新米Vtuberの神社運営生活@デスゲーム〜のんびり配信生活をするつもりが、なぜかNPCの皆さんに信仰されていました ~   作:梯子田カハシ

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第15話 配信:近況報告と鬼ごっこ

 

こいちゃんと2人でおにぎりを食べながら、コメントに反応しつつのんびりと過ごす。

いつの間にかイロハが私の膝の上でゴロゴロしていて仕方なく撫でてあげる。

 

 

「ひとまず先輩方が全員無事みたいで良かったよ~」

 

「うん。安心した」

 

「そうだね~。でも、ちゃんとRPGっぽいムーブしてる先輩が多いのは私的には結構意外だったかも」

 

「ブイチューバー、だいたい破天荒」

 

「そうそう。だから、突拍子もないことしてる先輩が多いのかなって思ってた」

 

「ガイドの指示、とか?」

 

「う~ん…どうなんだろうね。私達、ガイドいないし」

 

「天使、いらない」

 

「でもでも、コメント見てると戦闘とか見応えがあって面白いみたいだよ?」

 

「へっ、初手でガイドぶった斬ったご主人がよく言う」

 

「イ~ロ~ハ~? それは言わない約束でしょ~?」

 

「なほちゃん、気にしない。私も天使を倒した仲間」

 

「こいちゃんはこいちゃんで、なんで胸を張ってるのよ……あっ、ほら視聴者さんが気になってコメント始めちゃったじゃん。本当にわざとじゃなくて、事故なのに……」

 

「事故でも事実ではあるからな、ご主人」

 

「もう……」

 

 

私はイロハを軽く突っつきながらコメント欄に視線を向ける。再び加速をするコメントに小さく溜息をつく。

 

 

【むしろ我々視聴者は全く配信をしない貴女達を心配していたのですが…】

 

【まじでそれな】

 

【いなこいの2人はマジの音信不通状態だったし】

 

【にしてもおにぎり旨そうやなあ】

 

【ニッコニコでおにぎり食べるこいちゃんかわよ】

 

【へ?】

 

【は?】

 

【ガイドって、あの天使みたいなAIガイド?】

 

【ぶった斬った…だと!?】

 

【いなほちゃん何しとんねんwwww】

 

【だってアレいないと何もできないでしょ】

 

【いなほちゃんだけかと思ったらしっかりこいちゃんもヤッてんのかいwww】

 

【事故って、どう事故ってガイドを倒すんだよww】

 

【たしかに見かけないとは思ったけど……】

 

【そりゃ2日間配信もしない訳だわ】

 

【いなこいって意外に血の気が多いタイプ……?】

 

 

イロハの暴露でコメント欄が一気に私のガイド真っ二つ事件についての質問に変わっている。

 

自分でも何となく配信トークのネタになるな~とは思ってたけど、おもしろ失敗談として温存しておきたかったからイロハにこんなにあっさり暴露されちゃうのは少し想定外だった。……でも、この流れなら話すしかないよね。せめて視聴者さんが切り抜きとか作って拡散してくれると良いけど。

 

 

「いや~、本当に大した話ではないんだけど……ASTOにログインして、腰に日本刀があったから試しに素振りをしていたわけですよ……。そしたらね? ほら、サクッといっちゃったと言うか……うん、不慮の事故なのです」

 

「ご主人、サクッというよりはズバッて感じだったぞ」

 

「それは……これでも剣道やってたし?」

 

「そもそもログインして最初にやることが素振りな時点で結構だと思うぞ、ご主人」

 

「それは、そうかもだけど」

 

「なほちゃん、眷属に論破されてる」

 

「こいちゃんだって天使倒したんでしょ!!」

 

「なんか気持ち悪かった」

 

「それだけでガイド倒しちゃうこいちゃんが一番凶暴だと思うよ!!」

 

「褒め言葉だと思ってる」

 

「……なんでドヤ顔してるの、こいちゃん」

 

