我は邪王真眼の使い手、めぐみん!   作:桃玉

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前回の続きです。


5-4 永劫なる…神の鉄槌(エクスプロージョン)

世界の平和を守ろうと一人で突っ走り、その際にベルディアの卑劣な技を受けて再起不能になってしまったミツルギ。

しかし神は言っている、ここで死ぬ定めではないと。

意識を取り戻した勇者は運命の女神に背中を押され、再び戦場に舞い降りた。

 

「さっきはよくもやってくれたね……まさか騎士であろう者が足を引っかけるなどという卑劣な技を使うとは……だがもうその技には引っかからない!」

「いや、引っかかったのは技じゃなくて石で――」

「女神様に貰ったこの魔剣グラムでお前のことを討伐してみせる! 覚悟するといい、魔王軍の幹部、ベルディア!」

「えぇ……俺は別に戦おうって思ってなかったのに……」

 

話を聞いてもらえずに……可哀想なベルディア。

さっき何だかんだ時間を稼ぐために言ったが、一番の被害者はベルディアに違いない。

しかし、魔王軍幹部がこの地を去らない限りこの街に平和は訪れない。

アクセルの街の住人がめぐみんの爆裂魔法に脅かされないよう、貴い犠牲となっくれ。

未来のための犠牲を偲ぶため、俺は心の中で手を合わせた。

……と、その時だった。

 

「女神……魔剣グラム……だと? 貴様、今そう言ったのか」

「ああ、そうだ。僕は女神アクアによってこの地に導かれし勇者。そしてこの女神様から授かったこの魔剣で君のことをその尊きお方の元へ送ってあげよう」

「ちょ! それ死亡フラグじゃ――!」

 

敵に自分の情報をべらべら喋るミツルギを見て、思わずそう声を荒げようとしたその瞬間、重苦しい重圧が俺たちの体にのし掛かった。

プレッシャーの正体を見ると、ベルディアからドス黒いオーラが放たれていた。

そこにいるのはさっきまで初心者の街の冒険者だからと侮って翻弄されていた幹部ではなく、こちらを危惧すべき敵だと認識し、油断もつけいる隙もない本気の魔王軍幹部だった。

 

「なるほど、なるほど。つまりは魔王様が言っていた光とは貴様のことか」

「魔王……光……? 一体何を言ってるのかわからないが、ソードマスターの僕がいる限りこの街に手出しはさせな――」

「汝に死の宣告を……お前は一週間後に死ぬだろう!」

 

魔剣を構えて慎重にジリジリと距離を詰めるミツルギの言葉を遮るように、左手の人差し指をミツルギへと突き出し、デュラハンはそう宣告した。

 

死の宣告――それはデュラハンの固有能力。

死期を宣告されたら最後、その呪いは確実に死へと至らしめる。

 

ゲームの知識でそれを知っていた俺は何とかして止めようと手を伸ばすがあまりにも遠すぎた。

デュラハンがミツルギに向かって呪いをかけようとして――

それと同時にダクネスがミツルギのことを後ろへと投げ飛ばした。

 

「ダクネス――ッッ!!」

「チッ、外したか……」

 

ダクネスの体がほんのりと黒く光る様子を見てベルディアは忌々しげにそう呟いた。

俺たちはダクネスに駆け寄り、大丈夫かどうか体を触るが、その体に外傷はなく、一見して何も問題ないように見える……が、ダクネスは確実に宣告を受けた。

ミツルギは自分が宙に投げ出されている間に何が起きたのか理解できず放心している中。

 

「何をされたか理解していない様子だが……ああ、そう言えば貴様には自己紹介をしていなかったな」

「な、何を……」

「俺は魔王軍幹部の一人、デュラハンのベルディア。王都ではチート殺しなどと呼ばれているが……まあ、死にゆく貴様に教える意味はなかったな」

「き、貴様アアァアッッ!!」

 

ベルディアの言葉の意味を理解した……いや、してしまったというべきだろうか。

自分と同じアクアに導かれて異世界にやってきた転生者たちがこのデュラハンに殺されたのだ。

そして、今は自分の身代わりとなったダクネスが死の危機に瀕している。

正義感は人一倍強く、怒りを露わにしたミツルギには冷静さの欠片もなく、いきなり距離を詰めるようにベルディアに攻撃を仕掛ける。

しかし、それが駄目だった。

 

