我は邪王真眼の使い手、めぐみん!   作:桃玉

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前回のあらすじ
魔王軍幹部がアクセルの街にやってきた。
その理由を聞くと、めぐみんの爆裂魔法がうるさいのが原因らしい。
安眠を妨害されて激オコの幹部だったのだが、なんやかんやあって俺たちは幹部を撃退することに成功したのだった。


5-1 湖の…碧鱗鰐(ブルーアリゲーター)

初心者の街なのに死傷者を出さず大物を撃退したという前代未聞の事件。

ギルドでは浮かれた冒険者たちが勝利の美酒(?)に酔いしれていた。

こうして俺たちは無事平穏を取り戻すことができ……

 

「んなわけないだろ!」

「どーしたのよかじゅましゃん、カリカリしちゃってぇ……お酒足りてないんじゃないの? ほらほらぁ、わらしがお酌してあげるんだから機嫌良くなんさいな。ほら、キューっといっちゃいなしゃい!」

「あ、こりゃどうも…………じゃ、ねえんだよ! お前、この緊急事態に酒飲まそうとするなよ! というかお前も飲むのやめろよ!」

「あーっ! それわらしのシュワシュワーっ! ねえ、そんな意地悪しないで返してよぉー!」

 

駄目だこの女神、酒を飲むこと以外何も考えちゃいない!

いっそのこと他の冒険者たちに預けて、アクア抜きで話した方がいいのかもしれない。

そんなことを思ってため息をついていると、頭にはてなを浮かべためぐみんが。

 

「それで、一体何が緊急事態だというのですか? もしベルディアの件を言っているのであれば一件落着したでしょうに」

「何が一件落着だ! 何も片付いてないわ!」

「ですが『もう二度と爆裂魔法を打ち込むな!』と言って逃げていったのですよ? 私の魔法と胆力に恐れをなして逃げ…………はっ! も、もしかして!」

「気づいたか! そうだ、言ってみろ!」

「カズマは魔王軍幹部を討伐しようと考えているのですね!」

「違うわッ! 何で俺がわざわざ危険な目に遭いに行かなきゃならないんだよ! 俺のこと殺す気か!?」

「ええっっ!?」

 

何でそんなに驚くんだよ。

普通に考えてレベル6の冒険者が魔王軍幹部を討伐しようって発想にはならんだろ!

ゲームじゃないんだし頭狂って…………って、頭がおかしいのはもともとか、かわいそうに。

哀れな頭を持つロリっ子魔法使いを見て涙を流していると。

 

「べ、弁明させてください! 私はただ今日のベルディアを見て、ギリギリ倒せなくもないと思ってですね……。だって見ましたか、あのボロボロの鎧を! あれは我が爆裂魔法で負った傷、堅牢な城に引きこもっていても防げなかったのです! もしベルディアを城の外に誘導できたら我が爆裂魔法で一撃でしょう!」

「却下だ却下、ド却下だ! 大体、ベルディアを撤退に追い込んだからって浮かれる気持ちはわかるが、今回アイツが逃げたのはゆんゆんの殺害予告がガチで怖かったからだぞ!」

「ちょ、ちょっと待ってくださいカズマさん! 私は別に殺害予告をしたんじゃなくて、あのアンデッドの人を仲間がいる場所に還してあげようとしただけで――」

「とにかく、俺が言いたいのはゆんゆんが恐怖でベルディアを追っ払ってくれたが、その恐怖がなくなったとき、またアイツ襲来する可能性があるってことだ」

 

そう、今回はゆんゆんの方が怖かったが、元々ベルディアは恐怖の象徴魔王軍幹部。

最前線で戦っている冒険者や転生者が勝てないほどの実力者なのだ。

アクセルの街で燻っている俺たちが普通に戦ったら勝ち目なんてあるはずもない。

ゆんゆんが与えた恐怖が薄れたら、ベルディアはその事実に気づくはずだ。

「どうして自分はあんな初心者の街にいる魔法使いごときを恐れてしまったのだろう……殺そうと思えばいつでも殺せるのに」と気づいてしまうはずだ。

 

