湖に着いた後、ダクネスに檻をアクアごと湖の中に投げ入れてもらったのだが……
何百キロとありそうな檻を投げ入れる筋力ゴリラなダクネスにドン引き中。
そんな視線を送っていることに気がついたダクネスは少し顔を赤らめて。
「どうしたのだカズマ、私を見て……? もしよければ『いやらしい体をしているなこのメスブタが』と罵ってくれても」
「……どんな筋肉してるんだ、この筋肉お化けとは思った」
「さ、さすがに乙女に向かってその言葉はないのではないか?」
「いや、罵ってくれって言っただろ」
不満げな表情でもの申すダクネス。
このドM、何でもいいのかと思ったらそうでもないらしい。
面倒くさい変態だなと思いつつ、俺は檻の中を見やる。
そこにはアクアが体育座りをしながら水に浅く浸かって。
「私、ダシを取られている紅茶のティーバッグの気分なんですけど」
「あっそう……ところで、もう浄化初めていいんだぞ? てか、本当に浄化できるんだよな?」
「この私を誰だと思ってるの? 水の女神である私は水につかってるだけで浄化できるの。浄化魔法なんて使わなくてももう浄化は始まってるわ!」
「へぇ、じゃあそのまま頑張れよ」
「あ、あのカズマさん? 一応わかってると思うんだけど、湖を浄化してるとモンスターが襲いに来るから、その、ね? わかるでしょ?」
アクアが言わんとしてることはわかってる。
いくら檻の中にいるからといって、獰猛な水棲モンスターが群れで襲いかかってきたら怖いから引き上げてくれってことだろ?
そして元々檻があった場所にいるモンスターをめぐみんの爆裂魔法で一掃するという……
そもそも、今回はそういう作戦なのだが……
「ね、ねえカズマさん……? どうして無言で背中向けて離れていくの? わかってるんだったら何か返事欲しいんですけど……。ねえカズマさん! もしかしてわかってないから無言な訳じゃないでしょ?」
「ま、頑張れよ!」
俺は朗らかに親指を立ててやった。
それを見たアクアは必死に檻から出ようと柵をガシャガシャ揺らす。
しかし残念ながらカギは閉まっていた。
「わぁあああっ!! カズマの裏切り者ォ! 私たち、今まで二人三脚で頑張ってきたわよね! そんな相方ともいえる私のことを湖に放置して、挙げ句の果てにワニのエサにするする気だなんて!!」
「冗談だよ、冗談。 しっかり引き上げるから! だからお前もさっさと浄化作業してモンスターを誘き寄せろよ?」
「ぐすっ……わかってるんだったらいいんだけど……」
まあわざわざ檻の鍵をかけたんだ、むしろ檻の中に入れば安全は保証されてる。
だから本当は放置して様子を見ようかと思ってた……が、めぐみんの爆裂魔法依存症がやばいので仕方なく。
というかめぐみんは本当に大丈夫なのだろうか。
さっきまでぐったりしてたし、精神だけじゃなくて体にまで影響出てないか?
そう思って陸の方を見るとゆんゆんに膝枕してもらって寝ていた。
……あの場所、俺と交換してくれないかな?
