我は邪王真眼の使い手、めぐみん!   作:桃玉

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27-2 激戦の…戦闘民族(クリムゾン・デーモン)

冒険者ギルドの入り口が吹き飛び、土煙が舞う中。

そのただならぬ気配と巨体に、ギルド内の全員が息を呑み、武器を構えたまま硬直していた。

 

「はぁ、はぁ……も、もう歩けません……重い、重すぎます……! なぜ、誇り高き大悪魔である私が、このような大量の荷物を……っ! というか、どう見ても私よりソッチの方がこの荷物を持つ係なのに、どうして偉大な主様の妹君を運ぶ係を仰せつかっているのだ!」

 

それは、観光地で買い込んだとしか思えない大量の紙袋をゼェゼェと死にそうな顔で息を切らしながら持っている、グラマラスな女の悪魔の色欲に魅入ってしまったからか――

 

「我慢しろアーネス。俺も、首筋の毛を引っ張られて痛ぇんだ……。だが、なんだろうな。こいつを頭に乗せていると、どうにも妙な居心地がいいというか、何だかなぁ……悪くない気がしてきやがった……」

 

それとも、その横に立つ、見上げるほど巨大な漆黒の悪魔に対する本能的な恐怖か――

あるいは、その巨大な悪魔の頭の上から飛び降りた、偉そうにふんぞり返って跨っている『人質』を見て呆然としたか。

 

「……お腹すいた。何か食べたい」

 

漆黒の悪魔の頭の上から飛び降りた幼女は、周囲の様子など全く意に介さない様子でつぶやいた。

その幼女の見覚えのある……いや、ありすぎる顔。

黒髪のおかっぱ頭に、ボロボロの黒いローブ。

 

「あら、なんかちっちゃいめぐみんがいるんですけど。お腹すいたの? 飴ちゃんいる?」

「わーい! ありがとう、青髪のお姉ちゃん! もしかしてお姉ちゃんと知り合い?」

 

悪魔から難なく脱出した……というか、そもそも最初から人質じゃなかったかのように涙すら見せない幼女は、アクアから受け取った飴を無邪気に舐め始めた。

めぐみんにそっくりなその子は、巨大な悪魔を完全に『乗り物』として扱っている。

上級悪魔だって聞いていたはずの悪魔二体が、どう見てもこの幼女に完全に使役されているという光景を見て、誰もが武器を構えたまま、ポカンと口を開けてその光景を見上げていた。

 

そんな混乱の最中。

ゆんゆんの制止を振り払って最前線に出てきためぐみんが、さも平然とした、しかし微かに震える声を出した。

 

「こめっこ……?」

「あっ、ねーちゃん! あそびにきたよ!」

「おい、めぐみん。説明しろ。お前の妹が、なんで上級悪魔をアゴで使ってんだ」

 

無邪気に手を振るのは我がパーティーの魔法使いの妹だった。

俺の問いかけに、めぐみんの代わりにこめっこが、飴を舐めながら胸を張った。

 

「こいつらは、私のでっけえ使い魔!」

「つ、使い魔……? 上位の悪魔を使い魔にするなど、なんという恐ろしい才能……さすがは紅魔族だ」

「真に受けないでくださいよダクネス。本当は私の使い魔なのです」

 

そういうのはめぐみん。

 

「私がいない間、今はこめっこのお守りを任せてたんです。害はありませんよ」

「つまりなんだ、こいつらはお前の使い魔で、俺たちを襲うことはないってことか?」

「ええ。まあ、我が邪王真眼の力が暴走したりすれば、話はまた別ですがね!」

「皆さん大丈夫です、この悪魔たちは危害を加えないですから」

「ちょ、ゆんゆん! 何を勝手に話を進めているのですか! 今は私が邪王真眼の設定について話しているところでしょうに!」

「邪眼疼くみたいな、心配させるようなこと言わないでよ。本気にしちゃうじゃない」

 

心配げな顔でゆんゆんがそう言った直後だった。

ギルドの吹き飛んだ入り口から、よたよたと、幽霊のような足取りでもう一人の人物が入ってきた。

 

