オリジナル要素が出ます。こんな終盤も終盤で!?となりますがオリジナル要素を出します。
やりたかったことをやりたいが為にオリジナル要素です。原作好きな人には本当に申し訳ないです。
「これでトドメェ!」
思いっきり亡霊の顔を殴りつけ大きく息を吐く。消滅した亡霊たちを見て廻りを確認すれば流石に砂浜には敵は残っていなかった。
「これで終わりでしょうか…?」
「むぅ。ある程度は倒したが」
近くにいたレシィの呟きに返せる判断材料は少ない。亡霊たちの顔…テクスチャとでも言えばいいのか。
輪郭などがだいぶぼやけており最後らへんは質よりかも量を優先して量産したように見えたが…
船はまだ近場にあり(それでも沖にはいつでも出れそうである)現状はまだ大丈夫…と言いたいがやはり攻撃は受けてしまう物。所々焦げた跡が開いている。
仲間達や帝国兵やジャキーニ一家が居ようとも絶対に大丈夫なのではないのだ。
今レックス達はどれくらい進んだのだろうのか?核識の間にたどり着いたのだろうか。船はぼろついても最悪直せばいいが…
『ヌゥゥウウウアアアアアア!!!!!』
「む!?」
そう考えていた時に。敵意の視線が強くなった気がした。殺意を固めた悪意。間違いなくディエルゴだ。
何かを仕掛けてくる。そう判断した時だった。
「皆さん新手です!」
「お次は何だ!?」
また亡霊かと芸の無い奴と吐き捨てた時だった。何か様子がおかしいレシィに俺も困惑した。
「アレは……球体?」
「は?」
球体。つまり丸いナニカ。一体何を言ってるのだとそう思って森を見て…絶句した。
ワラワラと森から出てくるのはまさしく球体だ。それもカラフルな4色。黒の模様が描かれている気色悪い動きをする丸い物。
「アレは…何でしょう?」
「敵ってのはわかるな」
ビジュとレシィの困惑した声と警戒。それはそうだ。だってあの球体はラスボスでディエルゴ戦でしか出てこない敵ユニット。
橙、緑、紫、黒の4色で構成されるラスボス戦で無限に出てくる雑魚敵。…そうディエルゴを倒さない限り無限に出てくるのだ
レックスたちがディエルゴを倒さない限りこの砂浜をあの球体で埋め尽くされる。
「チィ!ディエルゴめ!そんな手まで使ってくるのか!?」
「ギャレオ!」
滅多にしない舌打ちと共に悪態をついた。だってそうだろう?亡霊たちも数は多いがアレは正真正銘の無限の数なのだ。
そうまで殺意が高すぎる糞愚物に更なる悪態を突きたいがビジュの声に内心で舌打ちするだけにとどまった。
ビジュの叫び声の意味は知ってるなら情報共有しろとそう言うたぐいだ。
「アレはディエルゴの核。零れ落ちた悪意の感情のような物だ!」
「もっと具体的かつ分かりやすく言えアホンダラァ!」
「レックスたちがディエルゴを倒すまで無限に湧き続けるディエルゴの老廃物だ!」
「汚ねぇな!」
正式に言うなら感情でそれぞれ名称がある。核識と頭について怒り・痛み・憂い・嘆きとある。それぞれの色がどんな名前だったかまでは忘れたがな。
何で老廃物って嘘をついたかって?あのデケェオブジェクトがあるとそう見えるんだよ。
(レックス。なるべく早く頼むぞ!)
舌戦でもしているのだろうか?ディエルゴの主張は結局のところ核識だったハイネル・コープスから漏れ出した悪感情でしかない。
それがまぁトチ狂って世界を名乗ってるのだ。論ずる価値もない愚物。エンディングまでのただの障害。さっさとぶちのめしてほしいが…。
いや、今はまじかに迫ったこの球体共か。結構デカい。俺の胸ぐらいまである。
「フンッ!!」
拳は橙の球体にめり込む。思ったほど柔らかいが…なるほど一撃では難しいか。続けてもう一発。今度は弾けた。
「一体一体は亡霊共程じゃねぇ!だが数が多い!」
「それにあの黒いの。何か仕掛けてきます!」
ビジュが切り捨てレシィが球体のタックルを跳び越す様に回避しながら叫んだ。
ああ、そうだ思い出した。この球体共はそれぞれ特徴があって…そう思った瞬間。
「ぐわぁああ!?」
黒い球体が暗黒弾のような物を発射。ちょうど紫の球体を殴っていた俺は無様に直撃した。
体の中からへし折れる異様な衝撃。思わず叫んでみっともなくゴロゴロと砂浜を転げ回った。
「…すぅーふぅ~。小癪な…!」
立ち上がると同時にストラをして回復。今のは遠距離攻撃・暗黒だ。あの黒いのだけは遠距離から攻撃してくる害悪なのだ。
しかも魔力を伴った一撃なので俺には効果が抜群なのだ。筋肉では防ぎきれないのだよ!
