疎遠になってた元ガキ大将のムチムチポニテ幼馴染との青春を高校生活から書き直す   作:サニキ リオ

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第355話 新入部員ゲット

 トト先には一通り事情を説明したあとの出来事だった。

 椅子に座っていたケイコ先輩が目を瞑って両手を組んでいた。

 さっきまでケイコ先輩は内容を噛み砕いてトト先に説明していた。

 トト先が理解したと思ったら、急にこうなってしまったのだ。

 

「あの、ケイコ先輩?」

 

 心配になって声をかけた瞬間、ケイコ先輩はくわっと目を見開いた。

 

「作戦会議始めます!」

「おー」

 

 その言葉に、トト先が無表情のまま拍手をする。

 よくよく見てみれば、その目は輝いていた。

 ケイコ先輩も同じだ。

 メガネの奥の目が、キラキラしている。

 二人とも、明らかにテンションが高い。

 

「なんでそんなにテンション高いんですか……」

 

 ノリノリな二人についていけず、ため息が零れ落ちた。

 二日間の徹夜の疲労が、どっと押し寄せてきたのもある。

 身体が重いし、頭もぼんやりしている。

 

「こんな非日常的な状況、滅多にないからね」

 

 ケイコ先輩が、楽しそうに笑う。

 

「並行世界移動に、タイムリープ。全部、漫画や小説の中の話だと思ってたのに……!」

「リアルな体験談、聞ける。最高」

 

 小さく頷くと、何か閃いたトト先は原稿にGペンを走らせる。

 

「「そして何よりも――漫画の糧になる」」

 

 二人が声を揃えて言った。

 ああ、そうだった。この二人はクリエイターなんだ。

 どんな状況でも、ネタにしようとする。

 

 経験を全て創作の糧にする。

 俺と同じように、それが性の人たちだった。

 ついていけないのか、伊代はずっとおろおろしている。

 視線が泳いでいて、落ち着きがない。

 

「あの、私、何がなんだか……」

「大丈夫大丈夫」

 

 ケイコ先輩が、グッとサムズアップをする。

 

「とりあえず、流れに任せて」

「は、はい……」

 

 唯一クリエイター気質ではない伊代は、力なく頷いた。

 

「まずは二人とも、ここに名前を書いて」

 

 ケイコ先輩が用紙を二枚取り出して、俺と伊代に差し出す。

 受け取って見ると、それは入部届だった。

 

「いや、なんでですか!」

「ほら、将来有望な部員はほしいじゃん? それに田中君、ヨシノリさんとゴワスくんって人たちもいないから、二年生いないんだよね」

「それはわかりますけど、今そういう話じゃないでしょ」

「まあまあ」

 

 ケイコ先輩が、なだめるように手を動かす。

 

「書くだけ書いといて。損はしないから」

「釈部長が二周目みたいなキレ散らかし方したらどうするんですか……」

 

 俺は溜息をつく。横目で見ると、伊代はされるがままに入部届へ名前を書いていた。

 

「はい、確かに受理しました」

 

 二人で入部届を差し出すと、ケイコ先輩は満足そうに受け取った。

 

「よし。これで君たちも漫研の一員だね」

「あの、私創作とかさっぱりなんですけど……」

「大丈夫。ここの部員は大半がそうだから」

 

 伊代へウインクすると、ケイコ先輩が立ち上がり、部室の隅にあるホワイトボードを引っ張り出してくる。

 マーカーを手に取って、キャップを外す。

 

「じゃあ、情報を整理しよっか」

 

 そう言うと、ケイコ先輩はホワイトボードに俺が語った情報を書き始めた。

 

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