「未熟で技もない。怒りに任せた一撃で俺を倒せると思うな」

「――ッッ」

 

ベルディアは自分の頭を宙高くに放り上げ、斬りかかろうと腕を振り上げたミツルギとの間合いを急速に詰める。

そして、振り上げた腕の間を狙って腕を差し込み、ミツルギの頭を掴むと、そのまま地面に打ち付けた。

地面に埋まるミツルギの顔面から手を離し、ベルディアは自分の頭を受け止め――

 

「さて、勇者はコイツだけか?」

「デュラハンが剣を使わずにミツルギさんを下したぞ……!?」

 

冒険者のそんな声のせいで悲観的な空気が流れ始める。

しかしベルディアはそんな木っ端の冒険者に興味がないのか、こちらの声を気にした様子もなく。

 

「ふむ、この者だけか……。しかし強い正義感があるヤツにはやはりこの手が一番だな。死の宣告で仕留め切れずとも、仲間に当たれば怒りで我を忘れて自滅してくれる。魔王様に辺境行けって命令された時にはいよいよクビかと思ったが……いい土産ができそうだ」

 

魔王の幹部は大剣を持ち上げ、その刃を勇者の首めがけて振り下ろそうとした――

その時だった。

 

 

「『ライトニング』・ストライク――ッッ!!」

 

 

大剣を一つの魔法が射貫く。

魔法によって軌道が変わった大剣は、勇者の首からズレて近くの地面を抉った。

それだけではなく、大剣は電撃の熱と地面に打ち付けた衝撃で形が歪に変形していた。

ベルディアは雷撃が打ち出された方を忌々しげに見る。

そこには――

 

「紅魔族の娘……そうか、お前らの仲間だったか」

 

稲妻を全身に迸らせ髪を逆立てているゆんゆんがいた。

 

 

 

 

 

「いえ、ただの知り合いです」

「あ、あれぇ……?」

 

ゆんゆんの躊躇いのない一言に戸惑いの声を漏らす魔王軍幹部。

どうやらミツルギは、ゆんゆんでさえ仲間と認めたくはないほど苦手意識を覚えられてるらしい。

地面に埋められて気を失っているミツルギに対して、俺は心の中で深く、深く合掌した。

 

「ま、まあいい。先ほどのやつが街の切り札だったのであろう? それに貴様の仲間でもないと。では、これ以上出張る意味もないだろう。大人しく引けば今までのことはなかったことにしてやる。爆裂魔法の件も今の邪魔もすべてだ」

「魔王の手先に言われても信用ならないわ!」

「死しても騎士の端くれだ、二言はない。何ならこの街には手を出さないことを誓ってもいい」

 

ベルディアの言葉に顔をしかめるゆんゆん。

そりゃそうだ、魔王軍の幹部にそんなこと言われたって信用するわけがない。

そもそも、そういう問題ではないのだ。

 

「あなた、私の仲間に死の宣告をしたのによくも……!」

「ああ、そう言えばそうだったな」

「私の仲間ニ酷いことヲ……最低……許さない……ッ!」

「ひ、ひぃっ!? な、何とでもいうがいい、俺を倒したところでこの呪いは解けないし解呪する気もない!」

 

怒りで逆立っていた髪がさらに逆立ち、手から血が出るほどに強く握りしめるゆんゆん。

ま、まさか言葉がおかしいし闇落ち寸前か……!?

それとも怒りでスーパーな力に覚醒するフラグ建ったか!?

と、思ったときだった。

 

「これが弱肉強食というものだ、恨むならこの勇者を――」

「『セイクリッド・ブレイクスペル』――ッッ!!」

 

デュラハンの言葉を遮ってアクアの呪文が詠唱された。

その魔法を受けたダクネスの体が淡く光ると、死の呪いだろうか、ドス黒い塊がダクネスの体から抜けて弾けた。

あっさり解呪されたのが予想外だったのだろう、デュラハンの口から「えっ」と呆けたような声が漏れた。

 

「安心してダクネス! 私にかかればデュラハン如きの解呪なんて楽勝よ! それにしても流石クソアンデッドね、自分でかけた呪いなのに解呪できないだなんて!」

「アクアさん……! よかったですね、ダクネスさん! これでまだまだ一緒に冒険していられますよ!」

「あ、いや……うん、ありがとう、ございます……」

 

