新米Vtuberの神社運営生活@デスゲーム〜のんびり配信生活をするつもりが、なぜかNPCの皆さんに信仰されていました ~   作:梯子田カハシ

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第28話 意外と早かった再遭遇

 

樹々の動きが止まって森が静寂に包まれている。

魔樹の跡地にぽっかりと空いた空白地帯で私とこいちゃんが顔を見合わせる。

 

とりあえず、ここから戦うことは確定したわけだし、ステータスでも見てみようかなあ。

 

 

――――――――――――――――――

●基礎情報

〘名前〙稲取いなほ

〘種族〙ヒューマン

〘職業〙稲取稲荷 巫女

〘性別〙♀

〘年齢〙19歳

〘称号〙アストリア/天使殺し/草原の丘の支配者/魔樹の継承者

〘武器〙宇迦太刀《うかたち》

〘装備〙稲取稲荷巫女装束《いなとりいなりみこしょうぞく》/長尾白狐《ながおびゃっこ》イロハ/漆黒の魔樹剣

――――――――――――――――――

 

 

……あ、なんか称号が増えてる。

 

「草原の丘の支配者」の次は「魔樹の継承者」かあ。なんだか仰々しい称号が付いてるけど……他の先輩方もこんな感じなのかな?視聴者さんが言うにはダンジョンとかに潜ってる人が多いって言うし……というか、今思ったけど、魔樹が言っていた「大穴」って、ダンジョンのことだったりして。

 

そんなことを考えながらステータスを確認する。

……やっぱりレベルは上がってないよね。うん、わかってました。

 

 

「こいちゃん、レベル上がってる?」

 

「うん。レベル8」

 

「……そ、そうなんだね」

 

「なほちゃん、落ち込まない」

 

「……うん」

 

「なほちゃん偉い。ギューしてあげる」

 

 

私はされるがままにこいちゃんのハグの餌食になる。

……あ、首元のイロハがちょっと動いた。ちょっと気まずそうな顔してる。

 

 

「イロハ、あとでお説教ね」

 

「……これは不可抗力だぞ、ご主人」

 

 

私のジト目に気が付いて目を逸らしたイロハとそんな会話をしていると、こいちゃんがハグから解放してくれる。そう言えば魔樹と話している間、イロハやアッシュたちはずっと静かにしていたけど、もしかして結界の効果とか?

 

 

「アッシュも待っててくれて、ありがとね」

 

《別に待ってなどいないぞ? 俺と赤兎馬の2人で窪みの周りを見張っていただけだったが、5分くらい経っていない。それよりも、いきなり魔樹が爆散して、そっちの方が驚いた》

 

「そうだよね。ビックリしたでしょ?」

 

《いなほの魔力が消えなかったから心配はしなかったけどな………いなほ、誰か来るぞ》

 

 

座って私に撫でられていたアッシュがスクッと立ち上がる。

 

鼻先をピンと立てて周囲を確認したアッシュが私達を護るように姿勢を低くして森の一点を凝視する。アッシュもなんだか随分とカッコ良くなっちゃったなあ。……そんなことを思っていると、アッシュの見つめる辺りからガサガサと音が鳴って人の話し声が聞こえてくる。

 

 

「念のため私も……イロハ【神降】」

 

「了解だぜ、ご主人」

 

「鯉も……スイ【武装展開】」

 

 

一気に緊張感が高まって、森から聞こえてくる足音がどんどん大きくなる。

私達の見つめるに現れたのは………34期生の先輩方だった。

 

 

▼ △ ▼

 

 

森から現れた先輩方が目を丸くしている。

確かについ数10分前に分かれた後輩たちと森の中で再会したら驚くのも分かる。

 

 

「あら? 貴方達、どうしてここに?」

 

「こ、こんにちは。私達もやっぱり森に行ってみようかと思って」

 

「そうなのね。それにしても、こっちの方で大きい音がしたんだけど……あ、それよりも私達、配信中だけど大丈夫?」

 

「ん?…ああ、そうなんですね」

 

 

先輩たちの近くには球体カメラが1台浮かんでいる。

 

ニア先輩の気遣うような視線を受けてこいちゃんを確認すると、問題ないと頷いてくれる。私も問題ない、というよりも、むしろ登録者さんや視聴者さんが多い先輩方のチャンネルに映れるのは新人としてはありがたい限りですっ!!

 

 

「ぜんぜっん大丈夫です!! むしろ、ありがとうございます」

 

「そう、なら良かったわ。それにしても……貴方達、人気みたいね」

 

「へ? そうなんですか?」

 

「ふふっ、そうみたいよ? コメントでたくさん反応されてるわ」

 

 

そう言ってニアさんは優しく微笑む。

 

何だかさっきのやり取りせいで少し怖い印象だったけど、もしかしたら大丈夫そうかも。あの天使が怖いんだよねえ……あ、睨まれた。やっぱり仲間を倒しちゃったのが良くなかったのかなあ。

 

 

「そう言えば、カメラは1台だけなんですね」

 

「そうね。でも、あのカメラを通して私達5人のアカウントで配信しているから、配信自体はそれぞれって感じね。コラボ配信、ていう言い方がしっくりくるかしら?」

 

「なるほど。そういう感じなんですね」

 

「そうよ。それで……」

 

「……どうかしましたか?」

 

「良ければ、私達34期生とコラボ配信しないかしら?」

 

「へ?……ええっ!?」

 

 

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