我は邪王真眼の使い手、めぐみん!   作:桃玉

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いよいよ明らかになる邪王真眼の正体!
一体その正体は何なんだ……!?


1-2 共鳴せよ…邪王真眼

眼帯が外され黄色の瞳が露呈する。

この世界の邪眼とか魔眼は見たことがないが、ただのオッドアイじゃないことは理解できた。

瞳孔は縦に細く、俺の知る人間の瞳ではなかったのだ。

 

「これは呪いと祝福。我々紅魔族は数多の強敵を葬ってきました。悪魔や邪神、魔王軍の強敵などを滅ぼし、蹂躙し、手に余れば封印を施し。しかし、7年ほど前でしょうか、その邪神の封印が何者かによって破られたのです」

「そんな邪神のだなんて……な、なあゆんゆん、嘘、だろ……嘘だといってくれ!」

「えっと、確かにめぐみんの言う通り、邪神の封印が解けたことがあることに間違いではないですけど、でも私の瞳が邪眼って言うは……」

 

めぐみんの虚言かと思ったがゆんゆんまでも本当だという……

そ、それって大丈夫なのか!?

今は魔王軍を相手取るので手一杯な状況なんだろ!?

そう思っているとめぐみんはにやりと笑い。

 

「……フ。心配する気持ちはわかりますが焦ることはないのです。その邪神は通りすがりの凄腕の魔法使いの手によって対処されましたので」

「そ、そうなのか?」

「確かにそういう噂は聞いたことありますね。あの、それで私の目なんですけど、邪眼なんて物ではなく――」

「というわけで、今まで積み重ねてきた血で血を洗う紅魔族の歴史……邪神が解放された影響で怨念と言えばいいのでしょうか、紅魔族はその業を背負うことになったのです」

「それが邪眼……ってことか……」

 

なんってこった、まさか本物の邪眼を拝むことができるなんて!

いや、でも架空の存在じゃなく実際に邪眼なんて物……

聞いたところ邪神の力とか怨念とか恐ろしい代物らしいし大丈夫なのだろうか。

 

「な、なあ、その邪眼って体とかに問題はないのか? 代償とかいろいろありそうな……」

「そうですね、私は日常生活に支障はないのです、この我が身に宿る強大な力の根源を押さえるためのマジックアイテムがあるので」

「……封印……みたいなものか」

「ですがゆんゆんは……両目が黒く浸食され、紅魔族としての感性を失ってしまいました。その結果、里で孤立し、歪んだ精神が別人格を生み出してしまったのです」

「そ、そうだったのか……」

「ち、違いますから! そんな哀れな目で見ないでください!  ただのカラーコンタクトですから!」

「……こうして彼女は現実逃避をしてるのです。ですから優しく接していただけると……」

「かわいそうに……」

「か、かわいそう!? あ、あの、本当に違うんです! ほ、ほら、見てください、本当にカラーコンタクトですから!」

 

そう言ってゆんゆんはコンタクトレンズを瞳から取り出して、そこには紅い瞳が見えた。

えっ、さっきまで言ってた邪眼の話は!?

もしかしなくても全部中二病の設定を聞かされて、それを真に受けて……

せっかくの異世界だしそう言う展開があってもおかしくはないんじゃないかって思ってたのに!

めぐみんの方を見るとそそくさと眼帯を右目に戻しながら、俺から視線をそらせていた。

……ああ、わかった、コイツただの中二病だ。

 

「おい、それカラコンなんだろ。ばれて気まずくなったからって眼帯で隠さずよぉく見せてみろ」

「……ふっふっふ。確かにこの眼帯は偽りの封印。しかし誰が強大な力を持っていないと言っただろうか! 既にこの深淵より出ずりし滅びの術も我が支配下にあり、世界をも破壊へと誘うこの魔眼は我の意思一つで如何様にでもなり得るのだアアッ!! 無言で私の目の方に手を伸ばすのは止めっ、ごめ、ごめんなさい! 引っ張らないでください! やっやめっ、やめろおおぉぉッ!!」

 

 

 

イッタイ目ガアアアッッ!!