久しぶりにプリーストっぽいことできて嬉しそうなアクア。

闇落ちしかけていたが、アクアのブレイクスペルの魔法で事なきを得たゆんゆん。

……なぜか少し悲しそうなダクネスについては後で問い詰めてみようと思う。

 

と、とにかく、アクアのおかげでデュラハンの呪いを解除することはできた。

しかし、まだ問題は残っている。

 

「その魔剣の人はどうなるのですか」

 

めぐみんがベルディアに問う。

万が一にもミツルギも見逃してくれるというのであれば、俺たちは戦う理由がない。

取引のメリット・デメリットが不釣り合いで胡散臭く思うが――

そう考えていたのだが、ベルディアの言葉は残念なことに俺の期待をやはり裏切る。

 

「どうするって……そりゃ殺すだろ」

「……捕虜とかには」

「しない。奇妙な名を持つ冒険者は生きているだけで魔王軍に害を与えるからな。それに手荷物は軽い方が楽だし」

 

その言葉が何を示しているか理解してしまった冒険者は絶望の淵に突き落とされた。

ミツルギを見殺しにすればアクセルの街は助かるかもしれないという絶望的な状況に、冒険者たちはもはや立ち上がることさえできない。

しかし、一人は違った。

 

「カズマ、何とかなりませんかね」

「めぐみん……何とかっつったって……」

 

頼みの綱だと思っていたミツルギは一瞬でやられてしまった。

めぐみんの魔法は当たれば強いが、たった一発撃てば使えなくなる。

ゆんゆんはめぐみん程じゃないがかなり燃費が悪いし足止めには使えるだろうが有効打にならない。

アクアの魔法は効いてるような気がしたが、それでもあのデュラハンを倒し切れていない。

ダクネスは防御力はピカイチだが論外だ。

このメンバーでどうしろと?

 

「…………ああもうっ、しょうがねえなあ!!」

 

本当は今すぐにでも逃げたい。

街がどうなろうと自分の命が最優先というクズみたいな思考……

だが、知り合いを見捨てるほどクズじゃないぞ俺は!

 

「ダクネスはベルディアの足止めだ! 隙を見てミツルギを奪い取れ!」

「ああ、任された!」

「アクアはダクネスを魔法で支援だ! それからダクネスがミツルギを連れてきたら回復魔法で治療してやれ!」

「もちろん! あのクソアンデッドが死の呪いばら蒔いても秒で解除してやるわ!」

「ゆんゆんは俺と一緒にダクネスの援護だ!」

「ミツルギさんを奪い取るための隙を作る訳ですね! 了解です!」

「めぐみんは爆裂魔法だ!」

「了解しました。準備しておきます!」

 

俺の指示を受けて皆が行動を始める。

ベルディアに向かっていくダクネスに向けてアクアが様々な支援魔法を重ね掛けしていく。

その度にダクネスの動きのキレ、スピードがぐんぐんと上昇し――

 

「ほう、先ほど魔剣の勇者を倒したところを見ていただろうに。俺に立ち向かってくるか」

「手が届かないと、救えるものも救えないのでな! はぁあぁあああっっ!!」

 

――ダクネスは岩を切った。

デュラハンから「えっ……?」という声が聞こえてくるのと同時にダクネスの顔がどんどん赤に染まるのが見える。

やだもぉあの子ったらほんと不器用なんだから!

こっちまで顔が赤く熱くなってきた。

 

だが、それが逆にナイスだった。

想定外の事態にベルディアが一瞬固まった。

その隙を見て。

 

「ゆんゆん! 地面を凍らせて滑らせるぞ――『クリエイト・ウォーター』ッ!!」

「了解です! フリーズガストッ! からのトルネードッ!」

 

俺はベルディアの後方に水を放つ。

作戦を瞬時に理解したゆんゆんはそのまま俺の放った水を凍らせ、ベルディアを強風で吹き飛ばそうとした。

ベルディアは特設スケートリンクの上をエッジのない金属靴で進めるわけもなく、なんとか大剣を地面に突き刺すことで吹き飛ばされないように堪えるも……

 

「カズマ! こちらの仕事は果たしたぞ!」

「私は魔剣の人を回復させてるから、後は頼んだわ!」

「言われなくても! ダクネスがミツルギをこっちに連れ帰れたら後は――!」

「ええ、後のことは任されましたよ!」

 