そう思いながら俺は陸に戻ろうとして。
「ねえカズマさん」
「……はぁ、今度は何だよ。俺、そろそろ陸に戻りたいんだが」
「いや、その、ひ、一人だとなんか寂しいなー……なんて」
……とりあえずダクネスを檻に突っ込んだ。
あれから一時間とちょっと。
何もなく、平和すぎて暇だ。
「ふわぁ……おはようございます……」
「おはよ」
「……カズマ? ……あれ……私、どれくらい寝てました?」
「1時間くらいかな」
「……えっと……ゆんゆんに膝を貸してもらってた気が……どうしてカズマ?」
「言わせんなよ、恥ずかしい」
「!?!?」
と、こんなイタズラをするくらいには平和だ。
ドッキリをされためぐみんは勢いよく跳ね起きて警戒した様子で俺を見ているが、よくよくめぐみんが目をこらすと、俺の後ろにゆんゆんがいることに気づきホッとした様子を見せる。
「体調は大丈夫そうか?」
「ええ、まあ、寝たら少しだけ。寝起きは最悪でしたが……」
「悪かったな、俺がゆんゆんに『代わってくれ』ってお願いしたんだよ。ずっと正座してたら足しびれるだろ」
「そ、そうでしたか。いえ、なんかすみません? ありがとうございます?」
寝起きのせいか、いつもよりふわふわしているめぐみんが頭をひねりながらそう言ってきた。
……本当は膝枕を俺にもしてほしいって意味で代わってくれって言ったことは内緒だ。
さて、そんな感じで俺のささやかなドッキリが終わってしまった。
湖の浄化が丸一日かかりそうだということを知らなかったもんで何も持ってきてないんだよなぁ……暇すぎる。
過去の俺に本の一つくらい持ってくるべきだったと伝えてやりたい。
そんなことを思っているとゆんゆんが俺をチラチラと見てくる。
「ん? どうした?」
「あ、いえ、その……も、モンスター、まだ来ませんね!」
「だな」
「…………あ、あの! も、もしよかったらなんですけど、い、一緒に何かして遊びませんか?」
「今日も何か持ってきてるのか?」
「はい! 実はこんなこともあろうかとカードゲームとかピクニック弁当とかの準備してきたんです」
いつも思うんだが、どうしてクエストにピクニック用のグッズを持ってきてるんだろうこの子。
普通クエストに遊び道具を持ってくるやつはいないと思うんだが……まあ、強いて言えばゆんゆんとアクアが例外かもしれないが。
通常はモンスターの警戒とか、無駄な体力を使わないようにだとかで基本そういうのはしないもんだ。
だが今回ばかりはよかった!
「さすがゆんゆん、遊びの準備に抜かりがない!」
「本当はアクアさんとダクネスさんも一緒に誘いたいんですけど……お仕事中だからしょうがないですよね」
「いや、ダクネスは仕事っていうか、監禁プレイを楽しんでるだけっていうか、自分から檻の中に入っていったってか……まあいいか! よし、じゃあみんなでババ抜きでもしようぜ!」
「おお、いいですね! 私も敵が現れるまで爆裂魔法を撃てないので暇ですし、それまでは遊ぶとしましょう! 今こそ紅魔族随一の天才であるこの私の力、思い知らせてあげましょう!」
こうしてパーティ内カードゲーム大会が幕を開けるのであった。
もちろん浄化中のアクアと一人プレイをしてるダクネスは不参加のため不戦勝だ。
というか、アクアは浄化以外にやることがなくボーッと空の彼方を見ており、大会の存在自体に気づいていないらしい。
後から結果を聞いて「何でよおぉォー!」と悔しがったそうな。
このすば
「よしっ、俺の勝ち!」
「「ど、どうして……!?」」
現在、ババ抜き5回目、俺は一敗もしていない現状。
じゃんけんだけは負けたことなかったが、まさかトランプでも持ち前の運が発揮されるとは……
そう思っていると敗北者めぐみんが。
「カズマ、カズマ!!」
「カズマです」
「おかしいですよ、どうしてババ抜きでいっつも最初にあがっているのですか!」
「なんでだろね」
「不正です! これはカズマがどこかでイカサマをしてるとしか思えません!」
「運も実力の内だしぃ? たまたま配られたカードが全部揃って一番にあがってたとしてもあり得ないことじゃないですしぃ?」
「む、ムカつきますよこの男! いいでしょう、だったらこの私があなたのイカサマ、見破ってやりましょう!」
イカサマなんて一切してないっていうか、カードを配ってるのはゆんゆんなんだし抗議するんだったらそっちにしてくれよ。
そんなゆんゆんはトランプを器用にシャッフルして…………てか、めちゃくちゃトランプ捌きうまッ!?
