クルセイダーと盗賊が現れた。パンツ
潜伏、敵感知、窃盗のスキルを習得した。パンツ
クリス→ゆんゆん→めぐみんの順でスティール。パンツ!
キャベツを倒し、変態騎士が仲間になった。
そして今回はちょっとアニメでやらなかった内容、ウィズとの出会い編。
キャベツ狩りの翌日。
冒険者レベルが6になり、新たに初級魔法と片手剣スキルを習得した、佐藤和真です。
キャベツを捕獲して野菜炒めを食べただけなのにどうして2つもレベルが上がるのか、
レベルが上がるとスキルポイントを獲得するというロールプレイングゲーム的な現象が起こるのか、
ニンジンもキャベツもどうして激しく動き回るしサンマは畑で収穫されるのか、
ツッコミたいことは山ほどあるが、この世界では色々気にした方が負けなので気にしないことにした。
そんな世界で俺は、かわいい女の子たちに囲まれて元気にやってます。
「装備を新調したんですねカズマさん。冒険者っぽくていいですね!」
「だろ? 実はさっきアクアと装備と服を買ってきたんだ。本当はアクアのも選ぶ予定だったんだが……」
「私の装備はすでに完成されてるの、カズマとは違ってね。この羽衣なんて状態異常のステータスをすべて無効化する神器なのよ!」
「って言ってるが、実際のところ昨日飲み過ぎたせいで金欠で、装備を買うお金がなかったってだけだ。キャベツの買い取り待ちだな」
「はぁー!? ちょっとデタラメ言わないでちょうだい! 私の装備はすでに超高性能だからあえて買わなかっただけですー! 大体、私は金欠じゃないから! 確かに昨日は結構飲んだけど、酒場にはツケておいてるから実質所持金は減っていないのでした!」
それ、キャベツで稼いだ代金から差し引かれる形で支払うことになるから財布の中身は減ってないように感じるだけだろ。
なんかの手違いで異世界でクレジットカード決済が導入されたとしても、コイツだけには使わせちゃいけない。
そう思っていると今度はダクネスが。
「……ほう、見違えたではないか。今までは寝間着のような格好だったからな、こっちの方がしゃんとしてていい」
「今までの服装、寝間着だと思われてたの!? パジャマじゃねえから! ジャージって言って、歴とした運動服だから!」
「そうなのか? 私はそんな服を聞いたことないが……私が世間知らずなだけなのか?」
「そうだと思うぞ? なあ、ゆんゆん、体操着って知ってるだろ?」
「えっと、紅魔の里の学園でも体操服は着たことありますけど……ま、まあカズマさんのは珍しいタイプだとは思います」
「ほらな? ダクネスが知らないだけなんだよ」
……そう言えばダクネスって食べ方とか礼儀作法とか、細々とした部分が上品に見えるし、意外といいところのお嬢様なのか?
いやいや、ダクネスに限ってそれはないだろ、変態だし。
体操服という概念に初めて触れたのか、自分の常識を疑い頭を抱えるダクネスにめぐみんが。
「ちなみに、体育の授業で使用しますが、基本的に運動服というのはマイナーな存在だと聞きます」
「そ、そうなのか? よかった、私が世間知らずだと思われてしまったかと……」
「紅魔の学園では運動の際に着替えますが他では聞きませんし、むしろ私たちが希有なだけでしょう」
魔法学校か……いかにも異世界の学校って響きだ!
俺もお金が貯まったら入学してみようかな。
せっかく異世界転生して魔法を使わないなんて損だし、いろいろな魔法覚えてみたいし……
「そう言えばこの辺で学校って聞かないな……」
「確かにアクセルの街では学校関連の施設は聞きませんね。教会などで一般教養の勉強を教える活動をしているとは聞きますが。まあ今のご時世ですし、特に王都なんかは年がら年中魔王軍との戦いが激しく、教育施設を建てる費用も暇もありませんからそういうものなのでしょう」
何だろう、少し心がキュッとなった。
この場所は平和に思えても、実際は魔王軍が人類を滅ぼそうとしている異世界なのだ。
今までアルバイトとかクエストを頑張っていたが、もし本当に魔王を討伐しようってんならこんなところにいる場合じゃないのだ。
「というわけで今日もクエストに行こうと思う」
「是非行きましょう! すぐ行きましょう! 昨日キャベツをすべて平らげたあげく唐揚げも注文してしまい、財布の中にはクーポン券しかありません! ですので今からクエストに行かないと生活が……!」
「私も行きたいと思っていたところだ。鎧は修理に出しているのでこんな格好ですまないが、アクセル近辺のモンスターに後れをとることはないはずだ。むしろ鎧がない今だからこそ弱いモンスターの攻撃でもちゃんとダメージが入って……くっ、想像したら武者震いが///」
「み、みなさん奇遇ですね! わ、私も外に行こうと思ってて……今日は天気もいいですし、外でみんなとお昼食べたり……なんて!」
どうしよう、大半が自分の私利私欲を満たすためだけにクエストに行こうとしてるんだが!?
