急激なレベルアップに体がついていかず、体調不良を引き起こす――通称レベルアップ酔い。
ねりまきによれば、この症状は一時的なもので、多くは数時間かそこらで軽快するらしい。
ただし、ゆんゆんは一般的な症例より重症だったようだが……
「めぐみんもウィズさんもゆんゆんの魔力見てよ。多分裁判のせいでちょっとお疲れ気味みたいだけど、もう魔力の乱れとかは治まりつつあるんじゃないかな?」
「ふむ……。以前この邪眼で見通した時より安定してはいますね。あの時は魔力の生成速度が排泄速度を上回っていましたが、今はほとんど同じくらいまで落ち着いているようですね」
「そうですね。数日前は内包する魔力が多すぎて循環がうまくできていませんでしたが、今は随分と安定してますね」
「そうね。まだ激しい運動は控えるべきだけど、体調はどんどんよくなってくるはずよ。この女神アクアが太鼓判押してあげるわ!」
最後に自信満々な様子でアクアが親指を立てた。
……仮にもアクアは女神だ、そういうプリースト方面のことは信用できる。
加えて、眼帯を捲っためぐみんとウィズの話と一致しているからな。
俺は気がかりだった問題の一つにひとまず目処がついたことに胸を撫で下ろした。
その後、俺たちはエルロード王国へ向けた準備に取りかかった。
自分の装備に加えて、今は王都にいるダクネスの鎧も用意して――あれこれと手を尽くしたのち、ようやく王都にいるダクネスと合流するため、テレポートの準備を整えた。
……のだが。
魔法陣の前で、俺は思わず眉をひそめる。
「なんでお前もいるんだよ、ねりまき」
しれっとダクネスの鎧を抱えてゆんゆんの隣に立つねりまき。
そこはテレポートの魔法陣の中だった。
「なに? アダマンタイト製の鎧を動かせないでいるカズマに代わって持ってきてあげたのに、ここまで来たら用済みって?」
「いや、そういうことじゃなくて! その件についてはもの凄くありがたかったんだが…………流石に王都までついてきてもらうのは申し訳ないというか」
「いやでもゆんゆんはまだ病人だよ? あんなへっぽこ戦闘見せられたら安心してゆんゆんのこと任せられないでしょ?」
へっぽこ言うなよ。
ていうかあれは状況が悪かっただけだ。
駄女神特攻を持つ敵だったし、めぐみんは爆裂魔法だけだし、そもそも相性的に不利だったんだよ。
ダクネスもいて、ゆんゆんもいれば、ジャイアントトードの討伐なんてお茶の子さいさいだったはずで――
そう心の中で弁明していると、ゆんゆんが目を丸くして、ぱぁっと顔を輝かせた。
「ええっ! ねりまきも一緒について来てくれるの!?」
「もちろん。親友二人が困ってるのに、放っておけないからね」
「し、親友……ッ! ま、また三人で旅できるってことよね……ちょっと待ってて! 私、まだ準備終わってなかったから!」
そう叫ぶや否や、ゆんゆんは駆け足で俺たちの屋敷に向かって走って行った。
「おい……あれ、ほんとに病人か?」
「一応はそのはずなんだけど……親友とか言っちゃうのは迂闊だったなぁ」
俺の怪訝な視線を受け、頭を抱えるねりまき。
ゆんゆんはしっかり者のイメージだったが、実はねりまきが保護者ポジションなのだろうか……その目には苦労がにじんでいた。
まあ、徐々に体が回復してきたと考えればむしろ喜ばしいことなのかもしれない。
「アクア、とりあえずゆんゆんについて行ってやれ」
「任せなさいな。私は人を癒す女神よ? ゆんゆんが倒れても、魔法でちょちょいのちょいよ!」
「いや、それ以上にゆんゆんが必要以上に荷物を増やさないようにだな……」
「え? どういう意味?」
「ほら、あの様子見てみろよ」
俺はゆんゆんの方を指さす。
アクアは遠ざかるゆんゆんの背中を見て、瞬時に表情を変えた。
「…………あー、確かに。あんなにウキウキしてるゆんゆん久しぶりに見たわね。お菓子とか遊び道具をたくさん荷物に詰め込みそうね」