「ボケッとしてんじゃねぇぞ!」
「ギャレオさん。これを持っておいてください!」
刀と投具を駆使して数を減らしてるビジュに怒られ。レシィにジュウユの実を投げ渡され心配されてしまった。
何と不甲斐ない。気合をもう一度入れなおさなければ。4色を殴った結果緑色が明確に柔らかかったのでそれを重点的に蹴散らしていく。
「チッ 俺等じゃ捌き切れん!何体かが船へ向かったぞ!」
「どうすることも出来ん!アイツらに任せるしかない!」
俺たち3人では対処できる数が有限だ。何十体は船へと向かってしまった。
あの球体共ゲームでは瞬間移動だったくせにこちらの現実では僅かに浮いているんだよな。そのせいで水面を渡れるのだ。
浮遊持ちかよクソが!
「頼んだぞジャキーニ!皆!」
「者ども!あの訳の分からん丸っこいのを近づけさせるなぁ!」
同時刻。カイルの船を何とか動かしていたジャキーニたちはギャレオの懸念通り球体達が船に迫ってきている状況だった。
一刻も早く船を島から遠ざけようとしているが球体達の接近の方が早かった。
「弓兵!銃兵!どんどん撃ちまくれ!アイツ等を近づけさせるな!」
「とにかく数を減らせ!近づけさせられたら俺達が相手をする!」
「範囲が広い召喚術で吹き飛ばします!」
甲板いる帝国兵たちはしきりに球体達を減らそうと奮戦している。亡霊達とは違ってあの球体は水面の上でもお構いなく移動してくるのだ。
船に取りつかれてしまったらどうなってしまうのか、考えたくもなかった。
「儂らも海の上では最強じゃと知らしめるんじゃ!者どもぉ!戦争じゃぁあああ!!」
「「「「「ヘイ!船長ぉぉお!!!」」」」」」
負けじと海賊であるジャキーニたちも武器を持ちとにかく球体の数を減らそうと躍起になっていた。
陸の腕はまな板の魚だが海の上でなら水を得た魚なのだ。帝国兵たちに負けるわけにはいかなかった。
「非戦闘員は船の中へ入るんじゃ!オウキーニ!」
ジャキーニは指示を出しつつ副船長であり兄弟であり腹心であるオウキーニを呼び出した。その手にはサーベルが抜き取られている。
「アンさん!ウチの力存分に見せつけますわ!」
「阿保ゥ!お前は船の中へ入って最後の砦になるんじゃ!」
戦闘準備を終え勇ましくやって来たオウキーニにジャキーニは一喝をした。そして弟分の肩を強くつかんだ。
伴侶を見つけ船から降りこれから家庭を持つ男に最後の命令を下す。
「ここは恐らく混戦になる。良ぇかオウキーニ。島のモンらを護れるのはお前じゃ。その拳は最後の時まで取っておけ」
「アンさん…いいえ!いいえ!!今必要なのはここで戦える人ですわ!!」
「んな!?」
真摯な言葉にオウキーニは目を潤せ、そして頭を振ってジャキーニの肩を払いのけた。今までにない弟分の反抗に流石のジャキーニも面食らった。
「船長ォ!敵が取り付いてきやす!」
「この糞忙しいときに!だったらわしらが直接ぶちのめすんじゃ!オウキーニわがままを言うな!!」
手下の悲痛な声にジャキーニは檄を飛ばす。そうこうしている間にも球体は群れを成し遂に甲板までやってき始めた。
「アンさん!ウチはアンさんがこの島から行くまでジャキーニ一家の副船長です!今ここでアンさんの力になるそう決めたんです!」
「そんなもん要らん!あの娘さんとこに行けや!護ってやれや!」
サーベルを抜き放ち球体を一閃。船特有の揺れを利用した海賊ならではの腰の入った一撃で球体を真っ二つにした。続けての横一閃は纏めて2体の球体を消し飛ばした。
「はちょぉぉぉ!!」
オウキーニは籠手を着けた拳を使って怪鳥音を叫びながら球体を轟音を響かせ殴り飛ばしていた。
オウキーニもまた海の漢。船の上の戦い方は船長であるジャキーニ劣らぬ猛者だった。
「そのシアリィはんから言われたんや!義兄の力になって欲しいって!」
口論をしているようだがお互い体を入れ替えながらも球体を切り捨て殴り飛ばし数を減らしていく。その速度は先ほどとは比べられないぐらいに早い。
「…ハッ!弟分の嫁さんは中々にええ女じゃのう!」
「ハイ!ウチが惚れた女の子ですから!」
そこまで言われてしまったのならもうしょうがない。ジャキーニは内心でシアリィに礼を言い気持ちを切り替えた。
島の料理人であるオウキーニではなくジャキーニ一家を陰に日向に支え続けてきた副船長オウキーニを背中合わせにして猛る。
「さぁ気張って行くで兄弟!」
「ハイ!」