プロのマジシャンとかそのレベルで素早く滑らか、鮮やかな手捌きに感嘆の声が漏れてしまう。
「極めてんなぁ」
「一人誕生日会で一人トランプ大会を開催した経歴がある猛者です。出で立ちからして違います」
「ちょ、ちょっと待って! なんでめぐみんがそのこと知ってるの!?」
「族長と話したときに娘を頼むと言われて……そのついでにそんなエピソードを聞きました」
「お、お父さんの裏切り者ぉ!!」
ゆんゆんが涙目で叫んでいる。
と、そんなことを思っているとダクネスの声が聞こえてくる。
檻の中から聞こえるその声は緊迫していた。
「な、なあカズマ! ちょっとマズい状況になった! 助けてくれないか!」
「もしかしてモンスターが集まってきたのか!? ここからじゃよく見えないが……待ってろダクネス! 今引き上げて――」
「い、いや、そうじゃないんだ……というか引き上げないでほしくて」
ダクネスの返答に首をかしげる。
マジで緊急事態だというような声だったので魔物が来たのかと思ったらそういうわけじゃないらしいし、一体何だというんだ。
そう思っているとダクネスはモジモジと内股気味で。
「いや、あの、その……檻のカギを開けてほしいんだが……」
「どうした、そういうプレイに飽きたから出してくれってことか?」
「そんなことはない! むしろもっと楽しんでいたいところなのだが……その……」
ダクネスの言葉が続かない。
本当にどうしたって言うんだ……そう思っているとアクアが。
「ずっと水に浸かってたからトイレが近いのよ。檻を動かしてほしくないのは振動で漏れちゃいそうだからよ」
「ああ、なるほd」
「ああアクアあああああ゛ッッ!? 変なことを言うな! く、クルセイダーはトイレなど行かない! ただ、少し体が冷えてきただけで……!」
昔のアイドルみたいな……
でも思ったよりまだ余裕ありそうだな、水に浸かりっぱなしで心配してたんだが。
「まあ、行きたくなったら開けてやるから、その時は言ってくれ」
「なぁ!? か、カズマ、じょ、冗談だろう? その、体が冷えてきて結構アレなんだ、頼む……」
「じゃあトイレ行くんだな?」
「い、行かないが……」
「じゃあ我慢してろ。緊急時以外開けたらもし近くに魔物がいたときに大変なことになるからな」
そんなことを言うと、観念したのかダクネスが大人しく座り込んだ。
……そして変な呼吸法を実践し始めた。
いや、正直にトイレ行きたいって言えよ、そんな限界まで我慢してたら体に悪いだろうに。
てか、もし今モンスターたちが来たら本当に開けられなくなるんだが……
そう思っていると何に対抗心を燃やしているのかわかないが。
「もちろん女神もトイレには行かないわ。でもちょっと檻の鍵を開けてほしいんですけど! ダクネスダムが決壊寸前なんですけど! 確かに私は浄化できるけど流石にダクネスとカズマのプレイに巻き込まないでほしいんですけど!」
「プレイじゃないわ! というかダクネスがトイレ行かないって言うから仲間としてそれを信用してるだけだろ、お前もダクネスのこと信用してやれよ」
「ねえダクネス! カズマの目が本気なんですけど! あれは本当にトイレに行くって言うまで出さない覚悟がある人の目なんですけど! お願いだからトイレに行くって認めて早く楽になりましょう?」
「で、でもぉ……」
「アクシズ教の教義よ。『汝、我慢をする事なかれ。楽な方へ流されなさい。水のように流されなさい。自分を抑えず、本能のおもむくままに進みなさい』……我慢することは体に悪いの。だから楽になりましょう!」
「自分を抑えず……本能のままに……!」
この後、なんとかダクネスは間に合ったそうな。
このすばぁ……
「なあアクア」
「なあにカズマ」
「強いって孤独なんだな」
「……よしよし、慰めてあげるわ」
「ありがとうアクア」
「よかったらこっちくる?」
「それは遠慮しとく。……あ、ちょうちょ」
「かわいいわねー」
「ねー」
そんな会話をする俺とアクアは体育座りで湖に浸かっていた。
アクアは檻の中で俺は外だが。
さて、なぜこんなことになっているかと言えば、遡ること2時間前。
ダクネスが「檻にいても全くモンスターが来なくて詰まらない」と言い、陸に上がってきたあたりのこと。
「すごい! またサイコロの目が6! ってことは……」
「また俺の一抜けだな。じゃあお先にー」
「何ですか何ですか何なんですか! どうしてカズマだけが双六リアルタイムアタックしてるんですか! 乱数調整ですか!」
「くっくっく、無様、無様だなめぐみん! 俺のイカサマを見破るだの何だのと言っていたが、元よりイカサマなんて一切してないんだから見破ろうにも見破れないだろ! いい加減観念して負けを認めたらどうだ!」
俺の幸運値が高いせいで最短ルートで駆け抜け、まあ、何だかんだあって独走して終わってしまった双六。
ちなみにめぐみんはまだ4分の1も進んでない。
そんな中、ダクネスも苦笑いしながら。
「確かに3連続で1位……しかも単独トップとは驚いたが、まあそういう偶然もあるかもしれない。カズマだって6以外の目を出してたのだ」
「ですが大体都合のいいマスに止まるのは何なのですか! イカサマではないというのなら幸運の女神に愛されすぎです!」
「しかし3連勝程度であれば普通にあるものだ。私が実家でやったときには7連勝までいったことがあったんだぞ? そうだ気分でも変えてポーカーに変えてみるのはどうだろうか」
多分それは実家の人たちが手加減してくれてたからだと思う。
けど幼少の記憶にケチつけるもんじゃないと俺は口を噤み、ゆんゆんが念入りにシャッフルするトランプに目をやるのだった。
……
「よっしゃっ、俺の10連勝!」
「おい、どうなってるのだ!? ポーカーに変えたのにどうして私は負けっぱなしなのだ! これでも家では歴戦の猛者相手に常勝だと言われていたほどの腕なのに、皆強すぎなのではないか!?」
「いえ、ポーカーは不完全情報ゲームです。ある程度相手の手札を読めれば運だけじゃなく論理的に戦えるのです……。そのはずなのに!」
俺はランダムに札が配られているはずなのに最強の役ロイヤルストレートフラッシュなどを決めていた。
もう、相手の表情を見る必要なんてない。
俺は自分の手札を信じるのみよ!
