疎遠になってた元ガキ大将のムチムチポニテ幼馴染との青春を高校生活から書き直す 作:サニキ リオ
カミラの聖剣の連載開始は一月の後半からだ。
作業も作画担当のケイコ先輩や担当編集の根本さんのおかげでサクサク進んだ。
三箇日を犠牲にした怪我の功名か、俺は残り少ない冬休みを謳歌できる状態になった。
「どうしたもんかなー……」
予定なき休みというのは、総じて手持ち無沙汰になるものだ。
机の上には片付けきれなかった栄養ドリンクの瓶と、流動食を飲むためのシェイカーが転がっていた。死ぬ気の執筆期間ほどではないが、なかなかに酷い光景である。
窓の外は晴れているのに、部屋の空気だけがどこか取り残されたように静かだ。
「……はぁ」
思わず、ため息とも笑いともつかない息が漏れる。
俺が過去に戻ってきてから青春をやり直して十ヶ月が経とうとしていた。
最高の友人たちと共に青春を過ごす。
それは楽しいだけでなく、ときに苦しいことでもあった。
その中で俺にはわかったことがある。
人の本質は変わらない。だけど、表への出力の仕方で人からどう思われるかは変えられる。
どこまで行っても俺は執筆マシーンであることには変わりない。
例えば、愛夏の真心籠った料理も俺にとってはただの栄養補給に過ぎない。
それでも、残さず食べて、感謝の言葉も忘れないという工程を挟むだけで愛夏自身の感じ方は大きく変わる。
俺自身も、料理を作ってもらっているという事実に対して感謝を言葉にすることで、ただの栄養補給だけではなく、誰かとの繋がりとして日常を実感できるようになった。
結局のところ、どう行動するかによって感情も結果も後からついてくるのだ。
そんな当たり前のことを、ようやく理解しはじめたのかもしれない。
「とりあえず、掃除だな」
椅子から立ち上がり、ストレッチをしながら部屋を見回した。
三箇日を戦場に変えたこの部屋も、ようやく休戦ムードだ。
机の上に積まれたゴミの類を整理し、ノートパソコンを閉じる。
手を動かしていると、思考が少しずつクリアになっていく。
執筆漬けの三日間で、部屋だけじゃなく頭の中まで澱んでいたのかもしれない。
ゴミ袋を縛り、床の埃を軽く掃く。
その音がやけに静かな部屋に響いた。
今はその静けさが、むしろ心地よかった。
書き上げた原稿の余熱。
走り切った達成感と、ほんの少しの虚脱感。
次に何を書こうかという高揚感。
それらが混ざり合い、胸の奥でかすかに揺れていた。
「いや、待てよ……どうせならただの新作じゃなくて……」
ふと浮かんだ言葉を口にした瞬間、脳の奥がかすかに熱を帯びた。
この二周目で得た繋がり。
それを活かしてこそできる創作活動。
誰かの情熱が、別の誰かの作品を押し上げる。
この連鎖の中で、二周目の俺もまた刺激を受けてきた。
もうすぐ二周目が始まって一年が経とうとしているのだ。
せっかくだし、現時点の自分がどこまでやれるか試してみようじゃないか。