Q.幼馴染が死んだ。じゃあどうする? 作:刺股
俺の幼馴染が死んだ。
学校への登校中に、トラックが信号無視をし接触した事による人身事故。即死だった。運転手はスマホを操作しながらの運転で気を取られていたらしい。
最初は、その運転手に対し殺意や憎しみを持った。アイツが味わった痛みや苦しみを全部復讐してやろうと思ったのだが、そんな事をしたところでアイツは帰って来ない。
なら、なら!じゃあ俺はどうすれば良い?
今までアイツとずっと一緒にいた。家族は共働きであまり家にいなかったから、下手したら家族よりも長く過ごしていたかもしれない家族同然の存在だ。そんな奴が殺された。
何もしないのが正しいのか?のほほんと何も無かったかのように、全てを忘れ平凡な日常に戻るのが正しいのか?いや、違うだろ。
俺は、もう一度アイツに。ライカに会いたい。会って、好きだってただ一言。それだけが言いたいだけなんだ。
でもアイツはもう……。いや、待てよ?簡単な事だ。
"無いなら作れば良い"。
それだけの事だ、何で俺は気づかなかったんだろう。
『ハハハハハハハハハ、フッフッ。あははハハハははは!!』
口から勝手に笑いが漏れる。
幼馴染が死んだ。じゃあどうする?俺。
「先輩。また研究室に篭っていたんですか?」
『……お前には関係無い』
高校を卒業した俺は理工系学部の機械工学科に所属している。そこで新型のロボットを研究している。と言う名目で研究室を使わせて貰っている。まぁ、嘘は言っていない。少し違うけどな。
「関係無い事は無いでしょう。先輩はもっと私に感謝したほうが良いですよ?この天才な私に」
コイツは、後輩の癖に俺より頭が良く何故か俺が作るこの研究に興味があるらしくいつも首を突っ込んで来る。だがコイツのお陰で研究が進んでると言っても過言じゃないので、あまり強くは言えない。
『感謝はしてるよ。いつもありがとうとは思ってる』
「あれ?先輩デレ期ですか?それとも死ぬんですか?余命何ヶ月ですか?」
『うっぜえな、死なねえよ。アイツを生き返らせるまでは。死ねねえんだよ』
「……先輩。ずっと気になってたんですけど、"アイツ"って誰ですか?もしかして先輩の初恋の人だったりして」
『……』
「え」
『話は終わりだ。さっさと手を動かせ』
頭が良い奴は良いよな、一聞いたら百理解出来るんだから。俺達凡人はその一を理解する為に必死で努力するのにな。
「先輩、今日この後デートしませんか?』
今日の作業がひと段落し、帰りの身支度をしていると後輩がそう声を掛けて来た。
『しない』
「センパーイ……たまには一緒に研究をする者として絆を育んだりしようと思わないんですか?」
『そんな事をしても研究は進まないだろ』
「チッチッチ!先輩は分かってないですね。私達が作るのは、人の心を理解出来て対話も出来てそれを自分で行動する人類史上初の超リアルなAIアンドロイド、いえヒューマノイド。"Raika"ですよ?その為には人の気持ちを理解出来なければ、Raikaへのインプットも出来ません。つまり、これは研究に繋がるのです」
『……』
「……」
『家に帰っても、動画見ながら一人でカップ麺啜るだけだし。たまには良いか』
「やった」
そんな日があっても良いだろう。それにコイツは煩いけど、仕事は出来る。たまには息抜きをしてやらないと困るのはこっちだ。
『あんまり、金は無いぞ』
「そんな高い場所には行きませんよ」
先を歩く後輩を追いかけながら、俺は思う。たまに後輩とアイツが襲って見えるんだ。似た様な性格だからだろう。でも来夏と後輩は違う。別の人間なんだと言い聞かせる。
『Raikaが完成すれば、後輩とはそこでお別れだ』
だから少しばかり、昔みたいにこの時間を純粋に楽しいと思ってもバチは当たらない筈だ。
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