遅れてきた直接攻撃の……   作:灰色の空

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お待たせしました。
誤字脱字報告ありがとうございます。
感想、評価、お気に入り、ここ好き。
皆さんのおかげで何とか頑張れてます本当にありがとうございます。


戦後処理②

 

 

 

 

 

 どうもギャレオです。護人達と戯れていたら負けた、クッソ無様で情けない軍人のギャレオです。

 

 勝ったら駄目で、手加減もし辛い戦いって何?馬鹿じゃねぇの?

 

 と、内心で自分を憤りつつもアズリア隊長がレックスに負けたのでさて、どうしようかと悩んでおります。

 

「どうして、私達が負けるのだ、こんな覚悟を持たないような奴に」

 

 それは、隊長の責任感よりレックスの我が強かったからじゃないでしょうか?あ、カイルがなんかレックスも覚悟を持ってるからだとか何とか言ってる。

 

 そうかもしれないけど、要はこの戦いもこれから起こることも我が強い奴が勝つっていうそう言う話じゃないですか。

 

 真剣に考えるだけバカみたいなんすよね。

 

(……イカンな。負けて腐ってきてる)

 

 ストレスが強くなってるのか内心での不貞腐れが酷い。あぁ嫌だなぁ出来レースみたいな八百長試合なんて。しかも満足に戦えないのに本気で戦ってるようにしないといけないなんて。

 

 そんな俺の内心を軽やかに吹き飛ばすような轟音が聞こえてきた。

 

「おっと動くなぁテメェら!動いたらコレでドカンといくぜ!」

 

 ここで登場したのは我らのビジュ。何時の間に運んだのか大砲をいつでも点火できるように備えている。

 

「道理で姿を見ないと思えばそう言う事だったわけね…」

 

「ちがっ!?違う!?」

 

「へっへっへ ちったぁ感謝してくださいよ隊長殿。糞おもてぇコイツを運んだおかげで撤退できるんですからねぇ」

 

 やっぱ運んだのかアイツ!?大砲持ち上げれるの俺ぐらいだと思ったが…根性スゲェ!

 

「隊長、ビジュが牽制している間に!」

 

「クッ 総員、退却だ!」

 

 隊長の声に合わせてボロボロになった隊員たちがすたこらさっさと退却していく。勿論隊長も俺も。

 

「アズリア!」

 

「動くなと言っただろうが!」

 

 レックスが隊長を追おうとしたがビジュの大砲がうなりを上げる。んな撃つときは躊躇なく撃つんだから動くなってのに!

 

「クッ!?」

 

「きゃぁ!?」

 

 ビジュが出鱈目(わざと?)に撃った大砲がどうやらアリーゼの近くで着弾したようだ。

 爆風で煽られた程度なのでそこは流石というか。

 

「……」

 

「チッ!ガキがんな所にいるからだろうがっ!」

 

 しかし悪態をついたビジュの前にぬっと出てきたのは白いレックス、つまり抜剣覚醒したレックスだ。

 

 俺の忠告は?そっすか…生徒の為にキレんのは分かるけど、忠告……はぁ。

 

「俺にキレんのはお門違いじゃねぇのか?」

 

「……ハァアアアアアア!!!!!」

 

 ああ悲しいかな、先生の一撃を受け止め応戦したビジュだったが、その魔力放出には力負けしたようだ。

 

「テメェの責任を!俺に擦り付……っ!」

 

 最後に一矢報いるように言葉を吐き捨て攻撃するがビジュ吹っ飛ばされました。あの軌道ならまぁ無事だろう、後で合流するだろうし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 と、言う事で、はい。負けた帝国陣営です。言い訳はすっごく多くあるけど負けた帝国軍の士気は…

 

 非常に不味い雰囲気です。

 

 と、言いますとですね。そもそも我々帝国軍は実力主義な所がありまして、常勝とはいかなくても負けることは割と許されない軍隊なのですよ。

 

 それでこの部隊、良い名前を貰ってはいるけど、所詮は底辺部隊な面もあるんです。寄せ集めで問題児を掻き集めたアズリア・レヴィノスへの嫌がらせ目的。

 

 その部隊がですね。負けたんですよ。しかも陣を作って正面からという誰に対しても言い訳できないやり方で。

 

 ビジュがいなかった、部隊全員を動員していなかった、遭難しており全員の準備が万全とは言い難かった。

 

 

 負けてしまってはどれも言い訳にしかならないんです

 

 