「だろ? これからドラゴンの討伐なのに、絶対修学旅行気分だ」
「でもそれのどこが問題な――」
「お前がゆんゆんの代わりに荷物を持ってくれるんだったら何でもいいけどな」
「絶対重いじゃない! それは遠慮したいんですけど!」
ゆんゆんを監視しないと自分の背負う荷物の量がえげつないことになる――
その現実に気づいたアクアは、「やっぱ見てなきゃダメね!」と叫びながら屋敷へ向かって駆け出していった。
その後ろ姿を見送っていると、俺の耳にめぐみんとねりまきの会話が飛び込んできた。
「しかし、邪神の行方を調査すると言って別行動をしていたのに……調査は大丈夫なのですか?」
「もちろん。ただ、邪神の力を利用しようと目論んでるって噂だよ、魔王軍は。あと、その情報を掴んだときに、ベルゼルグ王国から隣国に勢力を拡大させるって噂も――」
「火のない所に煙は立たない……ですか。奴らの尻尾を掴みにかかると言うのであれば助力しますよ」
「その言葉を待ってたよ」
……いや、うん。
なんか盛り上がってるのはわかる。
久しぶりに親友と一緒に行動できるんだし、テンション高いのもわかる。
けど――
「……ゆんゆん、苦労してたんだな……」
何やら中二病全開で会話してるが、きっとこれが紅魔族の日常会話なのだろう。
住んでる地域が違うとコミュニケーションとるの難しいんだな。同じ言語のはずなのに。
ゆんゆんは大層苦労したに違いない。
しばらくしても、なかなか帰ってこないゆんゆんとアクア。
俺たち三人は暇を潰すためにウィズ魔道具店の商品を物色していた。
ドラゴンの討伐の時や、その道中、何か役に立つものがあったら買いたいと思っていたのだが……
「うん。やっぱりウィズの店だな」
役立ちそうなものは大体、呪いかデメリット付きだ。
吟味することもなく暇になったぞ……
そんな俺に対してめぐみんとねりまきは。
「これは我が父の作品ではないですか! お買い上げありがとうございます!」
「いや、それはウィズさんのセリフのはずなんだけどなぁ。……ちなみに何か買いたいものは――」
「…………今のところは」
「だよね」
とか言ってショッピングを楽しんでいる。
もちろん何も買わないが。
俺はテーブルに座って窓の外をぼーっと見ていた。
「まったく、まだ帰ってこないぞアイツら……。どこで道草食ってるんだよ」
「ゆんゆんがまた変なものまで買おうとして、それをアクアさんに止められているのでしょ」
「普通にあり得そうなんだが。……って、ねりまきか。買い物終わったのか?」
「まあ、とりあえず?」
「その割にはずいぶん身軽じゃないか」
「会計はめぐみんに任せてるからね」
めぐみんの方に顔を向けると、小さなポーションを二つほど購入しているのが見える。
こんだけ時間かけて、買ったのは魔力回復のポーション二つか。
……それで泣いて喜んでいるウィズは重症だろう。
突然泣きながら感謝されためぐみんは困惑している。
そんな二人のやりとりを見やりながら。
「そう言えばなあ、ねりまき」
「何かな、カズマさん?」
「さっき、病人を放っておけないって言ってたけどさ。あれって建前だろ? あと邪神云々も」
「まあね。でもゆんゆんのことを放っておけないって言うのは本当だし、邪神の行方を追ってるのも嘘じゃないんだけど――」
「で、本音は?」
「私は、遠くからめぐゆんをじっくりと見守りたい派だから、二人の間に割って入らないために二人と別行動することにした……けど、めぐゆんの旅を間近で見られないなんて耐えられない! 貴重な機会、どんな手を使っても逃すわけないじゃん!」
器器用に静かに叫んでみせたねりまき。
こいつ、見た目は黒髪ロングの整った美少女なのに、中身はただの限界めぐゆん百合オタクだ。
どうして俺の回りには残念美人しかいないのか。
俺が苦い顔でそんなことを思っていたら、ねりまきがいきなり身を乗り出してきた。
「何そんな顔してるの?」