「フッフッフ、フーハッハッハッ!! 幸運値が高くて冒険者じゃなく商人になれと勧められたこのカズマさんの力を舐めるなよ!」
何か自分で言ってて悲しくなってきた。
……
「あの、また俺の勝ちです……」
「カズマさん、何かおかしなことやってませんか? 運要素が大きい戦争で41連勝はおかしいです。い、いえ、カズマさんのことを疑ってるわけじゃないんですけどね!」
ゆんゆん、疑ってないと言いつつ絶対疑ってるだろ……
悲しい、俺、悲しいよ!
ゆんゆんだけは味方だと思ってたのに、どうして無実潔白な俺のことをみんなして疑うんだよ!
「カズマ、早くどんなイカサマかを白状するんだ! そして逆ギレして私を罵るんだ!」
「お前は自分の欲望を満たそうとしてるだけだろ!?」
「そうだ、その調子だ!」
もうこの変態は実家に帰ってほしい……
いや、まあわかるよ、ずっと勝ててないからストレスがたまってるってのは。
でも本当に何にもしてないんだって!
だから俺でストレス発散しようとするなよ!
そう思っているとめぐみんが。
「……仕方ありません。認めましょう、イカサマを見破れなかった、私の負けです。あなたの勝ちですよカズマ」
「お、おう、一応イカサマなんてしてないけどな」
「だとしたら本当に豪運が勝利を運んだのでしょう。もはやカズマは純粋な幸運の集合体といっても違和感ありません」
「おお、めぐみん! お前だけは俺のことを信用してくれるんだな、ありがとう! 今度身長が伸びるように牛乳でも飲ませてやるからな!」
「……今何かイラッとしましたが、牛乳を貰えるのでしたらそれは置いとくことにします。……ですが!」
「ですが!?」
「あなたは強すぎた。我が力の一端を見せなければならないようですね」
そう言ってめぐみんは眼帯を外すと、以前見たときよりも輝いている瞳が露呈する。
そのままめぐみんは俺を指し。
「この手だけは使いたくなかったのですが、仕方ありません。この邪王真眼で世界の改竄を……!」
「お、おいめぐみん!? 一体何をしようとして……!?」
「邪王真眼の使い手、めぐみんが命ずる! カズマはもうゲームに参加できない!」
「…………今なんて?」
今、俺の聞き違いじゃなきゃゲームを降りろって……
いやいや、というかそう言ったとして邪眼解放した意味は!?
世界の改竄はどこ行ったよ、俺への命令になってるじゃねえか!
