇんならとっととくたばれ!」

 

 体が折れるほどの拳が容赦なく降りかかる。体格差があった、経験の差があった、だから鼻血が出る目が片方見えなくなる、足も折れたのかもしれない、だけど。

 

 心だけは、負けたくなんかなかった。

 

「僕は――――僕は絶対に!」

 

 視界が白く光る、それでもビジュからは目を反さない。何があってもギャレオの傍にいるのだと。

 

「テメェ、それは」

 

 

「あの人の傍にいるんだ!」

 

 そうして最後に体ごとぶつかるようにビジュへと迫り――――

 

 

 

 レシィがおぼえているのはそこまでだった。

 

 

 

 

 

 

 

 どうも。ほとんど空気と化していたレシィのマスターでありビジュの戦友でもあるギャレオです。

 目の前の光景を説明しますとね。レシィがビジュに寄りかかる様に意識を失っていました。

 

 そのレシィですが、体中もう傷だらけの傷だらけで見てて可哀想になっているんですが…それよりもレシィの折れた角に光が宿っているんです。まぁすぐに消えたんですが。

 

「は、魔眼か」

 

 ビジュはそう言ってレシィを適当に放り投げました。扱いが酷いがアレでも非常に丁寧なんですよ本当に。

 

「それで、テストはどうだった」

 

「合格だ。腹立つがな」

 

 忌々しそうにつぶやいたので、ほっと一安心。レシィに近づきストラを掛ける。

 

 

「そいつは、お前の補助になるよう叩きこめ」

 

「ああ、分かった」

 

 悲しいがレシィには戦うための力がない。何度も何度も繰り返し言い聞かせたこの言葉はどうしようもなく事実なのだ。

 

 ゲームにおいて彼は戦いが苦手という設定どおり弱小キャラだ。それは初登場となるサモンナイト2は勿論番外編として登場するサモンナイト3、そしてDSやPSPなどでリメイクされても彼はどこまでも貧弱だった。

 

 サモンナイト2では他に登場する機械兵士レオルドが物理として圧倒的な強さを見せ狐少女ハサハは召喚士?として優れ悪魔バルレルは前衛良し召喚で回復良しの万能型。

 

 対するレシィは前衛としてはHPが非常に少なく、召喚士としてはmatが不足しすぎている。

 

 サモンナイトでの中途半端な能力を持っているキャラは使える有能キャラか、経験値を惜しまれるどうしようもない弱者か。

 

 レベルを上げればそれでいいゲームバランスとは言え明確な格差というのがあってしまうのだ。

 

 そしてそれはこの現実でも変わらなかった。ビジュは一目でそれを見抜いていたのだ。

 

「護衛獣か」

 

「主を守れないとはな」

 

 俺と共に戦うことは出来ない護衛獣、それでも強さを欲した。だがその強さを得られることはない。

 

 だからあと残るのは俺の補助として役割に徹するしかない。前線という死地に真正面に飛び込むこの俺の後ろについて回らなければいけない。

 

 

 死なせないために、厳しく叩きこまなければいけない。

 

 それが俺達が生きる戦場なのだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん…?」

 

「起きたか」

 

 レシィを抱え、いつも使っている野営地へ。毛布を敷かせ横にさせていたがどうやら起きたみたいだ。

 

「ここは」

 

「俺達の野営地だ」

 

「あ!皆さんのご飯!」

 

 時間帯が夜になっていることに気が付いたのだろう、慌てて飛び跳ねたレシィだが、休むように押さえつける。

 

「他の奴らの飯は大丈夫だ。みんな自分たちで用意した」

 

「え、大丈夫なんですか?」

 

「おっかなびっくりでやってた。まぁ生きてるから平気だ」

 

 部下達はレシィに休んでいるようにと俺に頼み自分たちで雑事をしていた。勿論今まで家事がパーフェクトなレシィが居たのでその反動でちょっと凄い事になっていたが、それはどうだっていい。

 

「良くやった」

 

「それは、」

 

「お前はビジュを相手に一歩も引かなかった」

 

 試練は合格したのだと伝えれば不思議そうに首を傾げた。必死になっていたので覚えていなかったのだろう。

 

「最後の一撃、ビジュは動けなくなってな。あの時お前の拳が当たったんだ」

 

「…ビジュさんは避けようと思えば避けれたのではないですか?」

 

「動けなかったんだ。覚えていないのか?メトラルの魔眼を使ったことを」

 

 メトラルという種族だけが使える魔眼。相手に麻痺を与えるというか強制的に動作を止める。

 

 ……まだ本人は気が付いていないだけでもっと凶悪な魔眼を持っているのだが…それはオイオイ話せばいいだろう。

 

「たとえどんな手段でも、いいやどんな手段を使ってでもお前が拳を当てたのは間違いない」

 

「…はい」

 

「お前は意地を通したのだ。ビジュが認めざるを得ない、心の強さを示したのだ」

 

「心の強さ、でもそんなのは役に立たないって」

 

「それはそうだ。だがな、戦う上でどうしてもその心の強さは必要になる」

 