「いや、見てくれだけは美少女なのになーって」
「むっ。もしかして私をめぐみんと同じ系列で見てるでしょ。私はめぐみんより、なんならゆんゆんより役に立つよー? テレポート先にアクセルの街を登録してるし、連れて行けば帰りが楽だよ? 中級魔法も使えるし、補助魔法だってお手の物! 戦闘も楽だよ?」
「なあ、めぐみんの代わりにパーティーに入ってくれないか? 俺たち、苦楽を分かち合える仲間になれると思うんだ」
「あはは、流石にそれはお断り。大変そうだし、めぐゆんの間に誰かが割って入るのは解釈違いだしね」
そんなやり取りをしていると、カラン、と扉の鈴が鳴った。
……ようやく帰ってきたか。
そこにはアクアとゆんゆんが……。
「おい、流石にそれは多過ぎだろ!?」
「努力はしたわ。でも、止められなかったの……」
そこには巨大な二つの影。
ゆんゆんの背中のリュックは予想を遙かに超えてパンパン。
しかもゆんゆんだけじゃなくアクアも背負っていた。
アクアは死んだ目で、リュックを魔法陣の中心に置いたかと思うと、力尽きたようにその場に崩れ落ちた。
……本当にゆんゆん体調悪いんだよな?
ゆんゆんはピンピン元気そうで、むしろアクアの方が息切れしてるし、さっきまでよろめいてた患者とは思えない。
なんなら今はテキパキと荷物を並べては「これ邪魔にならないかな?」とか言いながらリュックを微調整してるし。
レベルアップしたから魔力だけじゃなく体力とか筋力まで2倍になったのか?
「ま、まあ、元気なことはいいことだ。これからエルロードに着くまでにバテないか心配だが……。とにかく、これで出発できるな」
「ではテレポートの準備をしますね。皆さんは魔法陣からはみ出ないようにしてください。はみ出た部分はテレポートの魔法の範囲外なのでここに取り残されちゃいますからね」
「なんか今さらっと怖いこと言ったぞオイ!」
思わず叫ぶと、ねりまきが「あはは、ちょっとしたスリルがまた旅の醍醐味だよ」とか言ってる。
いや、こういうスリルは求めてねえわ!
俺は魔法陣の中でも端っこの方だったので、ウィズの言葉にビビって中心にいるめぐみんの方に近づいた。
「引っ付かないでくださいカズマ! 暑苦しいですよ!」
「いや、ゆんゆんの荷物のせいで場所が圧迫されて、俺、魔法陣からはみ出そうなんだからしょうがないだろ! 俺のことを押し返そうとしないで! 受け入れてくださいお願いします!」
俺の切実な訴えも虚しく、肩を押し返される。
全員がぎゅうぎゅうに詰まりながらも、なんとか魔法陣の中に収まり、俺は無言で自分のつま先を確認した。
ギリ、魔法陣の内側。
……一応大丈夫なはずだが心の準備をしないと――。
「さて、準備はいいですね?」
「よくないです! なあ、やっぱりもっと奥の方に詰めてく――」
「じゃあいきますよ?」
「ちょ、まだだって言って――!?」
「皆さんお気をつけて。では、『テレポート』――!」
さあ――ようやく出発だ。
俺の心の準備が終わらない中、ウィズが魔法を詠唱し、光の粒が辺りを包み込んだ。
眩い光がテレポートの光が晴れ、足元の感覚が地に戻ったとき――
「……よ、よかった! ちゃんと五体満足だ!」
思わず手足の無事を確認して、ほっと一息をつく。
安心して顔を上げると、目の前に広がっていたのは、ベルゼルグ王国の中心――王都。
門の外、王都から少し外れた位置に現れた俺は、初めて見る壮麗な風景に圧倒された。
高くそびえる塔、綺麗に舗装された石畳。
行き交う人々の服装もアクセルとは一線を画している。
「……さすが王都。裁判で何も気づかなかったが、アクセルの街とは雰囲気からして違うな」
「カ……ズ、マ……さん……やっぱりコレ、動かすの手伝ってほしいんですけど……」
「いや、ゆんゆんは楽々運んでるだろ。お前も弱音吐かないで頑張れよ」
「おかしい! 絶対おかしいから! どうしてさっきまでベッドの中にいたゆんゆんがこんなに元気なのよ!」