もういろいろと情報が多すぎて困惑してるとめぐみんが。
「カズマ、あなたは勝ちすぎたのです。それ故にこのゲームから追放されるのです。まあ、何が言いたいかというと、ゲームが全く盛り上がらないので見る方に徹してくださいってことです」
「「賛成」」
「お前ら!?」
「そういうわけで王者はさっさと観戦席に回ってください。殿堂入りですよ? 光栄でしょう?」
そんなことがあって除け者にされてしまったカズマです。
傷心した俺はアクアのすぐ横に腰を下ろし、膝を抱えて問いかけた。
「なあ、アクア。どうして強い力を持った人は追放されがちなんだろうな……」
「盛者必衰の何たらよ。それより私のこと放置して何やってたの? あなたたちが楽しそうな声を上げてるのを聞くたびに何か除け者にされたみたいで寂しいんですけど」
……アクア、ごめんな。
今晩はシュワシュワ奢ってやるからな。
「ねえ、カズマ。何かこっちにブルーアリゲーターがわらわら集まってきたんですけど」
「あー、ホントだ……」
アクアの意気消沈した声に促され、ボーッとした意識を水面に移す。
数えると5体以上視認でき……
「ってホントじゃねーか!? そんな気の抜けた声で話すなよ、反応が遅れたじゃねぇか! おーい、めぐみん、ゆんゆん、ダクネス! モンスターがお出ましだぞ! 早くこっちに来てくれ!」
「むぐぐっ! まさかこの私を二人がかりで倒しに来るとは……しかしもう我が勝利への筋道は完成しているのです!」
「……あれ? カズマさんがこっちに手を振って何かアピールしてるんだけど……」
「きっと寂しくなって構ってほしいのだろう。手を振り返せばいいのではないだろうか?」
「なるほど、そうしてみます! カズマさーん!」
俺が必死に呼びかけるが距離があるせいで何を言っているのか聞き取れないのだろう。
ゆんゆんが手を振り返してきた。
「ちくしょう、何も伝わってねぇ! こうなったら――『スティール』ッ!」
緊急事態にわざわざ往復してる暇はない。
俺は三人の内の何かをスティールすることで呼び出そうと思い、技を発動し――
「ん? なんだこれ……トランプのジョーカー? ま、まさかこの俺が運要素で負けた!?」
俺がさっきまで連続連勝不敗伝説を築き上げていたせいだろうか。
幸運値を使い切るなんてことはないはずなのに……と、失敗したことに顔をゆがませていると、めぐみんが顔を真っ赤にしながら走ってきた。
「なんかわからんが成功してよかった! おーい、めぐみん! 今アクアの近くにブrゴホォッ!」
「あなたという人は! あなたという人はッ!」
「ぐふぅ……助走をつけてみぞおちに頭突きすんなよ……!」
「せっかく二人を打ちのめして逆転勝利してスッキリするところだったのですよ!? なのに切り札を盗むとは何事ですか!」
「いやめぐみん、今はそれどころじゃない! ブルーアリゲーターが来た!」
「かじゅましゃん助けてええぇぇっ!! ひぃっ! ピキっていった! 今檻からなっちゃいけない音なった!」
「アクア! くっ、仲間の危機だというのにカードゲームに現を抜かしていた自分が情けない!」
めぐみんたちが駆けつけた頃にはアクアがいる檻はブルーアリゲーターの嚙みつきで軋み、それはもう大変なことになっていた。
先ほどまでふざけていた空間に緊張が走る……なんてことはなかった。
だって作戦通りだからな。
それに、ダクネス……
なんか騎士っぽいことをいっているが、顔を見ると頬を紅潮させてるし……
これ、檻の中にいなかったことをダクネス的な意味で悔しがってるだろ。
俺はそんな状況に呆れつつも指示を飛ばす。
「よし、作戦通りだ! アクアはダクネスに力増強の支援魔法を!」
「わ、わかったわ! 『パワード』! 『パワード』!」
「よし、じゃあダクネス! アクアのこと引っ張り上げろ! ゆんゆんは風魔法でそれを支援だ!」
「ああ、了解した! タイミングはゆんゆんに任せる!」
「はい! いきますよ――『サイクロン』ッ!!」
ゆんゆんの魔法は風を生み出し浮かせ、ダクネスが檻を繋いでいる極太の鎖を掴み、一本背負いの要領で引っ張る。
二人の連携のおかげであれほど重そうな檻が簡単そうに陸に打ち上がった。
それを見てブルーアリゲーターがその檻を追いかけようとするが……
「めぐみん! 準備はできてるな!」
「もちろんです! 待望の運命の来訪に我が邪眼が共鳴する。溜まりに溜まった魔力の淀み、今こそ我が真紅の放出と共に解き放たん! 穿てッ『エクスプロージョン』――ッッ!!」
ゆんゆんが使っていたサイクロンはこのファンに出てきたスキルです。
中級魔法使いのリーンが使えるので多分中級魔法です。
ストーリー進行の早さどうですか?
-
もっとはやく(伏線など要所に絞って書く)
-
ちょいはやく(アニメ各話ごとに~1万字)
-
今で丁度いい(アニメ各話ごとに2万字)
-
もっと深掘り(アニメ各話ごとに2万字~)