新米Vtuberの神社運営生活@デスゲーム〜のんびり配信生活をするつもりが、なぜかNPCの皆さんに信仰されていました ~   作:梯子田カハシ

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第30話 配信:34期生コラボ!!

 

 

「こんにちは。MIDIAX新人の稲取いなほですっ!!」

 

「おつ~、鯉だよ」

 

 

球体の浮遊カメラが起動して私とこいちゃんを捉える。

それと同時に、視界の端にコメントが流れはじめて、加速していく。

 

 

【いち】

 

【こんにちは!】

 

【昨日ぶり!!】

 

【こんちゃー】

 

【おつこい!!】

 

【オツコン!!】

 

【エルエレコラボきた】

 

【いなこいちゃん、初コラボおめ】

 

【いろはきゅんかわいい】

 

【今日もアッシュとイロハが参加ですか!!】

 

【バズの予感】

 

【実際昨日の配信バズってたし】

 

【エルエレとのコラボ楽しみ】

 

【それな。でもどうやってエルエレと合流できたんだろ】

 

【たしかエルエレって結構な森の中に居たよね?】

 

【昨日の大バズりからの初コラボはVtuberの鑑】

 

【エルエレは引退者もいないし、初コラボにはいい相手かも】

 

【なにするんだろ】

 

【どうやってお互いを見つけたんだろ?】

 

 

昨日の余波なのか、配信の超序盤なのにコメントの流れが速い。

それでも、見たことのあるアイコンとかユーザーネームもあって少し安心する。

 

 

「ありがと~。今日はなんとっ!! 34期生 エルフ・エレメンツの先輩方とコラボすることになりましたっ……って、なんでみんなもう知ってるの!?」

 

「なほちゃんと鯉、さっき、せんぱいのカメラにガッツリ映ってた……」

 

「たしかに……でも、コラボするなんて言わなかったよね?」

 

「それはそう。なんで?」

 

 

そう言ってこいちゃんが浮遊カメラを覗き込む。

こいちゃんの質問に反応するように続々と視聴者さんからタレコミが入ってくる。

 

 

【あっ……】

 

【これはポカですね】

 

【あのですね、34期生の炎担当が言っちゃってましたね……】

 

【イグってたま~にポンをしでかすよなww】

 

【先輩なのに後輩に迷惑掛けんなよwwww】

 

【これは先輩の威信-100ポインツ】

 

【あーあ、こりゃニアに絞られんぞ~】

 

【まあ、その辺りの緩さがイグの良いとこでもあるし……】

 

【それもそうだな】

 

【視聴者が甘やかすから治らんのだぞ】

 

 

一気に流れていくコメントに情報漏洩の犯人の名前が続々と書きこまれる。

けど、私達にとってはイグ先輩の発信が告知代わりになって、そのおかげで配信スタートしてすぐに視聴者さん達が集まってきてくれているから、むしろありがたいんだけどね。……もしかして、イグ先輩、そこまで見越してた?

 

 

「あ、それは純粋にイグ先輩が言っちゃったんだ」

 

「おかげで視聴者たくさん。うれしい」

 

「それは……そうだね、こいちゃん。あ、あと、今日もイロハもアッシュも赤兎馬もいますっ!!スイは……」

 

「お仕事中」

 

「そうだね。スイはお仕事中です!!」

 

 

武器になっているスイはお仕事中?ってことで、これ以上は私からは配信で言えない。スイが武器になるのはこいちゃんのスキルだから、私から発信すべきじゃないよね。

 

 

「さて先輩達と合流する前に、結構来ている質問に応えちゃいますっ!! コメント多い「どうやってエルフ・エレメンツの先輩方と合流できたか?」、だけど、これは単純にリスポーン地点が近かったからだと思います!!」

 

「鯉となほちゃん、ラッキー」

 

「そうだね~。他の先輩達はバラバラになってるって言ってたから、運が良かったのかも」

 

「そういうこと」

 

 

こいちゃんと相談して先輩達と合流できた理由は運が良かったって理由で誤魔化すことにした。……ちょっと強引だったかもしれないけど、でもそれくらいしか言えないというか、後ろめたいけど……今は仕方ないと思おう。