 技術は嫌になるほど叩きこめばいい、それこそ死にそうになっても。体の方はとにかく鍛え続ければいい、例え無駄だとしても。

 

「だが心までは俺達にはどうしようもない。それをずっと試したかったのがこのビジュとの模擬戦だ」

 

 心が折れそうになるまで体を痛み付け、暴言で精神をへし折る。治療と称して体を治し、また同じように痛み続ける。その時にやめても一向にかまわないと誘惑をする。

 

「結局最後に必要になるのはそう言った心だからな」

 

「……ビジュさんは僕が諦めると思ってたんでしょうか?」

 

「さてな。だがあいつは見込みのない奴にはあそこまで本気にはならん」

 

 口だけの奴にはビジュは本当に厳しい。

 

「口ではなく行動で示せ。そうビジュは言ってるのだ」

 

「……僕、ビジュさんに嘘をつかないようにします」

 

「そうだ、それでいい」

 

 軍人の護衛獣になったんだ。これから大変だろうが頑張ってほしい。

 

「兎も角は今は休め、明日からまた忙しくなるぞ」

 

「はい。あの、ギャレオさん」

 

 立ち去ろうとしたところでレシィから呼び止められる。

 

「ギャレオさんは、どうして強くなれたんですか?」

 

「うん?」

 

「僕は…僕は貴方を守りたかったんです。弱いままでいたくなかったんです。だから」

 

 だから、ビジュのシゴキに耐え、一矢報いる事が出来たのか。…そうか、そう言ってくれるのか。

 

「俺は、そうだな」

 

 ふと息を漏らす、コレを誰かに言うのは、恐らく人生初めてだろうな、なんて思いながら。

 

 

 

 

()()()()()()()()()

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…すまん」

 

 このビジュとの一方的な組み手はこの部隊に配属される最初の洗礼であり試練なのだ。

 

 荒くれ者が集まる不良部隊。その中でもやはり礼節は弁えなければいけない、そして格付けも。

 

 その教官役としてビジュが指導役をするのだ。絶え間なく攻撃し相手の心をへし折る役。

 

「はっ。テメェのお気にを殴ってたんだぜ」

 

「それでも、お前にはいやな役をさせてしまった」

 

 ビジュは嫌われ者役を引き受けてくれる。対する俺は甘やかす役。相手を労わり信頼を獲得する役。

 

「チッ」

 

 嫌われる恐れられる損な役割をしてくれたビジュに礼を言ったのが舌打ちをされた。つまりいつも通りという事だ。

 

「…自衛を出来る具合には叩きこんでおけ。後はアイツ次第だ」

 

「それでいこう、細かいところはレシィが気付くさ」

 

 試練に合格したとはいえ訓練はこれから始まるのだ。帝国軍の底辺部隊、どんな辺鄙な所にでも追いやられる可能性があるそんな部隊に入ってしまった以上は只の野盗や賊などは片手間で蹴散らせれるぐらいにはならないといけない。

 

 特に前線にでて死地へ飛び込む俺を守るというのであれば。

 

「テメェを守るなんぞ、そんな阿保なことを抜かしたのは奴が初めてだ」

 

「全くだ。今まで言われた事も無かったな」

 

 呆れたように笑ってるビジュに同意する。こんなデカくてガタイのいい男を護るだなんて、初めて言われた。

 

「まぁ出来たところではぐれをしのげるぐらいだろ」

 

「上出来さ。レシィはそこでは止まらないとは思うが」

 

 彼はどこまで俺についてくるだろうか、俺の後ろを追ってくるのだろうか。

 

 心配でもあり、少しの楽しみでもある。

 

「精々テメェも鍛えてやれ、アイツが可愛いのならな」

 

「勿論だ。部下達と同じように可愛くて仕方がないさ」

 

 俺の言葉にビジュは呆れた視線をよこすのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「ギャレオ、色々とやってたそうだな」

 

「情報が早いですな」

 

「……はぁ」

 

 何で溜息を吐くんですか隊長。別に良いじゃないですか。これもまた部隊の交流のうちの一つですよ。

 

「だがレシィ…彼をどうするつもりだ?まさか作戦に」

 

「出すつもりはありません。あくまでもアレは訓練の内容について話し合っただけです」

 

 レシィは本人の要望通りこれから強くなってもらうが、先生さん達と戦わせるつもりはない。

 

 対人戦に早いというのもあるが両者にとって得な事がない。

 

「そうか…まぁ彼にとってはそれが良いだろうな」

 

 どことなくほっとした様子があるのは隊長もレシィを気遣ったのだろう。部下とのやり取りには口を出さないがそれとなく様子をうかがっているのは俺もビジュも知ることである。

 

「…近々だが奴らに降伏を言い渡す予定だ」

 

「?宣戦布告ではなくてですか?」

 

「煽ってどうする馬鹿者」

 

 ん~~違ったかな?これは原作七話にあるギャレオがようやく前面に出てくるシーンだった気がしたが?

