前までは有志の方の翻訳動画や自力でなんとなく翻訳してみてたので
公式日本語訳がでるのは嬉しさしかないです。あと吹き替えも!!
高木さんのブリッツ柄悪ぃ~~(笑)
あとLoonaの日本語表記がルーナなのかルナなのかハッキリしたのも地味に嬉しいです。
広場には赤黒い血が川のように流れ、石畳を染め上げていた。
倒れ伏した死体の山は、もはや風景の一部と化し、鼻を刺す死臭が風に混じり漂っている。
かつてこの地を牛耳っていた上級悪魔たちの影は、すでに跡形もなく屍と化していた。
その中心に立つのは——ラジオ・デーモン、アラスター。
彼は余裕の笑みを崩さず、無造作に足元の死体を踏みしめる。血と骨が潰れる鈍い音すら、彼の耳には心地よい旋律のようだった。
「いやぁ、実に楽しい夜ですネ!」
アラスターは両手を広げ、血の匂いを胸いっぱいに吸い込む。狂気の愉悦に満ちた笑みを浮かべるその姿は、まさに"虐殺そのもの"だった。
しかし、その時間は長くは続かなかった。
——コツ、コツ、と新たな足音が響く。
静まり返った広場に、冷たく乾いた靴音だけが重く響く。
「……どうやら、俺もその"遊び"に付き合わされるハメになりそうだな」
黒いコートを翻し、オスカーが歩み出る。
その眼差しは氷のように冷え切り、しかし奥底には確かな戦意の炎が燃えていた。
アラスターの口角が跳ね上がる。
まるで面白い獲物を見つけた捕食者のように、彼は愉快そうに目を細めた。
「おやおやおやおや! これはこれは! まだ戦う気力を残している悪魔がいたとは!」
彼は芝居がかった仕草で両腕を広げ、声を弾ませる。
「まったく、私の狩りもそろそろ終盤戦かと思っていましたが……どうやらまだ"遊び足りない"ようですねぇ?」
オスカーは言葉を返さず、剣を抜き放ち、その切っ先を大地に突き立てるように構えた。
地面に染みついた血を吸うかのように、刃が赤黒く鈍く輝く。
「……何やら急いでる様だな、お前?」
低い声が静寂を裂く。
「おや、私が急いでいるように見えますか?」
「ああ、そう見える」
オスカーは剣先を軽く傾け、一歩前へ踏み出した。
その一挙一動に呼応するように、空気が張り詰める。
「ほう……?」
アラスターは顎に手を添え、愉悦を滲ませる。
そこで、オスカーは静かに問いを投げた。
「なぁ、一つだけ質問させてくれ」
血と硝煙の匂いが染みついた空気の中、彼の声は妙に重く響く。
「どうしようもないクズでも、変われると思うか?」
一瞬、空気が止まった。
アラスターは目を瞬かせ、すぐに愉快そうに噴き出す。
「HAHAHA! なぜそんな質問を私にするのです?」
「……誰でもその気にさえなれば、良い奴になれると思うか?」
剣を強く握る。
自分でも、なぜこんな言葉を口にしているのか分からない。ただ——その言葉は確かに、昔"誰か"から聞かされたものだった。
アラスターは肩を揺らし、にやりと微笑む。
「いやいや、実に哲学的だ! だが答えを期待されても困りますネェ!」
「……そうかい」
オスカーの声が低く沈む。
「なら、質問を変えてやろうか」
次の瞬間、彼の剣が赤黒いオーラを纏った。
闇そのものが刃に宿り、周囲の空間を震わせる。
「Do you wanna have a bad time?(俺と"最悪なひと時"を過ごす気はないか?)」
空気が張り裂けるような緊張に支配され、沈黙が広場を覆う。
だが——
「ハハハハハッ!!!」
アラスターが突如、愉快そうに爆笑を上げた。
「いやはや!! いいですねぇ!! その言葉、"ダンス"の誘い文句としては最高です! 百点満点です!!!」
彼はまるで舞踏会の相手を誘うかのように、一歩前へ踏み出した。
「しかし、"最悪"というのは一体、どちらにとってのことなのでしょうネ?」
