MASTER of KILLING・SHADOW WAR(仮) 作:究極の闇に焼かれた男
オルバ子爵領にあるディアボロス教団のアジトの一つ、その地下道を1人の男が歩いていた。
男は地下道の突き当たりで止まると、脇に2人の兵士を配置する形で警備されている一つの扉の前に立つ。
「カゲノー男爵家の娘は此処か?」
「この中です、オルバ様」
扉を警備していた兵士の1人が敬礼しながら答えると、扉の鍵を開くとディアボロス教団の幹部候補である男【オルバ】は扉の先へと入って行く。
中には石造りの地下牢があり、そこには1人の少女が魔封の鎖で繋がれていた。
「クレア・カゲノーだな」
オルバに呼び掛けられた少女【クレア・カゲノー】は顔を上げると、気の強そうな視線でオルバを睨み上げる。
相対した2人の会話は静かに地下牢に木霊するのだった。
一方その頃、ディアボロス教団のアジトの隠し通路にて白いフード付きの外套を着込んだ狐の面を被る1人の少年が歩いていた。
『アルファ達には正面から乗り込んでいいと言ったが、肝心の俺はこうして奴等の隠し通路から侵入するとは、アルファ達を信頼しているからなのか、はたまた久々に1人になりたかったのやら……』
独り言つ狐面の少年ことルークは、隠し通路内を歩いていると不意に上が騒がしくなり始めた事に気が付いた。
『どうやらアルファ達が動いた様だな。 さて、その間に俺は此処の出入り口をある程度は壊しとくか』
そう言いながらルークは懐から魔導合金を取り出し、魔力を流し込むと魔導合金の形状が一つの大槌へと変わる。
「さて、仕事に取り掛かるとしますか!」
大槌を掲げるルークは、隠し通路内の壁や出入り口を破壊し始めるのだった。
視点は戻り、現在オルバは部下からの侵入者の報告を受けて地下道を駆けていた。
地下道を駆けるオルバは、やがて地下施設のホールに辿り着くと其処には信じ難い光景が広がっていた。
「どうして、こんな……!」
外の光が唯一差し込むホールに辿り着いたオルバの目に最初に映ったのは真っ赤な血溜まりと、部下だった無数の死体が転がっていた。
「(馬鹿な! 此処には2ndが10人近く居た筈なのに、それが全滅だと!?)……っ、何者だッ!!」
ホールの惨状にオルバは目を見開きながら驚愕していると、ふと背後から複数人の気配を感じ取り思わず腰に差していた剣を抜刀しながら振り返る。
オルバの睨み付ける先には全部で7人ほどの白いフード付きの外套を着込んだ小柄な少女達が居た。 その中の1人、全身に返り血を浴びた少女が月明かりに照らされながらオルバを見据えていた。
少女の姿を捉えた瞬間、オルバは本能的に萎縮するのを感じ取り、額から冷や汗が流れ落ちる。
「…何者だ、何が目的だ?」
オルバは動揺を抑えながら問い掛けると同時に打開策を練り始めると、その問いに答えるように別の少女が前に出る。
「我等は【デイブレイク】。 そして、私はアルファ」
「っ……!」
そう言いながら前に出た少女は顔を覆っていたフードを上げると、晒された少女の姿にオルバは思わず息を呑んだ。
美しい金色の髪を靡かせる、美しいエルフの少女。 その素顔に息を呑むと同時にオルバの本能が警鐘を鳴らし始める。
この少女には絶対に勝てない──本能的に感じ取ったオルバは自然と後ろに一歩下がると、それに合わせる様にアルファも一歩歩み寄る。
「目的は……ディアボロス教団の殲滅」
「っ、貴様……どこでその名を知った?」
「我々は全てを知っている。 魔人ディアボロス、ディアボロス教団の実験、英雄の子孫、そして……悪魔憑きの真実」
「な、何故それを……!」
「答える必要が有るかしら?」
「くっ……!」
アルファの言葉にオルバは奥歯を噛み締めると、自分の取るべき行動を瞬時に思い付く。