 好きなゲームといえども細かな内容を覚えていないって事ですね。やんなるねー。

 

「その時、使者お前にやってもらうぞ」

 

「了解しました」

 

 …正直断られるのは目に見えているためいささか辛いものがある。がカイルの海賊船を堂々と見れるという事だけでも行く価値がある。

 

 

 そうだよね?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フッ……フッ!」

 

 日課となってる深夜の筋トレは今日も無事に終わりそうだ。筋トレといえどもその量も質もかなりの物である…そう自賛しないと辛いときがあるがなアハハ。

 

 

 ストラの為に深呼吸を何度か。静まりかえった夜、聞こえるのは波の音と森のささやかなざわめき。

 

 

 何時も静かさ、だが鍛錬をして集中力が増していたからか、それに気が付いた。

 

「……漢の秘め事を覗き見するのはいささか趣味が悪いぞ」

 

 森の中から視線を感じた。敵対するものではないが友好的とは程遠い。候補がいる中さて、誰かなとその場で跳躍。

 

「フンッ!」

 

「ッ!?」

 

 無動作で起こす無拍子、跳躍は相手を驚かせるには中々の手段だったらしい。

 さてこんな夜中に悪戯をする馬鹿者は誰かなと影に隠れようとした相手を見ると。

 

「…お前はイスラか?」

 

 線の細い体格に女性に見えそうな整った顔立ちの青年。所々顔達が姉であるアズリア隊長によく似ているイスラ・レヴィノスがそこにはいたのだ。

 

「アンタは…」

 

「ギャレオだ、忘れたのか?」

 

 なんか驚いた顔を取り繕ったイスラ、俺の名前を忘れてそうなので名乗れば何故か鼻で嗤われた。

 

「ああ、姉さんが手を焼いているゴリ…男だってね」

 

「うむ。迷惑をかけているので否定は出来んな」

 

 馬鹿にした言い方をしたつもりだろうが実に正論なので同意した。だって本当に滅茶苦茶迷惑かけているのは本当だし。

 

「………」

 

「なんだ、その顔は」

 

 なんか珍妙な生物をみる様な目で見られているんですけど?なんか言いたいことがあるなら言えよ。…ああ、そもそも大好きな姉以外にはこんな態度だったな。 

 

「それよりも無事だったんだな」

 

「まぁね、尤もそっちの方は悲惨だったみたいだけど」

 

「大変ではあったがな。兎も角お前が無事で良かった」

 

「……」

 

 だから何なんだよその顔はさ。そう言う顔姉とそっくりだな。男だから愛嬌はないけど。

 

「まぁいいさ、それより僕はもう行くよ」

 

「?まて、アズリア隊長に会っていかないのか?…そもそもいつこの島に?」

 

「少し前にね。記憶喪失のふりをしてこの島の住人に近づいたのさ」

 

「なるほど……潜入つまりスパイか」

 

 潜入?ってことは原作通り釣りに出かけたレックスに遭難しているところを助けてもらいラトリクスのリペアセンターにお世話になっているという事か。

 

 彼が本当に遭難していたのか無色に助けられてこちらに潜入してたのか、謎はイスラのみが知るってか?

 

「任務については分かった。だが隊長には会わないのか?」

 

「…もう会ってきた」

 

 任務である魔剣とかはどうでもいいや。どうせイスラからすれば帝国も無色もすべてがどうだっていいんだから。

 

 そんな些細な事より姉であるアズリア隊長の事だ。口には出さなかったが…そうかもう会ってたのか。

 

「それは良かった。ずっと隊長は気にしていたからな。お前が無事で本当に良かった」

  

「ハイハイ、それより僕は行くよ、そろそろ戻らないと怪しまれるから」

 

 そういって背を見せるイスラ。実に人に対して淡白極まりないがそれがコイツなのだ。…気にしていないよ。ホントダヨー。

 

「イスラ」

 

「何だよ、もういいでしょ」

 

「姉を大事にな」

 

「……フンッ」

 

 捨て台詞のようにそう言って彼は去っていた。

 

 

 

 

 

 物語はそろそろ中盤へ…か。

 

 

 

 

 

 

 

 




レシィ君に関するPSP版のどうでもいい話~

待機型・逆襲『攻撃範囲内なら必ず反撃をする』
ダブルアタック『移動を犠牲に攻撃を2回行える』
火事場のバカ力『残りHPが一定割合を切ると与えるダメージが上昇する』
つまり待ち構えて反撃しダブルアタックで攻撃しろと?でもレシィ君の能力では不安が残る…

幻実防御『召喚・遠距離攻撃のダメージをMPで受ける可能性が発生する』
サポート役をするしてもMPが贅沢な訳ではないので…

結論、競合先が多いので中々に大変。せめて他のスキルが欲しかった。ダブルアイテムかダブルムーブ。ブロックや魔抗や見切など。
そもそもなんで取り柄だった移動力減らされてるねーん

ちょっとした疑問。
イスラって何歳ですかね?成人しているのかしていないのか…アズリアとは一体どれだけ歳が離れているのか。
どちらにせよ中々の癖者っぷりは彼の歳が分からなくなる…何となくで話を進めまずがね
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