「し、しかし爆裂魔法をもう使わなければデュラハンも近所迷惑だとクレームを言いに来ないのでは……」

「できないこと言ったら駄目よめぐみん」

「おい、私を我慢できない子だというのはやめてもらおうか!」

「ああっ、叩かないでぇ! だってめぐみんは天才なのに9割以上爆裂魔法に脳みそのリソース割いてるじゃない! そうじゃなくてもいくら我慢したって1週間は持たないわ!」

 

ゆんゆんが褒めてるようで結構辛辣なことを言っているぞ……

でも確かに今までのめぐみんを見てきた感じ爆裂魔法を我慢できるわけない、不可能だと断言してもいい。

だってたった1発爆裂魔法を撃つためだけに毎日1時間以上の散歩。

それを飽きることなく毎日だぞ。

……ってちょっと待て。

 

「ってことはもしかして、これからも爆裂魔法を撃つのか?」

「まあ、場所を変えようとは思ってますが、これからも毎日欠かさず撃ち続けますよ?」

「いやこんなことがあったんだから自粛しろよ! それに場所を変えたところで爆裂魔法の爆発音は死ぬほど大きいんだ、多少場所を変える程度じゃ意味ないんだからな!」

 

あんなに街から離れても普通に爆発音が聞こえてくるらしいし、本当に爆裂魔法って騒音魔法に改名した方がいい気がする。

暴走族を珍走団って名称に改名したらそういう輩が減ったって聞いたことあるし、爆裂魔法もそうした方がいい。

 

「とにかく、爆裂魔法撃つにしてもあの城からかなり離れた場所でだ。わかったな」

「……善処します」

 

歯切れ悪い言い方をするめぐみん。

不安だなぁ……

 

 

 

「……あれっ、私の台詞は!?」 Byダクネス

 

 

 

あれから三日。

めぐみんの爆裂魔法の音も聞こえないし、随分と平和な毎日に満足している。

結局俺が恐れていたベルディアの再来も今のところないし。

今日もやることがないのでゆっくりと起床し、ギルドで昼飯に近いが、朝飯を食べていると。

 

「「「クエストを請けましょう!」」」

「……めんどいからパスで」

 

いきなりそんなことを言うめぐみんとアクア、それからゆんゆん。

俺は適当に返事して食事に戻ろうとして……

 

「ねえお願いよ、もうコロッケ売りのバイトは嫌なの! コロッケが売れ残ると店長が怒るの!」

「うわっ、肩揺らすなよ! 危うく咽せるところだったぞ! それに、めぐみんとゆんゆんもクエスト行きたいって言ってるんだ、俺除いて三人で仲良く行ってくればいいだろ」

「だってだって! めぐみんは爆裂魔法しかつかえないから頼りにならないし、ゆんゆんは私の支援魔法がなくても戦えるから私がいない方がむしろいいんだもの! ちょうど頼りなさそうで頼れそうな境界にいるカズマさんも来てほしいんですけど!」

「おい」

 

アクアの言葉にツッコミを入れる俺。

頼りなさそうで頼れそうな境界にいるって何だよ、バカにしてるのか!

クエストに行きたいって言うんだったらせめてちゃんとした理由をもってこい!

そう思ってアクアに拳骨しようとしたのだが……

 

「あれ? いつもならこう言うときめぐみんもアクアに掴みかかるはずなのに……調子悪いのか?」

「ええ……爆裂魔法を撃てないせいで調子がすこぶる悪いです」

「いや、体調悪いんだったら休めよ! ……クエストなんて行かずに部屋でゆっくりしてた方がいいんじゃないのか?」

 

めぐみんの顔色を見ると、いつもより白っぽくて確かに悪そうだ。

この前毎日爆裂魔法を撃たないと死んでしまうとか抜かしてたが、本当に爆裂魔法を毎日使わないと体調悪くなるとは……

タバコのニコチンが切れてイライラしたりするってのは聞いたことあるが、これもそれに似た依存症患者の禁断症状の一種なのだろうか。

そう思っているとゆんゆんが。

 

「カズマさん。実は前にも爆裂魔法を使わずにいたらこうなったことがあって……そろそろ本当に我慢の限界みたいなんです。クエストで爆裂魔法撃たせるか、それかどこか爆裂していい場所探してあげてくれませんか?」