「副隊長、俺達はこれからどうなるんでしょうか」

「負けちまいましたね…正面から」

「手、抜いたわけじゃないんですよ。そりゃ美人には目をくれましたが」

 

 部下の沈鬱な雰囲気が辛い。俺としても勝てるようにしていなかった重罪がある。

 

 ので

 

「飯を食おう。レシィ、頼めるか」

 

「任せてください!腕によりをかけています!」

 

 こういう時は美味い飯を食うに限るのです。お腹が空いては嫌な考えが頭に浮かぶからね。

 

「まずは飯を食え、そして休め。後の事は明日考えよう」

 

「「「……了解です」」」

 

 そう言って部下達はレシィが丹精込めて作った、勝利の美酒となる筈だった夕飯を食べ始めた。

 

 勝てると踏んで作られた料理の数々が敗残飯に見えて…

 

 作ってくれたレシィに。美味いはずの飯を悔しそうに口に運ぶ部下達になんかもう申し訳なくて…

 

 くやしくて

 

 かなしくて

 

 つらくて

 

 やりきれなくて…

 

 

 いや、俺のせいなんですけどね。ハハ。

 

 

 

 

 

 

「すまなかった」

 

 開口一番、そう言って頭をさげたのは我らの隊長アズリア・レヴィノスだ。隊長に呼ばれたから部屋に入った途端にこれだ。流石に驚く。

 

「頭を上げてください、どうなされたのですか」

 

「……奴に負けた」

 

 頭を上げさせるように言うと、その表情は実に苦虫をかみつぶしたような顔だった。

 

「覚悟が足りてなかったなどと言い訳をするつもりはない、私はアイツとの戦いで負けたのは事実なのだ」

 

「………俺も同じです。申し訳ございません」

 

 敗戦の将。その責任を感じているのだろう、それを言うのなら俺が最も責任が重いのだが、隊長はその事を言わない。非は自分にあると考えているのだろう。

 

 どこまでも愚かで真っ直ぐな人だ。だから誰からも慕われているのだろうけど。

 

「だから次。次勝てればそれでいいのです」

 

「……次か」

 

「ええ」

 

 次があるから大丈夫などとそのように楽観できる状態ではないのだけどね。何せ将が真っ向勝負で負けてしまったのだから。

 

 ああ、こう言いたくはないがレックスもこっちの事情考えてほしいよ。

 

「…奴は」

 

「?」

 

「奴は、争いたくないと言ってました」

 

 少し心情が漏れる、愚痴になってしまうのは本当に申し訳ないが言わないと俺もおかしくなりそうだ。

 

「奴は恐らく隊長なら事情を汲んでくれると思っているのでしょう。はぐれ召喚獣たちの島、実験の被害者を考慮してくれると」

 

「ああ、そう言ってたな。まさかこの島が無色の派閥の実験場だったなんて」

 

 細かいところは省くがそうした場所だこの名も無き島は。それであの剣もまた関係してくるが。

 

「我らは帝国軍。奴は軍を辞めた様ですが我らはそうではない。…その事をきっと考えていないのでしょうな」

 

 隊長の責務、家の事情、そして部隊。何処もこれもレックスが持っていないものだ、持っていないからいまだ学生の頃と同じように接することができる。

 

 レックスの短所であり長所だ。 

 

「すみません。貴方の学友の事を悪く思ってしまいます」

 

「構わない、私もそう思ってしまうのだから…」

 

 本当に疲れた顔の隊長の顔が印象的だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「皆さん、凄く落ち込んでいますね」

 

「敗北というのはそれほどまでに心に響くのだ」

 

 明日の仕込みを行なうレシィの手伝いをしながら、軽い雑談をする。レシィは今まで明るかった皆が内心では落ち込んでいるのをみて少なからずのショックを受けているようだった。

 

「しかも前回とは違って正面から待ち受けていたのに、な」

 

「そんなに違うんですか?」

 

 負けたと言えば竜骨の断層の時もそうだったのだが、それより酷いのを見て不思議に思ったのだろう。

 

「前回は戦いの予定はなかった。偶然奴らの生徒を保護した時にレックスが生徒の救出に現れてそれでなし崩しで戦いが始まった」

 

 突然の偶発的な戦闘で準備や心構えが出来てなかった。今更だと言い訳になるがな。

 

「だが今回は違った。奴らにわざわざ降伏勧告を出しそして陣を作り相手を待っていたんだ。準備を整えいつでも戦闘できるようにな」

 