 

 

 

クエスト前の腹ごしらえを終え、俺とアクアは仮メンバーの二人を引き連れ昨日のリベンジ、ジャイアントトードの討伐へ。

カラコンを邪眼と言い張るような中二病に関しては不安だが、もう片方はわりと常識的な子に見える……つまり、昨日は俺一人で頑張ったようなもんだが今日の戦力は二倍、今回こそ勝てる!

しかし油断してはいけない、浮き立つ気持ちを律して街の外へと足を踏み出した。

 

「うぅ、今も目がヒリヒリします」

「嘘言ったお前も悪いんだから反省しろよ」

「確かに誇張表現をして誤解を与えたのは謝ります。けれど、何も邪眼に大ダメージを与える必要はなかったと思うのです」

「だからそのお詫びを兼ねてお昼奢っただろ? まあおかげで俺の財布は随分軽くなったけどな」

「……そうですね、久しぶりのお肉でしたので少々食べ過ぎてしまいましたし、食後の運動がてら、我が実力をその目に焼き付けて差しあげましょう」

 

このロリっ子、遠慮せず唐揚げにかぶりついて、何皿かおかわりしたあげくゆんゆんの皿を奪って食べてたんだが、あれで少々……?

俺の懐は風通しがよすぎてスースー感が尋常じゃないぞ。

……めぐみんの実力はわからないが、アークウィザードであることは冒険者カードを見たところ間違いないし、昼食代分くらいの働きは見せてほしいところだ。

自信満々そうに胸をたたくめぐみんを見てそんなことを思っていると、後ろの方からゆんゆんの声が。

 

「あ、あの、カズマさん」

「はい、カズマです」

 

後ろで青いヤツが「カズマさんがニヤけてて気持ち悪いんですけど……」とか中二病が「私との扱いの差に違和感を感じるのですが……やはり胸ですか!?」とか宣っているが俺は知らん。

メンバーの中で唯一まともそうで、俺と同じ苦労人で、常識枠のゆんゆん。

他の二人はともかくゆんゆんには何が何でもこのパーティーにいてもらいたい!

そんなわけで丁寧に接しているだけなのだ。

 

「それで、一体どうしたんだ?」

「えっと、じ、実は今日のクエストのためにいろいろ持ってきてて……も、もしよければ使ってほしいなって……」

「その荷物はそのための持ち物だったのか、助かるよ!」

「い、いえ、私はそんな、大したことは……」

「ちなみにどんなもの持ってきてくれたんだ?」

「あ、えっと、魔物を呼び寄せる笛と、近くに敵が来たら知らせるアラーム。あと毒消しや麻痺解除のポーションとそれから……」

「ちょっと待て、見た目以上にリュックからいろいろ出てくるな!? ……一体どれだけ持ってきたんだ?」

「……あっ、じ、実はクエスト用の準備以外にもトランプとか、遊び道具も入れてきてて……クエストしたらおなか減ったり疲れたりして休憩すると思って、け、軽食もあるんですよ?」

「へ、へぇー……」

 

なんだ、なんだろうか。

その四次元ポケットみたいなマジックアイテムについての疑問もあるが、それ以上に今回のクエストって徒歩一時間もない場所でのクエストなんだが?

まだアクセルの街から出て数分しかたってないっていうか、目と鼻の先っていうか、軽食も休憩もいらない気がするんだが……

そんなこと思っているとアクアが。

 

「凄いわね、その入れ物から私の宴会芸スキル並みにいろいろ出てくるじゃない!」

「え、宴会芸スキル? ……もしかしてアクアさんはマジックバッグ以外の手段があるんですか?」

「ええ。私の場合は初心者殺しとか鳩とかも出せたりするんだけど……ゆんゆんもかしら?」

「い、いえ、流石にモンスターは……あ、チェスとかのボードゲームもありますよ? あ、食べ物はカズマさんとアクアさんの好きな食べ物わかんなかったからおにぎりとサンドイッチ、コーヒー豆に紅茶のティーパック、あとジュースとか」

「本当にすごい盛りだくさんね! せっかく出してくれたしここいらで休憩にしない? 私、ジュースもらってもいいかしら?」

「ももももちろんです! 何味がいいですか? ブドウとかオレンジ……他にもいろいろありますよ!」

「そうねぇ……オススメとかあるならそれ貰ってもいいかしら?」

 

レジャーシートに靴を脱いで紫色のジュースを口に運ぶアクア。

確かに今日はいい天気だしピクニック日和だけど、クエストを受けに来たんじゃなかったっけ?