ミツルギが回復するまで時間稼ぎを……と思ったが、その必要はないようだ。

低く唸るような恐怖を思わせる音が聞こえてくる。

眼帯を外しためぐみんの黄金の瞳は詠唱が共鳴を始めるようにその輝きを増していき。

 

 

「我が力の一端、理に叛逆せし魂に刻み込め! 『エクスプロージョン』――ッッ!!」

 

巨大な魔法陣が展開され、轟音とともに爆裂魔法が解き放たれた。

 

 

 

 

 

さて、そんなこんなで俺たちは爆裂魔法でこの勝負に決着をつけた。

そんなことがあって俺たちは魔王軍幹部を討伐した功労者としてギルドの打ち上げに呼ばれて参加していた。

皆、勝利の美酒に酔いしれていたのだが……

 

「流石女神様とそのパーティーのメンバー……僕がいなくても魔王軍の幹部を討伐してしまったでしょう。自分の実力不足を痛感するばかりです」

「いや、きっと俺たちがいなければミツルギが一人で倒してたと思うよ、うん! だからそんな実力不足とか言わずに……!」

「いや、今回の戦いで僕は役に立てなかった、特別報酬は辞退させてもらうよ」

「いーやいや! 何言ってるんですかミツルギさん! この街の代表なんだから、一緒に報酬受け取ろうぜ!」

 

俺たちは報酬を押しつけ合っていた。

というのは他でもない、報酬は3億エリスあるのだが、魔王軍幹部が住み込んでいた砦や防壁やら窓ガラスやらなんやらの修理代、クレーターの埋め立てなどなど込み込みで4億エリスを請求される見込みであるとギルドのお姉さんから聞かされた。

まだ確定していないので何ともいえないが、つまり俺たちは報酬とは名ばかりで1億エリスの借金を背負わせられようとしていたのだ。

 

というわけで俺はミツルギにも負担してほしいと思ってこうして話を持ちかけてるわけだが……

ミツルギに借金を負担してほしいだなんて言い出せるわけもなく、回りくどい感じで説得しているのだが、報酬はふさわしい人が受け取るべきだという一点張り。

俺としてはミツルギにも請求された金額の一部でもいいから出してほしいんだが、さすがにそれを直接言うのはためらわれるし……

 

「とにかく、僕は辞退する! 君がどうしても僕に報酬を渡したいというのならそれはアクア様にあげてほしい。回復魔法のおかげで心なしか体調もすこぶるいいんだ」

「あっ、ちょ! 本当に待ってくれ! 待ってくれえええぇぇえぁぁぁ……」

 

……とりあえずミツルギの分の負担金はアクアにつけておこ。

去りゆく背中に届かない手を伸ばしていると借金の事情も知らず浮かれて飲みまくっているアクアたちがやってきた。

いや、実際にシュワシュワを飲んでるのはアクアとダクネスで、紅魔の子たちは飲んでいないんだが。

 

「カズマしゃーん、今日は宴よ宴! 飲まなきゃ損よ!」

「いやちょっと待て、それ一体何杯目だ!?」

「んー……わかんにゃい!」

 

だ、だめだ……ここで話しても絶対明日には忘れる酔い加減だ……!

というか俺の口にグイグイ瓶を押しつけんなよ!

押しつけるにしても口の部分にしろよ、頬にグリグリされても不快なだけなんだが!

そう思っているとゆんゆんに支えられためぐみんが何故かこちらをじっと見てくる。

 

「……どうしたんだよ。もしかしてダルいから宿まで連れてってくださいってか?」

「いえ、何だか絶望した表情をしてたのでどうしたものかと」

「ああ、いや、まだ確定した情報じゃないし、たぶん明日話すことになると思うから気にしないでくれ」

「そうですか?」

 

めぐみんの言葉を受けて、少しため息をつきながら気分を入れ替える。

そうだ、今日は酒の席なんだ、明日もしかしたら天変地異が起きて借金せずに済むかもしれないし、こういうときこそアルコール補給して余計な未来の不安を考えないようにするに限る!