ま、まあ、少なくとも行く気はあるようでよかったと思うべきか……?
そう思っていると、テーブルの木目を数えていたアクアが。
「えー、私はめんどくさいからパスしてもいいかしら? 昨日のキャベツの収入が結構入ってきそうだし、もう少しのんびりしてたいんですけどー」
「お前、もう少しやる気出せよ! 仮にも女神のくせにダラダラすることしか考えてないってどうなんだ!? 魔王討伐したくないのか!?」
「あら、そう言うカズマはどうなのよ」
「する気あるわけないだろ。危険なことはなるだけしないに限る」
「でしょ? じゃあ今日はゆっくりのんびりしましょうよ! 昨日頑張ったし、たまには自分を労って体を休めることも大事よ?」
ぐうの音も出ない正論だ……!
なんか俺も休みたくなってきた。
が、ここでアクアの口車に乗せられてしまったらなんか負けた気がする!
「休むのは大事だろうが今は頑張るときだろ! このままだと俺たち一生馬小屋生活を送る羽目になるぞ!」
「カズマさんは心配性ねぇ。この前クリスから巻き上げたお金だって残ってるんでしょ? それも2週間乗り切れるくらい」
「巻き上げたって言うなよ人聞き悪いだろ。というかマジで言ってる!? もしかして今の生活に慣れすぎて一生馬小屋に住み着こうとしてないか!? おい、正気に戻れ、流石に一生あの生活はまずいって! 念願のマイホームじゃなくてもいいから、せめて人並みの生活を取り戻せ!」
寝起きで目の前に馬の糞がある気持ち、わかるか?
ベッドで毎日寝ていたありがたみをかみしめる毎日だぞ!
そう思っていると、アクアはもじもじと体をくねらせながら。
「そりゃ、カズマさんだって年頃の男の子だしぃ? プライベートな空間で一人そういうことしたいのはわかるけどぉ……」
「ご、誤解を招くような発言すんな!? 今はまだいいかもしれないけどな、今後冬が来たりしてみろ! 馬の糞で暖をとるなんて生活考えたくもない!」
「まあまだまだ冬なんて来ないし、大丈夫で――」
このままじゃ埒が明かない。
そう思って俺は交渉材料を手に入れるべく……
「『スティール』」
右手を伸ばしスキルを発動させると、昨日と同じような布の感触をつかみ取った。
しかしパンツではない。
明らかに手に収まるようなサイズではない布は――
「……確かこれって神器なんだよな。売れば小さい家一軒くらい建つか?」
「ね、ねえカズマ、冗談よね? それ、私のアイデンティティーの一つなんですけど。女神である証をまさか本気で言ってないわよね?」
「あはは…………とりあえず鑑定屋に行って査定だけでもしてもらおうか。売るかどうかはその後考えればいいし」
「ああっいやぁっ! 私の羽衣返してぇ! 行くから! 私もクエスト行くからぁ!」
このすばぁ!!
というわけで、だ。
俺たちはクエストを受けることにしたのだが……
「カズマさん、お肉と野菜が焼けましたよー、お皿に盛っておきま……ちょ、めぐみん! これはカズマさんのお肉なんだから奪おうとしないでよ、私のあげるから!」
「……仕方ありませんね、その代価を渡すのであれば手打ちにしてあげましょう」
「手打ちにしましょうって、ちょっとめぐみん食べ過ぎなんじゃない? 太るわよ?」
「や、焼き肉は直火で炙れば油が抜けるのでカロリーゼロです!!」
いつも以上に元気な紅魔族を尻目に俺は肉をかみしめる。
いや、弁明させてくれ!