 そして結果がこのざまだ。数は勝っても質では劣ると言われたようなものだ。それがいつも訓練をして軍人の誇りを胸に鍛えている部下達にどれだけショックだったのか…考えるだけでも辛い。

 

「皆、鍛えていたんだがな」

 

「…はい。皆さん頑張ってました」

 

 レシィも雑事が終わったら部隊の訓練に参加する様になっている。隣で部下達の頑張りを見ているから複雑な心境なのだろう。

 

「…お前の料理を無駄にしてしまって済まない」

 

「皆さん全部食べてくれましたから。僕は全然気にしていないですよ」

 

 丹精込めて作ったであろう料理の数々を台無しにしてしまった。手間暇全てを無駄にしてしまったのにそれでもレシィはこちらを気遣ってくれる。

 

 その事にたまらなく罪悪感が募る。

 

「ギャレオさん」

 

「なんだ」

 

「怒ってます?」

 

 こちらを伺うような目には怯えではなく心配している目が合った。ああ、本当に俺は未熟者だ。

 

「…そうだな。ああ、怒ってる。部下達ではない、俺自身に」

 

 部下や隊長たちが落ち込んでいる。そうなる事を分かりつつも彼等が敗北する様に行動している己自身に怒りがあるのだ。

 

「僕の考えですけど、ギャレオさんは何も悪くないと思います」

 

「……」

 

「僕には任務とか相手の事情も何も分かりません。だけどギャレオさんはきっと間違っていないってそう思うんです」

 

 事情も何も知らないレシィはそう思ってくれるのか。何も根拠がないそれなのにその信頼が歯痒いほど嬉しくて申し訳なくて…。

 

「……ありがとう」

 

 そんなありきたりな事しか言えなかった。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 レシィとの会話が終わり、一人になってふと息を吐いたところでそれは飛んできた。

 

「ぬんっ!」

 

 飛んできたのは投具。狙いは眉間と膝、どちらかを回避しようとすればどちらかが当たるという隙の無さ。 

 しかし俺には無意味だ、拳の風圧で叩き落とすなんて造作もない。

 

「シャアッ!」

 

「ぐぅ!?」

 

 だが続けてきたのは強烈な蟀谷への足刀蹴り。体勢を崩している俺には避けられるはずもなく、そもそも相手の飛び込みの方が早いのだ。  

 したたかに打ち据えられたその威力は、視界がぶれ膝をつくほど。そのまま追撃を喰らえばひとたまりもない。

 

「……チッ」

 

 だが、そこからの追撃は無かった。本来なら崩れた相手の喉を掻き切るか、そのまま踵落としで頭蓋を叩き割れるはずだが…舌打ちだけだった。

 

「ぬぅ…」

 

 相手の厚意に甘え、ストラで瞬時に体内を回復。殺気も出さない投擲に続けての蹴りは先の戦闘の体たらくに苛立ったのだろう。

 

「何も言わねぇのかよ」

 

「何も言わんさ」

 

 案の定ビジュだ。叩き落とされた投具を回収している。その刃がうっすらと黒光りが反射しているところから毒入りか。

 当たらずに済んでよかった、なんて言うつもりはない。当てられた方が悪いのだ。

 

「奴らに情が湧いた、か。何時の間にそんなに入れ込んだ?」

 

「……色々とあるのさ」

 

「前テメェとアイツが遅くなったときがあったな。あん時か」

 

 答えは否定ではなく沈黙で返す。

 

「……」

 

「この島に来てからテメェは……まぁいい。あの女も哀れだな」

 

 皮肉気だが返す言葉もない。隊長の期待の事如くを裏切っているのは俺だから。 

 

「負けたな」

 

「ああ」

 

「知らねぇぞ」

 

 ビジュの言いたいことは理解している。理解しているから俺も何も言わない。

 

「……」

 

「そうかい」

 

 そう言って去ってしまった。これ以上会話する必要性を感じなかったのだろう。

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

「ええ、剣の力は……」

 

 そうやって落ち込んでいるときに出会うイスラに俺はどう反応した方が良いんでしょうか?

 

 夜中ペンダントを相手にブツブツ喋る姿は擁護できないほどにアレな姿である。病院に行こうか?行ってたな。

 

「イスラ、誰と話をしている」

 

「っ!?……アンタには関係がないよ」

 

 まさか俺がいるとは思わなかったのか驚いている。気配に気づかずそれで諜報員を名乗ってるのか?マジで?