俺はアクアに押しつけられていた瓶を受け取り喉の奥へと流し込んだ。

 

「……ぷはぁっ! おねーさんもう一本くださーい!」

「おお、いい飲みっぷりですねカズマ。ついでに私にも一本――」

「お前にはまだ早い! アクアみたいに頭パーになりたくなかったら俺によこせ!」

「ああっズルい! カズマはズルマですよ!」

「しかしカズマの言うとおり、成長期に酒を飲むと頭がパーになると聞く。……アクアがどうなのかは知らないが」

「むぅ……魔王軍幹部を討伐したのは私なのですよ! 四人の協力あってこそですが、トドメを指した私をもう少し立ててくれてもいいのではないですか!」

 

ジュースを少し口に含みながら不機嫌そうにそう言うめぐみん。

それとこれとは話が別だ。

もし頭がいいと言われてる紅魔族がアクア化したら困るのは俺だし、めぐみんも絶対困る。

きっと爆裂魔法を撃てなくなるだろうからな。

そう思いながら俺はもう一本の瓶をめぐみんに見せつけるようにしながら空にする。

それを見て俺に爪を立てて攻撃しようとしてきたところをゆんゆんが止めた。

 

「キシャーッシャッシャッシャ!」

「どうどう、落ち着いてめぐみん!」

「離してくださいゆんゆん! 私の強さをこの男にわからせてやらねば!」

「どうどう。別に今日は勝負してないけど、今日のところは私の負けにしておいてあげるから」

「……ならば敗者は私に食べ物を貢がなくてはですね」

「はいはい、今日は何食べたい?」

「唐揚げとハンバーグとステーキと……」

 

どんだけ食う気だよ……

ゆんゆんの手綱さばきに感心しつつも、猛獣めぐみんの食費が心配に思う。

そんな心配をよそに、酔っ払ってダル絡みするアクアがうんうんと頷きながら。

 

「確かに今回のめぐみんは特に頑張ってたわよね! みんなが駄目になってるときに一人で魔王軍幹部を相手取るなんて誰にもできないわ! とてもカッコ良かったと思うの! シュワシュワで乾杯しましょう!」

「そうでしょう、そうでしょうとも! このカッコいい私が偉大な功績を叩き出したのです! 今夜は騒ぎますよ! おねーさん、シュワシュワをいっぱい! ゆんゆんの奢りで」

「い、一杯よね? いっぱいじゃなくて一杯よね!?」

「どっちにしろ子供はシュワシュワ駄目だっつってんだろ!」

 

あとで子供に酒飲まそうとしたアクアは絞めるとして。

アクアの言葉でにへらと顔を緩ませるめぐみん。

その笑顔を見てダクネスも。

 

「そうだな……今回の爆裂魔法は今まで見てきたどの魔法よりも高威力だったな。ベルディアなど一瞬で葬り去っていた」

「ふっふっふ、爆裂魔法の制御がまたよくなったことに気がつくとは……ダクネスも見る目がありますね!」

「ああ、あの魔法は素晴らしい。是非私も受けてみた……ま、まあとにかく素晴らしいの一言に尽きるな」

「素晴らしいのは当たり前のこと……我が爆裂魔法は最強なのです!」

 

そんなことを言っているが褒められ慣れていないせいかムズムズした様子のめぐみん。

ダクネスの賛辞に頬をほんのり赤くし、はにかむめぐみんに俺が今度は声をかける。

 

「お前が爆裂魔法をあの城に撃ち込んでなきゃ今回の騒動はそもそも起きなかったと思うが……ま、今回のMVPはお前って言うことにしておいてやる。よくやった、めぐみん。……めぐみん?」

「スカー……」

 

こ、コイツ……!

俺が言いたいこともある中せっかく褒めてやっているのに、ゆんゆんの胸にある天然のクッション心地よさそうな寝息を立てやがって。

羨ま、ゲフンゲフン、けしからん!

 

「おい、せっかく人が褒めてやってるときに……!」

「疲れて眠ってしまったようだな。まあしかしMVPとやらなんだろ? 静かに眠らせておいてやれ」

「……はぁ、今回だけだぞ」

 

そう思いながら俺は酒を飲み直すのだった。




閑話(とある宿の中の一室にいる少女二人)
「……めぐみん。いくら恥ずかしくなったからって狸寝入りはどうなの?」
「しょ、しょうがないじゃないですか。褒められ慣れてないんですよ……」


という訳で書籍版第1巻の最後まで終わりました!
区切りがいいので後は土日投稿に……(学校が始まるので許してクレメンス)

ストーリー進行の早さどうですか?

  • もっとはやく(伏線など要所に絞って書く)
  • ちょいはやく(アニメ各話ごとに~1万字)
  • 今で丁度いい(アニメ各話ごとに2万字)
  • もっと深掘り(アニメ各話ごとに2万字~)
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