 

「なあ、めぐみん……」

「言ったではないですか。彼女は里で孤立し、孤独な学園生活を送ったのですよ」

「いや、邪眼云々の話は全部嘘だったんじゃないのかよ……」

「確かに私はかっこよく誇張表現こそしましたが、何も虚言を申し上げたわけではないのです」

 

そうは言うが、さっき中二病発症してたろ!?

邪眼なんてなくて実際はカラーコンタクトだって、さっきゆんゆんが言ってたのに、嘘は言ってないってばどういうことだ!?

もしも、邪神の封印とかいろいろな話が本当だとしたら実は本当に大変なことなんじゃ……

 

「ね、念のため聞いておくけどさ、邪神の封印が解けたとか紅魔族に怨念がとか……あれは一体どういうことなんだ?」

「紅魔族の間ではこのカラーコンタクトを用いて邪神の呪いだとか魔力の覚醒とか言うのがブームですので」

「今里でオッドアイが流行ってるって言ったか!? 異世界なのにどういうことだよ!? いや、わかるけど、かっこいいって思うその気持ちはわかるけど!」

「紅魔族は私のようなかっこいい感性こそスタンダードなのですよ。対してゆんゆんは自分の名前すら恥ずかしがってますし……しかしそんなゆんゆんがまさか唯一両目に邪眼を宿すとは。不覚にもかっこいいと思ってしまいましたよ」

 

……あぁ、わかった。

ゆんゆんがカラコンしてた理由も、里で孤立してた原因も。

紅魔族って奴らは種族そろって全員中二病なんだ……しかも重症末期の。

ただでさえ紅い瞳だとか生まれつき高い知力と魔力を持ってるという中二病設定が設定じゃないのだ、そりゃこうもなるか。

 

そんでゆんゆんはあれだ、ボッチ拗らせてるわ。

最初はただ内気な子だなって思ってたが、ゆんゆんの方に耳を傾けてみると「めぐみん以外の人とこうやってお出かけしたことがなかったから楽しみで! えっと、他には……」とかアクアと話してるし。

なんか泣けてきたんだが。

 

「ま、まあ、つまりはお前らの奇特な感性について行けない常識的なゆんゆんは里に馴染めなかったってことか」

「む、失礼ですね。私からすればあなた方の方が奇特な名前や感性をしていると思…………あっ、カズマという名は私的にはわりと良いと思いますよ?」

「何だろう、俺のことをフォローしてくれたんだろうけど何なんだろう、この感じ」

 

いい名前だって言ってくれたらそれは喜ぶべきことなんだろうが、紅魔族にそれを言われたらなんか複雑な気分になるのは一体どうしてなのだろうか。

 

「あ、カズマさんは何かいりますか? 飲み物でも……」

「お、おう、ありがとな? でもさっき食事したばっかりだし喉も腹も丁度いいかなって」

「そうですか? じゃあこれはしまっておき――」

「そうですかそうですか! このままではパンが乾燥してもったいないことになってしまいますね! 食べ物を粗末にするのはゆんゆんに申し訳ないので代わりに私がこのサンドイッチをいただいておきましょう!」

「ま、まって! いつも言ってるじゃない、おかわりは何か勝負でめぐみんが勝てばって約束でしょ! ほら、ちょうどここにチェス盤があるしこれで勝負を――」

「エクスプロージョン!! 私の勝ちッ!!」

 

……俺たち、クエストに来たんだよな?

ストーリー進行の早さどうですか?

  • もっとはやく(伏線など要所に絞って書く)
  • ちょいはやく(アニメ各話ごとに~1万字)
  • 今で丁度いい(アニメ各話ごとに2万字)
  • もっと深掘り(アニメ各話ごとに2万字~)
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