疎遠になってた元ガキ大将のムチムチポニテ幼馴染との青春を高校生活から書き直す 作:サニキ リオ
試験の結果が返ってきた。
期末試験は科目が多いせいで解説を聞くのは怠かったが、俺は全てのテストで九十点後半をキープすることができた。
これなら二学期の評価も最高値で着地できる。三学期も最高評価なら内部推薦でも大いに楽ができることだろう。
「カナタ学年一位じゃん! すっご!」
「さすがカナタ君ですね!」
「カナタンはでぃきやーさー!」
成績上位者は廊下の掲示板に張り出されており、俺の名前もそこにあった。
俺の順位に女性陣は大はしゃぎである。
「カナタのおかげで僕もおこぼれにあずかれたよ」
「いくら俺が疑似問作ったって、勉強したのはナイトだ。これもお前の努力の結果だろ」
今回はナイトも大幅に成績を伸ばして六位まで上がってきていた。
「おっ、俺の名前がある!?」
「おめでとさん。これを続けていけば大学の推薦も取りやすいし、親の説得もできるな」
「ああ……ありがとな」
「頑張ったのはお前だ。もっと自分を誇れよ」
ゴワスはなんと十位にランクイン。
あいつの集中力ならできると思っていたが、何とか結果をもぎ取ってくれたようだ。
「それで、女性陣の名前がないのはなんでか聞いてもいいか?」
「不思議なこともあったものね」
「~~~♪」
「こういうときこそ、なんくるないさー!」
俺の言葉に女性陣は一斉に視線を逸らした。
「ほら、カナタの作った疑似問があれば一夜漬けでもいけると思って!」
「つい良いフレーズが試験中に思い浮かんじゃいまして……」
「赤点は回避したさー!」
「お前ら……」
前より成績を落とした女性陣に俺は深いため息をついた。
ちなみに、喜屋武は元から低空飛行なので成績はあまり変わっていなかった。
それから打ち上げと称してカラオケに行ったり、ファミレスで乾杯したりして試験終わりの解放感を目一杯楽しんだ。
「俺、決めたよ。クラファイを主軸にしてやっていく」
帰り道、ゴワスが唐突にそう宣言する。
「クラファイはやっぱり好きだし得意だ。モンテもやってきたし、FPSも触ってはいるけど、プロで狙うならこれしかないと思った」
「決まりだな」
プロゲーマーという一見すると夢物語な職業。
その道へ踏み出したゴワスを俺は嬉しく思う。
「ジャンルが決まったんだから、次は外に発信していくことだ。動画配信とか、大会の記録とか。今からしっかり積み上げていかないとな」
プロという肩書さえ手に入れることができれば、未来で配信界隈がバズったときに解説役やコーチとしての仕事が舞い込むことだって考えられる。
ゲームの腕前だけでなく、トークスキルを鍛えたり、エンタメへの理解を深めていくことも大切だ。
そこまで考えたとき、あるアイディアが俺の脳裏を過った。
「そうだ、ゴワス。お前、漫研に入れ」
「は?」
「ヨシノリと同じで兼部って形で入部して、俺たちの生放送にゲストとしてちょくちょく出る。ちょうど冬コミも近いからな」
そこそこ視聴者がいるコンテンツでゴワスが出られそうなものといえば〝放課後K&Kラジオ〟だ。あのコンテンツのおかげでケイコ先輩をバズらせることもできて、今ではニヤ生界隈でも大きなコンテンツとなっている。
「でも、いきなり入って出演したところでなぁ」
「お前は夏コミでも話題になっているし、動画投稿者として少しずつ実績を重ねたあとならどうとでもなるって」
ただゴワス自体に知名度を付けるのは難しいと言わざるを得ない。
俺、トト先、ケイコ先輩。この三人はラノベ作家、イラストレーター、漫画家として知名度があるから視聴者も見にくる。
かろうじてコラボで許されてもアミくらいのものだろう。
自称動画投稿者の一般男子高校生は需要が低い。
「ま、安心しろ。策はある」
「本当かよ……」
俺にとってもゴワスがネットで有名になるのは、後々宣伝になるから助かる。
それに、この経験もまた小説の糧になるからな。