サーベルを巧みに使い球体を切り捨てていくジャキーニ。その剛毅溢れる兄の補助に回りながら自分の拳を使い球体を轟音を響かせ撃沈させていくオウキーニ。
「おっちゃんスゲェ…海の上だったら本当に強かったんだ…」
「根っからの海の漢という生き物じゃのぅ」
その奮闘ぶりには流石のスバルも驚きも隠せずミスミもまた感心するものだった。それほど彼らのコンビネーションは他の者達とは違ったのだ。
魂の義兄弟とその兄弟に続く海賊一家。カイル達とはまた違った海賊の矜持を見せつけるジャキーニ一家。
「行くぞぉぉおお!!!」
「「「へい!船長!!」」」
船長と副船長が奮闘するのだからその手下たちもまた船の上では別人のように動きを見せる。
球体達の数は減らないがそれでも今はジャキーニたちが押していた。
「ハッ!これだから海の上は堪らんのじゃぁああ!!!」
「「「船長に続けぇぇえ!!」」」
船の上ならば自分たちが格上。そう誇る様にジャキーニは雄たけびを上げれば手下たちも気炎を上げる。
士気は旺盛これならば持ちこたえれる。そう判断しニヤリと笑ったジャキーニだが続く部下の声に流石に焦った。
「船長!船下から浸水です!!」
「あぁん!?何じゃとぉ!?」
浸水。船のどこからかが損傷したか。そう考え船の外からやって来る球体を睨みつける。アレだ。アレが船に穴をあけたのだ。
「急いでふさぐんじゃ!材料はそこら辺にあるもんを何でも使えば良えじゃろ!」
「ヘイ船長!」
「力仕事なら郷の者達を使うが良い!」
手下の心強い返答に会わせ、ミスミもまた住人たちに手伝うようにサポートを申し付けてくれた。
船に関しては素人ではあるが物を運ぶなどの雑事ぐらいなら大丈夫かと判断。人手は有限な今は出来るだけ戦力を減らしたくなかった。
「頼む!ふっ海賊が堅気の手を借りるとはな…お前ら気張れや!」
「「「ヘイッ船長!!」」」
士気は旺盛。球体はまだまだ健在。船の上ではあちらこちらで戦闘が始まっている。無論ジャキーニだって指示を飛ばしながらサーベルを振り回している。
帝国兵たちは勿論ミスミとスバルの鬼の親子。クノンの迅速な応急処置。フレイズの制空権。
(これなら持ちこたえれる…先生!はよバケモンの長をとっちめて)
どれもが噛み合い持久戦になろうとも戦える。そう思った時だった。
「せ、船長!!アレを見てください!!」
「なんじゃぁああ!!」
どうしてこう油断をしていないのに面倒事の気配はやって来るのか。
手下の叫び声に振り返れば手下は島の砂浜…自分たちがいた方面を指さして驚愕の表情を浮かべていた。
それは帝国兵も仲間達も誰もが一緒だった。無論ジャキーニさえも。
「な、なんじゃありゃ…?」
ギャレオとビジュ、レシィが残ったその砂浜には
赤黒い人型の巨大なオブジェクトが生えてきたからだった。
「つぅ…大丈夫かビジュ!レシィ!」
転げ回って砂まみれになった俺。体を起こして呼んだのは他の2人だ。多分近くには居るんだろうけど…
それは突然起こった。突然に砂浜が爆発したのだ。より正確には何かが生えてきたというのか…とにかく一瞬の事だった。
「……?」
先ほどまでと比べて景色が暗い。何故かと思った時、気配があった。大きなものが小さなものを見る様な覗き込まれているような感触。
「んなっ!?」
そして俺は見上げてそれに気が付いた。赤黒い人型の巨大なオブジェクト。まるで鼓動のように透けた中身が発行する気持ち悪い悍ましさ。
それはこのサモンナイト3のラスボスであり、ここにはいない筈の存在。
「ディエルゴ!?何故貴様がここに!?」
ディエルゴ。核識の間にて待つラスボスであり島の意思そのもの。元はハイネルの意思だろうがほぼ残骸と化しているのでもはや別人。
単純に倒すべき敵だ。それが何故ここに?核識の間から移動なんてできない筈だ。それなのに…
『貴様を見ていた』
「喋った!?」
…喋るのは当たり前か。原作でも世界を代表するものとして先生と交わらない論争をしていたからな。結局その理想を信じるのなら証明してみせよって話になった訳だが。
だが俺を見ていたというのは?見られているのは分かったがその理由が分からない。脅威とみなされていたというのならまぁ納得するが。
『何と悍ましい生き物か…』
「酷い言われようだ」
いきなり現れて早々のディスとか人の心ないんか?ははっ無かったわ。憎悪だけが抽出されている糞みたいなゴミやんけ!