「待って、こめっこちゃん……。テレポートしてすぐに、置いていかないでぇ……っ。せめて私のこともつれて飛んでよ……」

「あっ、ねーちゃんの使い魔その一のこと忘れてた」

 

その声は、見慣れた紅魔族の制服を着た少女――

ねりまきが、壁に手をつきながら青ざめた顔でへばっていた。

どうやら、こめっこと悪魔二体を連れてアクセルまでテレポートしてきたのは彼女らしい。

 

「なるほど、ねりまきが保護者代わりでついてきたのか。それなら合点がいく……わけねえだろ! なんで悪魔ごとテレポートしてきてんだよ!」

 

俺の叫び声が、ただでさえ混乱の極みにあるギルドに虚しく響き渡った。

 

 

 

 

 

 

ギルドでの鼓膜が破れそうなほどの大騒動から数十分後。

場所を俺たちの屋敷に移すと、ようやく落ち着きを取り戻した。

 

「ぷはーっ!」

 

広いリビングのソファーのど真ん中で、こめっこは両手で持ったティーカップを一気に飲み干した。

その両脇では、アクアとダクネスが、甲斐甲斐しくこめっこの世話を焼いている。

 

「ほら、こめっこちゃん。こっちのクッキーも美味しいわよ。いっぱいお食べなさい」

「食べる!」

「おお、いい食べっぷりだな。もっと食べるといい。子供はたくさん食べて大きくならねばな。ふふっ、この柔らかな頬っぺた……たまらんな。これも食べるといい。実家からもらってきたケーキだ」

「わーい! 水色のおねーちゃん、金髪のおねーちゃん、ありがとう! んっ、んっ、これ美味しい! これもらっていい?」

「ああ、好きなだけ食べるといい!」

「やたーっ!」

 

完全に孫を甘やかすお婆ちゃんのような状態になっている二人。

めぐみんはリビングで大きなため息をついた。

 

「二人とも、あまり私の妹を甘やかしすぎないでくださいよ。こめっこ、さすがに少しは遠慮して食べるのですよ?」

「わかった! モグモグ……」

 

全く遠慮する気配のない妹を横目に、めぐみんはこめかみを押さえた。

そして、ソファーの向かい側に座るねりまきへと視線を向けた。

 

「……ねりまき。順を追って説明してもらいましょうか。それから、そこのアーネスとホーストにも」

 

めぐみんの視線の先。

広々としたリビングの隅っこで、壁に同化するように正座している二つの巨大な影があった。

恐縮しきった様子で、空になった湯呑みを両手で差し出すアーネス。

その横では、天井に角がつっかえそうになりながら、身を縮こまらせる漆黒の巨大悪魔、ホーストが、涙目でこちらを見ていた。

 

「あの、我が主よ……お茶のおかわりをいただいてもよろしいでしょうか……? 重労働で喉が渇いておりまして」

「それはいいですが、悪魔があの程度の荷物ごときでへばるわけないでしょう? 少し大げさなんじゃないですか?」

「いえ、その……荷物が重いだけではないのです……! 主様の父君が、ことあるごとに私に『これを装備すればもっとカッコよくなるぞ!』と、謎の魔道具を押し付けてきて、ここ最近は寝る間もなくて――」

「あーっ、聞こえません! 父の奇行については事情は深く聞きませんので、とりあえずゆっくり休んでください!」

 

アーネスのやつれた顔を見て、めぐみんは視線をそらした。

そんな中、ホーストが巨大な体をさらに丸めながらぼやいた。

 

「しっかし、人間のすみかはどこもかしこも狭くて休まらねえな……なんでこんな狭い部屋で正座なんかさせられなきゃならねえんですか。それに、さっきからあのおっかない青髪のプリーストの姉ちゃんが、殺意満々でこっちを睨み付けてくるんだが……」

 

ホーストの言う通り、少し離れた場所から、アクアが両手に塩を握りしめ、いつでも投げつけられるようにギリギリと歯を食いしばっていた。

 

「ホースト、我慢してください。ここが私の活動拠点なのですから。それに、文句を言うなら外で野宿してもらいますよ? ……それと、アクアに関しては、後で事情を話せば意外とわかるので安心してください」

