Q.幼馴染が死んだ。じゃあどうする? 作:刺股
『……後輩』
「はい?どうしました先輩」
『お前から見て、今のRaikaはどうだ?』
「私から見て、ですか。難しい事言いますね。うん、そうですね」
少し考えた後、後輩は頷き。再び口を開いた。
「ヒューマノイドとしては完璧だと思いますよ。今の所は、でも」
『「この程度ならRaikaじゃなくても
やっぱりか。特別な物を使ってはいない以上、特出したナニカは無い。当然の事とは言えど仮に研究成果として出すにしては、まだ足りない。人の心を持っているとは言えない。うーむ。
「って、先輩も同じ事思ってたんじゃないですか。何で聞いたんですか?」
『……』
「先輩?」
『何か方法は無いか?このままでは上手く行くとは思えない。ライカにまた会う為にはベスト以上に手を尽くさなければ。最初からまたやり直すか?いや、そうか。根本がおかしかったのか。ライカを再現する為には、ライカの運動データが必要だ。なのに、俺はそれを後輩で代用し、再現していた。同じ女性だし、変わらないだろうと思っていたが、それは違う。ライカと後輩は違うんだ。とは言ってもライカの情報。運動データ、なんてあるのか?もうライカは死んでいるのだから、此処に来て貰う事は出来ない。……いや、方法はある。今までプログラミングデータには俺の思い出を頼りに打ち込んでいたが、それじゃあダメだ。それは俺の記憶であってライカの記憶ではない。ライカが体験した事をRaikaに刷り込ませなければ本物のライカとは言えない。となると、もしかしたらアレがあそこにある。きっと大切な思い出だから捨てようにも捨てられない筈だ。よし』
『後輩』
「はい?」
『ちょっと実家へ行ってくる。作業は俺が居なくても進められるところだけ進めといてくれ。後、今日は恐らくもう帰って来れないと思うから、頼んだ』
「え、待ってください。実家って先輩の実家ですか?それなら、私も先輩のご両親に、いつも先輩がお世話になってますって伝えたいです」
『いや、幼馴染の実家だ。それについて来てもつまんないだろうし。此処で作業を進めてくれ。それじゃまた明日』
「え、ちょっと待ってください先輩?」
言い訳考えないとな。馬鹿正直に娘さんの
『まぁ、電車の中で言い訳は考えるか』
駅のホームで電車を待つ間。高校の頃、ライカとこうやって電車が来るのを待っていたなぁと思い出す。
「ドクターはさ、将来何になりたい?」
『突然だな』
俺の名前は、
「だって私達、もうすぐ大人だよ?いやでも社会に放り込まれるんだから、ちゃんと将来の事は考えないと」
『まさかライカに正論を言われるとは。そういうライカは考えてるのか?』
「あったりまえじゃん!私はね〜総理大臣!」
『は?』
何言ってんだコイツ。
「小学生みたいだな」
思わず出た言葉に対して、何故かライカは自慢げに答える。
『私はいつまでも初心を忘れないんだよ!』
「それは初心なのか?」
そんなくだらないやり取りを俺達は毎日の様に繰り返していた。ずっとは続かないと分かっていたけど。まさかあんな事が起きるとは思わなかった。
アナウンスの後、電車がやって来る。その音に懐かしさを覚えながら俺は電車に乗った。実家にもついでに顔を出すかな。