「そんなに言うんだったら補助魔法とか使えばいいだろ?」
「……そういえばそうじゃない! 私、アークプリーストだから魔法使えるじゃない! それっ『パワード』!」
魔法を唱えると筋力がアップしたようで、アクアは俺を追い越してルンルンとスキップを始めた。
コイツ、自分が何の職業だったか忘れてたんじゃないだろうな……
「アクアー。迷子になるなよー」
「私を誰だと思ってるのよ。カズマと違って迷わないから安心なさいな」
「……アクア、リュック重いだろ。俺が後ろ支えてやるよ」
「えっ、いいの?」
「いいの」
「珍しいこともあるものねぇ。今日は槍でも降ってくるのかしら?」
「おい」
「まあ? どうして持っていうんだったらこの私のお手伝いをさせてあげてもいいけど?」
アクアは意外そうな顔をした後、すぐに嬉しそうに顔をほころばせた。
本当なら今ことを率先してやるようながらじゃないが、アクアは俺と違って見知った街でもすぐ迷子になる。
トラブルメーカーの手綱を握っておかないと面倒くさいことになるので仕方なくだ。
俺たちは防壁を通過して、奥の方に見える城を目指す。
ダクネスは王城にいるって言ってたからな。
こんなに遠くからでもデカく見える城……目の前で見たら相当立派に違いない。
敵の侵入する勢いを殺ぐためか、なかなか複雑な経路だったが、そびえ立つ巨大な城へと足を進め――
「うわ……」
思わず声が漏れる。
目の前に現れたのは荘厳で重厚な佇まいのお城。
城の門から垣間見えるだけでも、その中の空気が別世界だと感じられる。
こんなとこ、庶民が入っていいのか?
背筋が自然と伸びる。
……というか、緊張で震えが止まらん。
緊張しながら門前に立っている衛兵に声をかけたのだが、拍子抜けで、本人確認をするとすんなりとその衛兵は中へ案内してくれた。
「おいアクア。お願いだからチョロチョロ動き回ったり触ったりするんじゃないぞ?」
「…………しないわよ?」
視線をそらすアクア。
しようとしてただろ!
あっぶな! 釘刺しておいてよかったわ!
「しかしすごい場所ですね……。爆破しがいがありそうです!」
「いや、変なこと言うんじゃないわ!」
「そうよめぐみん! というか、もっとお姫様になった気分だとか、綺麗すぎて足が震えるだとか、もっと普通の感想はないの!?」
「じゃあそれで」
「じゃあそれで!?」
めぐみんに適当に返されて「ちゃんと答えてよ!」と怒るゆんゆん。
――を、後ろの方でニヤニヤしながら見つめるねりまき。
城の中でもいつも通りで……何というか、ビクビクしてた俺が馬鹿みたいだ。
いつも通りの皆を見て、俺も落ち着きを取り戻す。
「ではカズマ様。ダスティネス様がお待ちです。どうぞこちらへ」
衛兵がそう言うと、扉を開けて俺たちを部屋の中へ誘導する。
部屋の中を見ると、奥の方の積に華やかなドレスに身を包んでいる綺麗な金髪碧眼の女性、それから裁判でお世話になったお姫様とその付き人が座っていた。
「あっ、ダクネスさん!」
「よく来てくれた、みんな。ゆんゆんは体調治ったのか?」
「万全とまではいかないんですけど、アクアさんとかの診察を受けて大丈夫だって言ってもらえましたよ」
「そうか。それならばよかったのだが…………どうしてそこの三人は目を見開いているのだ? それとそこにいる紅魔族の少女は……」
ドレスの裾を摘み、優雅に一礼する女性はゆんゆんに返事をする。
そこからは確かにダクネスの声がしたのだが……
俺とアクア、めぐみんは思わず目を見開いた。
「おい、もしかしてあれがダクネスか?」
「驚きだけどそうみたいね……。ダクネスっていうよりララティーナって感じよね」
「まさか普段の感じが、貴族の皮を被っただけであそこまで化けるとは……」
「聞こえているぞ貴様ら! 久しぶりに顔を合わせられて喜んでいたというのに……私のことを見てわからなかったのか!」