「わかるわけないでしょ! 私としては悪魔なんて絶対に見逃せないんですけど!」

 

アクアがバンッとテーブルを叩いて立ち上がった。

 

「大体、使い魔だっていうんだったら、ドラゴンとかグリフォンとか、かっこいい魔獣にしなさいよ! どうしてよりによって悪魔なのよ! 今すぐ退魔魔法で消し炭にしてあげるわ!」

「おい馬鹿やめろ! こいつらはあくまでめぐみんの身内だ。この屋敷で変なことするんじゃないぞ!」

「カズマは甘いのよ! 変なことしたら、私がすぐに退魔魔法で消し去ってあげるから覚悟しなさい!」

 

俺は暴走しそうなアクアの首根っこを掴み、警戒して目を光らせた。

めぐみんはやれやれと肩をすくめ、クッキーを頬張ってリスのように頬を膨らませているこめっこに向き直った。

 

「それで、こめっこ。今日はどうしてわざわざアクセルまで来たのですか? もしかして……私がいなくて寂しかったのですか?」

「ううん、違うよ。さびしんぼはねーちゃんでしょ?」

「なっ……!?」

 

めぐみんが、少し照れたように、期待に満ちた眼差しで妹を見つたが、こめっこはクッキーを飲み込むと、あっさりと首を横に振った。

予想外のカウンターを食らい、目に見えて落ち込むめぐみん。

すかさず、隣で話を聞いていたゆんゆんが、不思議そうに問いかけた。

 

「……じゃあ、こめっこちゃんはどうして来たの? というかねりまきも一緒だったし……まさか、私に会いに!?」

「いやいや、それはないですよ」

 

めぐみんが即座に否定する。

 

「わかってるわよ。めぐみんが違うのに、私になんか会いに来るわけ……」

「実はそうだったりして」

 

ゆんゆんが自嘲気味に笑いかけたところに、ねりまきが横から爆弾を投下した。

この世の終わりのような絶望的な表情でこめっこを見ためぐみん。

こめっこはごくんとお茶を飲み込んで元気よく。

 

「うん! ゆんゆんに用事があったの。ねーちゃんはそのついで!」

「うそっ!? まさかこめっこちゃんが、めぐみんじゃなくて私に会いに来てくれたっていうの!?」

「そ、そんな嘘ですよね!? はるばるアクセルの街に来てくれた理由が、まさか実の姉以外に会いに来たとでもいうのですか!?」

「うん!」

 

めぐみんの悲痛な叫びに、無慈悲な頷き。

ソファーに崩れ落ち、完全に絶望に打ちひしがれためぐみんをよそに、こめっこは口の周りについたクッキーの粉をペロリと舐めとった。

 

「ふふっ……めぐみん、元気出して。こめっこちゃんが私のことを慕ってくれるのは嬉しいけど、めぐみんのこともちゃんと慕ってくれてるわよ。ただの照れ隠しよきっと」

「ゆんゆん、表に出なさい、決闘です!」

「な、なんでそうなるのよ!」

 

フォローを入れたつもりのゆんゆんに、めぐみんが本気で殴りかかろうとする。

俺は二人の不毛な争いを手で制し、ねりまきの方を向いた。

 

「それで、ゆんゆんにはどんな用事なんだよ。まさか本当に、ただ会いに来たわけじゃないよな?」

「カズマさん酷い!? 私だってたまには純粋に会いに来てもらえることくらい……!」

「いやだって、お前ぼっちだし……」

「ううっ……否定しきれないのが辛い……」

「実は、ゆんゆんのお父さん……族長さんから、ゆんゆん宛てに手紙を預かってきててね」

「お父様から? 私に……?」

 

涙目になるゆんゆんを放置して、ねりまきが懐から一通の封筒を取り出した。

ねりまきは勿体ぶって封筒を開け、仰々しく咳払いをした。

 

「えー、では私が読ませていただきます。コホン。……『里の占い師が、魔王軍の襲撃による、里の壊滅という絶望の未来を視た日。その占い師は、同時に希望の光も視ることになる。紅魔族唯一の生き残りであるゆんゆんは……』」