 

「夜中に独り言をしている時点で隊長に報告した方が良いと思うが」

 

「……」

 

 傍から見るとかなり怪しいからな?そしてメタ視点で言えばかなり迂闊だからな?

 どうせ無色に報告してるんだろうけど、もう少し周りに気を遣ってくれ。誰かに見られたらどう言い訳するんだ?

 

 仕方ない、不本意だがフォローしておくか。

 

「もしや、帝国本部と連絡できたのか!?」

 

「さぁ、どうだろうね」

 

 せせ笑うような顔をしているが、あからさまにホッとしたのは見逃せていないからね?

 

「報告をするのはもう少し待ってもらいたい。まだこの任務完全に失敗をしたわけじゃない」

 

「だけど、負けたのは事実なんだろう?全く見掛け倒しの役立たずじゃないか」

 

 おお、こちらの誘導に乗ってくれた!?良いぞ、そのアドリブ力!この大根役者め恥ずかしくないのか?

 

「それは……頼む、隊長の為にもここは」

 

「フンッ まっアンタが無理なら僕がやるさ。上手くアイツ等から剣を取り返す」

 

 8話のアレ?今思い返すとアレは結構杜撰な計画だったが…まぁいいや。

 

「じゃあね。いい加減この場面を知られたら面倒だし」

 

「ああ、分かった」

 

 そう言ってイスラは森へと入っていった。……もしかしてあの後レックスに見つかるのだろうか。

 そして変な癖だと言い訳するんだろうか?夢遊病を患ってるって嘘を言えばいいのに。

 

 

 イスラって割と阿保なんだなとそう思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……駄目だな。今日は訓練に身が入らん」

 

 今日の自主訓練を始めたは良い物のやはりというか何一つ身に入らないありさまだった。

 

 理由は分かっている。俺自身の心の不調の表れだ。

 

 敗北とは己の想像以上に心に負担がかかるし、何より部隊の皆への罪悪感がキレを鈍くする。

 

「…そもそも護人が弱いのが悪い」

 

 責任転嫁?いいえ、現実逃避を兼ねた八つ当たりです。

 

 アルディラとファルゼンはまだいい。役割がしっかりとしているし土壇場では力を発揮する女傑どもだ。

 

 だが問題は今回戦う事になったキュウマとヤッファの男2人だ。

 

 

 キュウマはシルターンの忍者。忍びの者だ。風雷の郷を守る護人であり自身の主が託した母子を守り抜く忠義の侍忍者。なお彼のルートではその忠義が非常に悪い形で発揮している。初見のコイツ…!?は凄まじい。

 

 彼は戦力としてはバランスブレイカーと呼ばれてしまうほど多芸で縦横無尽に戦場を駆けるサモンナイトでは優遇されている強ユニットの忍者だ。

 

 しかしそれはレベルを上げてクラスチェンジをした場合の話。クラスチェンジ前の彼はスカーレルに劣る横切り使い。

 それほど強くはないのだ。大器晩成型でステータスではなくスキルで勝負するタイプだな。

 

 

 ヤッファ。4人いる護人の中でただ純粋に島の住人のために戦うナイスガイ。ぐーたらの駄目なおっさんだが深い包容力がありまた頭も回る、やるときはやるイケボ持ちのナイスミドル。非常にカッコイイ漢のひとりだ。

 

 だが彼は戦闘能力に非常に難があった。

 

 リメイクであるpsp版では滅茶苦茶改善され器用な動きが出来るキャラになったがPS2版ではもうどうすればいいのかわからない中途半端なキャラだった。

 物理にしては良く外し体力がないので脆く、召喚術では超高位術が使えずMATも物足りず、という中途半端な奴は弱いという悪い例になってしまったキャラ。

 

 正直な話あの攻略本ではギャレオより酷い事が書かれているんじゃなかろうか?*1 

 

 尤もそんな二人とも戦略を考えれば普通に使えるユニットなんですけどね。

 

「……仕方ない。仕方ないんだ。島が平和だったから」

 

 ただこの弱さに関しては仕方がないと思う事もある。島が平和だったからだ、無色の派閥に反乱を起こし自由を勝ち取ってからはずっと自身の集落を治める日々。

 いざこざがあっても優秀な副官(ミスミとマルルゥ)がいたためそこまで大きな揉め事が起こらない日々。

 

 弱いという事は平穏だった証。彼らは自分たちの平穏を守り続けてきたのだ。

 