オスカーは目を細め、低く吐き捨てる。
「もしお前が、もう一歩でも進めば……」
魔剣から放たれる黒いオーラが膨れ上がり、不吉な波動が辺りを支配する。
「これから起きることに、きっと後悔することになるだろう」
「ハハハ! "後悔"? それは私の辞書にはない言葉ですヨ!」
アラスターの影が不気味に広がり、地面を這い回る。
オスカーは短くため息を吐いた。
この戦いが決して容易に終わらないことを、すでに理解していた。
それでも、静かに言葉を紡ぐ。
「今日は良い日だと思わないか?」
地獄の赤に染まる空が広がり、熱気が狂気のように渦巻く。
「小鳥は歌い、花は咲き乱れ……」
魔剣を掲げ、オスカーの声が低く響く。
「こんな日こそ、お前のような悪党には……」
一拍の静寂。
「地獄の業火に焼かれてもらおう」
彼がその言葉を告げた瞬間——
無数の黒い羊の頭蓋骨が宙に浮かび上がった。
異形の眼窩に赤い光が灯り、アラスターを完全に包囲する。それはまるで"死の宣告"そのものだった。
「おやおや……随分と派手に仕掛けるじゃありませんか?」
アラスターがわずかに目を細める。
その頭蓋骨たちの口内が一斉に光を帯びる。
二十を超える砲口が紅蓮に輝き、狙いを一点に絞る。
「ハッ」
オスカーが指を鳴らす。
ーーー爆音。
凄絶な光線が一斉に放たれ、広場を灼熱の奔流で飲み込んだ。地獄の大地は裂け、瓦礫が吹き飛び、爆炎が狂った舞を踊る。
眩い閃光が消えた時、そこに残ったのは灰と煙だけ。
オスカーは剣を握り直し、煙の向こうを睨む。
果たして、決着はついたのか。
——そのとき。
「フフフフ……」
炎の中から、笑い声が漏れる。
黒い影がゆらりと立ち上がり、ゆっくりと姿を現した。
そこに立っていたのは、アラスターだった。
無傷とまではいかないが致命傷は受けなかったようである。
「ハハハハ! HAHAHAHAHAHAHAHAHA!!!」
満面の笑みを浮かべ、両腕を広げる。
「素晴らしい!! 実に素晴らしい!! これが貴方の言う"地獄の業火"ですか!? いやはや思った以上に熱い!! これはますます楽しくなりそうだ!」
その声は血の匂いに満ちた空気を震わせ、広場全体を狂気で満たす。
こうして——"最悪なひと時"が幕を開けた。
▼▼▼▼
オスカーが目を覚ますと、そこはI.M.Pのオフィスだった。
天井に取り付けられた安っぽい蛍光灯の光が、ぼんやりと視界に滲む。ソファに横たわっていたせいで首筋が少し痛む。休憩と称して横になったことを、ようやく思い出した。
「……いやなもん、思いだしたな……」
額に手を当てて息を吐いたその時、コツコツと足音が響く。視線を向けると、コーヒーの入ったマグカップを二つ持ったルーナの姿があった。
彼女は気怠そうに、しかしどこか気を遣うように眉をひそめている。
「あー、アンタ起きたの。はい、眠気覚まし」
「ああ……悪いな」
差し出されたマグを受け取り、一口すすると、苦味が舌に広がり、ようやく現実に引き戻される感覚があった。
「何? せっかく人がコーヒー淹れてやったのに、その不機嫌そうな顔」
「いや……すまん。悪い夢を見たんだ。察してくれ」
「何よ、また悪夢?」
「だいたい合ってる」
言葉を返しながらも、オスカーの心の奥底にはまだ赤い残響がこびりついていた。
脳裏に、あの赤い悪魔の哄笑がフラッシュバックする。
それは現実ではなく、ただの夢のはずなのに、耳の奥で幻聴のようにこだまして離れない。
苦いコーヒーの香りが漂うオフィスの中で、オスカーは無意識に顔をしかめる。
その表情に、ルーナは訝しげな視線を向けるが、あえて何も言わなかった。
当時の事の経緯
サタン「なんか墜ちて来たばっかりの罪人が調子に乗って暴れてるから〆て」
オスカー「えぇ.....?」