シー・ウー<ちっ奇襲に対応されたか   作:個々易々地

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シー・ウーには目がないのでなるべく見る行為が絡む表現を使わないようにしてたんですけど
文章書く上でめちゃくちゃ書きづらかったのでやめます

え?メタ的な理由じゃなくて生物学的?な理由を言え?
そりゃあ、あれだよほら心の目的なやつだよ


第二話 本日の被害者:護竜セクレト(複数)

シー・ウーです

 

♪〜

 

この世界に来て初めての食事を楽しもうとチマチマ小分けにして食べてました

 

♫〜

 

突然死体が結晶化して、大事にとっておいた尻尾が食えなくなったとです

 

♬〜

 

シー・ウーです──

 

シー・ウーです──

 

シー・ウーです──

 

 

 

哀愁を漂わせたタコが結晶化した尻尾の前でひとりごちている

何処からともなく哀しい雰囲気のBGMが聞こえてくるがあいにくここに狩猟笛はない、幻聴だ

 

数分後

 

『尻尾は鮮度が命』という教訓が彼の中でしっかりと刻まれた所で彼はようやく再起動した

 

(さてこれからどうしようか)

 

彼はひとまず今後の身の振り方を考え始めた

 

(おそらく新作のモンハン世界に転生したところまではいい

 問題は俺が人間、言い換えればハンター、更に言い換えれば()()()()()()とどの程度関わるかだ)

 

彼にとってモンハン世界の主人公とは

たった一夜で巨大な王国を滅ぼした黒龍を単独で討伐したり

強力なモンスターでさえ死に至らしめる病気や寄生虫を克服したり

どんなに高いところから落ちても平気だったりと

ちょっと色々おかしい存在である

今作の主人公がそうである可能性は高い

もし狩猟対象なぞになろうものならその日の夜はタコパ確定である

もちろん食べるのはハンターだ

 

(よし、人間には近づかないようにしよう、そうしよう、そうしよう)

 

脳内でたこ焼きに鰹節をかけるところまで想像してタコは一番安全な案を採用した

もっともシー・ウーを食べようとする酔狂なやつはいないと思うのだが、そこを指摘するのは野暮である

 

(ああ、そういえば他のモンスターに食べられることもあるのか)

 

彼は今更ながらその可能性に気づいたようだ、普通はそっちが先に思いつきそうなものだが

しかしそれも仕方のないことである

仮にも『空の王者』と呼ばれるリオレウス、そのそっくりさんを下し捕食したことで彼が脅威と感じるモンスターはいないと思い込んだのだろう

実際に彼の脅威となるようなモンスターはこの地域には()()を除き存在しない

とは言っても彼が普通のタコであればその思い込みは油断も良い所である

()()()()()()()()()だが

 

(う〜ん、どうしたものか

 ここらへんに出てくるモンスターもわかんないし

 俺の知らないモンスターだっているかもしれない

 かといってずっと巣に引きこもってちゃ腹が減るばかりだしな〜)

 

彼の前世は人間である

地球のすべてを支配するまでに至った人間の頭脳

そして新たに会得した強靭な肉体

それらが合わさった彼に敵はいないのである

 

(はっ!ひらめいた!)

 

どうやら彼はその優れた頭脳で名案を思いついたらしい

触手のうねり具合からしてかなりの名案である

やはり頭脳…!頭脳はすべてを解決する…!

 

(食べられる前に食べてやればいいじゃないか!んっん〜、こいつはなかなかに名案だな!)

 

・・・彼は頭の中までタコになってしまったようだ

もう元人間だと名乗らないでほしい、切実に

 

(それじゃあ早速探しに行きますか!今日の晩ごはん!)

 

 

 

 


 

 

 

 

『突撃!お前が晩ごはん!』

さあ、今週も始まりました『突撃!お前が晩ごはん!』リポーターのシー・ウーでございます

私が今いるのはなんかめっちゃ入り組んだどこか!

今日はここでどんな晩ごはんと出会えるのでしょうか、早速行ってみましょう!

 

(とまあ、ふざけてみたけど普通に迷子なんだよね)

 

タコは迷子になっていた

晩飯を探そうと周囲を探索し始めたのだが調子に乗って遠くまで来てしまったのである

 

(にしてもさっきからあるこの水風船みたいなのって何なんだろ)

 

青白く怪しげな光を放つ球体

透けたその中身は体を丸めた胎児のように見える

いや、実際にそうなのかもしれない

この謎の球体は植物でも鉱石でもなく・・・

 

(卵…なのか?)

 

感触を確かめるために触手でつついてみるタコ

 

(触ってみた感じ卵というより繭のほうが近いな

中身の方は・・・)

 

中身を確認しようとタコが近づいたときだった

突然繭の中身が震えだし目をカッ開いたではないか!

タコはその場で5mほど垂直に跳んだ後、近くの岩場へと退避していた

そんな事をしている間にも繭からはもう頭が出てきている

 

(うわぁ、生命の神秘!)

 

繭から出てきたのは人一人が乗れそうなくらい大きい鳥

タコに見覚えはない

そして鳥は辺りをきょろきょろ見渡すとタコと目があった

 

「ミ゙ーニャオ(あっおはようございます)」

 

とりあえず挨拶、これ大事

ただしそれは話の通じる相手に限る

あいにくタコは鳥語が喋れない

よって・・・

 

(ウワー!タスケテクレ−!)

 

現在、タコは鳥に頭を突かれていた

とは言っても体格差から人間で言うと大型犬にこづかれている程度の衝撃なのだが

それに対して頭を触手で抱えて縮こまる姿に元人間としての威厳はない

 

(俺なんか無視してどっか行ってくれよ〜可愛い生き物は食べたくないんだよ〜)

 

そんなタコの思いも虚しく鳥の頭を突くスピードが早くなる

可愛いと思われたことを感じ取って腹が立ったのだろうか

鳥の真意はわからないがそろそろ頭が本格的に痛くなってきた

 

(しかたない、これも自然の摂理…いただきます!)

 

目にも止まらぬ速さで裏返り大口を晒すタコ

いきなり現れた大口に鳥は反応できずに丸呑みされてしまう

 

(mgmg…意外といけるな)

 

タコはそこであることに気づく

 

(もしかしてここら一体にある繭全部中身鳥なのか)

 

ここがタコにとっての理想郷(食べ放題)であることを

そうして本日の晩ごはんが決まった

 

 




護竜セクレト:バイキング。ジャンクフード。豚太郎って言うな。テリヤキバーガーって言うな
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