「えへん」

 

「やっぱり私って根本的にVtuberに向いてない気がする……」

 

 

自身の凶暴性にドヤ顔を浮かべるこいちゃんの横で眷属の小龍(ミニドラ)がやれやれといった表情で首を振っている。ミニドラといっても中華風のレック〇ザ式の龍だからどこからが首で、どこからが胴なのかは分からないけど。

 

……そういえば、まだ視聴者さん達には私達の武器とか見せてなかったよね。

 

 

「こいちゃん。今更だけど私達の武器とか紹介する?」

 

「たしかに。忘れてた」

 

「みなさんも気になりますか?」

 

 

念のためにカメラに問いかけるとコメントで視聴者さん達が反応をしてくれる。

他の先輩たちは戦闘シーンとかも配信しているみたいだし需要があるみたい。

 

 

【気になる】

 

【つっても腰から日本刀ぶら下がってるし】

 

【ちゃんと反りが下になってるってことは太刀?】

 

【鞘が巫女装束と同じ色で格好良い】

 

【こいちゃんの武器も気になる】

 

【そういえば武器携帯してないよね、こいちゃん】

 

【2人の戦闘も観たいよね】

 

【たのしみ】

 

 

うん、反応は上々だね。

それではお見せしましょう、我が愛刀を!!

 

 

「こちらが私、稲取いなほの武器、宇迦太刀(うかたち)です!! はい、拍手!!」

 

「わ~、パチパチパチパチ~」

 

「かっこいいぜ、ご主人」

 

「ありがと~。あと、イロハは肉球がポフポフなっててカワイイ」

 

「拍手しようとしたの?」

 

「……」

 

「あっ、拗ねちゃった」

 

 

こいちゃんから逃げるようにイロハが私の肩によじ登ってくる。そんなイロハの行動にコメント欄は私の愛刀そっちのけで盛り上がっている。……神様の名前が入った立派な日本刀なのに、みんな罰が当たるよ?

 

 

【イロハキュンかわよ】

 

【拗ねていなほちゃんの方に逃げたwww】

 

【隠れちゃったwww】

 

【なんでいなほちゃんは不満顔なん?】

 

【せっかく刀見せたのに俺達がイロハくんの事しかしか見てないからやろ】

 

【主従揃って拗ねとるwww】

 

【2人でめっちゃコッチ睨んでるwww】

 

【ジト目たすかる】

 

【いなほちゃ〜ん、見てる〜?】

 

 

煽ってくるようなコメントに私とイロハの2人(匹)でカメラを睨む。

 

 

「くふふ、なほちゃんもイロハも同じ顔してる……」

 

「こいちゃん?」

 

「ふふっ、な、なんでもない……」

 

「……」

 

 

カメラにジト目を向ける私達を見たこいちゃんが声を抑えて笑う。

 

ジト目を今度はこいちゃんに向けると、ミニドラのスイ君と一緒になって目を逸らされてしまう。私は宇迦太刀を鞘に納めて、そのままこいちゃんに飛び掛かる。こいちゃんは分かっていたかのようにサッと私を避けると、そのまま草原を走って逃げていく。……こうなったら捕まえるまで許さないんだからっ!!

 

 

【相変わらず仲ええなあ……】

 

【いなこいてぇてぇ】

 

【いつの間にか鬼ごっこ始まってるwww】

 

【やってること小学生じゃねーか】

 

【推しが元気そうで俺は嬉しいよ……】

 

【最初は生きてるか心配してたくらいやから、ほっこり配信でむしろ幸せな気分やわ……】

 

【他のミディメンだとシリアス配信してる子もいるからね】

 

【ほんと、よかったよね】

 

 

すっかり保護者モードに入ったコメントを他所に私達は全力で鬼ごっこを始める。……こいちゃんもスイッチが入ったのか結構なスピードで逃げている。もうっ……絶対に掴まえるっ!!

 

 

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