「……爆裂魔法依存症に付ける薬はないのか?」

「その爆裂魔法依存症っていうのはわからないんですけど、一回めぐみんの症状をなんとかできないか学園の図書室で探してみたことあって。でも残念ながら……」

 

探したことあるのか。

というか学園時代からめぐみんってこんななのかよ。

ゆんゆんは想像以上に苦労してたんだなと思っているとダクネスが。

 

「そう渋らず付き合ってやればいいではないか。クエストの動機はともかくとして、討伐クエストは街のためにもなる」

「……はぁ、わかった。面倒くさいけど行くかぁ」

「私もそろそろクエストに行きたかったしそうこなくては! 先日の魔王軍幹部襲来の件もあり、悶々とした日々を過ごしていたが、ようやく発散できる! 手応えのあるクエストだ、強敵と戦えるようなクエストに行こう!」

 

久しぶりにまともなことを言い出したと思ったらやっぱこんなもん。

少しダクネスの言葉に感動していた俺の心を返してほしい。

 

「強敵の激しい攻撃を!」

「お金になるクエストを!」

「爆裂魔法を撃てれば何でも!」

「なんでこんなにまとまりがないんだこのパーティーは……」

「えっと、私は……えっと……!」

「ゆんゆんは無理すんな」

 

 

 

このすば

 

 

 

さて、そんなこんなで俺たちは汚れた湖の浄化クエストを受けることになった。

他のクエストもあったが、大体は魔王軍幹部がいる城の方だからな。

そうなると面倒くさいことが起きる気がするから今回はこのクエストにしたってわけだ。

 

なお、湖に住んでいる魔物から身を守るために檻の中からアクアが浄化する手はずとなってる。

アクアのお金を稼ぎつつ、めぐみんに爆裂してもらうという完璧な作戦だ。

今はその湖に向かう道中なのだが……

 

「なあカズマ、今回のクエストは確かにめぐみんとアクアの要望を叶えられるクエストだろう」

「だろ?」

「しかし、しかしだ。その、忘れてるだけかもしれないのだが、私の要望が含まれていない気が……ま、まあ、この荷車を引くのはなかなか筋肉に負荷がかかる感じがあって悪くはないが」

「お前はそのまま馬車馬みたいに働いてろよ」

「ひゃ、ひゃい……!」

 

……もうこいつは何しても、なんなら放置しても喜ぶ気がする。

俺としては適当に返事しただけだったのに。

檻を引いてくれてるダクネスの隣でそんなやりとりをしていると後ろの方から。

 

「私、今からドナドナされる仔牛の気分なんですけど……」

「……なあアクア、そんなこと言うんだったら今から檻の中に入っておかなくてもいいんじゃないか?」

「イヤよ、今から檻の外に出るのもメンドくさいし、何より私が現場に到着するまでに疲れて仕事になんなかったら困るじゃない。ほら、カズマもダクネスと一緒に頑張って!」

 

アクアめ、ラクしたくて俺とダクネスに檻ごと運ばせるなよ!

というか、お前のためにこのクエストを選んだんだから一番頑張れよ!

そう思っていると同じく後方から。

 

「せめて支援魔法でもかけてあげたらどうですか? きっと早く着きますよ?」

「そう? めぐみんが言うんだったらちょっとくらいサービスしても――」

「お構いなく」

「――今なんて?」

「お構いなく。支援魔法があると筋トレの効果が半減だからな。むしろカズマも後ろに乗ってくれ。ゆんゆんもだ。で、できれば後ろの方からコレでビシバシしてくれると……」

 

そう言って俺に渡してきたのは……

 

「お前、なんでムチなんて持ってんの? もしかして常備してるの?」

「い、いや、たまたま……」

「たまたまって何だよ!?」

 

正直、過去一でドン引きした。

もちろんドMはいろいろな意味で興奮してた。

ストーリー進行の早さどうですか?

  • もっとはやく(伏線など要所に絞って書く)
  • ちょいはやく(アニメ各話ごとに~1万字)
  • 今で丁度いい(アニメ各話ごとに2万字)
  • もっと深掘り(アニメ各話ごとに2万字~)
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