 

 

【この子ら、やっぱ豪運の持ち主やでえ】

 

【この新人2人だけプレイングが違いすぎるww】

 

【サラッと「運が良い」で済ましてるけど結構凄いよね】

 

【それな。実際に他のグループと合流できたのって1期生除いてこの子らだけだし】

 

【逆に言えばエルエレも運良かったってことか】

 

【そうやね。結構な森の中に居るみたいだし、デバフ調整かも】

 

【今後、他のグループ同士でも交流増えたらコラボも増えるんかな】

 

【どうやろ。他の期だと結構クエスト進めて街から出てないとこが多いし】

 

【結構ちゃんとダンジョン攻略とかやってるイメージ】

 

【そのうち冒険の旅に出るんやろ(適当)】

 

 

少し心配だったけど視聴者さん達も私達が34期の先輩方と合流できた理由をすんなり受け入れてくれたみたい。情報が少ないってこともあって、判断材料が少ないよね。

 

さて、言わなきゃいけないことも言ったし、いよいよコラボ。

 

 

「それじゃ、先輩を待たせても悪いし、合流しちゃおっか」

 

「分かった。初コラボ、記念配信」

 

 

私とこいちゃんは頷き合うと先輩達の方へと駆け寄る。

配信中ってこともあって天使はおとなしめだけど、やっぱり視線は感じる。

 

 

「すいません。お待たせしました」

 

「大丈夫よ。それよりウチのイグが貴方達が配信を始めるより先にコラボのこと漏らしちゃったみたいでゴメンなさい。しっかり絞っておくから……ね、イグ君?」

 

「は、はいっ!! 新人ちゃんたち、申し訳ねえ!!」

 

「イ~グ~? それが貴方の謝り方なのかしら?」

 

「たいっへん、失礼しましたっ!!」

 

「ぱいせん、許す」

 

「あはは、流石だね、こいちゃん……」

 

 

軽快なノリで交わされるニア先輩とイグ先輩の会話にこいちゃんも乗っかる。

結果、綺麗な土出座を披露したイグ先輩の姿にコメント欄が早速加速していく。

 

 

【コラボ開幕、即土下座wwww】

 

【これが変人集団MIDIAX先輩の威厳やでえ】

 

【先輩の威厳とは】

 

【ちゃんと乗っかるこいちゃんも流石www】

 

【いなほちゃんは若干引いてるwww】

 

【当然のように土下座スタートで草】

 

【ニアも笑っちゃってるし】

 

【エルエレはこの緩さとワチャワチャが良いよね】

 

【分かる。この期はホント仲良いよね】

 

【実際、不仲説出てた期とか今回の件で結構重めの空気になってるし】

 

【生き残るためには固まってた方が良いけど、人間関係悪いと揉めるしね】

 

【難儀やでえ】

 

 

先輩達の配信の方でもコメントが増えたみたいで、軽く頷いたニア先輩が溜息をつく。

 

 

「それで、勢いでコラボを始めたは良いんだけど、あまりやることは決まってないのよねえ」

 

「先輩達は普段どんな配信をしているんですか?」

 

「私達は……魔樹の森の探索が多いわね。とは言っても、あまりモンスターは出てこないし雑談をしていることが多いわね。この森、全然来た道がすぐにわからなくなってしまうのよ」

 

「そうみたいですね。エルフの里巡りとかはしないんですか?」

 

「最初はしていたけど……あまり目新しいものはないし、NPCも無表情で居心地悪いのよね」

 

「NPCが無表情? あまりそんな印象はないですけど」

 

「そうかしら? それよりも、気になるコメントが来てるのだけど……」

 

「気になるコメント?」

 

「ええ。それが「エルエレ側と貴方達の画面で、その大狼の姿が違う」っていうコメントなのだけど」

 

「へ? ……それ、本当ですか?」

 

 

アッシュの姿が違う?それってこのモフモフが見えてないってこと?

それは人生の20%くらいは損をしてますね……じゃなくて、それって結構大きなバグじゃない?

 

 

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