ウマ娘の発育と、トレーナーについて   作:hk33

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勝負服

 

 

 

『勝負服』

 全てのウマ娘が、それを纏い、一番に駆け抜けることを夢見るものである。

 全てのトレーナーが、それを纏い、疾走する愛バを夢見るものである。

 

『勝負服』とは。

 ウマ娘の信念が、情熱が、想いが、魂が形を得たものである。

 

 そんな勝負服を俺は……

 俺は……! 

 

 邪な目で見てしまうなんて……!! 

 

 

 

 初めてスカーレットの勝負服のデザイン案を見たときから、俺の胸に引っ掛かるものがあったんだ。

 

 なんか、この勝負服……胸が……? 

 

 だけど、俺は言えなかった。

 初めてデザインを見たスカーレットの、キラキラと輝いた瞳。

 感嘆の声が漏れる、大きく開いた口。

 尻尾は揺れ、耳はデザインへの関心を百パーセント示している。

 

 そんな姿を見てしまったら……もう……。

 黙るしか、なかった……。

 

 

 

 

 そして、今日。

 ついに、スカーレットの勝負服が届いた。

 

 大喜びで勝負服を眺め、着替えるスカーレットと、そんな珍しい様子を微笑ましげに眺めるルビーとカレン。

 俺はと言えば、担当ウマ娘の勝負服に嬉しい心と、喉に引っ掛かった言葉を気にする心。

 

 まさしく心が二つある。そんな状態。

 

「なんだか、着てるだけでパワーが湧いてくるみたい!」

 

「イイな~、カレンも早く欲しい~」

 

「勝負服は、スカーレットさんだけではなく、製作に携わった全ての方々の願いや期待、多様な想いの込められた物です」

 

「──そうですよね……!アタシ頑張ります!」

 

 ルビーの言葉に、決意を新たに。

 拳を握り締めるスカーレットの瞳は、メラメラと燃えている。

 

 そうだ……ルビーの言う通り。

 勝負服には、スカーレットだけじゃない、色々な人たちの想いが乗っているんだ。

 他人事じゃないんだ。思い出せ、俺。

 初めてルビーが勝負服を着たときに感じた、喜びとプレッシャー。

 あの時に自覚したんじゃないか。もう、想いを届けるだけの立場じゃないんだって。

 俺だって、想いを背負う側の人間なんだ。

 

 スカーレットの勝負服が、ちょっと胸を強調してるように見えるからってなんだ! 

 そんな事が理由で、勝負服から目を背けるなんてトレーナーとしてあってはならないだろ! 

 

 俺は決意を胸に、ゆっくりと顔を上げる。

 自分の目で、捉えるんだ。

 

「軽くて動きやすいわ!」

 

 顔を上げた先では、スカーレットがぴょんぴょんとその場で跳び跳ねていた。

 

 ぴょんぴょんと……。

 

 ぷるんぷるんと……。

 

 ばるんばるんと……。

 

「ウワーーーー!!!」

 

 俺は咄嗟に両目を覆い、ソファに顔面を押し付ける。

 背中から三人がこちらを気にする声が聞こえるが、反応することが出来ない。

 頭の中は、巨大な白玉で埋め尽くされてしまった。

 

 あれだけの決意をしたのに……! 

 スカーレットのトレーニングも沢山見てきて、最近は慣れたかな?って思ってたのに……! 

 ジャージとは破壊力が桁違いだ……! 

 

「お兄ちゃん、どうしちゃったんだろ?」

 

「ハァ……なんでもいいけど、そろそろ起きなさいよっ!」

 

 ぐわっ、と身体が持ち上げられる。

 背中に触れているモノの質量からして、多分スカーレットだろう。

 

 ……エッ……!?

 

「わァ……ァ……」

 

「泣いちゃった!!」

 

「トレーナーさん……そこまで、スカーレットさんのことを想っていらっしゃるのですね……」

 

「なんか、そういう泣きかたじゃない気がするけど……?」

 

「アタシのトレーナーなんだから、しゃんと立ちなさい!」

 

 なんと情けないことか。

 担当ウマ娘に抱えられ、担当ウマ娘の胸にびびって自我を喪いかけてしまっていた。

 床に下ろされ、自分の足で立つ今も、両目を覆う手を外すことが出来ない。

 ああ、情けない。

 

「──そろそろアタシの勝負服姿、ちゃんと見なさいよ。アンタがまともにこっち見てないの、アタシ気付いてるわよ」

 

 ──バレてた。

 くそっ、何故だ……!ちらちら伺ってはいたというのに……!

 

 いや、大丈夫だ。

 今のスカーレットは、跳び跳ねていない。

 さっきは、想定外に跳び跳ねていたからやられただけだ。

 そうだ、今ならなんとかなる……!

 

「なんとかなれーッ!」

 

 両目を覆うのを止め、背中側にいるであろうスカーレットの方を向く。

 いつもと同じ、自信満々な表情で、いつもと違う装いに身を包む彼女。

 別に見るのは初めてって訳じゃない。けれど、やっぱり新鮮で。

 思わず、これまでの彼女との日々と、これからの栄光の日々に想いを馳せてしまう。

 

「ちょっと、なにか言うこと無いわけ?」

 

「──そうだね。スカーレット、君に相応しい言葉を贈るよ」

 

 改まって言うのも、他の二人がいる前で言うのも恥ずかしいけれど──

 

「スカーレット、君が一番だよ」

 

「──そうよ!アタシが一番なんだから!」

 

 その言葉と共に、巨大な白玉が目の前に──

 

 

 視界がモノクロになる~……

 

 

 






 まるで最終回みたいだな。
 ということで、このまま終わると最終回みたいになりそうだったので、トレーナーには潰されてもらいました。かわいそうだね。

 お久しぶりです。今回はまた、前回からかなり経ってしまって申し訳ない。
 次回は、多分早く投稿するかも……。書いて無さすぎて千文字書くのも一苦労だったのでわかりませんが……。

 それにしても、スティルインラブのシナリオは驚きましたね。
 最近はもっぱら、スティルとめにしゅき♥️ラッシュっしゅに頭の中を支配されているので、次回はそれを解消したいと思います。

 前回、感想・ここすき・お気に入り・評価をしてくれた方々ありがとうございました。

 そして、今回ここまで読んでくれた方々もありがとうございます。

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  • おっぱい
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