「紅魔族唯一の生き残りとは!? 一体私の身に何が!? というかねりまきやこめっこも生き延びているのに、どういうことですか!?」

「黙っててめぐみん。ちょっとまだ始まったばっかりだから」

 

すかさずめぐみんが激しいツッコミを入れる。

俺も嫌な予感しかしない。

 

「『ゆんゆんは、いつの日か魔王を討つことを胸に秘め、修行に励んだ。そんな彼女は駆け出し冒険者の街で、ある男と出会うことになる。頼りなく、それでいて何の力もないその男こそが、彼女の伴侶となる相手であった』」

「ということは、カ、カズマさんと結婚!?」

「待てコラ。俺が頼りなく、それでいて何の力もなく、ヒモ同然の働かない男だっていいたいのか? 喧嘩なら買うぞ?」

 

顔を真っ赤にしてパニックになったゆんゆんに、俺は青筋を立てて反撃の姿勢をとった。

それにしてもなんだこの失礼極まりない手紙は。

というか俺がヒモ同然って……これでも魔王軍幹部を何人も葬ってきた英雄なんだが?

まったく、ゆんゆんは俺のことをどう思ってるのか。

そう思っている間にも、ねりまきは俺たちの反応を無視して、朗々とした声で読み進める。

 

「『ヒモ同然の働かない男。それを甲斐甲斐しく養うゆんゆん。修行に明け暮れていたゆんゆんにとって、それは貧乏ながらも、楽しく幸せな日々だった。やがて月日は流れ。紅魔族の生き残りと、その男の間に生まれた子供はいつしか少年と呼べる年になっていた。その少年は冒険者だった父の後を継ぎ、旅に出ることとなる。だが少年は知らない。彼こそが一族の敵である魔王を倒す者であることを』」

「えっ、俺たちの子供が魔王を倒すのか!?」

「さっきまで私とカズマさんが結婚するなんてあり得ないみたいな話してなかった!?」

 

それはそれ、これはこれだ。

俺が怒ってたのはヒモ同然だの言われてたことに対してて、ゆんゆんとそういう関係になるのが嫌といったわけではない。

まあ、このパーティの中だと一番ましなだけだが。

そう思っていながら話の続きを聞こうと耳を傾けていると――

 

「……『追伸。郵便代が高いので、族長に頼んで同封させてもらいました。二章ができたらまた送ります。紅魔族英雄伝 第一章 著者:あるえ』……だって」

「……手紙じゃなくてただの同人小説じゃないですか」

「その手紙、破いていいか?」

「どうぞ」

 

めぐみんの許可を得て、俺は紙切れを破り捨てた。

 

 

 

 

「まあ、そういうわけで。実は今、魔王軍の幹部が里を襲撃しに来ててね」

「いや、今の文章のどこにもそんなこと書いてなかったぞ!? 大丈夫なのか!? 魔王軍の幹部だぞ!?」

「ああ! すぐに応援に向かわねば! 紅魔の里が滅んで――!」

 

あまりにもサラッと告げられた事実に息を呑む俺とダクネス。

顔面蒼白になっているのに、ねりまきはケラケラと笑って手を振った。

 

「大丈夫大丈夫! 私たちをなんだと思ってるの、カズマさん。これでも戦闘民族で有名な紅魔族だよ? そんな人たちばっかりいる紅魔の里に真っ向から襲撃をかけるなんて、魔王軍も私たちをなめられたものだよ」

「えっ、あ、そうか……」

 

よく考えれば、あそこは頭のネジが外れた上級魔法使いの集落だった。

ねりまきの言葉を聞いて安心していると。

 

「それから、これから売られた喧嘩を買いに、魔王軍の幹部を全員でボコしにいくんだって。『ゆんゆんも次期族長として経験を積むために帰ってきなさい』って、族長さんからの招集命令だよ」

「えっ、さすがに急すぎないかしら? そんなに急に言われても……」

「ちょ、ちょっと待ってください! 私は!? 紅魔族随一の天才である私は、どうして招集されないのですか!?」

 