そもそも俺も現れた時にディエルゴをディスってるような?なるほどお互い様か。
『貴様は必ず殺さなければならない』
「世界から直々に殺害予告を受けるとはな。俺が何をしたというんんだ」
会話のような宣戦布告を受けながらもストラで回復し、それとなくビジュとレシィを探す。ディエルゴが出てきた時に俺と同じように吹き飛ばされたのだ。
無事だとは思うが合流を早めなければ…。
『あるべき世界を滅ぼす。あの光を見た時そう確信した。お前は世界滅ぼす破壊者なのだ!』
「…何を言ってるんだ?」
話が通じない奴だとは言ってたが俺のどこが世界を壊すだと?これほどサモンナイトを愛しているこの俺が?言いがかりもここまでくるとカチンとくるものだ。
『貴様は未来を壊すのだ。あるべき未来を!そのような輩見逃すものかぁああ!!』
「ぬっ!?」
ただでさえデカいオブジェクトであるディエルゴの咆哮だ。身に掛かる圧が凄まじい。プレッシャーに怯んでいると頭上から影が差した。
咄嗟の危機感に身を任せ転がれば元居た場所から砂が飛び散った。
「っ!!」
飛び散る砂を腕でふさぎながらそこに落ちてきたものを見て冷や汗を掻く。落ちてきた物は文鎮にそっくりの烙印だ。当たったらさすがに軽傷では済まされない。
『罪人の烙印』
ディエルゴが使う攻撃技の一つ。物理ダメージを喰らうので戦士ユニットにとっては大したことがないが召喚士が喰らうと大ダメージになる技だ。
尤もここはゲームではない。あの勢いで烙印が落ちてきたら流石の俺でも不味い。
…これを繰り出してきたという事は。
「ぬぉぉぉおお!!?」
とても大きい真っ黒い球体が俺の傍で弾け飛んだ。モロに衝撃がもろに当たり無様にも砂浜を転がることになる。
『嘆きの牢獄』
魔力の攻撃でありディエルゴのもう一つの攻撃技であり 俺には効果てきめんの技だ。
弾き飛ばされまたもやみっともなく砂浜を転げ落ちる俺。文鎮なら耐えれるかもしれないががあの黒い球体はどうにも相性が悪い。
(どうする?ディエルゴの攻略は…)
立ち上がりながらもディエルゴの攻略方法を記憶の底から引っ張り出そうとする。確かあのボスはギミックでしか…
ガキィィンン!!
「固ぇ!?どうなってるんだコイツ!?」
「召喚術も駄目ですね。全く効いていません」
その時ディエルゴを攻撃する者達が居た。ビジュとレシィだ。俺とは違って結構な距離を吹き飛ばされたのだろう。2人ともボロボロだった。
刀を振り切ったビジュは切り傷がないディエルゴに舌打ちをし、召喚術が全く効果がないことを確認したレシィは早々に見切りをつけた。
「二人とも無事か!」
「うるせぇ!心配している暇があるなら情報をよこせ!」
話している最中にも襲ってくる球体を切り捨てながら怒られた。この砂浜にいるのは何もディエルゴだけではないのだ。
まだまだ球体共は健在であり今も襲ってきている。
「ディエルゴに攻撃は効かん!奴には2つのコアがある!球体を倒せばそのコアに攻撃が通って奴を倒せる!」
空前絶後のギミックボスの前で弱点のネタバラシである。許せディエルゴお前相手に出し惜しみとかは止めにしたのだ。
しょうがないだろ?今なお俺に対してやたらと強い殺意を持ってくるのだから。
「おいコアって何だ!?それらしいモンんねぇぞ!!」
「あるのはこの大きいのと球体達だけです!!」
「は、はぁ!?」
だがまさかここで肝心要のコアがないという衝撃の事実が発覚した。嘘やろあの奇妙なコアがないとディエルゴ倒せないじゃないか!!
『それだ!その知識だ!誰もが知らぬことを貴様は知っている!それが未来を壊すのだと何故気づかない!?』
「……お前は何だ?」
嘲笑ではなかった。危機感の様な焦りのようなとても余裕がある俺の知っているディエルゴではない。だから思わず聞いた。
俺を消そうとするお前は何だと。
そして奴は叫んだ。
『我が名はディエルゴ!貴様を殺し未来を護る者!』
『貴様を殺す!そのために我は生まれたのだ!』
オリジナル敵を出す。これほど恐ろしい事はない…
今までやらかしているのに今更?と言われればその通りとしか言えませんが。