情報漏洩は許されない、しかし目の前に立ち塞がる少女達を始末するのは不可能。 ならば、オルバの取るべき行動はただ一つ……
「あああああぁあぁぁぁぁ!!」
気迫とともにオルバは抜刀した剣でアルファに斬り掛かる。
オルバの取るべき行動、それは生きて少女達の存在を教団本部に伝える事である。
だが、オルバの振るった一撃が届く事は無かった。
「あら、無謀ね」
オルバの振るった一撃をアルファは手にしていた剣で容易く受け流し、そして目にも止まらぬ速さで斬り返した。 オルバは頬が裂け、赤い血が宙を舞う。
だが、それでもオルバは剣を止まらずに勝機を探り続ける。
刃を何度も振るい、その度に避けられるも勝機を探り続けるオルバだったが、何度目かの空振りをすると同時にアルファの剣によってオルバは胸を斬り付けられて後退る。
「これ以上は時間の無駄ね」
そう告げるアルファの言葉にオルバは何も答えない。
斬られた胸を押さえながら蹲るオルバは、口元に小さく笑みを浮かべた直後、何かを飲み込んだ。
「何をして……なっ!?」
何かを飲み込んだ直後、オルバの肉体が一回り膨張した。 肌は浅黒く、筋肉は張り、目を血の様に赤く光った。
変化はそれだけでは無く、オルバの魔力量が爆発的に増え、予備動作無く振るわれたオルバの剛剣がアルファへと迫る。
アルファは瞬時に防ぐも、腕に伝わる衝撃に顔を顰めながら跳ね飛ばされる様に距離を取る。
「面白い手品ね」
衝撃により痺れた腕をパタパタと振りながら、アルファは首を傾げる。
「アレは、もしかしてルークが言っていた錠剤? それに、あの波長は魔力暴走かしら……それを無理やり抑え込んで……だとしたら……」
「アルファ様、大丈夫ですか?」
初めて後退したアルファに、背後にいた少女の1人が声を掛ける。
「問題ないわ、ベータ。 少し面倒になっただけ……って、あら?」
ベータの言葉にそう返しながらオルバの方に意識を戻すも、先程までオルバの居た場所には大きな穴が開いており、オルバの姿は無かった。
「……逃げたわね」
「逃げましたね……追いますか?」
「必要ないわ。 この先には彼がいるもの」
オルバの後を追い掛け様としていたベータにそう告げると、アルファは穴の先を見つめながらクスッと柔らかく笑うのだった。
「な、何なのだコレは……!?」
アルファ達の目を奪って逃げ果せたオルバが飛び降りた先にある隠し通路に降り立つも、顔を上げるたオルバの目には余りにも信じ難い光景が広がっていた。
辺り一面の壁は何かによって砕かれており、至る所には破壊の跡が刻まれていた。
「まさか、他にも侵入者が……「アルファ達から逃げ果せるとは、大した逃げ足だな」っ……!?」
隠し通路の有様にオルバは焦躁に駆られていると、ふと耳元で誰かに囁かれた事に気付いたオルバは咄嗟に合剣を振るうも、その一太刀は軽々と防がれた挙句、オルバの剛腕に衝撃が走る。
「おっと、いきなりな挨拶だな。 少しは会話を楽しまないとダメだぞ?」
「ぐっ!? な、何者だ貴様ッ!!」
オルバの振るった一撃を、一本のナイフで軽々と受け止めた狐面の少年にオルバは腕に走った衝撃に顔を歪めながら叫ぶ様にして問い掛けていた。
「俺か? 俺は、そうだな……【ナハト】。 俺の名はナハト、ディアボロス教団を撲滅する者だ」
続く‥?
次回の更新はアンケートの結果が決まり次第投稿されます。
それと、良ければコメントの方をお待ちしております。
追記.オアンケートの結果次第で原作であったミリアを救う人物がオリ主になるかオルバになるかの二択に変わります。
本作のメインヒロインは誰が良いですか?
-
アルファ
-
ベータ
-
ガンマ
-
デルタ
-
イプシロン
-
ゼータ
-
イータ