いやだって。
まるで舞踏会のヒロインみたいに澄ましているんだ。
金髪を結い上げ、純白と紺のドレスをまとい、まさに貴族そのもの。
いや、もともと貴族なんだけど、今までのイメージがイカレ変態女騎士だったせいで、その落差が凄まじく、気づこうにも気づけない。
ダクネスが青筋を立てていると、そんな様子を見てかわいらしい声が聞こえてきた。
「ふふふっ。ララティーナのこんな様子を見れたのは初めてで……! カズマ様、よく来てくださいましたね」
「といっても、貴様が事件の発端なのだがな」
アイリス様――あのとき俺を信じてくれた、王女様。
と、その隣には長身の凛とした女性――ダクネスから聞いたところ、シンフォニア家の令嬢でありアイリスの教育係をしている――クレア。
そんなクレアが俺のことを見るなり、厳しい口調で。
「これから外交任務なので、アイリス様もご同行されることになった」
「というわけで、ご一緒しようと思うのですが……大丈夫でしょうか?」
「…………えっ!? 王女様が!?」
俺だけではなく紅魔族の三人も驚いた様子で目を見開く。
そんな俺たちを見て、クレアは眉をひそめてため息をつきながら。
「私は反対したのだが、許嫁のエルロード王子に一度は顔を見せるのが礼儀だということになってしまってな……。私は結婚そのものに反対だというのに!」
許嫁。
その単語に、俺の中で何かが弾けた。
「待ってくれ! 王女様って、もうそんな話が進んでるんですか!?」
「形式上のものではあるが……だが、政略の道具にされるなんて……!」
なんということだ!
俺は嘆いた。
こんな儚げな少女に国の運命を任せるだなんて!
俺はアイリス様とはまだほとんど話したことがない、身分も違うような人間だ。
けれども妹のように思っており、その幸福の追求に対しては、人一倍に敏感であった。
「俺も反対だ! こんなに公平で素直で、俺のことをきちんと見てくれる王女様が、知らない男と結婚するなんて、考えられない!」
「「なっ……!」」
ダクネスとクレアが、ぽかんと俺を見る。
しかしその思いは明確に違うのがわかった。
ダクネスは何を突然馬鹿なことを言っているんだと言わんばかりの顔だが、クレアはどこか目を輝かせているようで……
「サトウカズマ、と言ったな。こんなところで我が同志を見つけられるとは……」
「ク、クレア殿? 一体何を言っているので?」
「どうやら俺たちは目的が一致しているみたいですね」
「カ、カズマも一体何を言っているのだ!?」
「ああ、エルロード王国ではよろしく頼む。最悪、支援金の件はどうなっても構わない。ともに戦ってくれるな」
「もちろんだ! 婚約破棄、全力で支援させてもらいます!」
「よろしく頼むぞ」
「本当に二人とも何を言ってるのだ!?!?」
ダクネスの叫び声がこだまする中、奇妙な形で、俺とクレアは婚約破棄同盟を結成した。
そして俺たちは――
「それではこの竜車に乗ってくれ」
「ああ。アイリス様の話、聞かせてくれ!」
「もちろんだ。今夜は……寝かせないからな」
ダクネスたちの驚いた顔を尻目に竜車に乗り込むのだった。
目指す先はエルロード王国だ。
本日、7月27日はねりまきの誕生日だそうです。
最近忙しいので投稿頻度が減りそうです。原作小説1巻分を1章として、どこまで書こうかという…
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第6章(現在の章)
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第7章
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第8章
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リメイクしてテンポよく進める