自分だけお呼びでないことに、めぐみんが身を乗り出して抗議する。

ねりまきは困ったように眉を下げた。

 

「そりゃ、めぐみんは爆裂魔法しか使えないからだよ。みんなで魔法を撃ち合って楽しんでるのに、めぐみんが爆裂魔法を撃ったら、的が一瞬で吹き飛んでお祭りが終わっちゃうでしょ?」

「なんという理不尽な理由ですか! 魔王軍を倒すのが目的なら、一撃で終わらせた方がいいに決まっているでしょう!」

 

めぐみんが地団駄を踏んで悔しがるが、ねりまきは聞いていない。

 

「それに里は今、大変なことになってるのでしょう!? こめっこをこっちによこしたということはかなりの惨事なはず……」

「そりゃ火の海だからこめっこちゃんは避難させないとだけど――」

「なっ……火の海!?」

 

その一言に、俺とダクネスは再び息を呑んだ。

いくら紅魔族でも、火の海になるほどの被害が出ているならただ事ではない。

しかし、めぐみんやゆんゆんは全く慌てる様子がなかった。

 

「どれくらい焼けましたか?」

「八割方だね。まあ、原因は魔王の娘とキメラの幹部の部屋が見える展望台が――」

「やっぱりそうでしたか。それに加えて、鎮火を怠ったのでしょう? 戦いに没頭しすぎるがあまり里中の火を消し忘れたり、演出だっていって自分の家を燃やしたり、いろいろしてる様子が目に浮かびますよ。ガーゴイル盆栽の討伐の際に、校長先生たちがクリムゾンレーザーでねりまきの家を全焼させたのはいい思い出ですね」

「いい思い出じゃないよ!? でもまあ、里が燃えるなんてしょっちゅうだったしね……」

「ええ。まあ彼らのことですから、火災にもなれて復興に数日もいらないでしょう」

「めぐみんのせいで今まで何度も飛び火しまくってたのに、よくも偉そうなこと言えるわよね……」

 

紅魔族の異常な日常会話に、俺とダクネスは完全に置いてけぼりにされていた。

俺たちが絶句しているのに、こめっこはケロッとした顔で続きを語った。

 

「魔王軍たちがいっぱい来たから、里のおじちゃんとおばちゃんたちが『新しい魔法の試し撃ちの的が来たぞー!』って、みんなでドカドカ魔法を撃ちまくってたの! 夜でもお昼みたいに明るくて、毎日お祭り騒ぎ。……でも、夜寝る時もうるさい。迷惑!」

「えっと……それは、つまり?」

「お父ちゃんがね、『こめっこ、ここは戦場になるから、お姉ちゃんのところに避難しなさい。ついでに仕送りをもらってきなさい』って言って、このゴブリンたちに荷物を持たせて送り出してくれたの!」

「私はそれを見て、ちょうどゆんゆんに手紙も届けなきゃいけなかったから、一緒にテレポートしてこめっこちゃんたちをアクセルの街に連れてきたって訳」

「「…………」」

 

リビングに、冷たい沈黙が降りた。

俺はゆっくりと首を回し、壁際で小さくなっている悪魔二体を見た。

アーネスとホーストは、その通りだと、人間くさく頷いた。

こめっこや他の紅魔族に散々振り回されたからか、非常に疲れ果てていた。

 

「なるほど。つまり、里はいつも通りってことですね。安心しました」

「めぐみん、お前それ、少しは自分の故郷の異常性を自覚しろよ……。だんだん魔王軍の幹部が可哀想に見えてきたぞ」

 

俺は額に手を当てて深くため息をついた。

とりあえず、紅魔の里が滅びる心配はないらしい。

むしろ、無謀にもあのイカれた村に喧嘩を売ってしまった、魔王軍の被害状況の方がよっぽど心配なレベルだった。

最近忙しいので投稿頻度が減りそうです。原作小説1巻分を1章として、どこまで書こうかという…

  • 第6章(現在の章)
  • 第7章
  • 第8章
  • リメイクしてテンポよく進める
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