最初はジャイアントトードの討伐クエストを受けようと思っていたんだが、ダクネスの鎧がないし、アクアとめぐみんは巨大な捕食者に頭から丸呑みされたのがトラウマだし、仕方ないので別のクエストにしたんだが……
「アレ? カズマさんどうしたんですか? もしかしてもう少し焼いた方が好きですか?」
「あ、いや、ちょっと考え事してただけだ。ハイエナから俺の肉を守ってくれてありがとな、ゆんゆん」
「いえ、私は当然のことをしたまでで……」
「おっ、この肉もいい感じの焼き加減じゃないか! これも貰――」
「ちょっとカズマ、その肉は私が目をつけてたやつよ! ほら、こっちの端っこで私が直々にじっくり焼いてあげた野菜をあげるからこっちを食べなさいよこっち!」
「焦げてんじゃねぇか。というかお前が焼いてたやつなんだからお前が責任持って食えよ! ほら、あーんしてやる!!」
「いやぁぁああ! 私の口の中に暗黒物質をねじ込もうとしないで!」
「まあまあカズマさんもアクアさんも、お肉はまだたくさんありますから喧嘩しないでくださいね?」
ご覧の通りバーベキューをしていた。
「いや、クエストは!?」と思うかもしれない。
俺もさっきまで思ってたところだ。
しかし今回のクエスト、ゾンビメーカーの討伐となると話は別だ。
街から外れた丘の上にある共同墓地に現れるというのだが、出現時間は夜。
まだ太陽が沈みきっていないので俺たちはその墓地から少し離れた場所に張り込んでいた。
まあ、張り込みとは名ばかりで、ジュージューと肉を焼いているわけだが……
「いいですかカズマ、これは何と言おうと張り込みなのです!」
「いや、リスみたいに頬膨らませて何言ってんだ? どう考えても張り込みじゃないだろ。そもそもゾンビメーカーってのは夜に出現するモンスターで、今は夕方だし、張り込みも何もないと思うんだが」
「ちっちっち、いいですかカズマ」
「カズマです」
「ゾンビメーカーは宵闇に紛れて現世に顕現するモンスター。血肉に餓えた獰猛な魔獣かの如く新鮮な肉の香りを嗅ぎつけ、その生命の死を冒涜するのです。この肉を焼くという行為はゾンビメーカーを誘き寄せるための儀式なのです」
「いや、ゾンビメーカーってゾンビを操る悪霊の一種って聞いたぞ? 悪霊が死体に乗り移って……まさか、この焼き肉にゾンビメーカーが憑依して、それを俺たちが食べればクエスト完了って言いたいのか?」
「いえ、単にかっこつけてみただけです。こう言った方が張り込みの雰囲気出るじゃないですか」
いや、旨そうな香りが漂ってる空間になってる時点でそんな雰囲気ない。
そもそも、肉とキャベツを一番食べているのがめぐみんな時点で張り込みだという主張に説得力がない。
「まったく、そんなこと言ってるんだったら一人で張り込んでおけよ。俺たちは代わりに肉食べてるから」
「ああっ、それを言うのは卑怯です! 私はまだ全然食べ足りないんですが!」
「本当にどれだけ食べるんだよ、俺の倍食べてるくせに! 食べ盛りならあんパンと牛乳持参して張り込み先で食ってろ!」
「まあまあ、そう言ってやるなカズマ。めぐみんはそういう年頃なのだろう」
「おい、食べ盛りだとか年頃と言って私のことを子供扱いするのはやめてもらおうか! そもそも紅魔族は大人子供含めて全員いつもこんな感じなのですから、年頃でも何でもないのですよ! ゆんゆんだけが例外なだけです!」
ダクネスのフォローが気に入らなかっためぐみんは、ゆんゆんを指しながら主張する。
なお、肉と野菜が焦げる前にひっくり返して取り分ける係を率先してやっているゆんゆんは焼き加減に集中しているせいで何も聞いちゃいなかったが。
「あ、カズマさん、今火が消えちゃって……魔法お願いできますか?」
「おう、わかった! 『ティンダー』! あと『ウィンドブレス』!」
俺は炎を出す初級魔法と風を生み出す初級魔法で鉄板の下の木に着火する。
覚え立ての魔法だが、意外と使い勝手がいい。
いい魔法を習得したもんだと思っているとゆんゆんが。
「カズマさんは何気に私より魔法の使い方が上手ですよね……使いこなしてるっていうか」
「いや、ゆんゆんの方が威力すごいじゃないか、さすが上級魔法!」
「あ、いえ、そんな……上級魔法だなんて火力調節できないですし、お肉を焼けるカズマさんの方がすごいと思います!」
「……何だろう、褒められてるのにすごく馬鹿にされてる気分なんだが」
「どうしてですか!? 私、感動してるんですよ! カズマさんみたいに使いこなしてる人は初めて見ましたし!」
「えっ、そうなのか? 普通こういう風に使うもんじゃないのか?」
「いえ、初級魔法なんて戦闘で使えないので誰も習得しようとしませんし、でもカズマさんを見てると便利そうだなって」
やっぱり「戦闘に使えない料理用の魔法を覚えて凄いです!」って皮肉だろ。
もしかして地元の学園で友達できなかったのって、この天然が災いしてるんじゃなかろうか。
そんな視線でゆんゆんを見ると。
「私も初級魔法覚えてみようかなぁ……でもスキルポイントが……」
何か深く考え込んだ様子でブツブツと呟いていた。
スキルポイントって言ってたし、何か覚えたいスキルでもあるのかもしれない。
そんなこんなしているうちに、辺りは宵闇に包まれていった。
ストーリー進行の早さどうですか?
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もっとはやく(伏線など要所に絞って書く)
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ちょいはやく(アニメ各話ごとに~1万字)
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今で丁度いい(アニメ各話ごとに2万字)
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もっと深掘り(アニメ各話ごとに2万字~)