 そんな彼等を悪く言うのは、それこそ責任転嫁という奴だ。

 

「……俺が強ければそれでいい」

 

 在りし日に備えてずっと鍛え続けてきた俺と比べるのがそもそも間違えているのだ。

 

 ずっと…ずっと鍛えて鍛えて只々歯を食いしばってきた俺とは

 

 

 何もかもが違うのだ。

 

 

「寝よう」

 

 考えると悪循環しか起こさない。今日は早めに休むことにした。

 

 

 

 だから部下達が話していた内容を俺が知ることはない。

 

 

 …知ったとしてもどうしようもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…負けちまったな」

 

 ボソリと呟いた声がその場に響いた。夜、哨戒係として起きていた彼は焚火を眺めながらポツリと声に出した。

 

 それはさほど大きくない声だったがその場によく響き、その言葉に感化されたように誰かがまた呟いた。

 

「それも正面からな」

 

「俺たちこれでも頑張ったんだけどなぁ」

 

「何だよアイツら、何で俺達が…」

 

 落ち込んだ声がそこらかしこらから。誰も彼もが先ほどの戦いでレックスたちに正面から当たり負けてしまった者達だ。

 

 彼らはアズリアの指揮の元奮闘したがそれでもレックスたちには届かず、隊長であるアズリアが出てそして敗北してしまったのだ。

 

「なぁ、俺たちこれからどうなるのかな」

 

 たった一度の敗北、されど負けた事には変わらず…。

 

 だからそんな弱音がでてきてしまうのも時間の問題だった。 

 

「そりゃ、あの剣を取り戻すんだろ。今度は皆で総出で出れば必ず」

「でも隊長はあの赤髪にかなわなかったぞ」

「ギャレオさんに頼ろうにもあの人甘いから…それを見越して対策しそうだし」

「何だよ結局俺達が弱いせいだって言うのかよ」

 

 不安とイラつき、どうしようもない先の未来への不安がどうにも心に影を落とす。本来ならアズリアの檄で消し飛び、ギャレオの説得で霧散し、ビジュの折檻でそれどころではないソレが出てきてしまったのだ。

 

「このままだと俺達、任務失敗か」

「魔剣を取り戻せなかった時はそりゃ…そうなるな」

「底辺部隊の任務失敗か。…どう処罰されるんだ?」

 

 彼らが話すのは先の話。まだ負けていないと思いつつも、もしもの事を考えてしまう失敗した者特有の考え。

 

「……隊長は、降格されて。部隊は解散か?」

 

「そんなはずないだろ」

 

「だけどよアズリア隊長恨まれてるんだろ上層部に」

 

「レヴィノス家を疎んでいる奴はごまんといるからな」

 

 隊長が女性であるというそれだけで疎んでいる者達は多い。結果を出しても難癖をつけられるのは目に見えているし何より自分たちはあの客船を守れなかったというどうしようにもできない失態がある。

 

 どうあれ処罰されるのは明白だった。

 

「俺嫌だぜ。この部隊は離れるの」

 

「そりゃあ俺も同じだって。ここほど居心地の良い所はねぇよ」

 

「何だかんだで隊長は俺達を認めてくれてるからな」

 

 荒くれ者で底辺の現地徴兵された彼らは、ほとんどが世間からは疎まれた存在だった。

 

 自業自得の者も入れば運悪くそうなった者もいる。事情はそれぞれではあったが皆が何かしら脛に傷を持つ者でそう言った者たちがこの部隊に流れてきたのだ。

 

 アズリアはそんな者たちを纏め上げた。一端の軍人にしてくれたのだ。

 

 ギャレオは認めてくれた。親愛をもって接してくれたのだ。

 

 ビジュは鍛え上げてくれた。理不尽であろうとも力を示すことを肯定してくれたのだ。

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「……負けたくねぇな」

 

「ああ」

 

 それが彼等の戦う理由。底辺だった男たちの戦う理由。

 

 ただこの居場所を守るために。

 

 だから

 

 

 

 

 

 

「何してんだお前ら」

 

「あ、実はですね…」

 

 陰から現れたその男に自分たちの考えを話して

 

 

 

 

 ……独断行動をすることにしたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

*1
序盤は物理型で育てて終盤は召喚士として育てよう!なお出来上がるのは…(´;ω;`)




先の方の話を書いていますが
どんどんイスラって結構アレなのではと思いつつあるこの頃。

予想と違うギャレオとの化学反応で、どうしたものか…
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