Q.幼馴染が死んだ。じゃあどうする?   作:刺股

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A.作る。【2】

 

『……後輩』

 

「はい?どうしました先輩」

 

『お前から見て、今のRaikaはどうだ?』

 

「私から見て、ですか。難しい事言いますね。うん、そうですね」

 

少し考えた後、後輩は頷き。再び口を開いた。

 

「ヒューマノイドとしては完璧だと思いますよ。今の所は、でも」

 

『「この程度ならRaikaじゃなくても良い(構わない)とは思いますね」』

 

やっぱりか。特別な物を使ってはいない以上、特出したナニカは無い。当然の事とは言えど仮に研究成果として出すにしては、まだ足りない。人の心を持っているとは言えない。うーむ。

 

「って、先輩も同じ事思ってたんじゃないですか。何で聞いたんですか?」

 

『……』

 

「先輩?」

 

何か方法は無いか?このままでは上手く行くとは思えない。ライカにまた会う為にはベスト以上に手を尽くさなければ。最初からまたやり直すか?いや、そうか。根本がおかしかったのか。ライカを再現する為には、ライカの運動データが必要だ。なのに、俺はそれを後輩で代用し、再現していた。同じ女性だし、変わらないだろうと思っていたが、それは違う。ライカと後輩は違うんだ。とは言ってもライカの情報。運動データ、なんてあるのか?もうライカは死んでいるのだから、此処に来て貰う事は出来ない。……いや、方法はある。今までプログラミングデータには俺の思い出を頼りに打ち込んでいたが、それじゃあダメだ。それは俺の記憶であってライカの記憶ではない。ライカが体験した事をRaikaに刷り込ませなければ本物のライカとは言えない。となると、もしかしたらアレがあそこにある。きっと大切な思い出だから捨てようにも捨てられない筈だ。よし

 

『後輩』

 

「はい?」

 

『ちょっと実家へ行ってくる。作業は俺が居なくても進められるところだけ進めといてくれ。後、今日は恐らくもう帰って来れないと思うから、頼んだ』

 

「え、待ってください。実家って先輩の実家ですか?それなら、私も先輩のご両親に、いつも先輩がお世話になってますって伝えたいです」

 

『いや、幼馴染の実家だ。それについて来てもつまんないだろうし。此処で作業を進めてくれ。それじゃまた明日』

 

「え、ちょっと待ってください先輩?」

 

言い訳考えないとな。馬鹿正直に娘さんのヒューマノイド(ロボット)作りたいんで、娘さんが載っているアルバムや動画片っ端から全部下さいなんて言える訳無いからな。

 

『まぁ、電車の中で言い訳は考えるか』

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

駅のホームで電車を待つ間。高校の頃、ライカとこうやって電車が来るのを待っていたなぁと思い出す。

 

 

 

 

「ドクターはさ、将来何になりたい?」

 

『突然だな』

 

俺の名前は、石井得太(いしいとくた)だったから。ドクタードクターって、良く周りからそう呼ばれていたっけ。そんな事をふと思い出した。

 

「だって私達、もうすぐ大人だよ?いやでも社会に放り込まれるんだから、ちゃんと将来の事は考えないと」

 

『まさかライカに正論を言われるとは。そういうライカは考えてるのか?』

 

「あったりまえじゃん!私はね〜総理大臣!」

 

『は?』

 

何言ってんだコイツ。

 

「小学生みたいだな」

 

思わず出た言葉に対して、何故かライカは自慢げに答える。

 

『私はいつまでも初心を忘れないんだよ!』

 

「それは初心なのか?」

 

そんなくだらないやり取りを俺達は毎日の様に繰り返していた。ずっとは続かないと分かっていたけど。まさかあんな事が起きるとは思わなかった。

 

アナウンスの後、電車がやって来る。その音に懐かしさを覚えながら俺は電車に乗った。実家にもついでに顔を出すかな。

 

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